”2巡目”も甲状腺がん次々
専門家が指摘する「異変」
これまでに51人が、がんまたはがんの疑いとされている福島甲状腺検査の2巡目。
福島検討委員会では唯一の甲状腺がんの専門家、清水一雄医師が指摘する。

福島検討委員 日本医科大学 清水一雄名誉教授:
2巡目で51人というのは比較的多いですよね。
1巡目の検査の時にA1(異常なし)」が一番多いんですよ、その中に。
なのでちょっと、少し気になるかな。
清水氏は2巡目で見つかった腫瘍の中に30mm以上にまで成長したものがあることに注目した。

日本医科大学 清水一雄名誉教授:
2年間で3cmまで大きくなっていくっていうことなんですね。
これはあまり考えにくいことなんですよ。
2巡目の数はおかしい。
専門家ではなく、全く違う分野からこの異変を研究した学者がいる。
神戸大学大学院の牧野淳一郎教授。専門は「計算科学」
驚きの結果が出てきた。
少し難しいが紹介したい。

1巡目。
検査当時17歳以下で10万人中18人という甲状腺がんの数をイメージとして三角形にしてみる。

もし放射線の影響がないとすると、2年目に行う2巡目検査でも、ほぼ同じ数の甲状腺がんが見つかるはずだ。

ただし、実際に二つの三角形は2年分ずれて重なっている。

黄色の部分は1巡目に見つかっているから、2巡目で見つかる甲状腺がんはピンクの部分。


神戸大学大学院 牧野淳一郎教授:
ピンクの部分というのが、そういう意味では、実際に先行検査(1巡目)があって、今回の本格検査(2巡目)で見つかると予想される数だということになるわけですね。
この2巡目で予想される甲状腺がんの数は、牧野教授の計算では10万人あたり7人となった。

ところが、2014年に実際に発生したのは10万人あたり22人と、予想を大幅に上回る値になってしまった。

2巡目の検査は今も続いているが、この時点でもこれだけ違うということは「誤差の範囲では説明できない」という。
神戸大学大学院 牧野淳一郎教授:被ばくの影響も考えの一つには入ってくるのではないかと、
今週月曜、検討委員会の星座長が外国特派員協会で会見を行った。
外国特派員協会 2016年3月7日

Q:今後も甲状腺がんは増えるのか?

福島検討委員 星北斗座長(福島県医師会副会長):
放射線の影響があって増えていくのかという質問ならば、現時点で私はそういうふうには見ていません。
ただ、それを頭から否定する気もありません。
福島 原発事故から5年
「なぜ私が甲状腺がんに…」
自分の身に何が起きたのか知りたい。
それは甲状腺がん患者の切実な問いかけだ。

甲状腺がんの手術をした 直美さん(仮名):
どのくらい被ばくしたのか?っていうのは知りたいですね。
やっぱり、そこを知って、本当に原発のせいなのか、せいじゃないのか、っていうのを一番、みんながそう思っているので、早く白黒はっきりして、本当にどうなのかというのはつけてもらいたいなというのはすごく思います。

古舘伊知郎:
検討委員会が言っている「考えにくい、因果関係は」というこの「考えにくい」という言葉っていうのは非常に都合のいい言葉だなというふうに私は感じています。
むしろ逆だと思うんですね。
因果関係というものがはっきりとはわからない。
「否定できない」と言っているのですから、「わからない」んだったら、「因果関係があるんじゃないか」という前提で、じっくりと探っていくというプロセスが必要なんじゃないかと思うんですよね。
まずですね、ここで申し上げたいのは、甲状腺がんの摘出手術を受けた女性、インタビューに応じてくださいました。
そしてそれとはまた別の、子供さんががんを抱えている親御さんにもインタビューを受けていただきました。
勇気を振り絞って、いろんな声がある中で”問題提起”ということで取材に応じてくださったということは、心から感謝をいたします。
そして、その前提でですけれども、やはり、これは未曾有の原発事故が福島で起きたわけですよね。
もちろんチェルノブイリやなんかの、スリーマイルとの程度の比較とか色々ありますが、未曾有の事故が起きて、”未曾有”ということは。これまでになかったことですから、これ、なかったことというのは、詳しいデータの積み重ねがあるわけはないので、まだ”端緒”という言葉も学者の先生から出てきましたけど、
小川:「前提も基準もない」ということですよね。
古舘:
はい。
ですから、やっぱりまだデータが完璧ではない段階では、謙虚に、気長に、粘り強く検査をしていき、調査をしていき、研究をしていくという姿勢が、例えば166人のご本人及び、これからもしかしたら増えるかもしれない方、ご家族にそういう誠意が伝わっていったときに、また違う境涯が生まれてくる可能性があると思うんですね。
境涯を変えることが免疫力を高めたり、いろんなことにもつながっていくという可能性すらあるわけですから、ここはひとつスタンスを一部変えていただかなければ困るなと強く考えております。
専門家が指摘する「異変」
これまでに51人が、がんまたはがんの疑いとされている福島甲状腺検査の2巡目。
福島検討委員会では唯一の甲状腺がんの専門家、清水一雄医師が指摘する。

福島検討委員 日本医科大学 清水一雄名誉教授:
2巡目で51人というのは比較的多いですよね。
1巡目の検査の時にA1(異常なし)」が一番多いんですよ、その中に。
なのでちょっと、少し気になるかな。
清水氏は2巡目で見つかった腫瘍の中に30mm以上にまで成長したものがあることに注目した。

