<原子力規制委員長田中発言>事実誤認は田中委員長の方。決定の内容を真摯に受け止めるべきだ

再稼働差し止め「事実誤認多い」 規制委員長“反論”
TBS4月15日(水)18時58分

高浜原発の再稼働を認めない福井地裁の仮処分決定について、原子力規制委員会の田中委員長は「事実誤認が多い」と指摘し、規制基準を見直す考えはないことを明らかにしました。
 
「非常に重要なところの事実誤認がいくつかあるなと思っている」(原子力規制委員会 田中俊一委員長)

福井地裁は14日、原子力規制委員会の適合性審査に合格している高浜原発3・4号機について、再稼働を認めない仮処分決定を出しました。

これについて、規制委員会の田中委員長は、決定の理由に書かれた「地震の揺れの想定」や一部の設備の「耐震性」などに事実誤認があると指摘しました。
その上で、福井地裁が新たな規制基準を「緩やかにすぎ、合理性を欠く」と批判したことについては、「世界で最も厳しいレベルにあり、理解されず残念」と話し、現時点で見直す考えはないことを明らかにしました。(15日22:59)





元原子力安全委員会事務局参与・原子力市民委員会
滝谷紘一さんのメッセージ

みなさま(拡散希望)

高浜原発運転差止仮処分判決について、15日の原子力規制委員会の定例記者会見において、田中俊一規制委員長は「この裁判の判決文を読む限りにおいては、事実誤認、誤ったことがいっぱい書いてあります」と述べ、その具体例の一つとして「耐震重要度分類で給水設備はBだと書いてありますけれども、これはSクラスです。」と述べました。この発言について事実関係を調べたところ、判決要旨にある使用済み核燃料プールの「給水設備」は判決本文中での「冷却設備」を指しており、これはBクラスで正しいことがわかりました。従って事実誤認ではありません。

以下は、調べた内容です。
◆田中発言での「給水設備」は、判決文の理由の要旨「4.使用済み核燃料」の文末にある「使用済み核燃料プールの給水設備の耐震性もBクラスである。」に関することです。

4月15日の規制委員長記者会見録がHPに掲載されましたので、関連部分2箇所をコピペしますと、
○田中委員長
私も細かいことを全部調べているわけではありませんが、耐震重要度分類で給水設備はBだと書いてありますけれども、これはSクラスです。

〇田中委員長
(略)プールの水がなくなるというのは非常に重要なことですから、そうならないようにということで、プール自体も、プールに給水するところも、あるいはプールの水を監視する水位計等も、みんな耐震上はSクラスにしています。

◆従来の耐震設計審査指針及び新規制基準規則の第4条(地震による損傷の防止)では、
①「使用済み燃料を貯蔵するための設備」(←上記のプール)はSクラス
②「使用済み燃料を冷却するための施設」はBクラス


なお、冷却水供給の水源である燃料取替用水タンクはSクラスですが、判決文要旨での「給水設備」は、本文では「冷却設備」として記述されているので②に該当し、Bクラスは正しい。従って、田中委員長の発言にある「給水設備はSクラス」というのは、事実誤認です。
また、田中発言の「プールに給水するところ」が燃料取替用水タンクを指すのであれば、それはSクラスで正しい。(このタンクはECCSの水源にもなっているので、Sクラスです。)
Sクラスの燃料取替用水タンクと使用済み燃料プールがBクラスの冷却設備でつながっていることになります。


◆田中委員長の発言は、判決本文をよく読まずに給水設備を燃料取替用水タンクに矮小化した「すり替え批判」です。「地震が設計基準動を超えるものであればもちろん、超えるものでなくても使用済燃料プールの冷却設備が損壊する具体的可能性がある」との判決文は妥当です。

滝谷紘一(原子力市民委員会メンバー)





2015年4月21日東京新聞朝刊 こちら特報部
IMG_0054_2015042210461829a.jpg
(文字起こし)

関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の再稼働差し止めを命じた福井地裁の仮処分決定について、、原子力規制委員会の田中俊一委員長が「事実誤認が幾つかある」と発言した。
これに対して、申し立てた住民側からは「事実誤認は田中委員長の方。決定の内容を真摯に受け止めるべきだ」という反発の声が上がっている(上田千秋)

規制委員長こそ事実誤認
論点すり替え 突然、非常電源に言及


決定が出たのは14日。
地裁は規制いいインが定めた新規制基準について「緩やかに過ぎ、合理性がない」と指摘し、基準に適合したとしても原発の安全性は確保されず、再稼働は認められないと結論づけた。

翌15日に開かれた会見で田中委員長は、3、4号機の使用済み核燃料を貯蔵するプールの給水設備について、裁判女の決定が耐震性が低いBクラスだとしてことについて
「Bだと書いてあるが、これは(最高の)Sクラス」と指摘。

外部電源が絶たれると、原発の冷却機能が不安定になるとの記述については
「SBO(全電源喪失)を防ぐということで、非常用発電機や電源車、バッテリーと、いろいろな要求をしている」と述べた。

これに対し、仮処分を申し立てた弁護団の河合弘之共同代表は
「全体を読めば、給水設備のくだりが冷却設備を意味していることは明らかだ。事実誤認ではない」と反論する。

ちなみに新基準にはBクラスの施設として「使用済み燃料を冷却するための施設」が挙げられ、関電の口頭弁論調書にも「使用済み燃料ピット冷却設備は、耐震クラスとしてはB」と記載されている。

「いろいろな要求」(田中委員長)についても「原子力規制を監視する市民の会」(東京)の阪上武代表は
原告の主張も裁判所の決定も、通常時の電源について論じている。ところが田中委員長は突然、非常時の電源のことを話し出した」と、論点のすり替えではないかといぶかる。

