12.19
Fri
2014年12月13日
独占「小出先生に教えてもらっちゃおう!」
小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教)
K子さん(世界を股にかける写真家)
I 子さん(某大学美人教授)
きーこ(ただの人)
I 子:再処理工場で原発の1年分が1日で出るっていうのはガスの分で、
小出:
例えば原子力発電所の運転中にどういう放射性物質が出ているかというと、
希ガスというのが一部出て行く。
それから、トリチウムも一部出て行く。
で、他の放射性物質は、昔はかなり出ていた時代もあったんですけれども、
今は廃液処理というのもかなり厳密にやるようになっていて、
ほとんど出てない、データを見る限りは出てない。
I 子:伊方のデータ?
小出:
はい、そうです。伊方のデータなどを見ると出てないんですよ。
再処理工場では、じゃあどれだけ出るか?というと、
六ヶ所再処理工場が安全審査を受けるときの申請書があって、
希ガスだったらこれだけ出します。
トリチウムだったらこれだけ出します。
他の放射性物質は、コバルトはこれだけとか、セシウムはこれだけとかリストがある訳ですけれども、
それで比較していくと、例えばセシウムとかコバルトなんていうのは、
原子力発電所の方は今ほとんど出さないわけですから、再処理工場は倍率で言えば猛烈な倍率になってしまう。
I 子:オーダーで言うと100、千、万
小出:
ええ、まあ、実際の再処理工場がどうだという事がわからないし、
原子力発電所が今出していないというのも、実際には「検出限界以下」だと言っているわけですから、
あんまり数字の比較そのものができないわけですね。
でも希ガスに関しては、今でも原子力発電所から、
「それぞれの原子力発電所でこれだけ出しました」っていう数値としてのデータがある。
それで、六ヶ所の再処理工場も希ガスに関しては一切補足ができないので、
必ず出すということが分かっている。
きーこ:なんか高ーい煙突なんですよね。
小出:そうです、120mの高い
きーこ:ということは近所に住んでいる人は平気だけども、ちょっと遠くに、
小出:そうです。
だから比較がしやすいので、私は希ガスで比較して、
原子力発電所が1年で出すものを1日ごとに出すというように言っているんです。
トリチウムも、多分、そんなオーダーですよね。
原子力発電所ではほとんど閉じ込めているけど、でも閉じ込めきれないのを流しています。
原子力発電所が認めているし、六ヶ所再処理工場はトリチウムも全量放出すると。
手がないんですもの。必ず出すということが分かっているので比較がしやすい。
多分希ガスとあまり変わらない、原子力発電所の1年分が再処理工場では毎日という、
そういう量だと思います。もっと多いかもしれないけど。
きーこ:上からも下からもっていうこと…
K子:ほんと深刻ですよ。
I 子:海の遠いところに流しますっていうのもそれは量はもうわからない?
小出:
それはですね、原子力発電所もそうだし、私の原子炉実験所もそうですけれども、
原子力施設というのは濃度規制があるんですよ、今は。
環境に放射性物質を流す時には、これこれこれ以下の濃度にしなさい、と書いてあるんですけれども、
原子力発電所は簡単なんです、その濃度規制を守るのが。
なぜかというと、原子力発電所は温排水という膨大な冷却水を流している。
例えば100万kwの原子力発電所なら、1秒間に70トンという海水を流しているわけです。
1秒間に70トンを超えるような川は日本には30も無いというぐらい巨大な川ができるわけです。
ですから、どんな放射性物質もその巨大な川に流してしまえば、完璧にクリアできる。
きーこ:うすまっちゃうんですか、
小出:
「薄まった」という理由で。
だから、原子力発電所はその濃度規制を全く軽々とクリアするわけですけれども、
再処理工場の場合には冷却水が必要ないわけだから、
薄める水がないんですよ。
薄める水がない上に、量としては原子力発電所の何百倍何千倍あるいはもっと、の量をだすわけですから、
どうなるか?というと、再処理工場に関しては濃度規制を撤廃してしまった。
K子:おぉーー!
小出:笑
きーこ:いい加減〜
小出:
その代わり、沿岸で出したらまずいだろうということで、
沿岸から4kmまで、海底にパイプを這わせて、
深さ40mだったかな、海底からバーーッて噴き出させる
K子:うっわ〜〜っ
きーこ:噴き出すなんて、
I 子:そんなの北海道の湾とかあっちの方に向かっていくんじゃないですかね。
小出:
そうなれば、海は広いな大きいなで薄まるからいいですよという、そういう規制の仕方です。
ですから、再処理工場はトリチウムもそうだけれども、
濃度規制なんて初めから全然守れないという状態になっている。
K子:もう全部、汚染する核物質が出ちゃうということですよね。
小出:
そうです。
だから「トリチウムは全量捨てる」と言っているわけです、再処理工場も。
I 子:じゃもう、セラフィールドはそれをガンガンやっちゃっているわけなんですね、イギリスの。
小出:
イギリスの、
そうです、セラフィールド、ウィンズケールというところももちろんやっているし、
フランスのラ・アーグもやっているし、
世界中再処理工場はすべて、トリチウムに関しては全量放出。
I 子:今、再処理工場はイギリスとフランスとどこ?
小出:
イギリス、フランス、軍事用で言えば、もちろん米国にもロシアにも中国にもありますけど、
商業用でやっているのは、基本的にはフランスですよね。
イギリスのセラフィールドはほとんど動いてないですから。
K子:ただ、そこの環境がものすごく悪くなって、病気の人が多いとかっていう話ですよね。
小出:
再処理工場の周り?
そうです。
I 子:因果関係がああだこうだ言ってるけどね、
小出:
子供の白血病が多いということはイギリス政府もちゃんと認めているんですよね。
ただその白血病が多いのが「被曝のせいではない」という、イギリス政府の主張で、
だから今、福島で甲状腺癌が多いというのはみんなが認めるけれども、
「でもそれは被ばくの影響ではない」というのが日本政府の言い分
I 子:「ない」なんて科学的に証明できないですよね。
小出:
できないです。
だから今は全く証明も何もできない。
だから彼らも、言い方がすごい汚いというかね、
「ない」ないと、あたかもないかのように言いながら、
「なさそうだ」ぐらいのことしか言えない。
本当は言えない。
今までの知見で言うと、どうもなさそうだという、そんなところですよね。
でもこれから調べてみないと本当はいけないことだと。
I 子:
「ない」というのを証明するのは難しいじゃないですか。
「見つからない」というのは言う方も巧妙だけど、
聞く方も「ああ、じゃあないのか」って認めちゃうのっていけないですよね。
K子:それはなんか安心したいから、耳に聞こえのいい方を選んじゃうっていう傾向がありますよね。
つづく
ーー
六ヶ所村再処理工場から出ている海底の配管って、どっちの方向に出ているのか?
知りたくなりました。
六ヶ所村再処理工場との位置関係を見てみましょう。Yahoo地図
地図で

