<川内原発>九電の安心の理由はローマ字だらけの目くらまし「何か起きたら帰れないということは書いてない」 樋口健二×アーサービナード(文字起こし)



樋口健二さんとアーサービナードさんのトークをこのブログでは玉音放送ポツダム宣言のお話の部分を途中から書き出しました。
もっとちゃんとお話を聞きたいと思ったので、最初から文字起こしすることにしました。


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【樋口健二×アーサービナード】 コラボトーク講演会
2015年12月20日




https://youtu.be/YhZIRwFjtec?t=46s

1

アーサービナード:
僕らが原発で働く人たちと自分の、一人一人のつながりを理解していれば、こういう世の中にはならなかったというのは、樋口さんの作品を見れば誰でもわかるんですね。
右・左、保守・リベラル一切関係ないですよね。
自分たちが現場に立つ、あるいは現場に立つ人と同じ景色を見て同じ経験をすれば、誰もこの道を選ばないということですよね。

樋口健二:そうです。

アーサービナード:でも、僕はこの間薩摩川内に

樋口健二:行ってきたの?

アーサービナード:
行ってきた。
でも、薩摩川内の圧力釜の中には入れてもらえなかったけど、そうじゃなくて隣の、
建屋は外から見るしかなかったんだけど、隣のPR館っていうのに行ったんですよね。
そしたら可愛いキャラクターがいてね、それからいろんな新しい資料をもらってきたんですよね。
それによるとね、樋口さんとちょっと、薩摩川内の経営者の九州電力の原子力のイメージ、捉え方が違うんですよね。


樋口健二:全然違いますよ。


アーサービナード:
九電によると、もう安全になったらしいんですよ。大丈夫なんですよ。

12204
「原子力だよりかごしま」
なぜかマヌケなひらがななんですよね、漢字が読めない人が書いたんだか。

表紙
かごしま

原子力だよりかごしま」をいただいてきたんですけどね、
事故が起きた場合どうするか、ということもすごく細かく書いていて、
多分樋口さんがイメージしているような対応。
例えば福島第一原子力発電所のメルトダウンの対応と画期的に違うんですよね。

みなさんちょっと、ローマ字に頭を切り替えて話を聞いて欲しいんですけど、
この可愛いパンフレットにはいろんなキャラクターとか市民も書いてあるんだけど、
Q&A方式で作ってあるんですね。
Q&Aでみなさんを安心させるっていうふうに作ってあるんですけど、
まず安心していい最初の理由は何か?っていうと、UPZがあるからなんですよ。

UPZというものを、30kmの輪っかを地図の上に書いて、それをUPZって言うんです。
しかし、UPZだけでは対応できないのでUPZの他にPAZっていうのを作ったんです。
PAZ5kmの輪っかなんですよね。
だからPAZがあってUPZがある。

それを区別するんですけど、どういう風に区別するか?っていうと、EALっていうことで区別して、緊急時活動レベルEAL1EAL2EAL3というふうに分けて、それで対応するので大丈夫なんです。

で、このEAL1、2、3の他に、それだけでは全てに対応できるわけじゃないので、OILというものを設けてあります。
このOILは運用上の介入レベルですから、EALの緊急活動レベルOILの運用上の介入レベルを組み合わせて、OILの場合は1、2、3、4、4、5、6まであります。
だから本当に細かく、その事態に合わせた対応ができるようになったので、みなさん、とりあえず安心していいみたいです。

P3~P4:鹿児島県の原子力災害対策について(2)
かごしま2

そういうことなんです。
これ作っているやつらだってわかっちゃいないんですよね。
なにがOILか。
これ鹿児島のじいちゃんばあちゃんが頭こんがらかって諦めるように作ってるとしか思えないでしょ?
「ここまで人をバカにできるんだ」っていう、九電らしい、って言えば九電らしいんだけど、これは別に九電に限らずみんなやってるんだもんね。

全部、これは鹿児島の一般市民向けの資料。
そして僕みたいに暇でPR館を見るような人に対して、
PAZUPZ

12206.png
要するにここに、可愛いキャラクターになっている建屋があるよね。
30kmがUPZで5kmがPAZ。
これを分けることによって安全性が高まるらしい。

こんな読めない文章ないでしょ。
PAZカッコ予防的防護措置を準備する区域。では、施設内の状況で防護措置が決まる


樋口健二:俺もわからん。


アーサービナード:
EAL緊急時活動レベル
これは地震や津波の発生、または原子炉冷却材の漏洩や電源喪失といった事態、事故など、緊急事態による初期対応の三つの判断基準。
それで、EAL1EAL2EAL3

だけど、結局これに、「要配慮者の避難準備」って書いてある
要配慮者、配慮が必要な市民のことを「要配慮者」
要介護じゃなくて、要配慮
こういうものを作る必要あるんですか?
みんな配慮が欲しいよね。
少し配慮して欲しいんだよ、みんな。
「僕は配慮はいりません」っていう人はいないよね。

だけどこのUPZって、ちょっと蒸し返すようなんだけど戻ると、
UPZ(緊急時予防措置を準備する区域)および30km以遠では、空間放射線量の値で該当地域や防護措置が決まる。
それをOILっていうんです。
わかりますか?OIL
OILは運用上の介入レベル。
放射性物質の環境放出に適切な防護措置を行うための判断基準。
該当する地域では緊急時モニタリングによる空間放射線量の値に基づき、原子力災害対策本部、国と県で協議して決定されます。


樋口健二:なんだかわからん。

アーサービナード:樋口さんがわからないんじゃ誰もわからないね。


樋口健二:あのね、40年前と同じもの作ってんだよね。

アーサービナード:そう。

樋口健二:ほとんど。

アーサービナード:だけど40年前はこんなにローマ字多くないでしょ?

