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05.29
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福島第一原子力発電所の爆発によって放出された放射性物質の影響で、心筋梗塞は増えているのか?

全国の大手医療機関が厚生労働省に提出している資料をまとめたサイトがある。
そこには原発事故前の2010年度の実績から報告されていたので、
事故前の2010年度、事故のあった2011年度、事故後の2012年、2013年度と、
4年間の心筋梗塞の医療機関診療実績についてまとめてみた。

※24時間以内の死亡、10名未満の診療は数字に含まれていません


心筋梗塞治療実績
2010年度〜2012年度
http://www.senmon-i.com/dpc/050030.html?ken_no=0&target=1
2013年度
http://caloo.jp/dpc/disease/938

★各医療施設 その年度で治療して退院した人の数(死亡は含まれない)10名未満は無視

(クリックすると大きく見ることができます↓)
心筋梗塞治療実績

心筋梗塞治療実績データ

2010年 2011年 2012年 2013年  (原発事故前の2010年と2013年)
茨城県 700 → 948 → 1077 → 1212 → 173%
宮城県 598 → 718 → 831 → 901 → 151%
福島県 507 → 622 → 668 → 675 → 133%
栃木県 722 → 878 → 1014 → 977 → 135%
千葉県 1447→ 2008 → 2558 → 2604 → 180%
東京都 3680 → 4849 → 5581 → 5605 → 152%
神奈川県 2361 → 2871 → 3421 → 3657 → 155%
群馬県 538 → 710 → 797 → 821 → 153%
埼玉県 1873 → 2465 → 2733 → 2752 → 147%

全国  35411 → 46109 → 51947 → 53400 → 151%


全国平均で事故前年の2010年に比べて2013年は1.51倍に増えている。
それに比べて高いのが千葉県の1.8倍、茨城県の1.73倍
続いて、神奈川県の1.55倍、東京都の1.52倍、全国平均と同じ宮城県の1.51倍となっている。
福島県は全国平均よりも低い1.35倍。
全ての県が年を経るごとに罹病者数が増えている。
2010年以前も毎年増え続けていたのか?過去の件数がわからないのでそこのところは不明。


2013年度心筋梗塞全国
全国病院別治療実績・手術件数 Caloo (カルー) では、DPC対象病院・準備病院の合計治療実績の合計が60,409件と表に書かれている。

しかし、このサイトのすべての病院の治療件数を合計した数字は53,400だった。
7,009件少ない。
10件未満の病院が載っていないのが理由だと思われるので、
この結果は実際の件数よりは少ない。
10件未満非掲載なのは2010〜2012年も同じことなので、条件としては一緒である。


心筋梗塞西日本

2010年  2011年 2012年 2013年 (2013/2010)
愛知県 2212  → 2877 → 3158 → 3287 →149%
大阪府 2335  → 3224 → 3648 → 3652 →156% 
福岡県 1533 → 1996 → 2326 → 2285 →149% 
沖縄県 437 → 572 → 537 → 669 →153%

西日本の大都市では全国平均より上回っているのは大阪府と沖縄県。


心筋梗塞東日本2

2010年  2011年 2012年 2013年(2013/2010)
和歌山県 387 → 584 → 643 → 619 → 160%
鳥取県 183 → 268 → 261 → 266 → 145%
石川県 278 → 403 → 384 → 388 → 140%
三重県 535 → 701 → 743 → 800 → 150%
香川県 300 → 372 → 424 → 433 → 144%
福井県 194 → 241 → 230 → 331 → 171%
山梨県 223 → 276 → 281 → 266 → 119%

福井県の1.71倍、和歌山県の1.6倍も高い。
しかしそれ以外の西日本の地域では全国平均よりも下回っている。


全国平均でも1.51倍と、心筋梗塞が増えている。
1.5倍増えるっていうのはとても大きい数字だな、と思った。


パッと見てみると、原発事故のあった2011年の上げ幅がどの県も多いように見えるので、
それぞれの県で前年比を出してみた。
2010年→2011年
2011年→2012年
2012年→2013年
心筋梗塞前年比

これを見ると、2011年に全国平均を上回っている都道府県は圧倒的に関東、東北が多いし、数値も大きい。
年数を経るごとに東日本と西日本の差がなくなってきているように見える。


平成22年度(2010年度)〜24年度(2012年度)
日本の名医検索サイト専門家ナビ
治療数・手術実績数からみる病院ランキング


平成25年度(2013年度)
全国病院別治療実績・手術件数 Caloo (カルー)

どちらのサイトもデータ元は厚生労働省の公表しているDPC資料 (※注)
治療・手術実績を一般人がわかりやすいようにランキング形式に再集計したもの

(※注)DPC(Diagnosis(診断) Procedure(手順) Combination(組み合わせ))の略。従来の「出来高払い方式」と異なり、傷病に対する治療や手術の有無などを14桁のDPCコードと呼ばれる区分に分類し1日あたりの定額点数を算出、医療費を計算する方式
DPC(診断群分類包括評価制度)対象病院とは、主に大規模な医療機関を対象とした医療費の定額支払い制度を採用している医療機関。全国に1802病院(平成25年度)存在し(準備病院含む)、治療実績・手術件数が公開されている。

このデータの問題点
このデータは保険適用外の治療(自費診療、出産、自賠責、労災など)や一般病棟(DPC対象病棟)以外への入院などは集計対象外。
また、10症例未満は集計対象外となっており未実施(0件)と区別することができません。


それぞれの年度の4月~3月までの退院患者 数

集計対象外としたもの
症例数が10症例未満及び0件のもの
診療録情報の重複提出
レセプトデータの不足
在院日数1日以下
外泊>=在院日数
年齢0歳未満120歳超
入退院年月日の誤り
1日当りの点数が1200点未満
自費のみ、保険と他制度の併用及び臓器提供者等
一般病棟以外のと移動(入院あり)
24時間以内の死亡
特定入院料なしで入院基本料0点以下
治験の実施
移植手術あり
平成24年3月31以前入院の患者
厚生労働大臣が定めるもの
生後7日以内の死亡
DPC該当せず
同日再入院
上記以外に「輸血以外の再掲」は手術数集計の対象外とした。

平成26年度 第5回 診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会
平成25年度第7回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会
平成24年度第5回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会
平成23年度第9回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会





以下私の作った表は、上記のページのデータを全てコピーして、エクセルに貼り付け、合計を出して作りました。
10件以下の病院は公表されていないなどの理由などから、合計数は実際の診療数よりも少ないはずです。


※年度ごとの集計なので、福島第一原子力発電所が爆発したのは2010年度末の3月になります。
2010年度=2010年4月〜2011年3月(2010年度末に原発事故)
2011年度=2011年4月〜2012年3月
2012年度=2012年4月〜2013年3月
2013年度=2013年4月〜2014年3月
※24時間以内に死亡、診療件数10件未満は数字に含まれていません。




「急性白血病」全国医療機関診療実績〜原発事故前から事故後4年間の動向(2010年度〜2013年度)
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