2「低線量被ばくを放っておく限り福島での人間の復興というのはあり得ない」★美味しんぼ「鼻血問題」に答える 雁屋哲氏(文字起こし)

2015年12月23日
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/lFmzea9a9BM?t=28m21s

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もう一つは、僕は、人間が復興するためには環境整備が一番重要だと思います。
フレコンバックを周りに並べられておいて、
例えば富岡町なんかでも山の様に並べておいて、そろそろ避難解除準備区域とかなんか。
そのうちに「準備」が取れてしまって、避難解除区域になる。
南相馬の小高というところに行って、そこでずっと長い間有機農法をやってきた方がおられるんです。
今78歳なんですが、その方はずっと有機農法を続けてこられたんだけれども、
「農薬と放射線とどっちが怖いか」
短期的に危ないのは農薬かもしれない。
長期的に摂り続けて危険なのは放射性物質だろう。
いずれにせよ、「農薬を使わないで有機栽培だ」と言っていたのに、
「放射性物質が入っていても有機農産物だとは言えないだろう」ということになって、今苦悶しておられるんです。

その方のところ、その地域が避難解除準備区域にされていて、来年(2016年)の3月に「準備」が取れて、避難解除区域になってみんなが住むことができるようになる。

しかし、その時の環境が問題だと思うんですね。
なぜ解除を取るかというと、環境省が2011年12月15日に内閣府の有識者会議、共同主査というのが長崎大学の長滝重信名誉教授、前川和彦 東京大学名誉教授などが、発足からわずか1カ月足らずで作り上げた報告書を見ると、
「年間20mSvの放射線量を避難区域の設定基準とした」
要するに、「20mSv以下の地域は安心・安全だから避難しなくてもいい」というふうに他ならないわけですね。


現実に20mSv以下になると「避難するのをやめなさい」という。
例えば2014年4月1日から福島県田村市、都路地区に出されていた避難指示を解除しました。
それは、「年間20mSv以下になったから」ということです。

で、ICRPがなぜ20mSvでいいかというと、ICRPが言っているのは「原発事故などによる緊急事態の場合に」
「緊急事態の場合に」ですよ。
「20ミリから100ミリまでは許可しよう」と言っているんです。
要するに「緊急」なんですからそこにこれから5年も10年も住む、そういうことではない。
それを国は「20mSv以下だったらずっと住んでもいい」というふうに曲解して住民たちに強要している
んですね。



で、とても不思議だと思うんですけれども、
例えば私たち東京都の人間が、放射線の安全基準を1mSv/年だと思ってるでしょ、みなさん。
それから放射線管理区域っていうのがありますね。
X線業務に携わる人。
それから実験で研究室で放射性物質を扱う人。
そういうところは放射線管理区域といって、年間5.2mSvまでとされています。
そして、年間5.2mSvのところには18歳以下の人間は入ってはいけない。
またそこで大人であっても飲食をしてはいけない。
そのように決められています。

ところが、川俣町の場合とか、それから今度解除されるだろう南相馬というところは、20mSv以下であるからといって、まず20mSv、というところで。
そうすると、そこに妊婦も幼児もみんなそこに行ける。
入って良い。
18歳以下どころじゃない。
妊婦も幼児も入っていい。
そこでずっと生活してもいい。
飲食もOKなんです。

そうすると、一つの国の中で、我々は1mSv/年
で、放射線管理区域で働いている人たちというのは、自分の職業と安全性という物を徹底的に比べるだけの余裕がある。
で、「自分は仕事を続けたいから放射線管理区域にいるんだよ」というように、自分自身で選択して放射線管理区域に住むわけです。

しかし、そうではない福島の他のところでは、福島県の人は20mSv/年で安全とされてしまう。
おかしな話じゃありませんか?
私たちは1mSv/年で、なぜ福島県の人たちは20mSv/年なんですか?
こういうのは、福島県の人たちは声を上げて言うべきだし、福島県の人たちが周囲に気兼ねして言えないんだったら、私たちが言うべきですよ。


そして、この「年間20mSvというのは低線量だ」と言っています。
「低線量被曝は関係ない」と言っている。
しかし、「年間20mSvまで大丈夫だ」ということを決めたICRPというのがそもそも何なのか?
みなさん、我々が信じている安全基準を作ったICRPっていうのは、なんか権威のある国際的な中立的な機関であると思っていませんか?

