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津田敏秀教授9/21第5回 市民科学者国際会議(文字起こし)

第5回 市民科学者国際会議
~東京電力福島第一原子力発電所事故の放射線被ばくによる
健康影響を科学的に究明し、防護と対策を実現するために~

日時:2015年9月21日(月・祝)9:30 ~ 
場所:国立オリンピック記念青少年総合センター(国際交流棟 国際会議室)


2日目


45:13〜

津田敏秀
所属:岡山大学大学院環境生命科学研究科・人間生態学分野・環境疫学・教授
専門:疫学・環境保健

プロフィール
岡山大学大学院環境生命科学研究科・教授(専門分野: 疫学・環境保健)
1958年生まれ、兵庫県姫路市出身
1985年岡山大学医学部医学科卒業、医師免許証取得
1989年岡山大学医学研究科修了、医学博士
1990年岡山大学医学部助手(衛生学)
同講師、岡山大学大学院医歯学総合研究科講師を経て
2005年岡山大学大学院環境学研究科教授(環境疫学)後、改組にて現職





科学的根拠に関する情報交換のしかた-放射線の人体影響に関する事例を用いて-

スライド 



津田敏秀:
ご紹介ありがとうございました。
岡山大学の津田でございます。
スライドはのちに公開されると思いますので、今日は時間の制限もありますので飛ばしていきたいと思います。

農林水産省のホームページにリスクコミニケーションの原則というのが公開されています。
リスクコミニケーションの原理と実践の入門書です。
これはもともとはCDCが公開している資料の日本語全訳ですね。

1

そこにはこういうふうなことがずっと載っていてですね、神話と対策として、神話の方が旧来の固定観念であり、間違っている方でありまして、対策というのはこうすべきなんだという方ですね。
こういう原則が今回の福島の事件では守られていないわけです。
なぜそれが全然守られないのか?
あるいは先ほどから科学的知見について話されているのに、あの知見がなぜ日本政府や福島県の行政で採用されないのか?
あるいはむしろそれの●(音声途切れる)の対策が行われているのか?
ということを説明するのが今日の私の目的です。

正しい科学的知見というのは私は岩波科学にずっと色々と書いてきましたし、先ほどのお話を聞かれてもお分かりです。
それが全く通用しないのがなぜ起こっているのか?

それはむしろ日本人、特に今政策決定をしている私のような世代の人たちの背景思想を探らないことには、無駄に、いくら科学的に議論をしても無駄になります。

私は最初にご挨拶されました岩田さんと●(音声途切れる)で聞いているような人たちのところでいくら話したところで何もならない、と言って「無駄ですよ、こんなの開くのは」というふにずっと言っていました。

そうなんです。
みなさんはどんどん賢くなるかもしれません。
でも、説得すべき相手は全然賢くならないんです。


ま、こういうあれなんですが、
右翼でもない、左翼でもないと言っていますが、
これ、ピンときたのが、復興庁のある官僚の方が、復興庁に対して意見を申す人たちに対して「左翼のクソども」というふうに言った時に、「あ〜〜、そうか、左翼と考えてるんか」というのに気付いたからですね。

でも、そもそもそういうことを言う人に「左翼ってなんですか?定義教えてください」というふうに聞くと、全然答えられないはずなんですね。
そもそもみなさん左翼っていうとみんな一致していると思うんですが、全然異なるんです。
私から見れば日本の左翼というふうに陰で呼ばれている人たちは全然ラジカルじゃないんですよね。
革新的じゃない。
日本の左翼と呼ばれている人たちは、全然革新的ではなくて実に保守的なんですね。

保守と革新と言われるならば、あの人たち(左翼と呼ばれる人)は保守なんですね。
入れ替わっているわけなんです、普通の概念で言えば。

で、こういう私の経歴なんかはまた後で読んでもらったらいいですね。
2

ちなみに私の実家は役行者ですね、これは山伏ですね、それからお稲荷さん、神棚も実家にあった、というふうに言いますと、今の若い人たちは「凄い家ですね」という負にいうかもしれませんけれど、これは普通なんですね、昔、私の年代以上の家においては。
3点セット、もしくはそれ以上、4点セット5点セットもあるし、だいたい基本としては神棚と仏壇があるという家なんですね。

