さいたま市から来ました。
私の妻と子が埼玉のほうに母子避難中です。
妻と小学校2年生の長男と、幼稚園の年長、年少。あと、1歳になる男の子がいます。
なぜまだ避難を続けているのか?というと、信じられないことがすごくたくさんあるんですよね。
まず原発事故が起こった時からいろいろ思い起こすと、政府の話というのは、本当は信じたいです。
「安全だ」「安心だ」
信じたいんですけど、いろいろ調べれば調べるほど分からないことが多いです。
リスクアドバイザーという方がよく来ます。
素晴らしい話をしてくれます。
だいたい1時間半ぐらいの公演だと、1時間ぐらい「安全だ」という話を永遠と続けるんですね。
そして、安全だと思いこました後半なって、「交通事故程度の危険性があるよ」と、なぜか言います。
ここで「おかしいぞ」というふにして質問するのは私みたいなタイプの人間らしいです。
他の人たちはなんか「安心だ」「安心だ」「安心だ」
「交通事故、どうってことないや」で終わってしまうらしいんですが。
実際のところ私は交通事故に二度ほどあっていまして、交通事故は結構遭うものかな、と。
それで実際除染が、郡山とか福島とか。
福島にも家があるので除染の状況を見ています。
実際「科学的にしっかり除染をしました。帰っていいですよ」
郡山市は言います。
ただ、実際の除染がどのように行われたか?というと、
「除染」という形は行いました。
本当に線量を下げるようにしっかりと除染したのか?というと、そうでもありません。
除染したゴミ、置く場所がない。
だからうちは除染しない。
そういう所も沢山あります。
あと、郡山市、福島市。
木を切ったり切らなかったりします。
片方は木を切ってくれます。
焼却炉でバンバン燃やしています。
片方では焼却炉で燃やせません。
だから木を切りません。
どっちがありがたいのか、正直わからないところがあります。
それと不思議な話、「木は切っても線量は下がらない」っていうんですけど、
うちの家は除染しても線量は下がらなかったんですが、隣の家の木を半分ぐらい切り倒したら、なぜか線量が半分ぐらい下がりました。
言っていることとやっていることが思いっきり違います。
例えば森林の除染。
「してもあんまり効果はありませんよ、放射線は来ませんよ」と言いながら、福島の渡利地区の話を聞いていると、「一生懸命除染した、雨が降ると元どおり」そういう話も実際に言います。
で、車で渡利を通ると未だに線量はやっぱりあります。
「除染」のまやかし 神戸大学大学院教授 山内知也氏12/22たねまきジャーナル(内容全て文字起こし)
そういう状況の中で、本当のことを誰が話しているんだろう?
本当に心配になってきます。
そしてうちの子供達は泥んこになって遊んでいます、埼玉で。
で、家に帰ってくると母親に怒られます。
「なんてことするのよ!」
でも私はニコッとします。
「男の子はこうだよな」と言いながら頭をポンと叩いて、
「お前ちゃんと払ってこい」というんですけど、
これ、福島でやったら頭ポンじゃ済まないですよね。
「除染した」と言いますが、したところはやらないというところでして、
実際吹き溜まっているところがあって、後やっていないところがあって、その辺分からないんですよ。
線量計を持ってウロウロすると、突然線量がピクンっというところがまだ沢山あります。
それと、郡山の自宅は悲しいんですが、線量計のスイッチを入れておいて部屋の掃除なんかをすると、鳴るんですよ。
ピピピッ。
悲しいかな、自宅の中に(放射性物質が)いるんですね。
あの粉みたいなやつが綺麗に取れているのか?
