ツバメの巣広範囲で放射性物質
NHK首都圏 2015年05月23日 06時44分
原発事故による鳥類への影響を調べようと山階鳥類研究所が21の都道府県で採取されたツバメの巣を調べたところ13の都県で放射性物質が検出され、研究所ではツバメの繁殖に変化がないか今後も調査を続ける必要があるとしています。
千葉県我孫子市にある山階鳥類研究所は平成23年から翌年にかけて、野鳥の愛好家の協力を得られるなどした21の都道府県でツバメの巣を197個採取し分析を行ってきました。
その結果、巣を採取していない栃木県以外の関東のすべての都県と、東北から北陸、中部地方にかけての合わせて13の都県で採取された150個の巣から原発事故に由来すると見られる放射性セシウムが検出されたということです。
福島県では、92個の巣のすべてで検出されたほか、福島第1原発から370キロ余り離れた静岡県内でも検出されたということです。
ツバメは土や木の葉などを材料に巣をつくりますが、研究所によりますと巣の放射性セシウムの濃度は周辺の土壌の濃度に比例する傾向がみられるということです。
研究所は放射性物質による鳥類への影響はまだよく分からないことも多いとして、ツバメの繁殖に変化がないか今後も調査を続ける必要があるとしています。
山階鳥類研究所
プレスリリース 報道発表資料
2015年5月22日
2011年に使用されたツバメの巣を、全国21都道府県で調査したところ、1都12県の巣から放射性セシウムが検出されました。
(報道資料 pdf)
福島第一原子力発電所事故による鳥類の生息環境への影響調査
2011 年に使用されたツバメの巣を調査したところ、全国 21 都道府県中、1 都 12 県の巣から放射性セシウムが検出されました。
・福島第一原子力発電所の事故によって放出された放射性物質による鳥類の巣の汚染状況を把握するため、2011 年に繁殖したツバメの巣を日本全国から採集し、巣材に含まれる放射性セシウム(Cs-134 および Cs-137)を測定しました。
・全国 21 都道府県から集められた 197 巣のうち 182 巣について測定した結果、1 都 12県の巣から福島第一原子力発電所由来の放射性セシウムが検出されました。
・福島県内のすべての巣から放射性セシウムが検出され、Cs-134 と Cs-137 の合計の濃度が最も高いものでは 90,000Bq/kg でした
・巣の放射性セシウム濃度は営巣地周辺の土壌中の放射性セシウム濃度が高い地域ほど 高い値でしたが、同じ地域内でも巣のセシウム濃度にはばらつきが見られました。
・今後は引き続き巣の線量変化を調査するとともに、ツバメの繁殖成績の変化の有無を記録して、汚染との関係を考察することが必要と考えられます。
本調査の結果は、下記のとおり、日本鳥学会の論文誌「日本鳥学会誌」64 巻 1 号(2015 年 4 月 22 日発行)に発表しました。
岩見恭子・小林さやか・柴田康行・山崎剛史・尾崎清明
2015. 福島第一原発事故直後の 2011 年の繁殖期に利用された日本全国のツバメ Hirundo rustica の巣の放射性セ.シウム濃度の状況 . 日本鳥学会誌 64(1): 63-69


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「全国 21 都道府県中、1 都 12 県の巣から放射性セシウムが検出」
1都は東京都だということはもちろんわかる。
ではⅠ2県は?
福島県、静岡県、栃木県以外の関東(千葉、茨城、群馬、埼玉、神奈川)=7県
ということは、あと4県。
北陸地方(新潟県、富山県、石川県、福井県)
中部地方(愛知県、岐阜県、静岡県、富山県、石川県、福井県、長野県、山梨県、新潟県)
北陸地方と中部地方でダブっている県があるので、
新潟県、富山県、石川県、福井県、愛知県、岐阜県、長野県、山梨県の8県のなかの4県ということになる。
探してみたけれど、どの県なのか?わからなかった。
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平成 24 年度 野生動植物への放射線影響に関する意見交換会
主 催:環境省(事務局・自然環境研究センター)
日 時:2013(平成 25)年 3 月 14 日(木曜日)
野生動植物への放射線影響調査
尼子 直輝 [環境省自然環境局自然環境計画課]

セシウム合計が出ていないので、Ag110mのところにセシウム合計を記入してみた。

一番多いところで、浪江町の138万ベクレル/kg
日経新聞の記事(webサイトになし)↓より
http://www.asyura2.com/15/genpatu42/msg/656.html
[ナゾ謎かがく]
ツバメの白斑 放射性物質が影響? 断言できず 調査拡大へ
日経新聞 2015年4月26日朝刊P.15
原子力発電所事故による放射性物質によって野鳥の生態にも悪影響が生じているのだろうか。日本野鳥の会(柳生博会長)などが地道な調査を続けている。これまでにツバメに小さな白斑が現れたとの報告があるが、現状では放射性物質のせいだと断言はできない。
ウクライナのチェルノブイリ原発事故の周辺では数年たってから、ツバメの羽毛が部分的に白くなる現象や左右の尾羽の長さが不均一になる例が報告された。
野鳥の会が2013年夏に福島市や飯舘村、南相馬市などで調べたところ、81羽のツバメのうち8羽(約10%)で、のどの下あたりに白斑がみられた。14年の調査でも151羽の11羽(約7%)に白斑があった。
比較のため東京都多摩地区でも調べた結果、13年は67羽で1羽も白斑はみられず、14年は48羽のうち1羽だけに白斑がみられた。
ただ14年に新潟県上越地区でも調査したところ、44羽中で7羽(約16%)の高い頻度で白斑が確認された。このため白斑は「現状では放射線以外の影響も考えられる」と、野鳥の会自然保護室の山本裕チーフは話す。
ツバメの巣では高濃度の汚染が見つかっている。飯舘村にあった巣が1キログラムあたり5万3千ベクレル(セシウム134と137の合計)だったのを最高に、同1千ベクレル以上の巣がいくつもあった。
環境省の調査では、138万ベクレルもの放射性セシウムを含む例も報告されている。巣の汚染はツバメが放射性物質を含む泥や小枝を巣づくりに使うためだ。
野鳥の会では、今年も調査を続けるとともに、成鳥から少量の血液を採取し白血球の数や形状も調べたいとしている。
またツバメは渡り鳥で冬期は台湾やフィリピンなどで暮らす。福島で被曝(ひばく)した個体が翌年、福島以外の場所に渡ってくる可能性もあり、一貫した調査が難しい。野鳥の会では「シジュウカラなど一年を通して同じ地域で生活する留鳥にも調査対象を拡大していく」(山本チーフ)としている。
放射線が通過した痕跡が残る蛍石を足輪に付けて、半年後に回収して個体ごとの被曝線量を把握する試みも検討している。線量計は重くて装着できないが、小さくて軽い蛍石なら可能だ。
ツバメに白斑が生じる原因や仕組みはナゾだ。白斑出現がツバメの生態や寿命に影響するのかどうかもわかっていない。観察の継続と生理学的なデータの収集が必要だ。
(編集委員 滝順一)
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