2「甲状腺がんと原発事故 専門家で割れる”関連性”」 311から5年 報道ステーション文字起こし

甲状腺がんと原発事故
専門家で割れる”関連性”




報ステ25

報ステ26
古舘:
色々な辛さを分かち合うことの本当に大事さっていうものがね、今後ご家族の方々に出てくると思うんですけれど。
ここから先のVTRについて、ちょっと説明をしたいんですが、
原発事故と甲状腺がんの因果関係は無いであろう」というこの考え方に対して、ま、幾つかの疑問にぶつかってきております。

一つは例えば単純な話、
「チェルノブイリの放射線量に比べて福島はぐーーーっと低いから」と。
「だから因果関係は無いであろう」というのには、甚だ疑問があるということ。

そしてもう一つなんですけれども、チェルノブイリのですね、あの原発事故当時のチェルノブイリ周辺で「0歳から5歳までの小さなお子さんに甲状腺がんが多発したんだ」と。
「福島の場合は原発事故時0歳から5歳の小さなお子さんには、今のところ発症が1例も見られていない。したがって因果関係は無いであろう」という、この考え方に対しても、やはり甚だ疑問です。


といいますのは、調べてみればすぐわかることですが、チェルノブイリの場合は0歳から5歳のとき、事故当時。
そのお子さんが発症せずに成長していって思春期に入り、例えば15歳になった。
この辺りで甲状腺がんが多発しているという事実がハッキリとわかっているからです。



福島県等委員会 弘前大学被曝医療総合研究所 床次寘司教授:
いや、「それだったら私の説明はいらないじゃ無い」って思ったわけです。

報ステ31

甲状腺がん増加の理由をめぐって割れる専門家の意見。
福島のがん手術を一手に担うキーマンを直撃した。

福島・いわき市 2月9日 「原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)」住民説明会
報ステ32

国連科学委員会・専門家 ミハイル・バロノフ氏:
甲状腺がんのリスクに影響する三つの重要な要素があります。
それは、線量、年齢、そして時間です。

先月9日(2016年2月9日)福島原発事故での被曝の実態などを調査した国連の科学委員会(UNSCEAR)が、福島の住民に向けて行った説明会。
ある男性が手を挙げた。

報ステ28
苅野小(浪江町)元校長 荒川秀則氏:
苅野小の子供達は、公表されていなかった「SPEEDI」の中の、「真っ赤な放射性物質が降りそそぐところを避難してきたんだなぁ」というふうに全員が心配し、「SPEEDI」の真っ赤なところを逃げた私達、子供達は本当に大丈夫なんでしょうか?

震災当時浪江町の校長だった男性。
児童たちとともに津島地区から川俣町へと避難した。

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後にそのルートが、放射性物質が大量に流れた方向と一致することを知った。


報ステ32
国連科学位委員会事務局長 マルコム・クリック氏:
確かにそれは最も線量の高いルートです。


今のところ当時の子供達から甲状腺がんは見つかっていないという。
だが、放射性物質の中を逃げたという不安は消えない。


報ステ33
苅野小(浪江町)元校長 荒川秀則氏:
今後もっともっと(甲状腺がんが)出てきそうな、雰囲気はあると思うんですね。
どうしても、説明会に出たりすると「さほど心配することないですよ」ということの報がお多く広まっていて、
「果たしてそうなんだろうか?」という疑問は持ってます。

福島県の甲状腺検査では1巡目で115人、2巡目で51人が、がんんまたはがんの疑いとされた。
原発事故の影響なのか?


2015年10月
報ステ41
岡山大学大学院(環境疫学) 津田敏秀教授:
日本全国と比べまして、最も高いところで約50倍の甲状腺癌の多発が起こっていることが推定されました。

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岡山大学の津田敏秀教授は原発事故前の日本全体と比べ事故後の福島県内での子供の甲状腺がん発生率は20倍から50倍になっているとする論文を発表。
こう主張した。


岡山大学大学院(環境疫学) 津田敏秀教授:
福島県内において放射線の影響による著しい甲状腺癌の多発が起こっていて、


福島の住民も疑問と不安を抱いている。

福島・郡山市 3月3日
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Q:県の発表では「放射線の影響は考えにくい」という見解なんですけど。

