10/10(金) ①増山麗奈の地球は1つ! 第3回 福島原発 (ゲスト 服部良一 志葉玲)
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服部良一
志葉玲
増山麗奈
06:02〜

増山:
先日服部さんが原発ゼロの会のみなさんと一緒に福島第一原発の視察をされたということで、
いま報道も減っている中実際に現場がどういう様子だったのか?ということを細かくお聞きしたいと思います。
今日はよろしくお願いいたします。
服部さんが視察に行かれたのはいつだったんですか?
服部:
9月22日です。
去年も同じ時期に初めて福島の原発の中に入らせてもらったんですけれども。
増山:何人ぐらいのメンバーで行かれたんですか?
服部:
国会議員の現職が7名。
それから前議員3名、合計10名と、
あとは秘書とか撮影班とかそういうスタッフを入れて総勢20名ぐらいだったと思います。
検査したりして、結局入るのにね、ものすごく時間がかかりますから、
実際の中を周ったのは、せいぜい2時間程度だったんじゃないかと思います。
それでも結局1日仕事ですよね。
増山:福島第一原発の中はどういうルートで周って、どの辺を視察されたんでしょうか?
服部:
今回の一番の目玉といいますか、僕にとっての初めての体験というのは
やっぱり原子炉建屋の中に初めて入ったということです。
4号炉なんですけれども、
ご存知のように使用済み核燃料のプールに使用済み燃料がいっぱい入っていたわけですけど、
それの取り出し作業を今ずっと続けているわけですよね。
ですから建屋の中の使用済み燃料プールのももうすぐそばまで行ってですね、
そこを上から覗いて、その関連機器、
それを取り上げるためのクレーンだとか、
そういう現場の状況を見てきました。
最新F1状況
4号機の使用済み核燃料はどうなっているの?

服部:これは4号建屋の中でね。
増山:すごいところまで入られたんですね。
服部:
これが使用済み核燃料のプール。
我々がここ(手前)に立っているんだけどね、
二手に分かれたので、手前と奥の人がいるところでみてて。
増山:
プールってこんなに小さいものなんですか。
25mプールよりも小さいですよね。
人の大きさからみて。
服部:
プール自身は昔のままだけどね、
この上にクレーンを作ったりレールを敷いたり、
こっち側に4号建屋と縁を切った形でね、大きな鉄骨を組んでいるわけよ。
「東京タワーと同じ鉄骨の量や」って言って、なんか、えらい自慢してたけどさ。
増山:4号機の中っていうのは実際人が入れる程度の線量なんですか?
服部:
僕らが見たプールの真横の上で、その時の線量が大体80マイクロシーベルトぐらいだったかな。
60〜80
大体ね、100マイクロシーベルト内で収まるらしい。
一番高いところで今回100マイクロシーベルトまでだったかな。
間、でも年間線量にしたら高いよね。
(毎時80マイクロシーベルトのところに1年間いたら700ミリシーベルト/年の被曝)
増山:ずっと居たら大変なことになりますね。
志葉:4号機の使用済み燃料を移し替えているのは、進捗状況はどうなんですか?
服部:あのね、今8割終わっているって。
志葉:そんなに。
増山:そんなに終わっているんだ。
服部:
うん。
だから目標としては「年内には取り出しを終わりたい」ということなんだけど、
曲がったやつとかね、取りにくいやつがあるので、
ちょっとそこはどうかな?という感じはあるんだけど、
形状がしっかりしたやつについては、まあ、今の所は順調に取り出しが終わっているみたいね。
志葉:かなり難しいというふうに言われていたんですけど、
服部:
8割と聞いて僕もそれはね、ちょっとびっくりしたんだけど、
一番懸念されていた、震度6強とか7ぐらいの余震なり地震がきたら崩壊するんじゃないか、
という話がちょっとあって、
そこが国際的な懸念だったんだけど、まぁ、もう一息っていう感じではあるよね。
ただ、1、2、3号炉にも同じように溜まっているわけだから、
「この4号炉が終わったらそっちの方の取り出しをしたい」みたいなことを言ってたけどね。
ただまあ、状況が違うから、線量とかね。
志葉:
そうですね。
4号機は結局線量は対してはそうでもないんですけれども、
1、2、3が大問題ですよね。
服部:
そうそう。大問題だしね。
だからデブリの溶けた形状とか存在がどこにあるか?というのが今まで全然わからない。
だから今冷却水をどんどんかけてね、汚染水を無限大に増やしているわけだけど、
昨日東大教授から、名誉教授かな、からは
「もうぼちぼち乾式冷却に切り替えることができるんじゃないか」と
いうような提案が東電側にされたんだけど、
「それは東電としても一応検討はしている」と。
しかし、デブリがどこにあってどういう形状をしているか?というのが把握できないと、
よかれと思ってたら全然違うところでね、発熱して、また放射能を大量に撒き散らすことも考えられるから、
ちょっとそこは、なかなか今すぐ乾式ということにはならないんだと。
増山:乾式冷却というのはどういうシステムのことなんですか?
服部:
ようするに簡単に言えば空気で冷やすということ。
空気を循環させてね。
今は水でやっているわけだけど、
志葉:
だいぶ前にBS11で小出さんにコメントしてもらったけど、
「金属を流し込んで」というのとはまた別なんですか?乾式は。
服部:
ああ、それはなんかあるんじゃないかな?
「冷却剤が水だけじゃないよ」ということですけどね、
何か別の固形の金属の冷却剤を流し込んで、
そこで冷却を保持できる、その熱をどうやって拡散していくのか、
そこが僕はよくわからないんだけどさ、
そういう提案も当然専門家からあって、取るべきだと思うけど、
ただそれも確かに言われてみたら、どこにデブリがあるかということがある程度わからないと、
なかなか難しいかなと思うんだけど、
じゃあ、そのデブリがいつになったらわかるんだ?と、形状が。
そこが?なんだよね。

