
伊方原発3号機 愛媛県知事が再稼働に同意
NHK 2015年10月26日 17時41分
四国電力伊方原子力発電所3号機について、愛媛県の中村知事は26日午前、再稼働に同意することを四国電力の佐伯勇人社長に伝えました。地元の伊方町も再稼働に同意し、原発の新しい規制基準の下で再稼働に県と立地自治体が同意したのは、川内原発のある鹿児島県に続いて2か所目です。
中村知事は26日午前9時半から愛媛県庁で四国電力の佐伯勇人社長と会い、伊方原発3号機の再稼働を了解すると伝え、県として再稼働に同意しました。
中村知事が「国の考えや四国電力の取り組み、地元の理解をもとに非常に重い判断をした。今後、四国電力には安全対策に引き続き万全を期すよう求める」と述べたのに対して、佐伯社長は「再稼働に向けて、今後、安全対策などをしっかりと対応していきたい」と答えていました。
このあと、中村知事は記者会見を開き、「出力、コスト、安定供給の3つの要件を満たす代替エネルギーはなく、現状では、安全対策を施したうえで原発に向き合っていかざるをえない」と述べたうえで、県としての責任について「同意する以上は、訓練や安全対策、それに万が一のときに責任を担うことになる」と述べました。
中村知事は、午後には経済産業省を訪れ、林大臣に再稼働に同意したことを報告したうえで、十分な情報公開と説明に努めることなどを求める文書を手渡しました。これに対し、林大臣は「原発は終わりのない問題であり、今後も国民や地元に誠意をもって粘り強く理解を求めていく」と答えていました。
26日は、地元の伊方町でも、山下和彦町長が四国電力の柿木一高原子力本部長に、再稼働に同意することを正式に伝えました。
原発事故後に作られた新しい規制基準の下で再稼働に県と立地自治体が同意したのは、川内原発がある鹿児島県に続いて2か所目です。
伊方原発3号機の再稼働の時期は、原子力規制委員会による認可や新しい設備の検査などが残っているため、早くて来年の春以降になる見通しです。
経済産業相「国は責任を持って対応」
四国電力伊方原子力発電所3号機の再稼働に同意した愛媛県の中村知事が26日に経済産業省を訪れ、報告を受けた林経済産業大臣は「国民や地元に対して誠意をもって粘り強く理解を求めていかなければならない」と述べ、再稼働にあたっては国として責任を持って地元説明などの対応に当たる考えを示しました。
愛媛県の中村知事は26日午後、林経済産業大臣と会談し、四国電力伊方原発3号機の再稼働に同意したことを報告しました。そのうえで、中村知事は、原発の再稼働の必要性や安全性について国が前面に立って国民への十分な情報公開と説明に努めること、広域避難道路を優先的に整備することへの支援など、8項目の要請をまとめた文書を林大臣に手渡しました。
これに対して、林大臣は「知事の英断に本当に感謝を申し上げたい」と述べました。そのうえで、「国民や地元に対して誠意をもって粘り強く理解を求めていかなければならない」と述べ、再稼働にあたっては国として責任を持って地元説明などの対応に当たる考えを示しました。
四国電力「1日も早い再稼働を目指す」
中村知事から再稼働の同意の報告を受けたあと、四国電力の佐伯勇人社長が記者会見しました。
佐伯社長は「きょうの了解で大きく一歩前進したと思う。県民のみなさまにより一層安心していただけるよう、さらなる安全性・信頼性の向上を目指して不断の努力を重ねたい。今後の国による工事計画の認可や、使用前検査などについて計画的にしっかりと取り組み、1日も早い再稼働を目指したい」と述べました。
一方で、再稼働の時期については、「工事計画などの審査が続いていて、具体的に申し上げられる状況ではない」と述べ、明言しませんでした。
官房長官「知事の理解極めて重要」
菅官房長官は午前の記者会見で、「再稼働にあたって、知事の理解を得られたということは極めて重要だ。引き続き認可や検査など法令上の手続きに基づいて、四国電力が安全確保を最優先に対応することが極めて大事だ。原子力規制委員会の手続きが厳格に、円滑に進められることを政府としては期待したい」と述べました。
そのうえで、菅官房長官は、「政府として、省エネルギー、再生可能エネルギーの推進に最善を尽くすなかで、原発については、できるだけ最小化しようという基本方針がある。それに基づき、世界で一番厳しいと言われる基準に合格した原発については再稼働を進めていくという考え方は変わらない」と述べました。
県庁前では抗議集会
松山市の愛媛県庁前では、朝から伊方原発3号機の再稼働に反対するグループのメンバーら30人あまりが集まり、抗議集会を開きました。参加者は、「知事は再稼働を認めるな」などと書かれた紙を手に持ち、声をあげながら知事の再稼働同意に対し反対の意思を示していました。
「伊方原発をとめる会」の和田宰事務局次長は、「中村知事は、再稼働を認めるかどうかを白紙に戻して考えるとこれまで話してきたが、本当にそうだったのか。反対派の意見を十分に取り入れたのか疑問に思う」と話していました。
愛媛・伊方原発:再稼働、愛媛知事「総合的に判断」 安全対策改めて要請
毎日新聞 2015年10月26日 東京夕刊
四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)は再稼働に向けて大きく前進した。焦点となっていた地元同意手続きで、同県の中村時広知事が26日、「総合的に判断した」として再稼働容認を表明。一方、県庁周辺では反原発団体のメンバーらが「再稼働ありきで手続きが進められた」などと怒りの声を上げ、伊方町の住民からは賛否の意見が聞かれた。【伝田賢史、伊藤遥】
同日午前、中村知事は四電の佐伯勇人社長と県庁知事応接室で面会した。午前9時半ごろに中村知事が入室すると、直立不動で待っていた佐伯社長は緊張した面持ちで二礼。カメラのフラッシュがたかれる中、2人は硬い表情のまま着席した。
