「凍土壁はできないと思います」10/12小出裕章さん講演×映画「ママの約束」(文字起こし)



「1兆1000億ベクレルのセシウムというものは、 一般の皆さんが1年間にこれ以上取り込んではいけないという量に比べるなら、 多分1000万人分位の量になる」10/12小出裕章さん講演×映画「ママの約束」(文字起こし)の続き


志葉:
そうなってくると、いかに汚染水を海へ流出させないかということがかなり重要になってくると思うんですが、
そこのところ、先日増山監督が
服部洋一前衆議院議員や他のメンバーが福一の現場に行きまして視察をやったんですね。
凍土壁のことも視察に行ったんですけれども、
そこのところの説明を


遮水壁・凍土壁

3

増山:
今日お越しいただいている服部良一先生に見せていただいたんですけれども、
凍土壁を今東電はつくっていて、
地下30mまでパイプを落としてパイプに冷却剤を入れて地下を凍らせて、
阿武隈山脈から毎日流れてくる地下水をストップさせるという計画なんだそうですが、
それを実際に見てみたら、
このくらいのパイプなんですよ、このくらいの(直径20cmぐらい?)パイプがあるんです。
私は凍土壁ってもっと大きな、少なくても感じからいって2mぐらいの直径のものが広がっていて、
世界最先端のようなものを考えていたんですけれども、
服部さんに見せていただいた映像だと、本当に近所の公園にあるみたいな、
すごくパイプも小さくて、「本当にこれで汚染水がブロックできるのかな?」
ということをすごく疑問に思ったんですけれども、
小出さんは東電が計画している遮水壁、凍土壁の計画というのは成功すると思いますか?

小出:
思いません。
放射能汚染水の話でも聞いていただきましたけれども、
溶けてしまった原子炉がどこにあるかわからないのです、今。
だからひたすら水をかけていくわけですけれども、
さっき聞いていただいたようにそれが汚染水になって溢れてくるという、仕方のないことなんですね。
そのほか地下水が流れ込んできていますので、
それがまた汚染水になってしまっているという、
もうどうにもならない事態なのです。
わたしは、2011年の3月に事故が起きたわけですけれども、5月の段階で
「地下に遮水壁を巡らさなければいけない」と発言しました。
溶けた炉心と地下水が接触するようなことになれば、
もう汚染の拡散を止めることができなくなるので、
それが接触しないように、原子炉建屋周辺に深い遮水壁を張り巡らせる必要があると5月に発言したのです。
政治家の人にも何人にも伝えました。
そして「やる」と言ってくれたんですけれども、
6月に東京電力の株主総会が予定されていて、
遮水壁をつくろうとすると1000億円のお金がかかってしまう。
そんなことを言ったら株主総会が乗り越えられない。と言って、
東京電力はその案を取らなかったのです。
結局遮水壁はできないまま、ズルズルズルズルと日が延びてきて、
ようやく1年ぐらい前になって、「やっぱり作らなければダメだ」と言って、
国と東京電力が「やる」と言った訳ですけれども、そのつくると言った遮水壁がいま麗奈さんが言った
凍土壁といっているやつで、
パイプを打ち込んでそのパイプの周りの土を凍らせて、
凍らせた壁で地下水を遮断するという案を出しているのです。
しかし、凍土壁というのは
例えばトンネルなんかを掘ろうとしてそこが地下水が噴き出してくるようだと工事ができないので、
「その場所だけ凍らせる」というためにこれまでやってきた技術なんです。
確かにその実績はあるんですけれども、
今福島第一原子力発電所で作ろうとしている凍土壁は、
いま麗奈さんが言ったように深さ30mまで、そして長さは1.4kmというところの壁をつくろうという。
・・・出来ないと思います、私は。
どこか一箇所が破れればそこから水が入ってきてしまうわけですから、
何の意味もないということになってしまいますので、
凍土壁はできないと思います。
ただし、ゼネコンは喜ぶわけです。
とにかくやってみればお金が入ってくる。
やってみて失敗すればまた次のでお金が儲かる。
ですから今は凍土壁というのをやろうとしている。
たぶんそれが出来ないで、きちんとした遮水壁をつくらざるを得なくなってしまうと
私は思いますけれども、
もう、あまりにも遅すぎた。
3年半の間にどんどん放射能の汚染水が海へ流れていっているわけですし、
これからも本当の遮水壁ができるまでは何年もの歳月がかかってしまいますので、
また汚染水が流れていってしまうと思います。
でもやらなければいけません。
やるためにも労働者が被曝を繰り返しながらやるという、そういう作業になってしまいます。