服部:これが4号路の横に作っているものすごく大きな鉄骨。
増山:金属構造物というか、隣に作っている意味はなんなんですか?
服部:
だから、4号路を抱きかかえるような形で鉄骨を組んで、
それでそこにいろいろ取り上げ用のクレーンだとか、そういったものを設置しているわけ。
志葉:そのまま乗っけちゃうと潰れるから
服部:
そう、潰れるから。
だから鉄骨がいるわけよ。
方持ちっていうか、ぐっと出すでしょ、鉄骨を。
で、こっちで力を持たすためにものすごく大きな部材になってしまうのね。
志葉:そういった重機なんかを乗せる足場みたいなものですかね。
服部:まぁ、そうそう。端的に言えばね。
15:30〜
汚染水対策は?
服部:
安倍さんが「完全にコントロールしてます」みたいな大嘘をついて建木だったんですけど、
あれから1年経って、汚染水問題がどうなっているだろう?というのが一つの大きな関心事でした。
で、その関連の、汚染水が原子炉建屋に流れ込む前に井戸で組み上げるバイパス設備といいますか、
その現場であるとか、
それから本当にどれだけの効力を発揮するかわからないんだけれども、
凍土壁を作っている現場であるとか、
そういう汚染水対策の現状というところを見てきたんですね。

服部:これは凍土壁を作っている現場やね。こんな感じなんです。
増山:えっ、凍土壁って「地下掘って」と思ってたんですけど。
服部:地下にずーっと送っているわけよ、凍らすためのをね。
増山:え・・どこが地下掘っているところなんですか?
服部:だからここに管があって、ここからずっと送っているみたいよ。

増山:
へぇ〜〜〜、・・・しょぼいですね。
私はもっと世界最先端のすごい技術かと思ったら、
服部:うん、
志葉:凍土壁のこの夏「凍らなかった」っていうことに関しては何か説明はありました?
服部:
東電の説明としては、いわゆる水の圧力を受けるようなところ。
要するに「流量がある程度あるっていうところは非常に難しい」と。
ところがあんまりそういうところがないところについてはね、
効力を発揮するんじゃないかという見方をしていてね、
だからちょっとやってみないとわからない感じだよね。
ある程度流れがあるようなところっていうのは、
やっぱりどうしても全部を塞ぐっていうわけにはいかなくて、
一部漏れていたらそこからどんどん、固まりきらないところから崩れるとか、
いろんな現象が多分あるんだと思うけど。
それからもう一つね、僕もちょっと「それはどうなのかな?」と思ったんだけど、
毎日400トンの地下水が原子炉建屋に流れ込んで増え続けているっていうのは、
これはまぁ共通認識なのよね。
で、その前に井戸から地下水をくみ上げて直接バイパスして海へ流すということだとか色々やっているんだけど、
「実際その効果はどうなんですか?」ということを質問したのね。
「どれくらい効果が上がっているんですか?」
それが不明なのよ、不明。
一時的に400トンのやつが120トンぐらいに減った現象は出たらしい。
でもそれが恒常的に続くのか、
あるいはそれがバイパス井戸だけで出たんじゃないというのは東電もわかっていてね、
だからそれがいろんな要素が絡み合ってて、一時的に120トンに減ったということなんだけど、
そこが非常に先が見えない現状ですよね。
で、凍土壁が効果を上げるのにはまだまだ半年先とかということらしいので、
もう少し先に経たないとわからない。
原子炉建屋の水、400トンを、どの程度流入を減らせるのか?
だから非常にまだ見えないという状況ですよね、今現在は。
19:44
今後の課題

