キース・ベーヴァーストック(東フィンランド大学環境科学学科)原発事故による甲状腺がんの発症と被曝時の年齢9/21第5回 市民科学者国際会議 2015


2015年9月21日 第5回 市民科学者国際会議 2015(日本語)



キース・ベーヴァーストック(東フィンランド大学環境科学学科)
所属:東フィンランド大学環境科学学科
専門:環境科学、 放射線生物学
プロフィール
キース・ベーヴァーストックは、過去40年間、 最初は英国の医学研究委員会で、そして1991年からはWHO(世界保健機関)の欧州地域事務所で、放射線の健康影響に関する分野に関わってきた。現在の研究分野は、理論生物学で,特に電離放射線がどのように生物システムに悪影響を与えるかということに焦点を絞っている。現在、東フィンランド大学の講師である。


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3:26(同時通訳の文字起こし)
この次に議論すべきトピックというのが甲状腺ガンのお話であると思います。
ある論文について言及させていただきたいと思います。
少しこの論文についてお話させてください。

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福島についての特化した論文ではありません。
ウイリアムス先生の「甲状腺ガンがどのように発達するか」ということに関する考えをまとめた論文です。
ウイリアムス先生は長期間にわたって、甲状腺がんを10年、数十年という単位で観察されて
入手できている情報については
甲状腺ガンの調査の内容というものを熟知されている方です。
これは日本語ではありませんので私が簡単に読みます。

福島からのエビデンスというところで、記録されている甲状腺がんについて
また、小規模の甲状腺がんの検知というのが
被曝した人口をスクリーニングするということによって、福島の原子力発電所の2011年の事故以降目撃されてきている。
そしてこれらはチェルノブイリ原発事故後の子供達の小児甲状腺がんの発症率というのが増加したことから、福島県においては、当時の事故時に、2011年に19歳以下だったすべての小児に対して、ウルトラサウンドのスクリーニングを行いました。

そして、3年間の間に多くの甲状腺がんが検知されました。
そして30万人の中で、すでに110件のがんの疑いがあるということが、この穿刺アスピレーションによって検知されました。

がんの疑いで手術を受けた87の患者のうち86名において甲状腺がんが確認されました。
そしてそのうちの62件においてはこれが15歳から19歳という年齢の間で1000件起こっているということでありまして、この発症率というのは10万のうち120件ということで、これにおいて通常における日本の発症率というのは、通常であれば10万において0.8という大きな差異があるわけです。
ということでこれは明らかな増加というのによって、この被曝人口というのは大きな懸念にさらされました。

そして5mm以下の結節に関しては「これは今後のさらなる検査の対象ではない」と福島県はしたわけですけれども、
そういうことで真の福島県における甲状腺がんの発症率というのはもっと、発表されているよりもさらに大きな数字な訳です。


けれども被爆時の年齢、そして潜伏期間ということ、
これを見ますと大変大きな甲状腺がんの件数というのが今の段階でもすでに検知されていて、けれどもこれが「事故によるものではない」とも言われています。

チェルノブイリのリスクというものが、特にこの事故時に幼児だった人口によって最も大きかったということ。
そして年齢が上になるにつれて急速に下がっていくということが言われています。
そして福島においては当時乳幼児だった子供は一人もいないわけです。
最も若い対象で6歳であったということです。

そしてこのようなグラフがあるわけなんですけれども、

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これは、事故当時の被ばく時の年齢というのが横軸、縦軸が甲状腺がんの罹患ん率をチェルノブイリと福島で比較しているわけですけれども、年齢が高くなるにつれて、その分布というものがこの二つの地域において大きく異なっているということがわかります。
特に10歳以降のところでチェルノブイリと大きく異なっているということがお分かりいただけます。

けれども、私の意見ではありますけれども、こらが示すのは、
これは「被曝によるものではない」と言っているのではなくて、すでに提示されているチェルノブイリの事故のパターンをそのまま踏襲していないというだけに過ぎないと考えるわけです。
ということでこれに関しまして、甲状腺がんの発症率というのは年齢別にみますと、チェルノブイリの事故の被爆時、そして福島の事故の3年後というタイミングで見てみますと、
特に若年層におけるリスクが高く、そして年齢を追うごとに急激に激減するということがみえます。
そして福島においては、分布を見ますと、若年層における高いリスクというのが見られません。
初期の3年というタイムスパンにおいてはそのようなことが示唆されるわけです。

チェルノブイリにおいては10歳以上というところでわずかな上昇というのがみられますけれども、
これも通常の発症率を示したものであるというふうに考えられますと言っているわけです。

これは「過剰診断であると思っている」とはウイリアムスは言っていません。そして私も同感です。
明らかに「過剰診断ではない」と思います。
と言いますのもがんが検知されたタイミングというのが大変初期の段階であって、
そのタイミングをみても「過剰診断ではない」
ということが示唆されるわけです。
けれども将来的には過剰診断、過剰診療、そして不必要な手術という可能性は、将来的には存在するということをウイリアムスは言っているわけです。
ということでこれを叩き台としまして議論を展開したいと思うんですけれども、
まず、津田先生、ウイリアムス先生のどう考えていらっしゃいますか?
福島については私が今紹介したところが唯一の彼が言及しているところなんですけれども、いかがでしょうか?

