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03.18
Wed
年間1mSv=0.23μSv/hという数値


日本政府は放射能から住民のいのちを守らない
矢ヶ崎克馬(琉球大学名誉教授)
より

4.汚染に関するもう一つの重大な日本政府の過失
もう一つ日本の汚染表示には重大な誤りがあります。
日本政府の空間線量率を年間被曝線量に換算する係数が 2 倍以上大きなものになっています。
年間 1mSv は、空間線量率(時間当たり)から求めるときには単純に 1 年間の時間を掛けて 1mSvになる 0.114μSv/h が相当します。
ところが日本政府は追加被曝量(自然放射能に加えて原発事故で追加された量)の計算として 0.23μSv/h を年間 1mSv に対応させています(これは自然バックグラウンドとして 0.04μSv/h、原子炉から放出された放射性物質で年間 1mSv に相当する 0.19μSv/h)。
原子炉から放出された追加放射線量を自然放射線量と分離するためとしているようですが、全く誤った係数を使用し、実際の年間被曝線量を半分以下の年間量に計算させています (平成 23年 12 月 19 日放射性物質汚染対処特措法に基づく汚染廃棄物対策地域、除染特別地域及び汚染状況重点調査地域の指定について(お知らせ)による) 。
Fig3 省略

この値を使うと年間被曝量は真値の 60%しか示されません。
例えば、ある場所で測られた空間線量の実測値が 1.50µSv/h であり、自然放射能が 0.04µSv/h, であるとすると

(1)正しい計算:
(1.50 – 0.04)x24x365 = 12.8 mSv/y または, (1.50 - 0.04)/0.114 (inmSv/y) = 12.8 mSv/y, 此処で 0.114μSv/h が 1 mSv/y に対応しています。

(2) 政府の指導に従った正しくない計算:
(1.50 - 0.04)/0.19 (in mSv/y) = 7.7 mSv/y. (これは上記の 60% でしかありません),

此処では 0.19μSv/h が 1 mSv/y に対応するとされています。
モニタリングポストで被曝線量を半分にしたうえに、年間被曝量を計算する係数を不正に大きな値を用い、正規量の 60%しか計量しないようにしているのです。
さらに、チェルノブイリ周辺国では、土地汚染を文字どおりの環境量(24 時間屋外にいたとしての被曝線量)として確認し、その土地汚染レベルを住民保護基準にしています。
そのうえで、屋内の線量も幅広く実測して、土地汚染量と屋内線量の両者を明示しています。
住民の実質的被曝線量を生活時間から時間に比例させて計算し、足し合わせることによって、個々人の被曝線量を計算して、医学的な評価の被曝線量とし得ています。
この実質的被曝線量は「生活量」等と表現できます。
日本政府は環境量としての汚染量を明示せず、いきなり生活量としての実質的被曝線量だけを計算するようにしていて、これも汚染環境の著しい過少評価に直結しています。
このような放射能汚染状況を過少評価させるシステムを稼働させていることは住民の健康被害を増幅させるもので、直ちに、ありのままの汚染を評価するようにしなければなりません。




0.23


東京都環境局
国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠


国(環境省)が示している毎時0.23マイクロシーベルト(μSv)の算出根拠について

環境省では、放射性物質汚染対処特措法に基づく汚染状況重点調査地域の指定や、除染実施計画を策定する地域の要件を、毎時0.23マイクロシーベルト(μSv)以上の地域であることとしました(測定位置は地上50cm~1m)。この数値は、追加被ばく線量年間1ミリシーベルト(mSv)を、一時間あたりの放射線量に換算し、自然放射線量分を加えて算出されています。 (詳しい計算は※の通り)

これは、放射性物質が面的に存在し、一年を同じような放射線量の場所で過ごすことを想定した地域の面的な汚染を判断していくための要件です。局所的に限定された地点での汚染については、滞在時間が短いと考えられるため、必ずしも、この要件が適用されるものではありません。

※線量の換算について

追加被ばく線量年間1ミリシーベルト(mSv)を、一時間当たりに換算すると、毎時0.19マイクロシーベルト(μSv)と考えられます。(1日のうち屋外に8時間、屋内(遮へい効果(0.4 倍)のある木造家屋)に16 時間滞在するという生活パターンを仮定)