まぁ、「取れている」という人もいるし、「取れていない」という人もいるし。
あと、怖い話道路の除染は進んでいないし、側溝の除染は進んでいません。
私が住んでいる郡山の家の前は、大雨が降るといっぺんに水が上がります。
大体このくらいまで水が上がってきます。
泥が道路にたまります。
乾くとそれが舞い飛びます。
郡山市あたりに電話して「こういう状況なんだけどどう?」と聞くと、
「もう手いっぱいで何もできません」というような返事があります。
「安全ですから帰りなさい」と言われても帰る状況ではないです。
それと母子避難になってしまった最大のネックは私の度胸のなさなんです。
度胸のいいお父さんたちはピッと仕事を辞めて新しい職をちゃんと求めます。
高校入試、大学入試、それほど大変じゃなかった気がします。
就職試験、すごく大変だった記憶があります。
この年齢になってもう一度就職試験を受け直す、悲しいかな、度胸がないです。
けれど妻子を福島に戻す、そういう気持ちにはなれないです。
そうこうしているうちに貯金はどんどん目減りをしていきます。
行き帰りの中で車はどんどん痛んでいきまして、これが長期間続くと疲労がたまるんですね。
で、最近妻が事故を起こしまして、車が一台廃車になりました。
(子どもが)育ってくると本当にお金は厳しいものがあります。
で、住宅の支援が打ち切られるぞ。
どうすればいいのかな?
どうすればこのまま残れるんだろう?
となった場合に、私の収入がネックになります。
新しい福島県の政策であれば多分、なんの保証もないのです。
んー、どうしよう。
福島にあるもう誰も住んでいない親の家を売るべきなのか、悩みます。
放射性物質にまみれたところを売っていいのかな?
放射性物質のゴミが庭の中にデーンと埋めてある場所、人に言うべきなんだろうか?
だけど売れるんです。
浜通りの人は買うんです。
向こうの方が線量はめちゃめちゃ高いんです。
でも、そういう土地って本当に売っていいのかな?
私の中にある人間としての理性がどうしてもそこを止めるんです。
それでどうするべきなのか?
退職して退職金をもらうべきなのか?
ただ、一番下の子はまだ1歳で、これから先のことを考えると非常に厳しいものがあります。
それで今現在福島で暮らしている人たちの中にも、すごいリスクを抱えていて、
「本当は出たいよ」
でも、福島県は新たな避難というものは認めておりません。
チェルノブイリでは4〜5年後からがんの子ども、甲状腺がんの子どもが爆発的に増えたという話がありました。
4〜5年経ってきました。
事実はどうでしょうか?
信じられない数の子どもが手術をしています。
それでも「関係ない」と言い切ります。
どう関係ないのか説明してもらいたいんですけど、一生懸命もみ消している感じがします。
うちの子供達も上の二人は最初は何もなかったんです。
今回(検査を)やったら、カエルの卵みたいなのがうじゃうじゃありました。
「小さな嚢胞は関係ないよ。出たり消えたりするものだよ」
そう言う福島県立医科大学の先生の診断がどうしても信用できないんです。
だからいくら「除染をした」と言われても、はるかに線量の高い地元には帰れないんです。
そして、経済的にだいぶ疲弊してきているので、住宅の保証、これが途切れてしまった場合には、路頭に迷いたくはないのですが、いろんなものを切り崩していきます。
貯金はとりあえず無くなりました。
この後どうしようかな、生命保険を解約しようかな?
これも悩むところなんです。
交通事故のリスクはすごく高いんです。
この前こちらに車で来たんですけど、ノーマルタイヤです。
帰り、途中の峠道で雪が降ってきたんですよ。
で、みると氷点下まではいかないんですけど0度なんです。
その時に、小ちゃな子どもを二十歳までは見ていたいなというのをしょっちゅうやっていますと、私自身の心身はどんどんボロボロになっていきます。
国はどうなのかな?