権威があるものだと思っているでしょ?国際的な機関であると。

ところが違うんです。
ICRPというのは文部省によると「専門家の立場から放射線防護に関する勧告を行う国際組織」
ようするにボランティアの団体なんですね。
ICRPは1928年にその前身が設立されて、現在のところはイギリスのNPOですよ。

イギリスのNPOとして公認の慈善の団体なんです。

全然その学問的権威というか、国際的権威というものはありません。
そういう人たちが決めた数値を国は便利だから使っているわけだし、
私たちもその国が便利さで使っているICRPの値を何か権威があるもののように思い込んでいる。
でもそうじゃない。
ICRPというものはそういうものではないんです。

NHKが2011年12月28日に放送した番組。
「追跡真相ファイル 低線量被曝 ゆれる国際基準」という番組の中で、とんでもない真相が暴露されています。
低線量被曝の基準を緩和した当時の、低線量はここまで高くてもいいよと基準を緩和したそのときのICRPの委員17人のうち13人が各国の原発・核兵器関係者だった。
推進派だった。
しかもICRPは、1950年にできた当初持っていた内部被曝を扱う委員会の審議を中止してしまいました。
さらに、NHKの取材では、かつての委員たちがとんでもないことを言っているのを今でもYoutubeで見られます。
みなさん、Youtubeで見てください。
その人たちは言っています。
「どうせ低線量のリスクはよくわからないので、基準値を甘くした」
「原発・核施設への配慮があった」
「労働者への基準を甘くして欲しいとの要望があった」

「低線量被ばく 揺らぐ国際基準」12月28日NHK(動画・内容書き出し)

このような原子力関係者による要望によって、容易に基準を変えてしまうのがICRPなんです。
だから今国が「20mSvは安全だ」なんて言っているのは、これは本当にいっているわけじゃない。
彼らが「そういうふうに思いなさい」と言っているだけなんです。

そのことを皆さんよく考えていただきたいと思うんです。

で、低線量被曝の問題はまたこれからお話頂けると思うんですけれども、
やはり私たちが真剣に考えなければならない問題が一つありまして、それはカナダのマニトバ(Manitoba)にあるホワイトシェルという原子力研究所の研究員だったアブラハム・ペトカウという人が、1974年にこういうことを発見しました。
放射線は危険だという、それだけで細胞膜が破れるというような高線量の放射線を照射するよりも、それよりももっと低い放射線を長期間放射し続けると細胞膜が壊れてしまう。

最初ペトカウはそれを自分でも信じないで、何度もなんども実験を行った。
最後にはマウスを使ったり普通の人間の細胞を使ったりして、でも結局同じことだった。

それはなぜかというと、体の中の分子。
人間の体というのは単一の原子でできているわけではなくて、必ず原子が幾つか集まっている分子によって作られています。
その分子が放射線で切られるとフリーラジカルというのが起こる。
で、フリーラジカルというものが細胞の中にできると、フリーラジカルというものが放射線によって、分子の中から電子を奪われてしまって不安定な状態になる。
で、物質はなんでも安定な状態に戻りたいと思うから、フリーラジカルの周りの分子が電子を奪う。
そうすると周りの組織が壊される。
そういうことが起こるわけです。

で、あまりに放射線が強い時は、そのフリーラジカル同士がぶつかってお互いに消滅してしまうんだそうです。
だから低線量で、低い線量で長期的に当たると、生成するフリーラジカルの数は少ないけれども、お互いに衝突して消え去ることなくずーーっと細胞膜に影響を与え続ける。


ペトカウが言うには、高線量を短期的に被曝よりも低線量を長期的に被曝したほうが、はるかに人体の影響は高い、悪影響が出てくる。
そういうことを見つけたんですね。

ところがペトカウがこういうことを発見して言い出したら、たちまち周囲から叩かれましてね。
「嘘だ」とか「デタラメだ」ということを言われて、とうとうこの人は80何年かに、研究所を閉鎖されてしまいました。
それ以来内部被曝、特にペトカウ理論を●はいない。

僕は福島で取材した時に鼻血が出ました。
僕はそれまでに鼻血を出したのは一度、なんかふざけてプロレスごっこをしているうちに自分の膝に自分の鼻をぶつけて鼻血が出た、それしか覚えがない。

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何もしていないのに食事をしている最中にこの辺(鼻の下)がぬるっとしてきたので、あ?と思って手で触ったら血が出ていたのでびっくりして。
それがとめどなくどーッと出るんです。