樋口健二:本質的には何も変わってないよ。

アーサービナード:
そうですね。
でも変わっているように見せるためにOILって言ったりEALって言ったり。
これがつまり、樋口さんの作品でいうと、
一流企業の優遇されている正社員がいるコントロールルームの世界。
コントロールルームしか見せないでしょ。
で、これ(原子力だよりかごしま)が市民に渡すコントロールルームと同じ性質のローマ字だらけの目くらましなんです。

だからこれを見るとなんか、ま、TPPに入るし、まぁNHKも見てるし、やっぱりEALとOILも必要だろうな。

これ言語的に非常に確率の低い現象なんです。
原子力に対応する、原子力のメルトダウンを含めて緊急事態に対応するために、必要な言語的表現がすべて、例外なく全部ローマ字の3文字で成り立つっていうのは、これは言語学的になりえないぐらい珍しい。
宝くじが当たるぐらいなんです。
なんでみんな3文字、未熟語、3文字未熟語になんで全部はまるか?っていうと、もう最初からこれをとにかく、何が何でも3文字にはめるっていう。

だからコントロールルームだって、その向こうがどんなにメチャクチャであっても、コントロールルームは、なんかこう、冷静で「すべてがちゃんと制御できてまーす」って、そういう演出ですよね。



樋口健二:ということだね。

アーサービナード:見事。

樋口健二:これ、30km、その先の子は一つも書いてありませんね。

アーサービナード:いやいや、UPZがそれなんですよ。あ、自分も間違えた。OILがそれなんだ。30km以遠、

樋口健二:
それはね、逃げるのはいいんだけれども、
30km圏内には相当の人が住んでてね、それで何か起きたらここに帰れないということは書いてないね。

アーサービナード:そうです。

樋口健二:こういうところがインチキなんだよね。

アーサービナード:そうです。

樋口健二:
本質的には皆さん、僕もね、かつて今から、ほら、73年ごろ。
電力会社に行けばパンフレットをこんなにくれるのよ。
デメリットは一つも書いていない。
それと同じなんだよね、これ(原子力だよりかごしま)。
見事ですね、この

アーサービナード:
でね、樋口さんの作品をずっと見ていくと、労働者がどういうことをさせられているか、どういう被曝をさせられているかっていうことが見えてくるんだけど、それがさっきのバスの写真を通じて、今度は地域の農民漁民、一般市民、そこにいる人たちの生活がいかに被曝の残酷なカラクリに吸い込まれていくんですよね。
でも、それが30km圏だったりするんですよね。

でも本当はそうじゃなくて、この日本という国の生活者はみんな、実は同じように触手が伸びて、僕らの毎日の消費行動も結局ここに吸い込まれているんですよね。
その延長線上に僕らが居るという。


つづくーー







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終戦の詔勅はおそらくヤラセだろう

前の、敗戦の秘話に関する記事にコメントさせていただきましたが、私がずっと以前から疑問に思ってきたことを書き忘れました。
それは、昭和天皇が「耐え難きを耐え」と詔勅を読み上げる時に、多数の国民(主に女性)が皇居前の玉砂利の広場で膝まずいて泣き崩れるという映像が変と思うようになったということです。
子どもの頃は変とは思わなかったですが、何十回もテレビで見せられているうち疑問に思うようになりました。
なぜかというと「これで爆弾の恐怖から逃れられて安心した」とか「何を言ってるか意味不明だった。分からなかった」という当時の市井の庶民の声がマスコミで紹介されたのに、その玉砂利にいた人達は敗北の弁とすぐに理解して泣き崩れたのでしょうか?
それから、そもそもどうして多くの市民が無防備でそんな東京のド真ん中の爆弾が落ちて来そうな危なっかしい場所に集まっていたのでしょうか?
きっと誰かの命令で集められ、指図どおり泣き真似したのだと思います、安全安心と説得されて。
私は訳の分かる中年になって、ようやくそういう疑問を持つようになりました。
ついでにいえば、どうして大マスコミが戦後繰り返しこの場面を流してきたのでしょうか?
国民は敗戦と聞いて悔しくて泣いたと思い込ませるためでしょう。
勝つ、勝つと大本営発表を何度も聞かされ信じてきたら、泣くより前に、本当は負けてたと真相を知って怒るとか、釈然としないとか、そういう不信感がまず脳裏をよぎり、しばらく詳しい説明を聞いて納得したら泣くんじゃないでしょうか?
あるいは物資、兵力の差から、そら見たことかと納得の頷きを示した人もいたでしょう。
だから、この場面はきっとヤラセと思いますよ。