服部:
それからちょうど行った日の当日の東京新聞が「工事重複ひしめく敷地」ということでね、
福島第一の現状をちょうど報道していたんですね。
それで、これには1日6000名というふうに書いていますけれども、
去年行った時には3000名ぐらいだったんですね。
それが今は6000名。
それから入構するときに放射能を感知するものをそれぞれ個人個人持つわけですけれども、
私が行った時はなんか8000ぐらい出ているって言ってましたから、
実際には6000名じゃなくて7000名を超える労働者が中へ入っている現状だっていうことがよくわかりました。
で、そういう中で本当に素人のといいますか、経験の少ない労働者もいっぱい入っているわけで、
本当に放射線防護対策安全対策が十分に行われているのか?
それから今年の春に死亡労災事故が起きているわけですね、福島の構内で。
ですからやっぱりそういった労働者の安全の問題、労働環境が一体どうなっているのか?
そういうところも大きな関心事として行ったんですね。
そういうところです。
ーがすごく多いんです。
増山:徹夜?
服部:
そう徹夜。
というのは、昼間は暑くてね、防護服なんかを着るものだから作業にならないらしいんですよね。
それで、夜多くの労働者が仕事をしているということで、実際に昼のーーー
ま、努力しているのはわかるけれど、必ずしも先が見えたとはわからないというのが率直なところで、
僕は本当に、若干飛躍かもしれないけど「そんな状態で本当にオリンピックをやれるのかな?」と。
で、オリンピックの方にいろんな建設工事の人がどんどん取られていく、
資材も人もね、取られていくわけで、
逆に福島の復興をまた、なおざりにされるんじゃないかという声も上がっているんだけど、
福島の原発の工事だって一緒だと思うんですよね。
それで各地で再稼働がどんどん進められていくということになると、
それぞれの全国の原子力発電所にまた原発の技術屋さんが職員というか作業員含めて引っ張っていかれるわけだから、
僕はまず、福島をもっと徹底的に検証し、廃炉への道筋、それから汚染水対策がね、
もっと目に見える形で明らかになるまでね、
そんな、再稼動をやろうとかオリンピックをやりましょうとか、
そういう浮ついた話はやめるべきだと僕は思っているわけよ。
それで、東電から新しい話としてちらっと聞いたのは、
「自分たちはあくまで発電会社と思ってた」と。
「しかし、福島第一原発を考えた時にはもう我々は廃炉業者だ」と。
「廃炉事業をやるんだというふうに頭の切り替えをしていかなければならない」というふうにそのチームの責任者から説明があったんです。
それは僕はね、納得というか、そうだと。
いつまでも昔みたいな「東電でござえ」みたいなねそういうような発電会社という発想じゃなくて、
やっぱり廃炉を東電として全力でやるんだという感覚でね、
やっぱり社員の意識も切り替えて、
体制も切り替えてね、やる必要があるし、
そういう状況にようやく現場の方は進みつつあるのかな、という、
それは一つの、去年と違う一つの印象だったかなとは思いましたけどね。
増山:
全国の老朽化した原発の廃炉をどうするか?ということがもう現実問題として目の前に迫っていると思うんですが、東電としてはそういう全国の原発廃炉をするという意識もあるんですか?
服部:
いや、東電としてはそれはないよ。
「ないよ」というか、あくまで柏崎は再稼働だし、
福島の第二だって再稼働したいわけだからね。
ただやっぱり福島第一については、1から4はもちろんの事、
5、6も含めて廃炉ということが一応決まったわけだから、
やっぱりそこに携わる職員たちはそういう思いでやっているというだけであって、
東電全体がどうするかということについてはね、
それはやっぱり他の電力会社とか、あるいは国の政策に従って再稼働ということは変わらないでしょう。
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服部良一
志葉玲
増山麗奈
06:02〜

