3「無責任かもしれないけれども、最後は人の心の問題ですから」田中原子力規制委員長vs桜井南相馬市長(文字起こし)

原子力規制委・田中委員長vs南相馬市・桜井市長(2015.10.29)


文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/1NnPsOTgrXM?t=26m42s
南相馬市・桜井市長:
桜井3

お母さんたちにとっては「こんなところで子供を育てられるか」っていう気持ちに対して、「大丈夫ですよ」と言える根拠というのが本当は必要なわけですね。
ところが不安な人には「どんなレベルまで下がっても元には戻ってないでしょ」と言われたら、そこは「そうだ」と言わざるを得ないわけです。
だから委員長がおっしゃるように帰りたい人から帰るようにすればいい。
まさにその通りで我々はそうやっていますよ。

ただそれで、この南相馬を含めて避難されている方々が、地域の再生をできるかというとできないんですよ。
南相馬は22年度から今現在の生産年齢という15歳から64歳の人口が今現在で1万3600人も減っているんですよ。
この人たちは、ここに戻ってこない世代が多いんですよね。
ここをどうやったら南相馬市の復興になるんですか?
来ていただいているのが5000人ぐらいいますよ。
新たに南相馬に来て暮らしていただいている方が。
これは例えば浪江からの高齢者とか、浪江からの避難民とか、8市町村全部から南相馬に来てもらっています。
飯舘からも含めて。
でもほとんどが高齢の人たちですよ。
この人たちで社会的に復興が本当にできて、将来の、よく言う10年後の人口だとか、20年後の人口を確定しろと言われても多分亡くなっていく世代が中心なので、どんどん逆ピラミッド型になっていくわけですよ。
そうしたら、この地域の復興って本当にできるんですか?と。
この時にいろんな国からの、これでしょ、あれがあるでしょ、って言われて地方創生だなんだと言われますが、
「現実的にはここで子育てをしていける環境が本当に保障されるんですか?」ということなんですよ。
この点に限って言えば、医療環境、福祉環境、子育てとして保育環境、全くできていないです。
我々は幼稚園保育園を無料化しています。
子供達は増えています。
けれども保育士が足りません。
という問題が、一つ一つ出てくるんですよ。
医師、看護師いません。
看護師がいなくて病院が開けられません。
医療スタッフ確保のために無償奨学金制度を作っています。
介護ヘルパー確保のために介護士を無償で養成講座をやっています。
それでも確保できない。


こういうことに対して何故こうなっているか?っていうと、原発事故そのものなんです。

だからここからの復興について、現場で我々が住民とコミニケーションしたから結果としてプラスとなって人口が増えていくわけでは、全くないんです。


規制委・田中委員長:
田中3

それはおっしゃるとおりで各市町村みんな共通です。
だからその部分深刻だと思っています。
ですからそうやったものをどうやって乗り切っていくかというのはやっぱりひとりひとりがよく、もう、ある意味じゃね、無責任かもしれないけれども、最後は人の心の問題ですから、それを乗り切れる人と乗り切れない人とが出てくると思うんです。

で、客観的に見ると、統計的に見てみると、やっぱり高齢化していくということもあります。
それは別に放射線の問題だけじゃないんです。


ま、南相馬は比較的都会ですけれども、一般的にやっぱり山間部から街に出れば「便利だからもう帰らないよ」という人がいるという話も●に伺いました。
だからそういうことを踏まえて、やっぱりもう、ただただ要求して国がどうするだなんだって言ったって、もう先は無いですからそんなに大きく変化することはないんで、もうここはやっぱり「自分たちでどうして、どうしようかと、現実を踏まえて」という考え方に立って必要なことを求めて下さい。
そうしないと国としてもどこから手をつけていいか分からないということなんです。

だから市長が言うことは一つごもっともだし、多分そうだと思います。
でもこれは、私は今規制委員長としての立場を超えて話をしているんですが、あの、そういうことですので、そういうことをやる上で、あの、過疎化交付金とか相談員とかっていうことをうまく使っていただければ、私としては一つの仕事をやっているかなということで申し上げています。