写真で


もうちょっと広域に

少し離れて見るだけで、4kmなんて全然遠くじゃないってことがよくわかる。
すぐ近くに出しちゃう…
六ヶ所再処理工場2012年のパンフレットより

特徴
当基地は、貯蔵基地と中継ポンプ場および太平洋沖合 3km にある一点係留ブイの 3 つの施設で構成されていて、これらの施設は、全長 12km(4km の海底配管と 8km の陸上移送配管)のパイプラインで結ばれています。
ついでに活断層

六ヶ所再処理工場より
高い煙突からビューッ!

海底の配管からバーッ!

独占「小出先生に教えてもらっちゃおう!」
小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教)
K子さん(世界を股にかける写真家)
I 子さん(某大学美人教授)
きーこ(ただの人)
I 子:再処理工場で原発の1年分が1日で出るっていうのはガスの分で、
小出:
例えば原子力発電所の運転中にどういう放射性物質が出ているかというと、
希ガスというのが一部出て行く。
それから、トリチウムも一部出て行く。
で、他の放射性物質は、昔はかなり出ていた時代もあったんですけれども、
今は廃液処理というのもかなり厳密にやるようになっていて、
ほとんど出てない、データを見る限りは出てない。
I 子:伊方のデータ?
小出:
はい、そうです。伊方のデータなどを見ると出てないんですよ。
再処理工場では、じゃあどれだけ出るか?というと、
六ヶ所再処理工場が安全審査を受けるときの申請書があって、
希ガスだったらこれだけ出します。
トリチウムだったらこれだけ出します。
他の放射性物質は、コバルトはこれだけとか、セシウムはこれだけとかリストがある訳ですけれども、
それで比較していくと、例えばセシウムとかコバルトなんていうのは、
原子力発電所の方は今ほとんど出さないわけですから、再処理工場は倍率で言えば猛烈な倍率になってしまう。
I 子:オーダーで言うと100、千、万
小出:
ええ、まあ、実際の再処理工場がどうだという事がわからないし、
原子力発電所が今出していないというのも、実際には「検出限界以下」だと言っているわけですから、
あんまり数字の比較そのものができないわけですね。
でも希ガスに関しては、今でも原子力発電所から、
「それぞれの原子力発電所でこれだけ出しました」っていう数値としてのデータがある。
それで、六ヶ所の再処理工場も希ガスに関しては一切補足ができないので、
必ず出すということが分かっている。
きーこ:なんか高ーい煙突なんですよね。
小出:そうです、120mの高い
きーこ:ということは近所に住んでいる人は平気だけども、ちょっと遠くに、
小出:そうです。
だから比較がしやすいので、私は希ガスで比較して、
原子力発電所が1年で出すものを1日ごとに出すというように言っているんです。
トリチウムも、多分、そんなオーダーですよね。
原子力発電所ではほとんど閉じ込めているけど、でも閉じ込めきれないのを流しています。
原子力発電所が認めているし、六ヶ所再処理工場はトリチウムも全量放出すると。
手がないんですもの。必ず出すということが分かっているので比較がしやすい。
多分希ガスとあまり変わらない、原子力発電所の1年分が再処理工場では毎日という、
そういう量だと思います。もっと多いかもしれないけど。
きーこ:上からも下からもっていうこと…
K子:ほんと深刻ですよ。
I 子:海の遠いところに流しますっていうのもそれは量はもうわからない?
小出:
それはですね、原子力発電所もそうだし、私の原子炉実験所もそうですけれども、
原子力施設というのは濃度規制があるんですよ、今は。
環境に放射性物質を流す時には、これこれこれ以下の濃度にしなさい、と書いてあるんですけれども、
原子力発電所は簡単なんです、その濃度規制を守るのが。
なぜかというと、原子力発電所は温排水という膨大な冷却水を流している。
例えば100万kwの原子力発電所なら、1秒間に70トンという海水を流しているわけです。
1秒間に70トンを超えるような川は日本には30も無いというぐらい巨大な川ができるわけです。
ですから、どんな放射性物質もその巨大な川に流してしまえば、完璧にクリアできる。
きーこ:うすまっちゃうんですか、
小出:
「薄まった」という理由で。