10:49
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津田敏秀:この文章は誰が書いたんですか?

キース:ウイリアム先生です。

津田:
最初の3年間ではチェルノブイリでも10歳以上が75%を占めているんです。
曝露時に10歳以上だった人が多数派なんです。

だから、最初にまず10歳以上で甲状腺がんが増えてきて、それから下の年齢が出てくるんです。


キース:
ここで注意しなければいけないのは、チェルノブイリの後ですが、スクリーニングで見つけた、検知したわけではありません。
触診ということで。
96年位からスクリーニングが始まったわけですが、それ以降に。
最初の6年間はスクリーニング自体が行われていませんでした。
ですからこれは状況がちょっと違うと思うんですね。
福島とは状況が違うと思うんです。

津田:
スクリーニングが行われなくても、チェルノブイリでは翌年から甲状腺がんが多発しています。
さっきお見せした通りです。
チェルノブイリでは1990年まではスクリーニングは行われていませんでした。

キース;Yes、sorry。Yes。

津田:
健診が行われていないにもかかわらず、チェルノブイリでは事故の次の年から甲状腺がんが多発しています。
それはお見せした通りです。









第5回 市民科学者国際会議文字起こしブログ

「CTスキャンによる低線量被ばく後の発がんリスク」ジョン・マシューズ9/21第5回 市民科学者国際会議(文字起こし)

津田敏秀教授9/21第5回 市民科学者国際会議(文字起こし)

キース・ベーヴァーストック(東フィンランド大学環境科学学科)原発事故による甲状腺がんの発症と被曝時の年齢9/21第5回 市民科学者国際会議 2015

<福島とチェルノブイリの野生生物・1>ティモシー・ムソー教授「低用量曝露によって遺伝的損傷が起こるということが示されているのです」9/21第5回 市民科学者国際会議(文字起こし)

白斑「遺伝的影響・放射線の影響”があるという目印」ティモシー・ムソー教授<福島とチェルノブイリの野生生物・2>9/21第5回 市民科学者国際会議(文字起こし)

無精子「だいたい40%の鳥が全く無精子状態であった」ティモシー・ムソー教授<福島とチェルノブイリの野生生物・3>9/21第5回 市民科学者国際会議(文字起こし)

腫瘍・白内障「汚染度が高い地域にはこれは非常に高い」ティモシー・ムソー教授<福島とチェルノブイリの野生生物・4>9/21第5回 市民科学者国際会議(文字起こし)

小頭症「特に小頭症というのが放射能の高い地域ではよく見られています」生態系の異常他 ティモシー・ムソー教授<福島とチェルノブイリの野生生物・5>9/21第5回 市民科学者国際会議(文字起こし)

質疑応答 ティモシー・ムソー教授<福島とチェルノブイリの野生生物・6完>9/21第5回 市民科学者国際会議(文字起こし)

「広島、長崎、ハンフォード、そして福島のデータを再分析」濱岡豊慶応大学教授 9/21第5回 市民科学者国際会議(文字起こし)





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「スクリーニング効果に過ぎない」がなぜ詭弁だと考えられるか説明します。
通常より多くの異常が検査から出たとしよう。考えられる可能性は3つ。

①実際にそれだけ増えた
②本来自然消滅や一生発症しないレベルの癌を検出しただけに過ぎない
③本来壮年期以降に自覚症状が出るガンが子どもの段階で見つかったに過ぎない

この3通りのうちのどれか。
③に関してはもしそれが事実なら、その子ども達が壮年になって発症したら
「既存の壮年の平均」を軽く超えるので問題外。
自覚症状の集計は検査精度うんぬんと無縁の客観的なデータ。
残るは①と②だが、②のケースを採用しようとする連中は
対象が【子ども】である事実を無視して話をすり替え、
老人を含めた話を持ちだして
「そういう事がある」と言っているに過ぎない。

「男性でも妊娠するか?」という話をしている時に「人間は妊娠します」
という情報は無意味。なぜなら女性が妊娠するのは当たり前だから。
同様に、老人の癌は発症しなかったりその前に自然死する事は
甲状腺がんに限らずよくある事なので
上の②のケースを採用したいなら【子ども】でもそういう事が
起こりえるという事実を説明しないといけない。