セシウム検査、48品目対象に 16年度、ウメなど追加
中日新聞 2016年3月25日 18時42分
政府は25日、東京電力福島第1原発事故後に東北や関東などの17都県が実施している食品の放射性セシウム検査の対象見直しを発表した。4月以降に検査が必要なのは48品目・類となる。
厚生労働省によると、2015年度の対象(45品目・類)からミョウガなどを除き、ウメやブロッコリーなどを追加。山菜類は「野生」と「栽培」に区分し、それぞれ個別に出荷の可否を判断する。
検査対象となるのは、昨年4月~今年2月に国の基準値の2分の1を超えたことがある食品。自治体は対象以外でも自主的に検査している。
政府は16年度中に、17都県の絞り込みや、新たな検査体制を検討する。
基準の2分の1を超えたことがある食品
基準とは?
厚生労働省 食品中の放射性物質と対策についてより

厚生労働省
食品中の放射性物質に関する「検査計画、出荷制限等の品目・区域の設定・解除の考え方」の改正
(原子力災害対策本部策定)
【主な改正点の概要】
○ 検査対象品目の見直し
・ 直近約1年間の基準値を超えた、若しくは基準値の1/2を超えた食品等の検査結果を踏まえ、検査対象品目を見直し
○ 個別品目の取扱いの見直し
・ 山菜類等については、栽培等の管理の程度に応じ、「野生」と「栽培」に区別して出荷制限の設定・解除することができる旨を記載。
○ その他
・ 検査対象品目・自治体のあり方等を含む、科学的知見に基づいた今後の検査体制のあり方について、関係者の意向や理解を踏まえつつ、平成28年度の早い時期に関係省省庁により、検査体制の方向性及びその導入時期を検討することを「趣旨」に記載。
※ 改正経緯
平成23年4月4日: 「検査計画、出荷制限等の品目・区域の設定・解除の考え方」を公表。
平成23年6月27日: 放射性ヨウ素の減少を踏まえ、放射性セシウム対策を主眼とするとともに、茶、水産物、麦類の取扱いを規定。検査対象に国民の摂取量の多い食品を追加。
平成23年8月4日: 個別品目に牛肉、米の取扱いを追加。
平成24年3月12日: 平成23年の検査結果、平成24年4月1日施行の基準値を踏まえた改正。
平成24年7月12日: 平成24年4月以降の検査結果及び出荷制限対象食品の多様化を踏まえ、検査対象品目、出荷制限の解除要件等を改正。個別品目に大豆及びそばの取扱いを追加。
平成25年3月19日: 平成24年4月以降の検査結果の集積を踏まえた検査対象品目及び対象自治体の見直し。水産物や野生鳥獣の移動性及びきのこ等の管理の重要性等を考慮した出荷制限等の解除要件等について改正。個別品目に原木きのこ類を追加。
平成26年3月20日: 平成25年4月以降の検査結果の集積を踏まえた検査対象品目及び対象自治体の見直し。検査対象品目に事故後初めて出荷するものであって、検査実績が無い品目を追加。
平成27年3月20日: 平成26年4月以降の検査結果の集積を踏まえた検査対象品目及び対象自治体の見直し。牛肉の検査頻度について、農家ごとに3ヶ月に1回程度から、12ヶ月に1回程度とすることができることを追加。
平成28年3月25日
検査計画、出荷制限等の品目・区域の設定・解除の考え方
原子力災害対策本部
より、一部抜粋
3 検査対象品目
下記の品目とし、過去の検出値(Ge検出器による精密検査によるもの)
等に基づき、生産者、製造・加工者の情報が明らかなものを対象として
選択する。なお、以下(1)、(2)及び(4)に掲げる品目は、平成27年4
月1日から平成28年2月29日までの検査結果に基づくものであり、平成
28年3月1日以降該当する品目についても対象とする。
(1) 基準値を超える放射性セシウムが検出された品目
ア きのこ・山菜類等(露地物を優先して選択。栽培物を含む。) 野生きのこ類、うど、くさそてつ(こごみ)、こしあぶら、ぜんまい、たけのこ、たらのめ、ふき、ふきのとう、わらび、おおばぎぼうし
イ 野生鳥獣の肉類 イノシシ、クマ、シカ、ヤマドリの肉
ウ 穀類 そば
