河田氏の講演で初めて知った「菜の花プロジェクト」について

6月5日に国学院大学で行われた河田昌東氏の緊急講演会
「チェルノブイリからみた福島第一原発震災 ~土壌浄化・エネルギー自給の可能性を探る~」のなかでの
菜の花プロジェクトに関して調べてみました

ナロジチ再生・菜の花プロジェクトの記録(ダイジェスト版)



河田昌東氏講演会・第1部6/5(内容一部書き出し)

河田昌東氏講演第二部6/5
講演会の第二部の方が第一部よりも菜の花プロジェクトに関して話していらっしゃいます


農業再生・菜の花サイクルNPO(特定非営利活動法人)チェルノブイリ救援・中部より
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ナロジチの土壌は放射能で汚染されていますが、
それは、チェルノブイリ原発事故で大量に放出されたCs(セシウム)137とSr(ストロンチウム)90という放射能を出す物質が土壌に含まれているからです。
菜の花がこのCs137とSr90を吸い取ってくれる性質があることから、
「菜の花を植えれば土壌の放射能を減らせて農業を再生できるのではないか」という考えから
菜の花プロジェクトが始まりました。

また、 Cs137とSr90は、水とくっつく性質を持っていて(水溶性) 、
菜種から得られる油やバイオマスを発酵して得られるガスには入り込まない性質があります
この性質を利用して、BDFやBGを作りエネルギーの自給もできるようにして農業再生を後押ししようと考えています。
私たちは、菜の花を利用した土壌浄化、BDF、BGのサイクルを「農業再生・菜の花サイクル」と呼んでいます。


続きを読むに「土壌浄化プロジェクト」「バイオディーゼル油プロジェクト」の説明も転記します

土壌浄化プロジェクト

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菜の花による土壌浄化の可能性を探る

菜の花は、
土壌中のCs(セシウム)137とSr(ストロンチウム)90を吸収する能力が最も高いといわれている植物の一つです。

なぜ、菜の花はCs137とSr90を吸収できるのでしょうか。
それは、植物が栄養分として根から土壌中の水分に溶けたK(カリウム)とCa(カルシウム)を吸収する性質に由来します。

水中で、CsはKと同じ1価の陽イオン(1+)になり、SrはCaと同じ2価の陽イオン(2+)になるため、
植物がK+と一緒にCs+をCa2+と一種にSr2+を吸収してくれるのです(化学の周期律表が参考になります)。
菜の花は、KとCaと一緒に多くのCsとSrを吸収してくれ植物の一つです。

今回初めて大規模なフィールド(実地)試験で、菜の花が Cs137とSr90を吸収することを確認できました。
今後、菜の花が土壌中のどのくらいの量の放射能(Cs137とSr90)を吸収し、
それによって、その後栽培する農作物が吸収する放射能の量をどれだけ減らせるかを詳しく調べていきます。


Cs137とSr90は、放射能を出しながら自ら分解して放射能を出さない物質に変わっていきます(自然崩壊)。
半分の量になるのに必要な時間を半減期と言いますが、Cs137とSr90はこの半減期が約30年です。

通常は、土地を放置して自然崩壊により放射能レベルが下がるのを待つことになります。

栽培した農作物に含まれる放射能レベルや農作業によって被爆する放射能レベルに問題がなくなるのを、
農業再生が可能な土壌浄化の目安として、
菜の花栽培によってその時期をいかに早められるかを実験して調べているのが土壌浄化プロジェクトです。



BDF(バイオディーゼル油)プロジェクト

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農地が放置されているのは、土壌が放射能で汚染されていることだけでなく、
畑を耕すトラクターの燃料が買えないということも理由の一つです。

農業再生の切り札として菜の花が選ばれたのは、放射能を吸収する能力が高いということだけでなく、
ナタネ油をBDF(バイオディーゼル油)に変えてトラクターの燃料に使えるということもありました。

放射能を出すCs137とSr90は水に溶ける性質を持っています。
油には水は溶けないことから、菜種を搾って得られるナタネ油にはこれらの放射能は入り込まないはずです。

今回、実際にナタネ油には放射能が入り込まないことを確認できました
実用的な量での確認は世界でも珍しく、価値ある研究成果です。


この放射能を含まないナタネ油を使ってトラクターを動かすのですが、
搾ったままのナタネ油では、トラクターを動かすことはできません。

ナタネ油を専用の装置を使って
メタノールと水酸化ナトリウムと反応(メチルエステル化反応)させて
ナタネ油からグリセリンを取り除いて(脂肪酸メチルエステルにして)
粘り気のないディーゼル油に変える必要があるのです。

この得られたディーゼル油は、植物から作ったディーゼル用燃料ということでバイオディーゼル燃料(BDF)と言います。

昨年(2008年)9月、現地(ナロジチ)に日本製のBDF生成装置を据付け試運転に成功しました。
今後、定常的な運転を目指していきます。


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