日本医科大学 清水一雄名誉教授:
2年間で3cmまで大きくなっていくっていうことなんですね。
これはあまり考えにくいことなんですよ。
2巡目の数はおかしい。
専門家ではなく、全く違う分野からこの異変を研究した学者がいる。
神戸大学大学院の牧野淳一郎教授。専門は「計算科学」
驚きの結果が出てきた。
少し難しいが紹介したい。

1巡目。
検査当時17歳以下で10万人中18人という甲状腺がんの数をイメージとして三角形にしてみる。

もし放射線の影響がないとすると、2年目に行う2巡目検査でも、ほぼ同じ数の甲状腺がんが見つかるはずだ。

ただし、実際に二つの三角形は2年分ずれて重なっている。

黄色の部分は1巡目に見つかっているから、2巡目で見つかる甲状腺がんはピンクの部分。


神戸大学大学院 牧野淳一郎教授:
ピンクの部分というのが、そういう意味では、実際に先行検査(1巡目)があって、今回の本格検査(2巡目)で見つかると予想される数だということになるわけですね。
この2巡目で予想される甲状腺がんの数は、牧野教授の計算では10万人あたり7人となった。

ところが、2014年に実際に発生したのは10万人あたり22人と、予想を大幅に上回る値になってしまった。

2巡目の検査は今も続いているが、この時点でもこれだけ違うということは「誤差の範囲では説明できない」という。
神戸大学大学院 牧野淳一郎教授:被ばくの影響も考えの一つには入ってくるのではないかと、
今週月曜、検討委員会の星座長が外国特派員協会で会見を行った。
外国特派員協会 2016年3月7日

Q:今後も甲状腺がんは増えるのか?

福島検討委員 星北斗座長(福島県医師会副会長):
放射線の影響があって増えていくのかという質問ならば、現時点で私はそういうふうには見ていません。
ただ、それを頭から否定する気もありません。
福島 原発事故から5年
「なぜ私が甲状腺がんに…」
自分の身に何が起きたのか知りたい。
それは甲状腺がん患者の切実な問いかけだ。

甲状腺がんの手術をした 直美さん(仮名):
どのくらい被ばくしたのか?っていうのは知りたいですね。
やっぱり、そこを知って、本当に原発のせいなのか、せいじゃないのか、っていうのを一番、みんながそう思っているので、早く白黒はっきりして、本当にどうなのかというのはつけてもらいたいなというのはすごく思います。

古舘伊知郎:
検討委員会が言っている「考えにくい、因果関係は」というこの「考えにくい」という言葉っていうのは非常に都合のいい言葉だなというふうに私は感じています。
むしろ逆だと思うんですね。
因果関係というものがはっきりとはわからない。
「否定できない」と言っているのですから、「わからない」んだったら、「因果関係があるんじゃないか」という前提で、じっくりと探っていくというプロセスが必要なんじゃないかと思うんですよね。
まずですね、ここで申し上げたいのは、甲状腺がんの摘出手術を受けた女性、インタビューに応じてくださいました。
そしてそれとはまた別の、子供さんががんを抱えている親御さんにもインタビューを受けていただきました。
勇気を振り絞って、いろんな声がある中で”問題提起”ということで取材に応じてくださったということは、心から感謝をいたします。
そして、その前提でですけれども、やはり、これは未曾有の原発事故が福島で起きたわけですよね。
もちろんチェルノブイリやなんかの、スリーマイルとの程度の比較とか色々ありますが、未曾有の事故が起きて、”未曾有”ということは。これまでになかったことですから、これ、なかったことというのは、詳しいデータの積み重ねがあるわけはないので、まだ”端緒”という言葉も学者の先生から出てきましたけど、
小川:「前提も基準もない」ということですよね。
古舘:
はい。
ですから、やっぱりまだデータが完璧ではない段階では、謙虚に、気長に、粘り強く検査をしていき、調査をしていき、研究をしていくという姿勢が、例えば166人のご本人及び、これからもしかしたら増えるかもしれない方、ご家族にそういう誠意が伝わっていったときに、また違う境涯が生まれてくる可能性があると思うんですね。
境涯を変えることが免疫力を高めたり、いろんなことにもつながっていくという可能性すらあるわけですから、ここはひとつスタンスを一部変えていただかなければ困るなと強く考えております。
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コメント
きーこ様
書き起こしご労作有難うございます。
さっそく、放射線被ばくを学習する会にて広めたいと思います。
週刊新潮に公開質問状を発しましたが、4月中旬ごろ回答を下さるとのことです。
http://www57.atwiki.jp/20030810/pages/253.html
再質問をする際の基礎資料として活用させていただきます。
書き起こしご労作有難うございます。
さっそく、放射線被ばくを学習する会にて広めたいと思います。
週刊新潮に公開質問状を発しましたが、4月中旬ごろ回答を下さるとのことです。
http://www57.atwiki.jp/20030810/pages/253.html
再質問をする際の基礎資料として活用させていただきます。
ni0615田島拝 | 2016.04.15 14:00 | 編集
医療従事者の99%位がものすごくこわがっています。こわがってないのは極一部のアホだとすれば思ってます。知識があれば怖いとわかります。知らないって本当気の毒だな~ってこと…理屈がわかると怖いです。どおして政府はみんなに真実を伝えない???
ぶぶ | 2016.04.26 07:40 | 編集