増山:
先日服部さんが原発ゼロの会のみなさんと一緒に福島第一原発の視察をされたということで、
いま報道も減っている中実際に現場がどういう様子だったのか?ということを細かくお聞きしたいと思います。
今日はよろしくお願いいたします。
服部さんが視察に行かれたのはいつだったんですか?
服部:
9月22日です。
去年も同じ時期に初めて福島の原発の中に入らせてもらったんですけれども。
増山:何人ぐらいのメンバーで行かれたんですか?
服部:
国会議員の現職が7名。
それから前議員3名、合計10名と、
あとは秘書とか撮影班とかそういうスタッフを入れて総勢20名ぐらいだったと思います。
検査したりして、結局入るのにね、ものすごく時間がかかりますから、
実際の中を周ったのは、せいぜい2時間程度だったんじゃないかと思います。
それでも結局1日仕事ですよね。
増山:福島第一原発の中はどういうルートで周って、どの辺を視察されたんでしょうか?
服部:
今回の一番の目玉といいますか、僕にとっての初めての体験というのは
やっぱり原子炉建屋の中に初めて入ったということです。
4号炉なんですけれども、
ご存知のように使用済み核燃料のプールに使用済み燃料がいっぱい入っていたわけですけど、
それの取り出し作業を今ずっと続けているわけですよね。
ですから建屋の中の使用済み燃料プールのももうすぐそばまで行ってですね、
そこを上から覗いて、その関連機器、
それを取り上げるためのクレーンだとか、
そういう現場の状況を見てきました。
最新F1状況
4号機の使用済み核燃料はどうなっているの?

服部:これは4号建屋の中でね。
増山:すごいところまで入られたんですね。
服部:
これが使用済み核燃料のプール。
我々がここ(手前)に立っているんだけどね、
二手に分かれたので、手前と奥の人がいるところでみてて。
増山:
プールってこんなに小さいものなんですか。
25mプールよりも小さいですよね。
人の大きさからみて。
服部:
プール自身は昔のままだけどね、
この上にクレーンを作ったりレールを敷いたり、
こっち側に4号建屋と縁を切った形でね、大きな鉄骨を組んでいるわけよ。
「東京タワーと同じ鉄骨の量や」って言って、なんか、えらい自慢してたけどさ。
増山:4号機の中っていうのは実際人が入れる程度の線量なんですか?
服部:
僕らが見たプールの真横の上で、その時の線量が大体80マイクロシーベルトぐらいだったかな。
60〜80
大体ね、100マイクロシーベルト内で収まるらしい。
一番高いところで今回100マイクロシーベルトまでだったかな。
間、でも年間線量にしたら高いよね。
(毎時80マイクロシーベルトのところに1年間いたら700ミリシーベルト/年の被曝)
増山:ずっと居たら大変なことになりますね。
志葉:4号機の使用済み燃料を移し替えているのは、進捗状況はどうなんですか?
服部:あのね、今8割終わっているって。
志葉:そんなに。
増山:そんなに終わっているんだ。
服部:
うん。
だから目標としては「年内には取り出しを終わりたい」ということなんだけど、
曲がったやつとかね、取りにくいやつがあるので、
ちょっとそこはどうかな?という感じはあるんだけど、
形状がしっかりしたやつについては、まあ、今の所は順調に取り出しが終わっているみたいね。
志葉:かなり難しいというふうに言われていたんですけど、
服部:
8割と聞いて僕もそれはね、ちょっとびっくりしたんだけど、
一番懸念されていた、震度6強とか7ぐらいの余震なり地震がきたら崩壊するんじゃないか、
という話がちょっとあって、
そこが国際的な懸念だったんだけど、まぁ、もう一息っていう感じではあるよね。
ただ、1、2、3号炉にも同じように溜まっているわけだから、
「この4号炉が終わったらそっちの方の取り出しをしたい」みたいなことを言ってたけどね。
ただまあ、状況が違うから、線量とかね。
志葉:
そうですね。
4号機は結局線量は対してはそうでもないんですけれども、
1、2、3が大問題ですよね。
服部:
そうそう。大問題だしね。
だからデブリの溶けた形状とか存在がどこにあるか?というのが今まで全然わからない。
だから今冷却水をどんどんかけてね、汚染水を無限大に増やしているわけだけど、
昨日東大教授から、名誉教授かな、からは
「もうぼちぼち乾式冷却に切り替えることができるんじゃないか」と
いうような提案が東電側にされたんだけど、
「それは東電としても一応検討はしている」と。
しかし、デブリがどこにあってどういう形状をしているか?というのが把握できないと、
よかれと思ってたら全然違うところでね、発熱して、また放射能を大量に撒き散らすことも考えられるから、
ちょっとそこは、なかなか今すぐ乾式ということにはならないんだと。
増山:乾式冷却というのはどういうシステムのことなんですか?
服部:
ようするに簡単に言えば空気で冷やすということ。
空気を循環させてね。
今は水でやっているわけだけど、
志葉:
だいぶ前にBS11で小出さんにコメントしてもらったけど、
「金属を流し込んで」というのとはまた別なんですか?乾式は。
「…正気の沙汰とは思えない」小出裕章氏
2013年9月22日 BS11 ウイークリーニュースONZE
コントロールできる? 原発汚染水の現実(内容書き出し)
服部:
ああ、それはなんかあるんじゃないかな?
「冷却剤が水だけじゃないよ」ということですけどね、
何か別の固形の金属の冷却剤を流し込んで、
そこで冷却を保持できる、その熱をどうやって拡散していくのか、
そこが僕はよくわからないんだけどさ、
そういう提案も当然専門家からあって、取るべきだと思うけど、
ただそれも確かに言われてみたら、どこにデブリがあるかということがある程度わからないと、
なかなか難しいかなと思うんだけど、
じゃあ、そのデブリがいつになったらわかるんだ?と、形状が。
そこが?なんだよね。