(2) 基準値の1/2を超える放射性セシウムが検出された品目((1)に掲げる品目を除く。)
ア 野菜類 コマツナ、ブロッコリー
イ 果実類(露地物を優先して選択。) ユズ、クリ、ウメ、カキ、ギンナン、ビワ
ウ きのこ・山菜類等(露地物を優先して選択。栽培物を含む。)原木しいたけ(露地栽培、施設栽培)、原木まいたけ(露地栽培)、
うわばみそう(みず)、ねまがりたけ、さんしょう(野生)、もみじがさ(しどけ)
エ 穀類 米
オ 豆類 大豆
カ はちみつ
(3) 飼養管理の影響を大きく受けるため、継続的なモニタリング検査が必要な品目
ア 乳(岩手県、宮城県、福島県、栃木県及び群馬県で検査対象とする。)
イ 牛肉(岩手県、宮城県、福島県、栃木県及び群馬県で検査対象とする。)
(4) 水産物(基準値の1/2を超える放射性セシウムが検出された品目)(以下に示すものは品目群による表記である。具体的な品目群とこれに対応する品目は別添参考の「水産物の類別分類」を参照。)
ア 海産魚種 ヒラメ、カレイ類(2群)、メバル・ソイ・カサゴ類(主な生息域が100m以浅の品目)、エイ類、クロダイ、スズキ、マダコ
イ 内水面魚種(基準値の1/2を超える放射性セシウムを検出した自治体で検査対象とする。) ワカサギ、イワナ・ヤマメ・マス類、ギンブナ・コイ・ウグイ、ウナギ、アユ、アメリカナマズ
(5) 計画策定の際に考慮する品目
ア 国民の摂取量を勘案した主要品目(参考) 国民健康・栄養調査の摂取量上位品目(平成25年調査より) 米、飲用茶、牛乳、ダイコン・キャベツ・ハクサイ・タマネギ・キュウリ等の淡色野菜、ニンジン・ホウレンソウ・トマト等の緑黄色野菜、卵、豚肉、ジャガイモ・サツマイモ・サトイモ等のイモ類、かんきつ類、リンゴ・ブドウ・ナシ等の果実類、魚介類、きのこ類、鶏肉、牛肉、藻類等
イ 生産状況を勘案した主要農林水産物
(6) 当該自治体において、平成27年4月1日以降に出荷制限を解除された品目((1)から(4)に掲げる品目に限る。)
(7) 市場において流通している食品(生産者及び製造・加工者の情報が明らかなもの)
(8) 乾燥きのこ類、乾燥海藻類、乾燥魚介類、乾燥野菜類及び乾燥果 実 類 等 乾 燥 し て 食 用 に 供 さ れ る も の ( 水 戻 し し て基 準 値(100Bq/kg)が適用される食品を除く。)等の加工品
(9) 被覆資材の不適切な保管・使用等の生産管理の不備が原因で基準値の1/2を超える放射性セシウムが検出されたと考えられる品目
(10) 当該自治体内の市町村等ごとに、事故後初めて出荷するもので
あって、検査実績が無い品目(ただし、非結球性葉菜類のように品目
群単位で、代表的な指標作物を設定して検査をすることもできる。)
(11) 検出状況等に応じて国が別途指示する品目
(参考1) 米ぬか及び菜種等の油脂原料の検査を行う場合には、加工
後の油脂の検査を行い、管理する。
(参考2) (8)の加工品は必要に応じて原料又は製品で検査を行い管
理する。
4 検査対象市町村等の設定
地域的な広がりを把握するため、生産等の実態や産地表示の状況も
踏まえて少なくとも下記の検査を実施する。
(1) Ⅱ3の(1)に掲げる品目(別に定める場合を除く。)の検査
ア 平成27年4月以降、当該食品分類で基準値を超える放射性セシ
ウムが確認された自治体 (表中◎)
当該品目から基準値の1/2を超える放射性セシウムを検出した
地域及び主要な産地において市町村ごとに3検体以上実施する。
その他の市町村では1検体以上実施する(生息等の実態を踏ま
え、県内を市町村を越えて複数の区域に分割し、区域単位で3検体
以上実施することもできる。)。
イ 平成27年4月以降、当該食品分類で基準値の1/2を超える放
射性セシウムが確認された自治体(アを除く。)(表中○)
当該品目から基準値の1/2を超える放射性セシウムを検出した
地域において市町村ごとに3検体以上実施する。
その他の市町村では1検体以上実施する(生息等の実態を踏ま
え、県内を市町村を越えて複数の区域に分割し、区域単位で3検体