志葉:
本当に、小出さんが最初に言ってた頃につくっていれば
だいぶ汚染を減らせたんじゃないかと思うんですけれども
服部前衆議院議員に聞いた話なんですが、
凍土壁も凍るところと凍らないところがあって、
凍るところは水圧があんまり強くない。
で、凍らないところは水圧が強いところだ。
つまり、水圧が強いということはそこからジャージャー流れているわけですから、
そこが凍らなかったら何の意味もないのに、というようなことをね、
麗奈さんはこの前インタビューしてるんですけど、見れるんですよね、その動画。


増山:
はい。日本海賊TVというんですけど、ustreamのチャンネルがあるんですけど、
そこで毎週金曜日に私はレギュラー番組をもたせていただきまして、
いまアーカイブが最新の映像で出ています。
ぜひお家に帰ってから、もしくはスマホでチェックしていただいて、
「増山麗奈の地球は一つ」という番組の第3回目に映像がありますので、ぜひみなさんご覧ください。
びっくりすると思います。

志葉:
駆け足で申し訳ないんですけれども、
やはり小出先生がおっしゃっているように、もう自民党政権は本当にひどいですね。
なんか、まるで福島第一原発の事故がなかったかのようなんですけど、
小出先生から見られて、日本の原発は問題だらけですけれども、
特に今このことを、例えば私はメディア関係者ですけれども、記事に書いてもらいたいとか、
こういうことはとにかく一般の人々に伝えたいとか、
いろいろあるんでしょうけれども、あえて言うとすれば何かありますか?

小出:
今日私は原子力発電なんて決してやってはならないということを話しをさせていただいたわけで、
心底そう思います。
「原子力発電なんて決してやってはならない」と思うし、
今、ありがたいことにはこの電気は完全にNuclear Freeですね。
原子力発電は一基も動いていない。
それでも電気の供給に何の支障もないという、そういう状態が今あるわけですから、
それを私は続けたいと思っているのです。
残念ながら、今志葉さんも言ってくださったけれど、
自民党政権というのは福島の事故をなかったことにしてしまおうとしている訳で、
今止まっている原子力発電所もともかく動かそうとしているわけですね。
その一番乗りが九州電力の川内原子力発電所に、今なろうとしているわけですが、
わたしは1基でも動かし始めてしまうなら次々とまたやられてしまうという危惧をしていますので、
とにかく今戦うべきは「川内原子力発電所を決して動かさせない」ということだと思います。
そのためにジャーナリストの方も力を貸していただければありがたいですし、
自民党という、このどうにもならない悪党の集団をですね、
できれば刑務所に、安倍さんを筆頭にして刑務所に入れたいと思っていますし、
彼らの思うようにはさせないということを皆さんにも力を貸して欲しいと思っています。

志葉:
安倍首相は「絶対安全が確保されない限り原発は動かさない」というようなことを言っているわけなんですけど、
その一方で、今年の7月に九州に行った時には地元の経済界の人間に
「川内はなんとかするから」というようなことを言っててちぐはぐなんですが、
増山監督は今日小出さんにあって、映画を作って、この間取材なんかもあって、
改めて、小出先生がおっしゃったように原発なんて、そんなものはっていう感じだろうけど、
とりあえずあなたの言葉で言ってください。


増山:
小出先生がおっしゃるように、仙台原発の再稼動に私も絶対に反対なんですけれども、
一つ懸念しているのが、そういうことを訴える、報道しているジャーナリストたちへの圧力が強まっていることなんですね。
今、報道ステーションで川内原発についての原子力委員会の記者会見の編集の方法がちょっと恣意的だったということで、古舘さんが謝り、その後テレ朝の社長さんが謝り、
それでも「放送倫理に問う」みたいな形でまだ問題視されているんですよ。
で、報道ステーションは先日志葉さんの友人でもあった岩路ディレクターが亡くなったということがありまして、
あれも背景はわかりませんけれども、除染の問題を、福島の問題をずっと追求しているジャーナリストが亡くなったということがありまして、「なんだか真実を発表しにくい世の中になっているな」という危機感をとても感じています。
私自身もこの映画をこんな形にまとめるにあたって、雑誌や新聞の中ではカットされてしまう部分があって、
でもそういうところが一番大事じゃないかなと思って、
訴えるところがもしメディアでなかったら、自分でindependentで作ろうという思いで、映画という形にしたんですけれども、まだまだ発信力不足でありますので、みなさんのお力を借りながら、こういうことをどんどん発信し続けたいと思っています。
誰かが、メディアが報道してくれると思ったら、もう間に合わないと思います。
市民の人たちもどこに真実があるのかということを小出先生のレクチャーを聞きながら、
専門家の方のご意見も聞きながら、絶対追求してやるっていうか、
今原発を止め続けている、原発ゼロをキープさせ続けている力は、
なんだかんだ言っても市民の力だと私は思っています。
3年経って忘れてしまいそうになることもあるかもしれませんが、
今こそ踏ん張りどきかなという気がしていまして、
秘密保護法も通させない。
みなさん力を合わせて活動していけたらいいなと思います。