服部:これが4号路の横に作っているものすごく大きな鉄骨。
増山:金属構造物というか、隣に作っている意味はなんなんですか?
服部:
だから、4号路を抱きかかえるような形で鉄骨を組んで、
それでそこにいろいろ取り上げ用のクレーンだとか、そういったものを設置しているわけ。
志葉:そのまま乗っけちゃうと潰れるから
服部:
そう、潰れるから。
だから鉄骨がいるわけよ。
方持ちっていうか、ぐっと出すでしょ、鉄骨を。
で、こっちで力を持たすためにものすごく大きな部材になってしまうのね。
志葉:そういった重機なんかを乗せる足場みたいなものですかね。
服部:まぁ、そうそう。端的に言えばね。
15:30〜
汚染水対策は?
服部:
安倍さんが「完全にコントロールしてます」みたいな大嘘をついて建木だったんですけど、
あれから1年経って、汚染水問題がどうなっているだろう?というのが一つの大きな関心事でした。
で、その関連の、汚染水が原子炉建屋に流れ込む前に井戸で組み上げるバイパス設備といいますか、
その現場であるとか、
それから本当にどれだけの効力を発揮するかわからないんだけれども、
凍土壁を作っている現場であるとか、
そういう汚染水対策の現状というところを見てきたんですね。

服部:これは凍土壁を作っている現場やね。こんな感じなんです。
増山:えっ、凍土壁って「地下掘って」と思ってたんですけど。
服部:地下にずーっと送っているわけよ、凍らすためのをね。
増山:え・・どこが地下掘っているところなんですか?
服部:だからここに管があって、ここからずっと送っているみたいよ。

増山:
へぇ〜〜〜、・・・しょぼいですね。
私はもっと世界最先端のすごい技術かと思ったら、
服部:うん、
志葉:凍土壁のこの夏「凍らなかった」っていうことに関しては何か説明はありました?
服部:
東電の説明としては、いわゆる水の圧力を受けるようなところ。
要するに「流量がある程度あるっていうところは非常に難しい」と。
ところがあんまりそういうところがないところについてはね、
効力を発揮するんじゃないかという見方をしていてね、
だからちょっとやってみないとわからない感じだよね。
ある程度流れがあるようなところっていうのは、
やっぱりどうしても全部を塞ぐっていうわけにはいかなくて、
一部漏れていたらそこからどんどん、固まりきらないところから崩れるとか、
いろんな現象が多分あるんだと思うけど。
それからもう一つね、僕もちょっと「それはどうなのかな?」と思ったんだけど、
毎日400トンの地下水が原子炉建屋に流れ込んで増え続けているっていうのは、
これはまぁ共通認識なのよね。
で、その前に井戸から地下水をくみ上げて直接バイパスして海へ流すということだとか色々やっているんだけど、
「実際その効果はどうなんですか?」ということを質問したのね。
「どれくらい効果が上がっているんですか?」
それが不明なのよ、不明。
一時的に400トンのやつが120トンぐらいに減った現象は出たらしい。
でもそれが恒常的に続くのか、
あるいはそれがバイパス井戸だけで出たんじゃないというのは東電もわかっていてね、
だからそれがいろんな要素が絡み合ってて、一時的に120トンに減ったということなんだけど、
そこが非常に先が見えない現状ですよね。
で、凍土壁が効果を上げるのにはまだまだ半年先とかということらしいので、
もう少し先に経たないとわからない。
原子炉建屋の水、400トンを、どの程度流入を減らせるのか?
だから非常にまだ見えないという状況ですよね、今現在は。
19:44
今後の課題