で、これがどういうわけか、左翼と右翼の対立にこの科学的議論が見られてしまうわけです。
あるいは原発反原発の対立に見られて、切り分けられてしまうわけですね。

そもそも原発問題なんかはたかだか50年から60年ですね。
右翼か左翼の対立なんかはたかだか日本では70年。
フランス革命まで引き延ばしたとしてもせいぜい225年なんですね。

だけど、私たちの世代は右翼と左翼の対立は太古の昔からあったと信じ込まされて、自分でも信じきっているわけですね。
絶対に不可分な相容れない水と油だと思い込んでいるわけです。
でもその傾向は東日本ほど、インテリほど、それから団塊の世代にまで行かないけれども団塊の世代に近いほど信じきっているんですね。

でも私たち西日本の人たちに言わせれば、中大兄皇子と蘇我入鹿の対立から、ずっと対立の歴史を見続けてきたわけですね。
その後、壬申の乱、真言宗対天台宗、聖護院対醍醐寺の血で血を争う対立を見てきたわけです。

そんな●(音声途切れ)左と右の対立など、ガキ大将の、あっちのガキ大将こっちのガキ大将のションベンの掛け合いでしかないわけですね。

さてそういう●(音声途切れ)
役行者さんの視点からも「100mSvしきい値説というのが間違いである」というふうに、簡単に素直に受け入れられるみなさんにこれから、なぜ説得が通じないのか?という話をさせていただきたいと思います。

2011年の事故後、日本の諸医学会、行政や研究機関が、
「100mSv以下の被ばくでは、被ばくによるがんは出ない。もしくはがんが出たとしても認識できないので、100mSvまでは安全である」みたいなことを言いつづけてきました。

これは後でいくらでも事例を挙げていきます。

違っているわけですね。
明らかに医学的意見に反しているわけです。
科学的知見というふうに言ってもいいです。

そもそも論で「直接しきい値なし」LNT仮説にしたがうと、
これは間違いなんですね。
原点を通るのか、100でX軸にぺたんといっちゃうのか、というのは中学生が分かる話なんですね。
そこを誤魔化しているわけです。

で、100mSvしきい値論というのは、その前触れとなる言い方というのは2011年前からみられるわけですけれども、
突然、本当に日本では2011年以降に強調されだしたものです。

ま、ご覧のようなところ↓が本当にそろい踏みで、さっきの1mSv以下ではがんは出ない。
3

もしくはデータとしても「わからない」というのを言い続けています。


4

トップを切ったのは放医研ですね。
で、100mSvのところでこんな赤線を引っ張りまして、太い赤線がありますね。
がんの過剰発生は見られないという間違った図を全国にばらまいて、これは未だにインターネットでヒットすることがありますね。

最初にばらまかれたのは、各自治体にダウンロードされて、各自治体のホームページに載りまくっています。
それだけじゃなくて医学部の中、千葉大学の医学部の放射線教室も載せています。
それから各政治家、公明党の都議の議員とか、そういうところにも取られています。

こっそりと1年後にこれに差し替えられました↓
6

でも、1年後に変えたところで、もうダウンロードされたその他の機関に載せられているものは差し替えられないわけです。
”黙って差し替えた”からですね。

5

ですから(改定前の図が)ずっと見られています。
最近ようやく(改定前の図を)見つける作業を始めたみたいですけれども、まだ若干見られていますね。
で、この差し替えられたやつも「100mSvより上の線量ではがんの死亡率のリスクが線量とともに徐々に増えることが明らかになっている」という表現で、100mSv以下では明らかになっていないような書きっぷりをされています。

7

これは原子力安全委員会が2011年に出したやつなんですが、
この右上、「100mSv/年以下では健康への影響はない」この場合は”/年”まで付いています。
もう言語道断空前絶後なんですが、それを原子力安全委員会が載せています。

でも「さすがにこれはまずい」ということで2011年10月にこれは訂正が出ます。
でも、長瀧(重信)先生は今年(2015年)の6月末、まだこのもともとの訂正前

(動画切れる)

ちょっとお話がずれましたけれども、ちょっと私より年齢が上の年代の医学者で統計学を知っている人はほとんどいませんから。
私の年代ですらも本当に少数派です。

で、2011年、その長瀧先生が開催された低線量被曝のリスク管理に関するワーキンググループの報告書にも、やはりこのことが載っています。

8

9

しかも、「被曝影響は年齢層別では差は明らかではない」というふうに書いちゃっていますね。
こんなこと

(動画切れる)