志葉:
秘密保護法だけじゃないんですね。
先ほど話した報道ステーションに対する圧力。
で、また、朝日新聞に対する圧力。
露骨に政権を批判するようなメディアに対して徹底的に攻撃をするのが安倍政権のやり口なんですよね。
で、秘密保護法が施行されたら、それを悪用するのは火を見るよりも明らかなので、
お互いにみんなで守ろうとか、市民側の方もこれから結束していく必要が、以前にも増して出てきているんじゃないかなと思うわけです。

あと、小出先生、映画をご覧になられてどうでしたか?
子供達は割ともうわかっているという感じがしましたよね、原発に関して。


小出:
みんなわかっているでしょ、原子力発電所が安全だなんて思っている大人はまず、私はいないと思います。
子供ももちろんそうだろうと思います。
ただ大人の方は要するに「経済が大切だ」と刷り込まれて、
「金だ金だ」になってしまっているのだと思いますが、
つい先日5月21日に福井地方裁判所で、大飯原子力発電所の差し止め裁判の判決が出ました。
私は日本の裁判には絶望していて、
原子力に関する限り裁判所がちゃんと国と戦うなんていうことはあり得ないと思っていたのですが、
大飯原子力発電所の差し止め裁判の判決は誠に素晴らしいものでした。
「一番大切なのは金じゃない」と、「命なんだ」と。
「国民が豊かに自分の生活を送れるようにすることこそが大切なのである」ということを明言してくれましたし、
子供は生まれた時からそう感じてくれているんだと思いますが、
年をとってだんだん社会に入っていくと、
いつの間にか「金の方が大切だ」と思ってしまう大人が増えてくるということだろうと思いますが、
大人にも目を覚まして欲しいと。
ここまで来てなぜ目が覚めないのか、と私は思います。


志葉:
本当に、大人こそ目を覚まさないといけないということでしたね、増山監督。

増山:
今日は小出先生、志葉さんに来ていただいて、お話を聞かせていたいて本当にありがとうございました。


ーおわりー



<福島第一原発視察最新状況>
4号機使用済み核燃料・汚染水対策・凍土壁・今後について/服部良一×増山麗奈(文字起こし)





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No title

何故こんな実現もおぼつかない不思議な仕事をやっているのかと
言うことに目を向けています。

現場事業としては凍土壁工事の完成に努力するということなんで
しょうが、経営の方からすると出来る出来ないの話しでは無いの
ではありませんか?

東電は総原価方式ですから、どんなに費用がかかろうが失敗
しようが構わない、社内的に無駄遣いの責任も追求されない。

現在原発停止状態で建設工事会社への発注が極めて細く
なっていますから。原発ムラの鹿島へ仕事を発注してあげないと
いけないのでしょう。経産省や官僚・自社からの天下り先や、
それから無論バックぺイも欲しいのです。

要するに現代日本の東電を中心にしているワイロ経済社会を
こうして廻して行かないといけないと急遽凍土壁プランをひね
くりだしたのでしょう。原発ムラが再稼働しないと日本の経済が
大変なことになるという意味が理解できると思います。

応札が広く公開されたということでもなかったようで、鹿島一社
だけ?、取りあえずの工事予定金額は400億円とも、もしも完成
したとして一年間の維持管理費は30億円とも・・金額数字が
不確かでご免なさい。

工事目的の地下水の流れをストップ出来るかどうかなんてを
彼らは問題になんかしていないでしょう。貴ブログ記事でも掲載
されていましたが、とってつけの断熱計算とか熱負荷計算の
質問をさせる為に御用学者を呼んできてましたね。