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こんなことしていて大丈夫なのか?大丈夫なわけがない!


スクープ「個人線量計が最大4割低く表示」福島県内の子供が危ない!
ジャーナリスト・桐島 瞬 (更新 2015/1/28 07:00)

どの程度被曝したかを知るために福島の住民が首からぶら下げているガラスバッジ。

ガラスバッジは100円ライターほどの大きさの容器に特殊なガラス素材を封入。放射線を照射した後に紫外線を当てると発光する現象を利用し、個人の積算被曝量を測定する線量計だ。

首から紐で吊るして胸や腹の辺りに固定し、一定期間使用後に回収し、トータルの被曝量を利用者に知らせる。

その表示が空間線量率(周辺線量当量)に対し、最大4割も低く示されることがわかった。

住民からは「正しい数値を示さないなら余計な被曝を強いるだけだ」と反発の声が上がっている。

ガラスバッジ製造の最大手メーカー千代田テクノル」が測定値のズレを認めたのは、1月15日

伊達市で開かれた市議会議員政策討論会の席だ。

参加者の一人が説明する。

「プレゼンテーションをした執行役員がデータを示しながらこう言ったのです。『ガラスバッジを前面装着した状態で正面から放射線を浴びれば空間線量率とほぼ同じ数字を表示する。だが、前後左右からくまなく浴びる状態では0.6~0.7倍にしかならない。福島のような全方向から放射線が押し寄せる状況をきちんと考えずに住民にガラスバッジを配ってしまって申し訳ない』と。数値の違いを認め、謝罪までしたことには正直、驚きました」

伊達市の高橋一由市議はこう憤った。

空間線量率より最大で4割も低く表示される線量計を配ってどうするのか?」

ガラスバッジで住民の被曝管理をすることの問題点を一貫して唱え、当日の討論会にも参加したフクロウの会の青木一政氏も言う。

「一方向から放射線を浴びることが多い放射線業務従事者向けに設計されたものを住民の被曝管理用として使うこと自体が無謀。しかも、子供が装着した場合の影響については実験さえしていないというのですから呆れました」

ガラスバッジは本来、原発作業員やレントゲン技師などが使用するもの。だが、福島第一原発事故以降、福島県の各自治体が住民へ配布するようになった。

だが、実は放射線管理区域でない低線量の場所では正しく機能しないとの指摘は以前からあった。原発内で放射線管理員として働いた経験もある男性がこう指摘する。

「一定の線量がないとガラスバッジは正しく表示しない。千代田を含む大手メーカーに確認したところ、毎時10マイクロシーベルト以下の環境では性能試験をしていないため、測定値の保証はできないと言われました。特に横方向から放射線を浴びた場合、形状的に0.6倍程度の被曝量しか反映されないというのです」

この男性は3カ月、ガラスバッジに一定量の放射線を当てる実験をしてみた。すると積算量として3.8ミリシーベルトを示さないといけないのに、0.45ミリシーベルトしか測定されなかったという。問題なのは、こうしたガラスバッジ測定で得られた正しくない個人被曝線量データが、除染、帰還政策などの復興を進める際の参考に使われていることだ。一例を挙げよう。

昨年8月、環境省と復興庁などは「除染・復興の加速化に向けた国と4市の取組」の中間報告をまとめ、伊達市などのガラスバッジ調査の数字を基に、空間線量率が高くても個人線量は低く抑えられるなどとした。

具体的には毎時0.3~0.6マイクロシーベルト程度の地域に住んでいても年間被曝量は1ミリシーベルト程度とし、それまで目安としていた毎時0.23マイクロシーベルトを棚上げしてしまったのである。

同時に被曝管理を空間線量率ではなく、個人線量で行う方針も打ち出した。だが、肝心の個人線量を計測するガラスバッジの値が低く表示されていれば、この政策は意味をなさなくなる。

それでは、住民の実際の被曝量はどれだけなのだろうか。千代田テクノルのガラスバッジを使用する南相馬市が昨年6月から8月にかけて約7千人の市民を対象に実施した個人線量調査がある。それによると年間被曝推計値が1ミリシーベルトを超える人は13%で、9割近くが国の目標値内に収まる。だが、実際は4割低いことを考慮して再推計すると、実に全体の40%の市民が1ミリシーベルトを超える被曝をしていることになるのだ。

南相馬市や福島市は「メーカーから4割低く表示されるという説明を受けたことはない」と困惑。伊達市に至っては、「当該の討論会に職員は参加していないので、今後、事実関係を確認していく」と話した。

千代田テクノルに取材をすると、ガラスバッジが空間線量率よりも4割低く表示されることに対して、こう回答した。

(4割低くなることについて)そう説明しましたが、数値は本来、人への被曝の影響を測るべき『実効線量』とほぼ等しいものです。我々は法令に沿ってきちんと精度が確認された測定器を販売しているので、福島の住民に使用してもらっても差し支えないものだと考えています」