住民:
素直にはそうとは受け取れないですね。
何かあるかもしれないという不安は常に持っているので


報ステ44
福島・検討委員 星座長:
「放射線の影響は考えにくい」という表現を改める必要はないと。


報ステ45
福島・検討委員 星座長:
原発の影響とは考えにくい


報ステ46
住民:
じゃあ、何が原因なんだ?と。
お医者さんが、ね、それじゃあ調べてくださいよと。


報ステ48

有識者による福島県の検討委員会は、事故から5年を機に中間報告をまとめようとしている。

報ステ49

その最終案では、1巡目に発見された甲状腺癌について、放射線の影響が完全には否定できないとしながらも、4つの項目を理由に挙げて結論付けた。

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放射線の影響は考えにくいと評価する。

4つの理由のうち事故当時の年齢について、検討委員会のメンバーでチェルノブイリを何度も訪れたことのある長崎大学の高村昇教授が解説する。

高村
長崎大学 原爆後生涯医療研究所 福島検討委員 高村昇教授:
福島で、えー、これまでですね、事故当時0歳から5歳という人で、甲状腺癌を発症した人はいません!
特にチェルノブイリではですね、事故当時0歳から3歳、あるいは0歳から5歳といった非常に若い世代で甲状腺癌が多発したと。


「チェルノブイリで多発した年齢で発生していない」
「被ばく線量が低い」
そうかもしれない。

だから「放射線の影響は考えにくい」
そうなのか?


報ステ52

我々には納得できない思いが残る。
かつて100万人に1人か2人といわれた子供の甲状腺癌が、なぜこれほど見つかるのか?


津金
国立がん研究センター 福島検討委員 津金昌一郎氏:
決して要するに臨床症状をもたらさない、あるいは死には至らしめないような甲状腺癌を多数診断している。
いわゆる「過剰診断」であるというふうに考えるのが妥当で、

検討委員会のメンバーの一人、国立がんセンターの津金昌一郎氏。
彼が指摘する「過剰診断」とはこういうことだ。

これまで子供の甲状腺癌は症状が現れ、治療を受けることで初めて見つかっていた。
これが100万人に1人や2人という割合だった。

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津金氏は現在の甲状腺検査が県民全体を積極的に調べることで、それまで見つけていなかったガンを拾い上げているのだと説明する。
ここで問題になるのが、甲状腺癌そのものの特徴なのだという。


国立がん研究センター 福島検討委員 津金昌一郎氏:
普通のガンのように、要するに、あのーどんどん大きくなって、リンパ節転移を起して、やがて遠隔転移を起して、人を死に至らしめるというのが普通のがんの想定のシナリオで考えると、やはりこの状況で考えるのは難しいと思います。

津金氏は甲状腺癌の多くが極端に成長速度が遅く、長期間症状としてでないものもあると考える。
それらを子供の頃の検査で発見しているというのが「過剰診断」で、
「見つける必要のないものを見つけている」というのだ。


だが、そうだとすると大きな疑問が生じる。
これまで甲状腺癌で手術を受けたのはすでに116人。
この中に必要ないものが含まれていたというのか?

ほとんどの手術が行われている福島県立医大。
そしてその全てに携わるのが鈴木眞一教授だ。
過剰診断なのかどうか聞いた。


鈴木
福島県立医科大学 鈴木眞一教授:
今回見つけてあるものはもうすでにリンパ節に転移していたり甲状腺外に出ていたり。
またそれが強く疑われるものに対して治療していますので、臨床的には一生…


転移

鈴木教授は摘出手術を行った甲状腺癌のおよそ75%にリンパ節への転移があったことなどから、「過剰診断ではない」と強調した。

放射線

一方で「放射線の影響は考えにくい」という立場だ。
とすると、手術が必要なこれだけの数の甲状腺がんが潜在的に存在していたというのか?


福島県立医科大学 鈴木眞一主任教授:そうだと思います。

Q:逆に、(これまでは)手術しなければいけない症例がほったらかしにされていたということかな?と思っちゃうんですよね。

福島県立医科大学 鈴木眞一主任教授:そこはだから。

Q:結果的にはみんな今手術しているわけじゃないですか?