15日の会見では、決定が「地震の平均像を基礎として、原発の基準地震動を策定することに合理性は見出し難い」とした点にも質問が及んだ。

規制庁の担当者は「基準地震動は地震の平均像ではない。最大級の地震を考えている」と答えたが、阪上代表は「原告も地裁もその点は理解している。問題は(規制庁が参考にする)入倉レシピと呼ばれる手法が標準的な方法論について記したものであること。最大級の地震時に、どれくらい揺れるかは導き出せない」と不満を隠さない。

規制委の前身・旧原子力安全委員会事務局で技術参与を務めた滝谷紘一氏は
「会見では、一般に発言者は担当者らの調べた内容を話す。そうだとすれば、田中委員長の発言からは、規制委全体として地裁決定のミスを探そうとしている印象を受ける」と推測する。

今回の決定では、2005年以降、4原発が5回にわたって基準地震動を超える地震に見舞われたことに触れ、
「想定を超える地震が来ないという根拠は乏しい」と強調。
使用済み核燃料についても「堅固な施設で閉じ込めていない」と関電の姿勢を批判した。

田中委員長は従来、新規制基準に適合しても、絶対に安全とは言えないと繰り返し述べている。
その発言について、河合氏は「過酷事故が起きた時に、責任を逃れるための言い訳」
評して、こう付け加えた。

「国民が期待しているのは『これで通るなら、さすがに安全だろう』というわかりやすい基準だ。今回の地裁の決定が、そういった根源的なテーマを突きつけていることを規制委は認識するべきだろう」



高浜原発 「再稼働認めない」仮処分決定






議事録
平成27年度 原子力規制委員会 第3回会議
平成27年4月15日10:30~11:30原子力規制委員会庁舎 会議室A
より
議題4:関西電力株式会社高浜発電所3号炉及び4号炉の発電用原子炉設置変更許可に
対する異議申立てについて
の部分

○田中委員長
次の議題は「関西電力株式会社高浜発電所3号炉及び4号炉の発電用原子炉設置変更許可に対する異議申立てについて」です。
山形安全規制管理官から説明をお願いします。
○山形原子力規制部安全規制管理官(PWR担当)
安全規制管理官の山形でございます。
資料4「関西電力株式会社高浜発電所3号炉及び4号炉の発電用原子炉設置変更許可に対する異議申立てについて(案)」を御説明させていただきます。
まず「経緯」でございますけれども、高浜発電所の設置変更許可について、2月12日に決定をいただいております。これに対しまして、行政不服審査法第45条の規定に基づきまして、3月20日、それと4月10日の2件、行政不服審査法第6条の規定に基づきまして異議申立てがなされました。

この「2.異議申立ての概要」でございますけれども、3月20日付けの異議申立てと4月10日付の1件のものでございますが、4月10日付けのものは3月20日付けの理由書をそのままコピーされておりましたので、同一のものでございます。内容は、関西電力株式会社高浜発電所3号炉、4号炉の処分の取り消しを求めるというものでございまして、「規制基準が『災害防止上支障がないものとして』定められた基準でなければならない。適合しても安全だと言えないような基準は、原子炉等規制法(核原料物質、核燃料物質及び子炉の規制に関する法律)が要求している基準の要求を満たしていない」ことと、「パブリックコメントに意見が寄せられているにもかかわらず、大部分が却下され、最終審査書に反映されていない」などなどでございます。
もう一つの4月10日付けのものでございますけれども、これも処分の取消しを求めるものでございまして、その理由1が、「パブリックコメントに対する回答の部分に錯誤が2つある。」理由2としまして、「設置許可基準規則(実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則)第12条の第2項、これは安全施設の多重性、多様性、独立性に関する部分でございますが、許可決定処分は違法である」という理由でございます。詳しくは後ろの方に別添として1、2、3を付けてございます。

「3.対応方針」でございますけれども、これは川内のとき(九州電力株式会社川内原子力発電所1号炉及び2号炉の発電用原子炉設置変更許可に対する異議申立て)にも同様のことを行っておりますけれども、同じものでございます。原子力規制庁において、異議申立人から提出された行政不服審査法上の、まず適法要件を満たしているかについて確認作業を行った上で、審理その他必要な手続を行うことと、2ページ目でございますけれども、この際、本件異議申立てについては、他の異議申立てと同様、これは川内原子力発電所のことでございますけれども、原子力規制委員会が自ら行った処分の適否、当不当について審議するという異議申立て手続の性質に鑑みまして、原子力規制委員会の運営要領規定(「原子力規制委員会議事運営要領」)に基づきまして、審理及びその資料・議事録を非公開とし、決定の送達後、資料、議事要旨を公開することとするという対応方針にさせていただきたいと思っております。これは、繰り返しになりますが、川内原子力発電所のときと同様でございます。
私からの説明は以上です。


○田中委員長
ありがとうございました。
それでは、本件につきまして、対応方針を含めまして、御質問、御意見ありましたら、お願いします。
まず、事務局の提案ですけれども、これは本原子力規制委員会の議事運営要領にのっとって非公開で議論をするということですけれども、それはよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○田中委員長
はい。特に意見がなければ、本件については、事務局提案のとおり、この審理を進めることとして、異議申立ての審理及びその資料、議事録を非公開として、決定送達後に資料・議事要旨を公開することにしたいと思います。それでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○田中委員長
はい。それでは、そのようにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
本日予定した議題はここまでですけれども、ほかになければ、これで終わりたいと思います。
それでは、本日の原子力規制委員会はこれで終了にいたします。




関連記事

コメント

非公開コメント