高浜原発3号機が再稼動
プルサーマル発電の「死角」
2016年1月29日 報道ステーション(文字起こし)
考えてみると高浜の3・4号機はですね、去年の4月に「これは地震のこととか色々含めて危険だから再稼動するな」という仮処分が出て。
そして去年の12月にそれがひっくり返されて「再稼働よし」というふうに変わりました。
で、それから1ヶ月でえぇっ!として再稼動なんですね、3号機が。
それともうひとつここで注目していただきたいのが、プルサーマルなんです、3号機というのは。
これを見ていただきますと、「プルサーマルってなんだ」というのをこれからご説明しますけれども、

原発から使用済み核燃料が出る、と。
使用済み核燃料を再処理すると。
これ(再処理工場)、まだ動いていません、日本において。
処理をするという理屈。
で、プルトニウムを抽出して、商業ウランと混ぜてMOX燃料なるものを作るというんですけど、この燃料工場(MOX燃料工場)は日本はまだできていません。
MOX燃料が再処理を経てできたらまた原発に戻る。
つまりこの循環を、よくこの図を見ることって、ありますよね。
グルグルグルグル回るという意味じゃないですか。
違うんですよね、これがあるんです。

これもちょと触れたいと思いますね、時間の限り。
これは、MOX燃料を理屈上原発に、まだできませんけれども入れたとして、日本で作ったものを。
入れて、使用済み核燃料というよりは、使用済みを使っていますから、使用済み使用済み核燃料MOX、どこへいくとおもいますか?
VTR
福井・高浜原発 午後5時

「制御棒引き抜き開始します」
「制御棒引き抜き開始」

今日午後5時。
福井にある高浜原発3号機が再稼動した。

発電所が動けばね、経済の方も活性化するでしょうし、それから電気代の方もね、かなり下がるんじゃないかとみんな期待しているんじゃないですか。

自分は反対の方なんやけど、やっぱり動かさない方がいいと思うけど、そやけど地元の住民、それで生活している人がおるから。
高浜原発の3号機と4号機については2015年4月、福井地裁が再稼動を差し止める決定をした。

だが、関西電力がこれに異議を申し立て、先月別の裁判長がこの仮処分を取り消したばかりだった。
それからわずか1ヶ月余りの再稼働。
再稼動に対する抗議活動をする女性:
関西一円だけじゃなくて、その周辺の地域にまで原発事故の被害が及びますし、みんなで「辞めたい」という声をあげていきたいと思います。
震災後にできた規制基準での再稼動は、鹿児島の川内原発1・2号機に続く3基目。
ただ大きく違うのは、高浜3号機はプルサーマル発電であることだ。

プルサーマルはウランとプルトニウムを混ぜて加工したMOX(モックス)と呼ばれる燃料が使われる。
原発から出た使用済み燃料を再処理して、ウランとプルトニウムを取り出し再加工したものだ。
午前11時過ぎ

林幹雄経産大臣
プルサーマルの推進。
あのーー、そしてまぁしいては、核燃料サイクルの推進という観点から、非常にあの〜異議があるものと考えておりまして、
と、林大臣が言うように、国はプルサーマルを、いわゆる核燃料サイクルが重要な発電だと位置付けている。
こちらがその核燃サイクルのイメージ図。

稼動のめどが立たない高速増殖炉もんじゅに絡む部分はあえて省いて考える。
原発から出た使用済み燃料は、青森県六ヶ所村にある工場で再処理され、取り出されたプルトニウムがMOX燃料に再利用される。

ただ、再処理工場はトラブルが相次ぎ稼動に至っていない。
MOX燃料を作るための工場も完成していない。
ちなみに、高浜3号機で使われているのは、核燃料を遠く離れたフランスで再処理し、加工してもらったMOX燃料だ。
フランスから運び込まれるMOX燃料 高浜原発2013年6月

プルサーマルでは、さらに大きな問題点が指摘されている。
実は、この図には隠された見えない矢印があるのだ。

共同通信 太田昌克編集委員
使用済みMOX燃料の最終的な行き場が、今、ないという現実があります。

プルサーマル発電で出た使用済みMOX燃料は、現在ある六ヶ所村の再処理工場で同じように再処理することはできない。
新たな再処理工場が必要なのだが、その計画は白紙の状態。
つまり、原発から発生するゴミの行き先が決まっていないのだ。
共同通信 太田昌克編集委員
今回、高浜原発3号機が再稼動することによって、新しいゴミ問題が発生し、新しいツケをですね、我々次の世代に残す恐れが出てきた。
そういうふうに考えていいと思います。

古舘
散々言われてきた「トイレのないマンション」がどんどん出来ていくという流れになっております。
=関連ブログ=
2015年4月
高浜原発 「再稼働認めない」仮処分決定
2015年12月
高浜原発3号機「燃料集合体下部ノズルと燃料移送コンテナの接触で警報」〜再稼働を認めた林潤裁判長
判決をひっくり返すために出てきた別の裁判長↓