鈴木眞一
福島県立医科大学 鈴木眞一主任教授:
難しい問題があります。
(子供の甲状腺癌は)転移までは早いかもしれませんが、その後進行してえー、他臓器に転移をするとか、えー、命に関わるっていうのは非常にゆっくりしている「がん」なんですね。

報ステ

リンパ節などに転移しても今は症状がないが、将来発症し、しかも重い症状になるかもしれない甲状腺癌を検査で発見しているのだと説明する。

一方で、それらが実際にいつ発症するかについて確証は持てないという。

鈴木眞一1
鈴木眞一2
福島県立医科大学 鈴木眞一主任教授:
それは誰もわからないことなので、えー、えーっと、我々が治療させていただいたものでも多分すぐにでも見つかったいたであろうというものもあれば、しばらく見つからないものを見つけている可能性もあるだろう。
ただそれがこの先、急に大きくなるんおかならないのかっていうのは、我々は予測して治療はしません。


多くの甲状腺癌を手術した医師すらその「正体」をつかめないということなのか?
論争は福島県の検討委員会の内部でも激しくなっている。


先月15日(2016年2月15日)、被ばく医療の専門家、弘前大学の床次眞司教授が福島の住民の被ばく状況について説明した。

報ステ61

事故直後の混乱などのため被ばく線量のデータは極めて少ないが、床次教授のグループは、事故の翌月から調査を行っている。
沿岸部から避難した住民62人の甲状腺被ばく線量を測定。

報ステ62

内部被曝の線量が最も高かった子供で23ミリシーベルトだったという。


床次
弘前大学被ばく医療総合研究所 福島・検討委員 床次眞司教授:
不確かさが常につきまとっているという理解のもとでですね、ただ、総じて言えば、この福島の事故における甲状腺の被ばく線量というものは、チェルノブイリ事故と比べて小さいだろうということは、ま、言えるだろうというふうには考えます。


床次氏の説明を受け「福島の被ばく線量はチェルノブイリと比べて極めて低い」とまとめた星北斗座長。
増加している甲状腺癌について


星北斗
福島県医師会副会長 福島・検討委員 星北斗座長:
今回も説明がございましたが、チェルノブイリとの比較の線量の話、あるいは当時の年齢など、被ばく当時の年齢などから考えて、これらのがんにつきましては、えー、放射線の影響とは考えにくいという見解を、えー、このまま、え、継続する形に、



被ばく線量が低いから甲状腺癌への影響は考えにくい。
本当にそれでいいのか?
床次氏に真意を正した。
すると、意外な答えが返ってきたのである。



床次眞司教授
床次眞司教授:
「(星座長は)はるかに低いから考えにくい”なんですよ”」みたいな感じで言ってるから、
いや、そうじゃない。「それだったら私の説明はいらないじゃない」と思ったわけですよ。
今回私が説明したのは、あくまでも、集団として捉えた場合に、チェルノブイリの線量と福島原発事故の線量を、グループとして、集団として捉えた時の線量を比較したわけで、個人の、がんになった人たちのどうのこうのという議論じゃないですから。


「住民全体の被ばく線量を比較して、甲状腺癌と放射線との因果関係に直接結びつけるのは乱暴だ」という床次氏。
検討委員会の中間報告最終案に「放射線の影響は考えにくい」という見解が盛り込まれていることも批判した。

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床次眞司教授:
「放射線の影響の可能性は小さいとはいえ、現段階ではまだ完全には否定できず」って書いてあるから、
だから、そう書いてあるんだったら「考えにくい」って書かないほうがいいですよね。
(最終案を)今の額面通りに受け入れるっていうのはちょっと難しいですよね。
ま、先ほども言っているように、まだ段階。ようやく端緒(たんちょ)を開いたばかりですよ、今。

報ステ67

メンバー間の認識の違いが明らかになった検討委員会の議論。
キーワードはチェルノブイリだ。
我々は現地に向かった。



つづく






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実際に患者を見ている主人が原発付近癌癌多いって言ってることが真実だと思います。福島原発ではありませんよ!汚染地帯ではないのに爆発してから私の周りかなり癌多発死者多数これが何よりの証拠だと思っています。でたらめなことしか言わないからテレビなんて嘘しか言わないって私の周りに言われちゃうんだよね。最近ではテレビいらないっとか思ってます。