以上実施することもできる。)。
(2) Ⅱ3の(2)の検査(別に定める場合を除く。)は、平成27年4月以
降、当該食品分類で基準値の1/2を超える品目が確認された自
治体で、当該品目から基準値の1/2を超える放射性セシウムを検
出した地域においては市町村ごとに3検体以上、その他の地域にお
いては市町村ごとに1検体以上(生息等の実態を踏まえ、県内を市
町村を越えて複数の区域に分割し、区域単位で3検体以上とするこ
ともできる。)、それぞれ実施する。(表中○)
(3) 検体採取を行う地点の選択に当たっては、土壌中のセシウム濃
度、環境モニタリング検査結果、過去に当該品目の検査で基準値の
1/2を超える放射性セシウムを検出した地点等を勘案するととも
に、放射性セシウム濃度が高くなる原因の一部が判明している品目
については、当該要因が当てはまる地点を優先して選択する。
5 検査の頻度
品目の生産・出荷等の実態に応じて計画し、定期的(原則として曜日
などを指定して週1回程度)に実施すること。野生のきのこ・山菜のように
収穫時期が限定されている品目については、収穫の段階で検査を実施
する。Ⅱ3の(3)の検査は、別添に定める。
水産物の検査は、原則として週1回程度とし、漁期のある品目につい
ては、漁期開始前に検査を実施し、漁期開始後は週 1 回程度の検査を
継続する。また、Ⅱ3の(4)アの岩手県の海産魚種の検査、並びにⅡ3
の(5)及び(7)から(9)に該当する水産物の検査については、過去の検
査結果を考慮して検査の頻度を設定する。
ただし、基準値を超える又は基準値に近い放射性物質が検出された
場合は検査頻度を強化する。また、検査頻度については、必要に応じて
国が自治体に別途指示することがある。
6 検査計画の策定、公表及び報告
検査計画は、四半期ごとに策定し、ホームページなどで公表するととも
に、国に報告する。
厚生労働省参考資料
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11135000-Shokuhinanzenbu-Kanshianzenka/0000117421.pdf

(注1)平成27年4月1日から平成28年2月29日までの検査結果に基づき分類。
・基準値(水産物においては基準値の1/2)超過が検出されたもの(凡例 ◎)
・基準値の1/2の超過が検出されたもの(基準値超過が検出されたものを除く。)(凡例 ○)
・Ⅱ3(3)及び別添において検査対象となっているもの並びに対象品目の移動性又は管理の困難性を考慮
し検査が必要なもの。水産物においては、出荷制限の設定状況を考慮し検査が必要なもの。(凡例 □)
(注2)表中◎または○の自治体であっても、別添で検査点数を定めている場合は、別添を優先する。
(注3)表中□の自治体のうち、別添で検査点数を定めていない場合(水産物を除く。)は、○の自治体の検査点
数に準じて検査を実施する。
水産物の類別分類
水産物の放射性物質の検査にあたっては、主な食性、生息水深、これまでの検査結果等を考慮して、下表の各品目群の(a)及び(b)の列中で放射性セ
シウム濃度が高い品目を選択して検査し、その結果を品目群に共通する検査結果とすることができる。品目群は最大限まとめられる品目の括りであ
り、各県の判断で細分化することができる。なお、各県が策定する検査計画には各県が設けた品目群を添付することとする。

普通によく食べる食材で気をつけて購入したほうがいいもの
たけのこ
きのこ類
山菜(うど、ぜんまい、たらのめ、ふき、ふきのとう、わらび など)
そば
コマツナ
ブロッコリー
梅
ギンナン
ユズ
クリ
カキ
ビワ
さんしょう
米
大豆
はちみつ
ーー
ヒラメ
カレイ類
メバル・ソイ・カサゴ類
エイ類
クロダイ
スズキ
マダコ
ワカサギ
イワナ
ヤマメ
マス類
ギンブナ
コイ
ウグイ
ウナギ
アユ
アメリカナマズ
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