プルサーマルの「プル」はプルトニウムの「プル」
石油ストーブでガソリンを燃やすようなこと
プルサーマルとMOX燃料「一度プルサーマルで燃料を燃やすと超ウラン元素が沢山…」小出裕章ジャーナル6/22ラジオフォーラム(内容書き出し)より一部抜粋
西谷:
普通の原子炉から出てくる使用済み核燃料棒と、
プルサーマルから出てくる使用済み核燃料棒はやっぱり違うんですか?
小出:
ちがいます。
一度プルサーマルという事をやってプルトニウムの燃料を燃やしてしまいますと、
私たちが超ウラン元素と呼んでいる特別に寿命の長い放射性物質が
西谷:超ウラン元素
小出:
超ウラン元素というのですが、ウランを超えるというような。
ウランというのは自然界にある一番重たい元素なんですけれども、
西谷:プルトニウムは超ウランですよね?
小出:
そうです。
プルトニウムも超ウランですし、プルトニウムよりももっと重たいキューリウムとか、
そういうような原子核が沢山その使用済み燃料の中に溜まってきてしまうのです。
それの取り扱いは大変厄介ですし、寿命が長いので、
再処理をするにしても、ガラス固化にするにしても、
今までやってきたような時間の長さでは到底できないで、
何十年も、まずは原子力発電所の中で冷やしておかなければならない。
西谷:またこれ、子々孫々までツケを後回しにするという事ですね。
小出:
そうです。
日本にある、あるというか今作ろうとしている六カ所の工場では、
プルサーマルの燃料を再処理する事すらができませんので、
「どうしていいのか全く分からないもの」をまた生み出してしまうという事になります。
<高浜のプルサーマル・40年期間延長・高温ガス炉・福島第一原発>小出裕章氏12/31報道するラジオ年末特番(文字起こし)より一部抜粋
プルサーマル発電 高浜原発
水野:
まず伺いたいのは、再稼動に向けて動く高浜原発についてなんです。
この高浜の3号機4号機というのは、
「プルサーマル発電を前提として再稼働の申請をした」ということなんですが、
この「プルサーマル発電」というのは簡単に言うとどんなものでしたっけ?
小出:
「プルサーマル」という言葉は日本で作った造語なのです。
「プル」の方はプルトニウムの「プル」です。
「サーマル」というのはいわゆる「熱」という意味ですけれども、
このプルサーマル発電というのは、
「プルトニウムを現在普通に動いている原子力発電所で燃やしてしまおう」という計画のことです。
水野:
プルトニウムを一般の原子炉で燃やすということで、
何かリスク、危険性というのはないんですか?
小出:
皆さん石油ストーブをお使いですね。石油ストーブの燃料は「灯油」です。
「灯油」というのはいわゆる石油、原油というのを汲み上げるわけですけれども、
その原油を精製していきまして、ある成分は「灯油」にいく、ある成分は「重油」にいく、ある成分は「ガソリン」にいく
というふうに分けて出来たのが「灯油」なのですね。
その「灯油」を燃やそうとして石油ストーブというのは設計されているわけです。
でもその石油ストーブで、例えば「ガソリン」を燃やそうとすれば、
水野:えええぇー!!
小出:
火事になってしまうわけですね。
灯油に例えば、5%ぐらいガソリンか何かが混じってしまった、というのであれば、
爆発したり火事になったりしないかもしれないけれども、
ガソリンの量をどんどん増やしていけば、どこかの時点で火事になったりしてしまうわけです。
今日の原子力発電所というのは、「ウラン」という物資とを核分裂させてエネルギーを得ようと、
そのために設計された原子炉です。
水野:「ウラン」を燃やすための設計なんですね。
小出:
そうです。
で、「プルトニウム」という物質も長崎の原爆になったように、ウランと同じように核分裂はするんですけれども、
核分裂の仕方がウランと少し異なるのです。
ですから、灯油とガソリンが同じ原油だったのに燃え方が異なるように、ウランとプルトニウムも燃え方が異なるのです。
で、ウランを燃やそうと設計した原子炉でプルトニウムを燃やしてしまおうというのが、プルサーマルというもので、本当はやってはいけない、のです。
石油ストーブでガソリンを燃やすようなことになってしまう訳です。
危険が必ず伴うということは、もちろん原子力を推進しているしている人たちも知っているわけで、
「プルサーマルといってもプルトニウムだけを燃やすんではないんだ」と、
「ウランの中にプルトニウムを少し混ぜるだけだからいいじゃないか」というのが彼らの言い分でして、
現在までのところ、「30%までは、まぁ入れてもいいだろう」というような話になっているわけです。
ただ、もともとやってはいけないことをやろうとするわけで、危険は必ず増えますし、
経済性も失われるということは、彼ら自身がもうはっきりと認めていることなのです。
水野:
じゃあ、一般の原発と違うプルサーマル発電のリスクっていうのはどういうものですか?
例えば、燃料棒がどの状態で溶けるか?とか、いろいろありますよね?
小出:
はい、
核分裂の連鎖反応をなんとかその制御棒で制御しているんですけれども、
「その制御がしにくくなる」ということもありますし、
「燃料が溶けやすくなってしまう」ということもあります。
おまけにプルトニウムというのは、ウランに比べれば20万倍も放射線の毒性が強い物質ですので、
そういうものを取り扱うと、あるいは事故も起こりうるわけで、
そのようなことを考えれば大きく危険が増加してしまうということになります。
水野:プルトニウムはウランの20万倍の放射線の強さがあるんですか?
小出:
生物学的な毒性というんですか、
同じ1gずつのウランとプルトニウムを持って来れば、「20万倍危険だ」ということです。
福井県・高浜3号機再稼働「プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使用するプルサーマル発電では初めて」
プルサーマル導入の討論会でも「やらせ」質問文を入手9/29放送(内容全て書き出し・動画あり)
MOX燃料の設計・品質管理も行っているという核燃料工場でウラン漏えい 横須賀2011年4月27日 GNF-J
<横須賀>2013年6月の"臨界危機一髪"に続き「ウラン外部飛散防止設備が7時間停止」グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン
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