中村知事は表情を崩さないまま「国の考え方や四国電力の取り組み姿勢、地元の議論などの状況を総合的に判断し、愛媛県知事として事前協議を了解することとした」と表明。佐伯社長は「(要請された)9項目については、確実に順守・実行していきます」と答え、面会は10分程度で終了した。
中村知事は続く記者会見で、パネルを使いながら同意に至る経緯を説明。視線を落とすことなく「国や四国電力には、考えられる限りの要請を全てぶつけた」などと語った。記者から「過酷事故が発生した場合は進退をかけるのか」と質問されると「当然です」と即答した。
◇反原発団体、県庁前で声
松山市の愛媛県庁前では、反原発団体などの約40人が午前8時ごろから約1時間半、「中村知事は再稼働を認めるな」などと声を張り上げた。
「伊方原発をとめる会」の和田宰(つかさ)・事務局次長(63)=松山市=は「知事は(判断について)『白紙』と言い続けたが、実際には『再稼働に同意しない』という選択肢はなかった」と憤った。「原発さよなら四国ネットワーク」の小倉正さん(54)=同=は「再稼働に反対する県民の声は聞かれず、内容についての真剣な議論は行われなかった」と悔しさをにじませた。高知市を午前5時に出発し駆けつけた「グリーン市民ネットワーク高知」の外京(げきょう)ゆりさん(66)は「もし知事が同意しても反対行動を続けたい」と話した。【黒川優】
◇町民賛否割れ
伊方町の山下和彦町長は町役場に四国電力の柿木一高・原子力本部長(副社長)を呼び、事故防止の徹底を求めたうえで了解書を手渡した。柿木本部長は「安全確保に不断の努力を重ねる」と話した。山下町長は記者団に「苦渋の決断。福島第1原発のような事故が起きないよう、四電を指導していく」と話した。
知事同意に伊方町民の賛否は分かれた。民宿を経営する女性(72)は「町には働くところがなく、(再稼働同意は)若者に朗報だ。事故を起こさないよう運転してほしい」と話した。一方、主婦の磯崎光子さん(70)は「再稼働同意は残念だ」と声を落とした。【渕脇直樹】
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■解説
◇同意プロセス「住民不在」
四国電力が原子力規制委員会に、伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の安全審査を申請してから2年3カ月。7月の新基準合格後、3カ月あまりで終わった地元同意プロセスは、残念ながら「住民不在、結論ありき」だった。今後、再稼働の手続きが進む他の原発のモデルにしてはならない。東京電力福島第1原発事故後も愛媛県の中村時広知事は「代替エネルギーがなく原発と向き合っていかざるを得ない。条件を整えた上での再稼働は必要」と述べ、山下和彦・伊方町長も「町と原発は共存共栄」との考えを変えなかった。
両トップは再稼働の是非を判断するに当たり、住民代表らによる委員会をそれぞれ設置し、その意見を判断の前提とした。しかし、再稼働に理解を示す姿勢が、委員会や議会に影響したことは否めない。知事は四電に想定する揺れの大きさ650ガルを上回る1000ガル対応の安全対策を求めたが、同意を暗黙の前提としていたとみるのが自然だろう。
住民理解を得る努力も乏しかった。原発5〜30キロ圏の6市町が県に求めた説明会に参加できたのは一握りの団体代表ら。山下町長に至っては、住民説明会を開かないまま同意した。知事主導で1000人規模の説明会を開いた九州電力川内原発(鹿児島県)の例とは、比べものにならない。
中村知事は「長い目で見て脱原発を目指すべきだ」という立場だ。山下町長は原発維持を掲げつつ、原発に大きく依存した地域振興策の見直しに着手。それらを「空手形」としないため、両トップは道筋と実績を本気で示す必要がある。【渕脇直樹】
<伊方原子力発電所>中央構造線活断層で震度5強〜愛媛県伊方町震度4
愛媛県伊方原子力発電所3号機 原子力規制委員会の審査合格!「使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを混ぜたMOX燃料を一部使う」
鹿児島県の川内原発に続いて愛媛県の伊方原発となると…
福島原発事故の影響で関東以北の食材が汚染されている今、九州四国の食材は日本人にとって大切です。
これ以上国土を汚してはいけない。
そんなこと当たり前なのに。
中央構造線の上に建つ伊方原発再稼働に同意した愛媛県中村知事や伊方町山下町長、四国電力佐伯社長、菅官房長官など、それぞれもっともらしく発言しているけれど、日本国土が取り返しのつかない汚染を受ける(つまり、国土を無くす)確率が高くなる原発再稼働をしていくこの人たちがとても不思議で…
どうしても納得できない気持ちでテレビのニュースを見ていました。
火山活動は現在日本中で活発になってきている。
昨日もアフガン北部でマグニチュード7.5の大地震があった。
まさにその日に再稼働に同意している。
最近日本では鳥取県中部で地震が頻発している。
今までにない異常気象に大型台風、大自然の脅威が迫っている最中、原子力発電所など稼働している場合じゃない!!!
ばっかじゃないの
「日本にヒトが生存できなくなるぞ」と、わたしは思っている。
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進退をかける?
進退が責任?
知事という仕事がなくなり、収入がなくなることが責任?
そんな責任でいいの?そんなのいらない。
自分の生命をかける?
あなたの生命なんていらない。
ただ、汚染される前の、空と空気と大地と水とすべての生き物の生命を元に戻してくれるというなら、責任をとってほしい。
責任も取れないのに、責任を問うたり、口にしたり、変です。
誰も責任を取れないのになぜ再稼働させるの?