国の説明会とかいろいろ聞いてくると、「安全です」「安心です」を繰り返します。
そして、彼らに何を話しても答えは決まっているんです。
彼らの解答用紙というのがあって、それを延々と繰り返すだけなんです。
壊れたテープレコーダーと同じと言えます。
そして復興庁の役人もこういうことをやるんです。
すごく腹が立ったんです。
なんでこういうことだけはきっちりとやるの、あんた。
あんた公務員でしょ、服務の宣誓したの?っていうような感じが致しました。
もっと話したいことは1時間ぐらいあるんですがこれで終わります。
東日本大震災
福島第1原発事故 森林除染せず 「林業成り立たぬ」 放射性物質流出も懸念
毎日新聞2015年12月22日 東京朝刊
東京電力福島第1原発事故に伴う除染で、生活圏から離れた大部分の森林を対象としない方針を国が表明したことに、福島県の森林組合や帰還を目指す住民から批判や不安の声が上がった。【土江洋範、岡田英】
全域避難が続く飯舘村の森林組合は、避難指示解除後に営林を再開しようと国に除染を要求してきた。村の面積の8割は森林。佐藤長平組合長(64)は「放射線量が高くて作業員が入れない場所もある。除染しなければ事故前のように林業に従事することはできない」と肩を落とす。
一方で国の方針は、平均空間放射線量率が被ばく線量管理を行う必要がない毎時2・5マイクロシーベルト以下の場所であれば、間伐などの森林整備を行うことを林業者らに求める。森林内の下草などが育てば、放射性物質を含んだ土砂が生活圏に流出するのを防ぐ効果が期待されるためだ。
管理する大半の森林が避難指示区域内にある双葉地方森林組合の秋元公夫組合長(68)は「被ばくへの不安から作業員が集まらないのでは。作業員の健康に何かあったら責任を取るのは組合。現場任せにされては困る」と指摘する。
阿武隈高地の山間部にある葛尾村は来春の避難指示解除を目指す。解除後に村で野菜栽培をしようと考えている女性(77)は「安心して暮らすため本当は除染してほしいが、金も時間もかかるなら仕方がない。その分、生活拠点をしっかり整備してほしい」と話す。
国は、放射性物質を含んだ土砂の流出によって生活圏に影響が出る恐れがある場合には、防止柵などを設置するとしている。同村の下葛尾地区で行政区長を務める遠藤英徳さん(73)は「完全に土砂の流出を防げるのか。山は広く、限界がある」と不安を口にした。
大半の森林、除染せず 環境省方針、生活圏から20メートル外
2015年12月22日 08時00分 福島民友
東京電力福島第1原発事故に伴う県内の森林除染について環境省は21日、住宅など生活圏から20メートルの範囲と日常的に人の出入りがある場所を除き、大半の森林では原則として除染しない方針を示し、有識者でつくる環境回復検討会で了承された。
会議後、井上信治環境副大臣は「広い森林を面的に除染するのは物理的に困難で(落ち葉などの堆積物を取り除くことによる)土壌流出など悪影響もある。住民にとって一番良い手法を考えた結果だ」と語った。同省は今後、除染に関するガイドラインを改定し、方針を反映させる。
県土の7割を占める森林の除染をめぐって国は、住宅や農地の近隣20メートル以内と、キャンプ場など人が日常的に立ち入る森林については除染しているが、それ以外については方針を示していなかった。
環境省は、これまでの実証事業の結果から「森林内の放射性物質が雨や風の影響で森林の外に流出する量は少なく、生活圏の空間線量への明確な影響は確認されていない」とした上で、「堆積物の除去を行えば土壌流出を招く」と結論づけ、除染は適当でないと判断した。
ただ、斜面が急な場所などでは土壌が宅地近くまで流れ込み、除染前より除染後の放射線量が上がった場所が確認された。このため必要なモニタリングの継続や生活圏への土壌流出を防ぐ木製柵の設置、土のうを積むなどの対策を講じる。
会議で同省は、林野庁と連携し作業の機械化による屋外作業時間の短縮や作業員の被ばくの低減、情報発信強化などに取り組む方針を示した。有識者からは「除染をしないなら、林業をどういう形で再生させていくか検討する必要がある」との指摘が相次いだ。今後、林業再生の手法をどう示せるかが焦点となる。
<ディスカッション>「避難を続けたい避難者が追い出されてしまうかもしれない」現在避難者がおかれている状況(文字起こし)
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一番「ウワー」と思ったのは、「カエルの卵みたいなのがうじゃうじゃ」という部分です。
それって若しかしたら福島で被曝したからなんでしょうか?