パンフレット「放射線リスクに関する基礎的情報」
これもやはり100mSvの字が踊っていまして、「国際的な認識になっています」。
違うんです。
国際的な認識に完全に立ち向かっているんですね。

10

それから、国連のアナンド・グローバー氏が日本の状況を視察した報告書に対して日本政府は、
やはり100mSvに関して反論しています。

11

こういう反論をしています。
その他、日本政府や福島県による100mSvしきい値に関するコメントは他にもたくさんあります。
未だに福島県のホームページで「100mSv以下はがんが出ない」「わからない」みたいなことが、実際に3ヶ月ごとに更新されて出ています。


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経済産業省は年間20mSvで帰還させるという根拠として、「100mSv以下ではがんは出ない、もしくはわからない」ということを理由としてあげています。

100よりも20は5分の1なのでそれは正しいよね、という話なんですが、その前提が誤っているわけですね。


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従って、こういうふうに帰還政策については国連自由権規約人権委員会で批判されています。
今や国際問題になっているわけですね。


14

それでも日本政府は政府広報を出して、全国5大紙、および福島県の地元紙に次のように載せています。
語ったのは東京大学の中川恵一先生ですね。
こういうふうに語っておられますね。

中川先生の主張が正しいという根拠はないばかりではなく、存在する根拠にこれまた反しているわけですね。

で、それはなんでこんなことが起きたか?というと、単にICRPの勧告(2007年勧告173ページ)に書かれているこの部分を誤って解釈したからですね。
「(前略)しかしながら、がんリスクの推定に用いる疫学的方法は、およそ100mSvまでの線量範囲でのがんのリスクを直接明らかにする力を持たないという一般的な合意がある」

このことは広島長崎の被爆者コホート、先ほどLSSコホートのご紹介がありましたけれども、それの全年齢層で全がんの増加が5%水準で統計的有意差がなかったということを言っているだけなのに、それを「がんが出ない」あるいは「出たとしてもわからない」というふうに誤って解釈してしまったんですね。

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しかも先ほど御説明がありましたように、普通は100mSv以下でぶった切ってみたいなことをしないのに、それをわざわざしちゃっているわけですね。
それは要するに回帰直線というのを全然わかってないわけです。

ちなみに、広島長崎の被爆者コホートでも、ぶった切ったとしても8%水準で有意なわけです。
単に「統計的有意差がない」ということと「がんが増えない」ということを混同してしまったわけですね。
これは後で説明するかもしれませんが、大学教養部レベルの間違いです。
今や大学入試に統計学が出るようになっていますので、高校生レベルの間違いとも言えます。

特に医学者というのは統計学を知りませんので、ほとんど、全く。
でもう、ほとんど悲惨な状態なんですね。
それを皆さん見る必要があります。

でUNSCEAR(音声切れる)こういうのが載っていますけれども、これも(音声切れる)
すぐにUNSCEARとかICRPとかが出てきますけれど、「それのどこに何が書いてあるのか?」という説明を求めても全然(答えが)出てこないわけです。


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ちなみに、統計的有意差が出てくる条件として、観察数を大きくする。
ああいくことを言っている人たちは広島長崎の被爆者コホートが世界最大であり、したがってLSSコホートよりまさか福島の被ばく者の数の方が多いなんていうのは、考えてもいないんですね。

先ほどのマシュー先生のCTスキャンの研究、あるいは自然放射線の研究なんかも、データ規模はずっと大きいわけです。

次に「放射線感受性の高い集団に限る」という必要があります。
つまり、胎児、小児、思春期の青年などに限って分析しますと有意差が出やすくなります。
にもかかわらず、帰還政策その他あらゆる全ての問題に関して、年齢別に対策を立てるとか、年齢で議論するということが一切未だに行われていません。


それから「放射線の感受性の高いがんに限る」と、これまた有意差が出てきます。
例えて言いますと、白血病、脳腫瘍、甲状腺がん、乳がんなどですね。

それから「有意水準を高くする」ということで5%(音声切れる)
だれも多いということでそれを1%有意に使用が10%有意にしようが20%有意にしようが(音声切れる)そういうのがあります。
したがって8%にすれば有意差が出ちゃうんですね。