そんで、今おっしゃったようなことを全部やろうと思ったら、これは私の力量を、私どもの範囲じゃないんで、ここはちょっとあの、なんとも言えない、怒られたってこればなんともしょうがないというところがあるんで、ちょっとそこはもう、ご理解いただければと思うんですけどね。




https://youtu.be/1NnPsOTgrXM?t=32m7s
南相馬市・桜井市長:
決して私は田中委員長を叱っているというんではなくて、私としてはもう、あの震災から必死でここを支えてきたつもりなんです。
一方で、20kmにかかっていない町でも全員避難した町もありますよね。
結果として7万6000の双葉郡がどれだけ帰ってくるか、という問題になれば、南相馬は一時期1万人割っていた部分が8500人以下になったんですよ、7万1500人居て。
けれども今現実的には5万5000人以上住んでいます。
作業員も含めると、多分6万人近くがここに住んでいるでしょう。
その違いは何か?って言ったら、ここは必死になって支えてきていて、ここは1日たりとも移動をしていないんですよ。
それは職員も含めて、市民に対して責任を持ってここをカバーしようと。
一時期は120人も県外の避難所に職員を派遣したんです。
3ヶ月間。
長いところはもっと長くずっとおりましたけれども。
こうやったことをやって今支えていて5万5000になったものの、それでもまちづくりが難しいのはやっぱり若い、子育て世代に対して明確に、ここは安全だとか、安心だというメッセージをどうやって伝えればいいのか?
これは我々自治体の首長と市民のコンセンサスを作ればいいなんていう問題じゃないです。




規制委・田中委員長:
それはですね、あの、我々が安全だとか安心だとかって言ったからって納得していただけるものでもないんですよね。
そこが非常に難しいところです、はっきり申し上げて。

で、話は違いますけれども、「作業員とかいろんな方がいて不安だ」
これはここだけではなくて、広野でもその話。
いわきでも、いわきでは避難して住民登録をしていない人が2万4000人からいられると。
でも国のサポートがないって市長がおっしゃっていましたけれども、ゼロではありませんけれどもそういうこともあるという現実もずいぶんもらいました。

で、そこのところがやっぱり、ちょっと国としても考えなければいけない問題ではあるんだろうと思います。
多分ここも唯一住む場所があったということで避難されている方、それから作業員の方、これがないとみんな住めないことになりますので、そういうことでそういうご苦労をおかけしているということの●もわかりましたので、そのことは人それぞれですので、それはきちっと伝えたいと思います。

あの、えーっと、そういう意味では非常にわかるんですが、他にどこもずっとどこも同じ、大変みなさん市長さんは住民と一番向き合うところでご苦労されているのもわかりますし。
だから私も逆に言うと首長さんをこうやって回っているというところもあるんです。
あのー、さーっと回って「どうですか?」って聞くのは簡単です。
時間をとっていろんなお考えを、なかなか聞けない話もいっぱい聞きましたので、そういうことを今度は国として整理してどうするか。
その時にやっぱり首長さんと●ということで交流できるようなことにしておかないとこれはごにょごにょ。

で、この、高齢化の問題。
昨日、楢葉も解除したばっかりですが、行った時にはまだ100人しか帰ってきていないと、この夏ですから。
で、今日の新聞かなんか、昨日かなんか341人だとか。
でも周りの割合からみるとまだまだなんですね。
で、町長の話では、誰かが帰ってきているとそこに電気がついているとその周りの人もなんとなくボソボソ帰ってくる。っていうような状況もあるんだっておっしゃっていました。
ですから、なかなか最初に帰ってこられる方というのは、いろいろバリアが高いと思うんですが、そういう人たちをできるだけサポートしながらやっぱり帰還率を上げ帰還をちょっとづつ増やしていくという地道なことしかないのかなと思っています。

それから川内村で話した時には、ここな20km圏で村の中が前後に分かれていて、初期の問題でコミニティが壊れていると。
「ここをなんとかしなければいけないんだけれども」っていう、非常に深刻な悩みもありました。
これをどういう風にできるのか、ちょっと私もすぐには思いつきませんけれども、いっぱいそういう話は聞いていますので、まぁ、よく整理してお伝えできることをして、あとはそれに対して国がどのように機能してくるかは、是非、市長の目からもよく見て、あの、いただければと思うんですけれども。



ーーー


桜井市長の言葉から被災地の現実と苦悩がはっきりと見えてくる。
汚染されてしまっている地域を復興させること、そこには大きな矛盾がある。
苦しくなる。

戻ってくる人が高齢者ばかりであることに対して、高齢化は放射能の問題じゃなく他の土地でも同じだという発言には大きな違和感を感じた。







2015年10月
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