服部:
それからちょうど行った日の当日の東京新聞が「工事重複ひしめく敷地」ということでね、
福島第一の現状をちょうど報道していたんですね。
それで、これには1日6000名というふうに書いていますけれども、
去年行った時には3000名ぐらいだったんですね。
それが今は6000名。
それから入構するときに放射能を感知するものをそれぞれ個人個人持つわけですけれども、
私が行った時はなんか8000ぐらい出ているって言ってましたから、
実際には6000名じゃなくて7000名を超える労働者が中へ入っている現状だっていうことがよくわかりました。
で、そういう中で本当に素人のといいますか、経験の少ない労働者もいっぱい入っているわけで、
本当に放射線防護対策安全対策が十分に行われているのか?
それから今年の春に死亡労災事故が起きているわけですね、福島の構内で。
ですからやっぱりそういった労働者の安全の問題、労働環境が一体どうなっているのか?
そういうところも大きな関心事として行ったんですね。
そういうところです。
ーがすごく多いんです。
増山:徹夜?
服部:
そう徹夜。
というのは、昼間は暑くてね、防護服なんかを着るものだから作業にならないらしいんですよね。
それで、夜多くの労働者が仕事をしているということで、実際に昼のーーー
ま、努力しているのはわかるけれど、必ずしも先が見えたとはわからないというのが率直なところで、
僕は本当に、若干飛躍かもしれないけど「そんな状態で本当にオリンピックをやれるのかな?」と。
で、オリンピックの方にいろんな建設工事の人がどんどん取られていく、
資材も人もね、取られていくわけで、
逆に福島の復興をまた、なおざりにされるんじゃないかという声も上がっているんだけど、
福島の原発の工事だって一緒だと思うんですよね。
それで各地で再稼働がどんどん進められていくということになると、
それぞれの全国の原子力発電所にまた原発の技術屋さんが職員というか作業員含めて引っ張っていかれるわけだから、
僕はまず、福島をもっと徹底的に検証し、廃炉への道筋、それから汚染水対策がね、
もっと目に見える形で明らかになるまでね、
そんな、再稼動をやろうとかオリンピックをやりましょうとか、
そういう浮ついた話はやめるべきだと僕は思っているわけよ。
それで、東電から新しい話としてちらっと聞いたのは、
「自分たちはあくまで発電会社と思ってた」と。
「しかし、福島第一原発を考えた時にはもう我々は廃炉業者だ」と。
「廃炉事業をやるんだというふうに頭の切り替えをしていかなければならない」というふうにそのチームの責任者から説明があったんです。
それは僕はね、納得というか、そうだと。
いつまでも昔みたいな「東電でござえ」みたいなねそういうような発電会社という発想じゃなくて、
やっぱり廃炉を東電として全力でやるんだという感覚でね、
やっぱり社員の意識も切り替えて、
体制も切り替えてね、やる必要があるし、
そういう状況にようやく現場の方は進みつつあるのかな、という、
それは一つの、去年と違う一つの印象だったかなとは思いましたけどね。
増山:
全国の老朽化した原発の廃炉をどうするか?ということがもう現実問題として目の前に迫っていると思うんですが、東電としてはそういう全国の原発廃炉をするという意識もあるんですか?
服部:
いや、東電としてはそれはないよ。
「ないよ」というか、あくまで柏崎は再稼働だし、
福島の第二だって再稼働したいわけだからね。
ただやっぱり福島第一については、1から4はもちろんの事、
5、6も含めて廃炉ということが一応決まったわけだから、
やっぱりそこに携わる職員たちはそういう思いでやっているというだけであって、
東電全体がどうするかということについてはね、
それはやっぱり他の電力会社とか、あるいは国の政策に従って再稼働ということは変わらないでしょう。
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