そもそもなぜか、小笹(晃太郎 :放射線影響研究所 疫学部長)先生の2012年に出た論文のデータは2003年までなんですね。
したがって今のデータで分析しますと有意差が5%でも出ているかもしれない。
がんは増え続けているからですね。

もちろん上記4つ以外の条件もあって、回帰直線をぶった切るようなことはするな、という話ですね。
そもそも多くの論文が100mSvより低い被ばく線量でがんの有意な増加を示しています。

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それにもかかわらず「放射線ストレス」とかって言って、福島県民に対して介入をやったりしていますね。
「放射線のことに関して過度に恐れている人に対して、それを和らげる研究」みたいなことをやっているわけです。

しかし、「過度」というふうに言っているのが、実は妥当な。
誤った知識に基づいていますので、妥当な知識を持っている人もそれに介入されて治療をされてしまう。
というようなプログラム(音声切れる)


18

ようするに説得がうまくいっていないわけですね。
福島県・環境省のいずれの行政の方々にも、あるいは福島県立医大・長崎大学などの専門家集団もそれ以外も、私は直接会う機会があったらどれだけ時間が短くても一生懸命説得してきました。
でもそれが全然通じないわけですね。


それはなぜか?というと、直接対話をする機会をだれも設けてくれない。
メディアの方は総理大臣の党首討論会はするのに、科学者の討論会、対話、市場対談すらもしないわけですね。
一切しないわけです。
だから意見が通じない。
妥当な(音切れる)

で、小笹(晃太郎 :放射線影響研究所 疫学部長)先生は自分の意見とちょっと違う意見を指摘されただけで固まってしまいます。
何も言わなくなるんです。
で、「あ、すみません、そのことは後で考えます」とか「後でご返事します」とか言えばいいものを何も言わなくなるわけですね。

1年半か2年前の日本公衆衛生学会でもそういうことが起こってしまうわけです。
その前もありました。
黙らなければいいわけですけれども。
それで「一言ぐらいなんか言ってくださいよ」と座長の先生が私を支援してくれると普通だったら思うでしょ。
そうじゃないんです。
「もう時間切れです。この後会場を空けなければいけませんのでもうその質問は終わってください」みたいな感じで小笹先生の黙り込みを支持するような言い方をするわけですね。
それが日本の学会なんです。
特に医学界はそうなんです。
そもそも科学研究者というのは科学的問題について人前で議論したり、あるいは学術誌上で討論するのが仕事なのに、日本の学会、特に医学界というのは討論をさせないようにするのが、エレガントだと思っている紳士淑女の集団なんですね。

で、直接話した時も「ICRPやUNSCEARが言っているから」というふうに言われるんですが、「ICRPのどこに載っているんですか?」「UNSCEARのどこに載っているのか?」ということについては言わないんですね。

で、ICRPとは全く反対のことをやっちゃっていたりするわけです。

医学的根拠は全く示されずに、そもそも医学的根拠ってなんですか?っていうふうに医学界の先生に聞いてもだれもこ耐えれないんですね。

基本的な誤りが放置されたまま、結局分からないで片付けられているんです。
どこまで何がわかっているのかさえ説明されず説明させてもらえないわけです。


19

ということで、これはもう説得の段階なんです。
医学論争とか知見とか全部揃えて直接話し合えばいいだけの話なんですね。
公開であろうが非公開であろうがなんでもいいからやればいい話なんですが、その場を設けることにすら至らない。
(音声切れる)
「まあちょと来てくださいよ」というような説得をする。
そういう説得をする段階です。

この間私は「これは医学的根拠の問題じゃなしにどう説得するかという問題だな」というのをずっと考えていまして、いろんな本を読み進めてきました。
アリストテレスの弁論術もチェックしてまいりました。
アリストテレスによりますと、論者は聞き手を説得する時に必要な条件として次の3つに整理しています。
ロゴスとパトスとエートスですね。

それはまた後で説明しますが、ところでそもそも100mSv以下の問題だけじゃなしに、WHOが2013年の報告書で「福島県では甲状腺がん、白血病、乳がん、その他の固形がんが多発する」ことが定量的に示されているわけですね。
そのことも全く知られていないわけです。

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例えばこれは甲状腺がんですけれども、事故時に1歳の方でこれ、青色の部分が事故によって増える甲状腺のがんです。
これは20kmけんがいの1歳児でこれだけ多発するわけです。