毎時0.19マイクロシーベルト(μSv) × (8時間 + 0.4 × 16 時間) × 365 日= 年間1ミリシーベルト(mSv)

測定器で測定される放射線には、事故由来の放射性物質による放射線に加え、大地からの放射線(毎時0.04マイクロシーベルト(μSv))が含まれます。このため、測定器による測定値としては、

0.19 (事故由来分)+0.04 (自然放射線分)=毎時0.23マイクロシーベルト(μSv)

である場合、年間の追加被ばく線量が1ミリシーベルト(mSv)になります。

詳細はこちら
追加被ばく線量年間1ミリシーベルトの考え方(環境省)






追加被ばく線量年間1ミリシーベルトの考え方(環境省)

参考資料
平成 23 年 10 月 10 日災害廃棄物安全評価検討会・環境回復検討会 第1回合同検討会 資料(別添2)

追加被ばく線量年間1ミリシーベルトの考え方

追加被ばく線量は、空間線量率の測定により確認することができ、追加被ばく線量年間1ミリシーベルトは、一時間当たりの空間線量率(航空機モニタリング等の NaI シンチレーション式サーベイメータによる)に換算すると、毎時 0.23 マイクロシーベルトにあたる。
その考え方は、以下のとおり。

追加被ばく線量の考え方
① 事故とは関係なく、自然界の放射線が元々存在し、大地からの放射線は毎時 0.04 マイクロシーベルト、宇宙からの放射線は毎時 0.03 マイクロシーベルトである。
※大地からの放射線、宇宙からの放射線はそれぞれ年間 0.38 ミリシーベルト、年間 0.29ミリシーベルト(文部科学省「学校において受ける線量の計算方法について」(平成23 年 8 月 26 日))であり、これを一時間当たりに換算(24 時間 ×365 日で割る)
した数値

② 追加被ばく線量年間1ミリシーベルトを、一時間当たりに換算すると、毎時 0.19 マイクロシーベルトと考えられる。(1日のうち屋外に8時間、屋内(遮へい効果(0.4 倍)のある木造家屋)に 16 時間滞在するという生活パターンを仮定)
毎時 0.19 マイクロシーベルト × (8時間 + 0.4 × 16 時間) × 365 日= 年間1ミリシーベルト

③ 航空機モニタリング等の NaI シンチレーション式サーベイメータによる空間線量率の測定では、事故による追加被ばく線量に加え、自然界からの放射線のうち、大地からの放射線分が測定されるため、
0.19 + 0.04 = 毎時 0.23 マイクロシーベルトが、追加被ばく線量年間1ミリシーベルトにあたる。
※通常の NaI シンチレーション式サーベイメータでは宇宙からの放射線はほとんど測定されない
※航空機モニタリングに使用する検出器では宇宙からの放射線も検出するが、その分は差し引かれている



本当は年間1mSv=0.114μSv/hだった!
ということは…
平均0.14μSv/hある私が住んでいる東京の端っこって、年間1mSv超になるということ!!!




[ 0.23μSv/h ]=[ 1mSv/y ]の関係
H26.5.29  橋本先生のホームページ

6.
(1)追加線量は、屋内の滞在を考慮し、低減係数 0.4 を用いているが、個人による滞在時間の相違、線源の分布の偏り等、信頼性に課題あり。
ちなみに、全時間を屋外で過ごすと仮定すると、年間 1mSv(実効線量)は、0.114μSv/h となり、0.19μSv/h の約 0.6 倍低くなる(=全時間を屋外で過ごすと仮定した場合が 1mSv でも、屋内の滞在を考慮すると年間
0.6mSv の被ばくである)。

[8]
・1mSv/(365d/y×24h/d) = 0.114μSv/h
*屋内の滞在を考慮しなくても、1cm 線量当量で 0.19μSv/h は、実効線量で約 1mSv に相当する(=滞在時間の不確定性や信頼性に対して、実効線量で見れば 1mSv を担保している)。









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| 2015.03.26 14:55 | 編集
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