だから、原子力発電所はその濃度規制を全く軽々とクリアするわけですけれども、
再処理工場の場合には冷却水が必要ないわけだから、
薄める水がないんですよ。
薄める水がない上に、量としては原子力発電所の何百倍何千倍あるいはもっと、の量をだすわけですから、
どうなるか?というと、再処理工場に関しては濃度規制を撤廃してしまった。
K子:おぉーー!
小出:笑
きーこ:いい加減〜
小出:
その代わり、沿岸で出したらまずいだろうということで、
沿岸から4kmまで、海底にパイプを這わせて、
深さ40mだったかな、海底からバーーッて噴き出させる
K子:うっわ〜〜っ
きーこ:噴き出すなんて、
I 子:そんなの北海道の湾とかあっちの方に向かっていくんじゃないですかね。
小出:
そうなれば、海は広いな大きいなで薄まるからいいですよという、そういう規制の仕方です。
ですから、再処理工場はトリチウムもそうだけれども、
濃度規制なんて初めから全然守れないという状態になっている。
K子:もう全部、汚染する核物質が出ちゃうということですよね。
小出:
そうです。
だから「トリチウムは全量捨てる」と言っているわけです、再処理工場も。
I 子:じゃもう、セラフィールドはそれをガンガンやっちゃっているわけなんですね、イギリスの。
小出:
イギリスの、
そうです、セラフィールド、ウィンズケールというところももちろんやっているし、
フランスのラ・アーグもやっているし、
世界中再処理工場はすべて、トリチウムに関しては全量放出。
I 子:今、再処理工場はイギリスとフランスとどこ?
小出:
イギリス、フランス、軍事用で言えば、もちろん米国にもロシアにも中国にもありますけど、
商業用でやっているのは、基本的にはフランスですよね。
イギリスのセラフィールドはほとんど動いてないですから。
K子:ただ、そこの環境がものすごく悪くなって、病気の人が多いとかっていう話ですよね。
小出:
再処理工場の周り?
そうです。
I 子:因果関係がああだこうだ言ってるけどね、
小出:
子供の白血病が多いということはイギリス政府もちゃんと認めているんですよね。
ただその白血病が多いのが「被曝のせいではない」という、イギリス政府の主張で、
だから今、福島で甲状腺癌が多いというのはみんなが認めるけれども、
「でもそれは被ばくの影響ではない」というのが日本政府の言い分
I 子:「ない」なんて科学的に証明できないですよね。
小出:
できないです。
だから今は全く証明も何もできない。
だから彼らも、言い方がすごい汚いというかね、
「ない」ないと、あたかもないかのように言いながら、
「なさそうだ」ぐらいのことしか言えない。
本当は言えない。
今までの知見で言うと、どうもなさそうだという、そんなところですよね。
でもこれから調べてみないと本当はいけないことだと。
I 子:
「ない」というのを証明するのは難しいじゃないですか。
「見つからない」というのは言う方も巧妙だけど、
聞く方も「ああ、じゃあないのか」って認めちゃうのっていけないですよね。
K子:それはなんか安心したいから、耳に聞こえのいい方を選んじゃうっていう傾向がありますよね。
つづく
ーー
六ヶ所村再処理工場から出ている海底の配管って、どっちの方向に出ているのか?
知りたくなりました。
海洋放出管
日本原燃の核燃料の六ヶ所再処理工場から処理中に発生するトリチウムやヨウ素129等の放射性廃棄物を海洋放出する放出管の位置です。Xマークが付いたブイが四隅に浮いてます。この中心の海底40mほどに放出口があるそうな。。。。
六ヶ所村再処理工場との位置関係を見てみましょう。Yahoo地図
地図で

写真で


もうちょっと広域に

少し離れて見るだけで、4kmなんて全然遠くじゃないってことがよくわかる。
すぐ近くに出しちゃう…
六ヶ所再処理工場2012年のパンフレットより

特徴
当基地は、貯蔵基地と中継ポンプ場および太平洋沖合 3km にある一点係留ブイの 3 つの施設で構成されていて、これらの施設は、全長 12km(4km の海底配管と 8km の陸上移送配管)のパイプラインで結ばれています。
ついでに活断層

六ヶ所再処理工場より
高い煙突からビューッ!

海底の配管からバーッ!

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