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そのことも全く知られていないわけですから、今更一生懸命100mSv以下はないからどうのこうのと言ってもしょうがないわけですね。
いずれ多発してくるわけです。
もう実際に多発していますけれども。


さらに、このWHOが基礎とした線量推計報告書ではこういうふうに載っています。

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要するに、日本政府のロビー活動によって、これは朝日新聞が報じたんですが、3分の1から10分の1に下げられたわけです。
その下げられた後の線量評価に基づいて1歳児でだいたい10倍近くの甲状腺がんの多発するというふうになっているわけです。
どう見てもこの元々の値だとしか思えないような具合で、福島県で甲状腺がんが多発してきております。


これはチェルノブイリでの14歳以下の甲状腺がんの流行曲線です。

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横軸が年数です。
縦軸は症例数です。

今、福島県は事故からの年数というところではここに相当します。
90年頃ですね。
で、この部分(赤丸の部分)は、これは明らかにそれまでのパターンとは異なっているでしょ?
多発しているわけです。
これを見逃しちゃったわけですね。
で、「今多発しているのは事故によるものではない」というふうにおっしゃっているわけですね。
で、実際に日本では(音声切れる)多発しちゃったわけです。
それも予測されるよりもずっと大きなレベルで多発しちゃったわけです。
ということは、チェルノブイリでは(音声切れる)きましたので、これがちょっと多めに出たとしたらこれがどうなるのか?
で、こんなのがこれからくるということはほぼ分かっているのに、何も対策は立てられていないわけです。


アリストテレスの話に戻りますが、証明による説得ですね。

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これが本質です。
アリストテレスも言っています。
ちなみに以下の引用は「どんな人も思い通りに動かせる、アリストテレス無敵の弁論術」というこの本からそのまま引用です。
アリストテレスが言った部分はこの本はそのまま岩波文庫の(音声切れる)

で、これが自分の意見が反対意見よりも正しいと説得するロジカルな話し方の基本姿勢です。
ただし、多くの人たちが間違えているのは、「話す内容さえ正しければ相手を説得できる」「相手は説得されねばならない」というふうに考えることによって間違えるわけですね。
説得が通じなくなるわけです。

それで以下の二つを出してきます。

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まず、聞き手の感情が動かされる必要があります。
で、聞き手をこちらに有利な感情へと誘導するものですね。
聴衆の感情を積極的にコントロールさせる。

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エートス。
これは以外と知られていなくて、聞き手が論者にある印象を持つ。
でも実際はみんなやっているんですけれども、人柄が優れた人々に対しては、我々は誰に対する多くの信をより速やかに置くものである。
ま、服装なんかもそうですね。
私の服装、非常に反省しております、普段の服装。
で、これを逆に利用したら「人格攻撃」ですね。
「なんとなくあの人イヤ。津田ってちょっとうるさそうでしょ」みたいな、こう思われたらいかんわけですね。

賢さ・徳・好意、この3つがキーワードなんだそうです。
私もこの3つをつけるべく、半年ぐらい前からずっと鍛えておりますけれども、なかなか身につかないという感じですね。


さて、これまで福島県・環境省・経産省の説得。
福島医大・長崎大学・放医研の説得というのは通じてきませんでした。

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ロゴスに関しては「ない」からどうしようもありませんね。
科学的根拠がないわけですから。

初期の思い込みが科学的根拠に基づいて検証もされないまま、しかも有意差と影響なしを混同するという有様です。

で、研究者もそれと同じことをしながらICRPとUNSCEARに基づいていると言いながら、どこに基づいているのかを説明しない。
で、ICRPの言っていることに反するようなことばっかりやっているわけです。

ちなみに私。
一応文献やデータの分析に基づいて説明して、国際的に研究者と連絡を取り合って、論点を洗練し続けておりまして、現在のところ有効な反論は一切なされていないわけです。
私が言っている(音声切れる)だと思っている人がたくさんいるみたいですけれど、私は自分の考え付いたことは一切言っていないわけです。
ほぼ一切言っていないですね。
全部どこかの根拠に基づいて言っているわけです。


