プルサーマルの「プル」はプルトニウムの「プル」
石油ストーブでガソリンを燃やすようなこと
高浜3号機がきょう再稼働 新基準適合で3基目
2016年1月29日 東京新聞朝刊
関西電力高浜原発3号機(奥)の再稼働を控え、入り口付近を警戒する警察官=28日午後、福井県高浜町で
関西電力は29日夕、高浜原発3号機(福井県高浜町)の原子炉を起動し、再稼働させる。原子力規制委員会の新規制基準に適合した原発では九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)に次いで三基目。プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使用するプルサーマル発電では初めてとなる。
関電によると、原子炉に制御棒が規定時間内に挿入できることを確認する駆動試験を29日午前に実施。問題がなければ同日午後5時ごろに原子炉を起動させる。30日午前6時ごろに核分裂が安定的に持続する「臨界」に達し、2月1日に発電・送電を開始する。
高浜4号機は31日に核燃料を装填(そうてん)、2月下旬に再稼働する。政府は原発30キロ圏の自治体の広域避難計画を了承したものの、これに基づく訓練は実施されておらず、実効性への懸念は強い。
高浜3、4号機は昨年2月、規制委の審査に合格。12月に福井県知事と高浜町長が再稼働に同意した。二基の再稼働を禁じた仮処分決定を福井地裁が取り消し、法的にも動かせる状態になった。
3号機は157体の燃料集合体のうち、24体がMOX燃料。4号機でもMOX燃料が使われる。
2015年12月
高浜原発3号機「燃料集合体下部ノズルと燃料移送コンテナの接触で警報」〜再稼働を認めた林潤裁判長


2015年4月
高浜原発 「再稼働認めない」仮処分決定
<高浜のプルサーマル・40年期間延長・高温ガス炉・福島第一原発>小出裕章氏12/31報道するラジオ年末特番(文字起こし)より一部抜粋
水野:
プルトニウムを一般の原子炉で燃やすということで、
何かリスク、危険性というのはないんですか?
小出:
皆さん石油ストーブをお使いですね。石油ストーブの燃料は「灯油」です。
「灯油」というのはいわゆる石油、原油というのを汲み上げるわけですけれども、
その原油を精製していきまして、ある成分は「灯油」にいく、ある成分は「重油」にいく、ある成分は「ガソリン」にいく
というふうに分けて出来たのが「灯油」なのですね。
その「灯油」を燃やそうとして石油ストーブというのは設計されているわけです。
でもその石油ストーブで、例えば「ガソリン」を燃やそうとすれば、
水野:えええぇー!!
小出:
火事になってしまうわけですね。
灯油に例えば、5%ぐらいガソリンか何かが混じってしまった、というのであれば、
爆発したり火事になったりしないかもしれないけれども、
ガソリンの量をどんどん増やしていけば、どこかの時点で火事になったりしてしまうわけです。
今日の原子力発電所というのは、「ウラン」という物資とを核分裂させてエネルギーを得ようと、
そのために設計された原子炉です。
水野:「ウラン」を燃やすための設計なんですね。
小出:
そうです。
で、「プルトニウム」という物質も長崎の原爆になったように、ウランと同じように核分裂はするんですけれども、
核分裂の仕方がウランと少し異なるのです。
ですから、灯油とガソリンが同じ原油だったのに燃え方が異なるように、ウランとプルトニウムも燃え方が異なるのです。
で、ウランを燃やそうと設計した原子炉でプルトニウムを燃やしてしまおうというのが、プルサーマルというもので、本当はやってはいけない、のです。
石油ストーブでガソリンを燃やすようなことになってしまう訳です。
危険が必ず伴うということは、もちろん原子力を推進しているしている人たちも知っているわけで、
「プルサーマルといってもプルトニウムだけを燃やすんではないんだ」と、
「ウランの中にプルトニウムを少し混ぜるだけだからいいじゃないか」というのが彼らの言い分でして、
現在までのところ、「30%までは、まぁ入れてもいいだろう」というような話になっているわけです。
ただ、もともとやってはいけないことをやろうとするわけで、危険は必ず増えますし、
経済性も失われるということは、彼ら自身がもうはっきりと認めていることなのです。
水野:
じゃあ、一般の原発と違うプルサーマル発電のリスクっていうのはどういうものですか?
例えば、燃料棒がどの状態で溶けるか?とか、いろいろありますよね?
小出:
はい、
核分裂の連鎖反応をなんとかその制御棒で制御しているんですけれども、
「その制御がしにくくなる」ということもありますし、
「燃料が溶けやすくなってしまう」ということもあります。
おまけにプルトニウムというのは、ウランに比べれば20万倍も放射線の毒性が強い物質ですので、
そういうものを取り扱うと、あるいは事故も起こりうるわけで、
そのようなことを考えれば大きく危険が増加してしまうということになります。
水野:プルトニウムはウランの20万倍の放射線の強さがあるんですか?
小出:
生物学的な毒性というんですか、
同じ1gずつのウランとプルトニウムを持って来れば、「20万倍危険だ」ということです。
<高浜原発>プルサーマル発電の死角1/29報道ステーション(文字起こし)
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高浜原発4号機の再稼働に30km圏内自治体の広域避難計画を政府が了承したと記事に書いてありますが、それって何の意味があるのか分かりません。
福一事故の放射能は30km圏内だけの被害でしょうか?その範囲内の住民がイエスと言うかノーと言うかだけで稼働を決めて良いのでしょうか?爆発した時の風向き次第で、何百キロ先にも被害がおよびますし、福一の放射能は日本列島のおよそ半分の地域や沿岸部海域へと広がっていることは否定しようがありません。
それなのに、高浜は30km圏内の自治体や住民の避難計画さえ得られたら、GOサインが出せるのでしょうか?
繰返しになりますが、30km圏内の人たちのOKが得られたら、そんなことを認める権限が政府にあるのでしょうか?
全くおっしゃる通りだとおもいます。
けれど今回の一連の原発再稼動は、「30km圏内を政府に決める権限があるのかどうか」という事とはまた別の問題だと思います。
「現在決まっている30km圏内のすべての自治体の了解さえも取ることもできていないのに、勝手に再稼動してしまった」ということではないでしょうか。
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-4506.html で菅元総理が
「原子力災害対策指針の中に、30km圏という言葉が入っているにもかかわらず、30km圏内の自治体でも了解がとれていない。
そこは、私は違法だと思っている」と、おっしゃっていました。
九電と関電の行為は違法だと、わたしも思っています。
もっと広範囲に汚染が広がっていることを言いたいなら、それを言った後、言うべき次のステップですね。