また、4割低いデータが行政に使われていることに関しては、「メーカーが答える立場にはありません」と回答した。

福島で子供の甲状腺検診を行っている北海道がんセンター名誉院長の西尾正道氏が言う。

「いまの低線量の福島ではガラスバッジの数字は当てになりません。実効線量だって正しく検証されていないのです。放射線を扱う仕事をしている人たちでも年1ミリシーベルト以上の被曝をするのは全体の約5%。それなのに福島の子供たちは間違いなく年間1ミリ以上、被曝しているこのままいけば10年後には免疫不全などの健康被害が増える危険性がある。帰還を進めるなら、最低でも年1度の全身健康管理が絶対に必要です」

住民が将来の健康に不安を抱くようなことがあってはならない。

(ジャーナリスト・桐島 瞬)

※週刊朝日 2015年2月6日号





これを踏まえて、去年の記事


“放棄”される除染 政官財の非情
ジャーナリスト・桐島瞬,本誌・小泉耕平 (更新 2014/8/28 07:00)

環境省は8月1日、これまでの空間線量から個人線量を重視する新たな方針を発表。福島県内の4市で行った調査の結果をもとに、空間線量が毎時0.3~0.6マイクロシーベルトの場所の住民で年間1ミリシーベルト程度の被曝になるとし、0.23は除染目標ではないと主張し始めたのだ。ジャーナリストの桐島瞬と本誌・小泉耕平が取材した。

だが、被災地からは、まやかしの方針転換だと不満が噴出している。

「国がやろうとしているのは、除染がうまくいかなかったから基準を引き上げるということ。なし崩し的に除染を放棄するつもりではないか」(郡山市の住民)

三春町に住む橋本加代子さんもこう怒る。

「個人線量といっても、家族全員が違う。近所の学校に歩いて通う子供と、10キロ離れた郡山の会社へ車で通勤する私とでも被曝量は異なります。第一、個人線量を測るガラスバッジは子供だけに配られ、大人は持っていない。子供にしても、首からぶら下げるのは嫌だと常時身につけている子のほうが少ないのです。そんな状況で、年間1ミリシーベルトを下回る人が多いから、除染はしないと言われてもまったく説得力がない」

橋本さんの高校生の娘は、原発事故が起きた11年の7月から9月の2カ月間で、おそよ0.5ミリシーベルトの被曝をしたことがわかっている。その後、被曝量は徐々に下がっているとはいえ、いまだ自宅やその周辺は除染されていないという。

「毎時10マイクロシーベルトを超えるようなホットスポットがまだあるのに」

と、橋本さんは国へ早期除染を訴える。

川俣町に住む新関まゆみさんの自宅は11年12月に除染した。ところが、本誌が8月に測定したところ、地表から1メートルの空間線量は最高で毎時0.4マイクロシーベルト以上だった。

そして線量計を手渡して2階の寝室を測定してもらったところ、毎時0.26マイクロシーベルトもあった。そこで一日7時間半過ごすというから、それだけで年間被曝量は0.7ミリシーベルトを超えてしまう。

新関さんによると、原発事故前の周辺の放射線量は毎時0.04マイクロシーベルト程度だった。震災前と比べて10倍近い放射線がある環境で毎日生活するのは不安だという。

「いまは東京で学生生活を送る娘とここで一緒に暮らしていた頃、『私はメッチャ被曝してしまっているから、もう子供は産めないね』と話していました。それで、2人で山形の米沢に避難したこともありました。本来なら子供を集団避難させるような状況。そうしたことも一切検討せず、除染をないがしろにする方向へ進んでいる

住民だけではない。福島県の各自治体も、環境省が打ち出した突然の方針転換に困惑していた。ある市の除染担当者が打ち明ける。

「空間線量で毎時0.23マイクロシーベルトを基準にする除染方針は、いままで環境省がさんざん言ってきたこと。それを変更するとは、何をいまさらという感じがします。そう思っているのはウチだけでなく他の自治体でも同じですよ。だいたい、ガラスバッジで住民の本当の被曝数値を出すなんて無理。私たちの市では、従来どおり毎時0.23マイクロシーベルトを基準にやります」

今回の方針転換のベースとなった調査に参加した郡山市ですら同様だ。

「郡山市は『ふるさと再生除染実施計画』の中で毎時0.23マイクロシーベルトを除染の基準にしています。この計画を変えるつもりはありません。それに0.23という数値を出したのは、環境省ではなかったのでしょうか?」(原子力災害総合対策課)

※週刊朝日  2014年9月5日号より抜粋











「ガラスバッジ」ブログ

ガラスバッジの積算線量は信用できる?10/28おしどりマコさん・ケンさん(内容書き出し)
&事故前の線量


福一での冷却システム停電・原発事故と福島の子どもたち4/13おしどりマコケン 
ラジオフォーラム(内容書き出し)






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