パドスです。聞き手の感情が動かされる。

28

行政だからあんまり感情に訴えてはいけないと思います。
メディア対応を誤って反感を招いたが、これはエートスの問題につながりますね。

福島県立医大などは努力はされている様子なんですけれども、特に福島県民が苦しんでおられた事故直後の説明には不備があって、反感の感情が出てきています。

ちなみに私は全くこの努力を怠っていると。
当初は相当「これはえらいことになる」と思って慌てましたけれども、その熱意は今はちょっと衰えてですね、他の仕事もいっぱいありますので、若干弱くなっています。


エートスです。

29

初期のメディア対応の誤りは決定的です。
行政の目的が住民の健康と財産を守るという点が徹底されていないわけですね。

で、福島医大等のアカデミアは福島県のメディア対応の誤りに同調してしまったわけです。
「県民への情報開示よりも学会を優先する」みたいなことを検討委員会で平気で言ってですね、あれは完全にアウトなんです。
それでもそういうことを、誰も「それはまずいですよ」と言ってあげる人が周りにいらっしゃらないんです。

ちなみに私ですが、人柄というのが私の弱点かもしれないので、賢さ・徳・好意を追究いたします。
それから(音声切れる)人がいるかもしれませんけれども、科学的な知見を紹介しているだけです。

聞く耳を持ってもらえていないのはなぜか?というのはさらに追究したいと思います。

こんなのは日本の私の年代ですね。
政策決定を行う人たちの頭の中はまだ二極冷戦構造、25年前に終わったはずの二極冷戦構造の中で動いていて、しかも日本政府は右の側だというふうに思っている背景概念のもとに全てを判断しているからですね。
自分がどういう思想を持っていようが、言っている相手がどういう思想を持っていようが関係ないです。
私が不特定多数に左翼のクソと思われないようにすること、思われてしまうことを最も恐れるわけですね。
わかります?
私がそう思われたくないという感情が、極めて私たちの世代には強いわけですね。
団塊の世代の心理分析はよくされますけれども、ポスト団塊世代のいろんな心理状態についてはほとんど分析されていません。


30

こんな例もあります。
私への反論ですね。

「福島県䛾放射能汚染についてどうすればいいのかの答えは、昨日も書いた通り「避難すればよい」と単純にいきません。避難がもとで亡くなった人や自殺した人も少なくありません。除染作業に関連した死亡も多いです。発がん率だけを議論することは、福島県の放射線災害については無意味です」

これ、一見説得力を持つように見えますけれど、ならば、全部数字に直るんですからその数字をあげてください。
この中で一つも数字をあげて議論していません。
発がん率すらもあげて議論していないわけです。
でこういう(音声切れる)

「結局私たちが今できることは、検診を続けることです。このことは津田先生も下記で述べられていますし、私もそのように話しています」

で、最後には言いたいことだけを言って「私はこれで打ち止めにしたいです」と言って私の反論を許さないわけですね。
「相手はこう思っているはずだ」と自分で勝手に決めつけて、で、この相手のいう意見は「とんでもない意見だ」「だから私の言うことは正しい」そしてここで意見は「これで打ち止めにしたいです」と勝手に終わっちゃうわけです、反論を許さずに。

これが日本人の平均像ですね。

情報交換が一切行われないのはこういうレベルで止まっちゃうからです。


国際環境疫学会に日本国内はこういう状況であるというお手紙を延々と書いてですね、ちょっとこの問題は政策委員会でもいいし、倫理哲学委員会でも構わないから議論してくださいよ、というふうに手紙を書きましたら、学会長さんから次のようなお手紙が岩波科学にその訳が載っているようなお手紙が返ってきました。

31

その中には色々と書いてあるんですが、
聖徳太子を引用して、「よく話し合ってね」みたいなことを書いているんですね。
「日本人なんでしょ」みたいな。
私もこの聖徳太子のお言葉を知らなかったんですね。

「重要な事柄を論議するときは判断を誤ることもあるかもしれない。そのときみんなで検討すれば同義に叶う結論が得られよう」というふうに海外の方から。

これはハーバード大学の准教授の方ですが。
言われてしまうわけです。

この対話が日本の私たちに最も決定的に欠如しています。
なぜでしょうか?