もしかしたら埼玉で泥んこ遊びしたからかも知れませんよね、、?
それ程埼玉だって汚染されてるんですよねぇ、、。
放射能から逃げるしかありませんね。責任者(東電、政府、自治体)の費用負担で。一例ですが、2020年東京オリンピック、5年後ですよ。そんなばか騒ぎやってられますか?もっともっと大きな被害に膨らんでいるにきまってるでしょう、このままだと。だから、ばか騒ぎなんか止めて避難費用に回しなさいよ、偉いさんは。
> 「お前ちゃんと払ってこい」というんですけど、
これ、福島でやったら頭ポンじゃ済まないですよね。
埼玉県でも秩父市や深谷市、熊谷市などは、
1万Bq/m2程度の汚染だよ。
東京都や川崎市も1万Bq/m2程度の汚染だし。
埼玉県は全然安全ではない。
平成27年7月に実施した足立区の除染前後の結果を見れば明らかです。
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-4437.html
東京都足立区東和五丁目4番先 区道植樹帯内(東和五丁目バス停そば)
【除染前】地上5cm:1.701μSv/h、地上50cm:0.312μSv/h
【除染後】地上5cm:0.168μSv/h、地上50cm:0.139μSv/h
弁護士は地元弁護士会で紹介してくれます
or他地域移住先の弁護士会で紹介してくれます
or原発訴訟をやっている弁護士は検索すれば何件でもヒットします。
相談だけでも。相談は地元市役所の無料法律相談or弁護士会の有料相談(30分4000円程度)
PCの”お気に入り”にいれて、時々読ませていただいてます。
Aさんのお子さんの体の状態を読み、ズキンときました。被曝されてしまったのですね・・・。
こういった声は大きい報道には決して出てこない。そして”なかったこと”にされていく。
それでも、辛い被害に遭われた方の声は、心にじかに届くと思うのです。
きーこさんの文字おこしによって、被曝の実態が世間に広まっていくことを願ってやみません。
自分は東京都西部地域の小中学校で仕事をしていますが、全く汚染によるものと思しき異変は見られません。
もう5年も経つというのに・・・
正直、東京の汚染の真実が明らかになると、やや妙な期待をしていた部分もあるというのに・・・
特に、小学校などは、掃除の時間に始まり、低学年の子供たちなどは、床に転がることも多く、とにかく地面と近いところで生活しております。
なんといいますか、たぶん、東京都でも、場所による差が大きいのではないでしょうか。
それと、他の化学物質同様、ある程度までは反応が出にくいのではとも思います。いわゆる「閾値」というものがあって、その値までは、しのげるといいますか。
それとも工作員かな?
> 全く汚染によるものと思しき異変は見られません
放射能の影響は「slow death」ですから、
たった5年で判断はつきません。
それを知っているから国は「安全です」を繰り返すのです。
10年から20年後に健康を害した時、
放射能の影響だなんて誰が断定できると思いますか。
そんなことはできないので、御用学者も国も平気な顔で、うそぶくことができるのです。
過去の東京で一番汚染された時期は、核実験時代の1960年代ですが、その時でさえ約2,000Bq/m2です。
福島原発事故で東京は10,000Bq/m2の汚染を受けたのですから、過去最高値の5倍ということになります。
1960年代以降、日本では急速にがん患者が増えてきました(今では2人に1人が罹患)が、この放射能の影響が皆無だと言える専門家などいないでしょう。
その5倍の汚染を東京(特に足立区や江東区及び西端)が受けているのです。
それがどの程度のものか、
もう一度考えてみることをお勧めします。
平成27年7月に実施した足立区の除染前後の結果。
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-4437.html
東京都足立区東和五丁目4番先 区道植樹帯内(東和五丁目バス停そば)
【除染前】地上5cm:1.701μSv/h、地上50cm:0.312μSv/h
【除染後】地上5cm:0.168μSv/h、地上50cm:0.139μSv/h
ちょっと心を休めた方が良いですよ