最初、鼻血なんか出たことがないのでちょっとパニックになってしまいまして、あっという間にティッシュペーパーの箱半分ぐらい使っちゃいました。

で、翌日も出ましたが、その時は二度目だったので、対処するのに慌てずに。
こんなに大量にティッシュは使わずに済んだ。

しかし、夜の2時ごろに寝ておりまして、「なんか変な感じがするなぁ」と思って、(鼻の下を触ったら)ぬるっとして、慌てて電灯をつけたらまた血が出ている。

そういうのが起こりました、何度か。

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さらにもっとすごいのは、凄まじい疲労感を感じるんです。
それは私がそれまでに感じたことのない疲労感なんです。

誰かが僕の背骨を掴んで後ろに引きずり込むような、そのような強い疲労感です。
私が2時間続けて仕事をしていると、もう、その疲労感のために仕事ができなくなってちょっとベットに横たわる。
そういうこともあった。
で、それがどういうことなのか?というと、肥田舜太郎先生という広島※で原爆のことでいろんなことを勉強されて、その方がこういうことを言ったんです。
長崎とか広島で原爆の影響を受けたと思う人たちが何もする気がない。
何もする気がないんでぶらぶらしている。
「ぶらぶら病」と肥田舜太郎先生は名前をつけた。
何にもしたくなくなっちゃう。

それが低線量の被ばくによって。
ニュージーランドの医者がちゃんと説明してくれているんですけれども
ニュージーランドの医者の人の話によると、
低線量被ばくによってフリーラジカルができて体の中の組織を痛めるから●になるんだ。

もう一つはアワープラネット(OurPlanetTV)というテレビでやっている放送局があります。
非常に良心的な局で、その局が28年目のチェルノブイリというDVDで映画を作りました。
その中に出てきたのが、2014年に15歳ということは、…
チェルノブイリの事故というのは1986年でしょ。
それをとっくに過ぎた、後に生まれた子供なんだけれども、その子が外に出るのも嫌だ、運動するのも嫌だ。
ただ部屋にいたい。
で、ぶらぶらしている。
それはちょうど、肥田舜太郎先生がおっしゃったように、まさに「ぶらぶら病」と同じなんです。

それはやはり、彼のように、チェルノブイリの今の子供達がどうしてなったのか?
線量がどこでどういうふうに浴びたのかは知らないけれども、低線量被ばくによる原爆ぶらぶら病※と全く同じことです。

私の場合は幸か不幸か、3ヶ月ぐらい経つうちに疲労感が消えまして、鼻血も出なくなりました。
それは福島からずいぶん後です。


https://youtu.be/lFmzea9a9BM?t=45m54s

で、低線量被ばくについてきちんと考えないとダメで、低線量被ばくを放っておく限り福島での人間の復興というのはあり得ないと思います。



ー訂正&追加 部分ー
https://youtu.be/Ic2cxKPeAaM?t=1m

肥田舜太郎先生の、長崎といってしまいましたが広島の医者です。
で、広島ぶらぶら病です。

鎌仲「原爆ぶらぶら病」だと思います。
(本文訂正済み)

もうひとつぶらぶら病をニュージーランドのレス・シンプソン博士のことをきちんとお伝えできませんでした。
私の本に書いてありますが、レス・シンプソン博士の研究で、
「低線量被ばくによって赤血球が変形し、筋肉や脳から適切な酸素と栄養が届かない、ということで、慢性疲労症候群、いわゆるぶらぶら病を生じる」と。
これはシンプソン博士の説で正しいのかどうかまだそういうのはないのでしょうが、私にとっては非常に、自分の疲労というものを考えた場合、またぶらぶら病というのを考えた場合に、非常に説得的だと思いました。
先ほどシンプソン博士のお名前などを忘れてしまったので、失礼いたしました。





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コメント

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ひとつまた勉強させてもらいました

雁屋さんの講演録の第2は低線量被曝の恐ろしさを分かりやすく解説してくれて大変為になりました。こういうことを知ってて黙っている専門家がいるはずです、きっと。日本は広島、長崎での原爆被害、ビキニ環礁での水爆被害の国ですから治療や調査はいろいろしてるはずです。大学などでの研究もまた然り。
知ってて声を上げない人たちの気がしれません。なにが絆だ。
それから、住民たちの「早く帰りたい」というインタビューの声のウソくささ。線量が下がったから大丈夫、除染したから大丈夫なんて役人から言われて、真に受けてしまうのでしょう。あるいは、帰らないという声はカットして、都合よい声だけ放送して、それだけが住民の声と勘違いさせる手法もあるでしょう。そうやって世論操作できてしまうのでしょう。

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俺もぶらぶら病かなぁ、、?
この頃何もしたくない、、。
ああぁ~面倒くさい、、。こればっかり、、。

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