32

はい。
説得は続きます。

残念なことに、日本の放射線の専門家と言われる先生方は、放射線の人体影響に関する知識も、それが具体的にどのように明らかになってくるのかも、ほとんど知識がないようです。

すくなくとも医学側の先生はどうも無いようなんですね。

で、直接の対話の機会にもめぐまれなくて、そこから情報が入っている官僚や政治家の方々、行政官の方々mなおさらです。
みなさん「「原子力ムラの連中」とか称して諦めて見捨てるのではなく、これからも真面目に説得を続けましょう。

もう本当に皆様方ぐらいの知識があれば、お一人お一人で十分説得ができます。
ただし説得の機械が設けられればの話です。
これだけは忘れないでください。
この問題は日本国民一人一人の賢さや知恵が試されている問題です。

ご静聴ありがとうございました。

1:27:09


1:28:39
ジョン・マシューズ
31
背景の問題として存在するのが、おそらく科学的データではないかと思います。
全体としての科学的データです。
もちろんこれは合理的なレベルで複雑なわけですけれども、それを持って政治家を動かす。
そしてコミニュティをこちら側にくっつける。
そして一般たい(音声切れる)にはこれが理由になって、おそらく今日の午後診ていくんですけれど、
プロセスそのものが難しい問題に直面しているのではないかと思います。


100mSvを
キース・ベーヴァーストック(東フィンランド大学環境科学学科):
私たちの方としては硬い意見があります。
この科学者パネルとしては100mSvを切るリスク。
単位暴露としてはやはり100mSvを超えたものとリスクとしては一緒なわけです。
単位当たりとしては100を切っていようが上をいっていようが同じだという事です。

わたしの理解では数多くの組織がスピーカーを送り込んでこうだと、これが1だと。
あるいは100mSvを切った場合にはリスクは低いだろうという理由を展開しております。
そして「誰であれ、それに対して物申すものは許さない」という態度です。

しかしながら科学的な問題を扱う時には、私たちとしてはディベート(debate:ある公的な主題について異なる立場に分かれ議論すること)ができる状態でなければなりません。
つまりその環境の中で様々な意見を戦わせるという場がないとダメなんです。
話す事すべてをディスカッションし、その結果としてなんらかのコンセンサスが得られるという事があるべき姿なのです。

したがって、このディベートに参加する事そのものを拒絶するというのは非常に甚大な問題であると捉えています。
一体どうやってそのような状況下で科学が前進するというのでしょう?
そのような状況が存在するのではないかと思います。
以上は背景という事で前振りです。

1:30:52


ーーー

<京都講演質疑1>「彼らは多くの事実、多くの調査結果というものを黙殺している」 ヤブロコフ博士5/22(書き出し)










第5回 市民科学者国際会議文字起こしブログ

「CTスキャンによる低線量被ばく後の発がんリスク」ジョン・マシューズ9/21第5回 市民科学者国際会議(文字起こし)

津田敏秀教授9/21第5回 市民科学者国際会議(文字起こし)

キース・ベーヴァーストック(東フィンランド大学環境科学学科)原発事故による甲状腺がんの発症と被曝時の年齢9/21第5回 市民科学者国際会議 2015

<福島とチェルノブイリの野生生物・1>ティモシー・ムソー教授「低用量曝露によって遺伝的損傷が起こるということが示されているのです」9/21第5回 市民科学者国際会議(文字起こし)

白斑「遺伝的影響・放射線の影響”があるという目印」ティモシー・ムソー教授<福島とチェルノブイリの野生生物・2>9/21第5回 市民科学者国際会議(文字起こし)

無精子「だいたい40%の鳥が全く無精子状態であった」ティモシー・ムソー教授<福島とチェルノブイリの野生生物・3>9/21第5回 市民科学者国際会議(文字起こし)

腫瘍・白内障「汚染度が高い地域にはこれは非常に高い」ティモシー・ムソー教授<福島とチェルノブイリの野生生物・4>9/21第5回 市民科学者国際会議(文字起こし)

小頭症「特に小頭症というのが放射能の高い地域ではよく見られています」生態系の異常他 ティモシー・ムソー教授<福島とチェルノブイリの野生生物・5>9/21第5回 市民科学者国際会議(文字起こし)

質疑応答 ティモシー・ムソー教授<福島とチェルノブイリの野生生物・6完>9/21第5回 市民科学者国際会議(文字起こし)

「広島、長崎、ハンフォード、そして福島のデータを再分析」濱岡豊慶応大学教授 9/21第5回 市民科学者国際会議(文字起こし)





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