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05.01
Sun
「小児甲状腺がん家族会」発足記者会見
2016年3月12日



311甲状腺がん家族の会
http://311kazoku.jimdo.com/






千葉親子元福島県会津坂下町議 世話人 共同代表
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=16m31s

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文字起こし部分→https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=17m49s

小さなお子さんからお年寄りまでの200万県民が5年前、原発事故の夜放射能が降り注ぐ下で生活をしていた事実は決して忘れてはならないと思います。
事故後甲状腺検査が始まりました。
甲状腺癌の発見が相次ぎました。

原発事故が起きるまでは、「甲状腺癌」などということは、あまり耳にしない病気でした。
1巡目先行調査から2巡目と検査が進む中で、私たちは甲状腺癌を宣告されたご家族の方々の悩みや苦しみに出会いました。

過酷な原発事故や放射能のことなど交錯する情報の中で、防御の術もなく、手立てもなく過ごしたためのあの時間を思い、親御さんたちは「あの時外出させなければよかった」「あの時避難しておけばよかったのではないか」と、無用の被ばくをさせてしまったのではないかと、ご自分を責め続けておられます。

311以降、被ばくの可能性のある甲状腺検査だけに、「被ばく者になってしまった」という切ない思いを抱え、誰にも相談もできない状態に置かれておられるのです。

福島県民健康調査検討委員会では「放射能の影響とは考えにくい」と説明を繰り返すばかりです。
専門家の間でさえも、「原発に由来する」、「しない」と意見が分かれ、
そんな曖昧な中でがんと診断された方も、被ばくをした多くの県民も、不安を抱えた5年目となりました。

私たちは昨年、ご家族の方々と集いました。
その日の私は、初めての出会いでとても緊張していました。
ご家族の方も、きっと、家族同士が出会えるという期待と「どんな集まりなのか?」「どんな人が来ているのか?」と不安であったろうと思います。

懇談が始まってからは、話す家族たちも、聞く私たちも、涙でした。
今までいろんなところで聞いていた不条理な出来事が、目の前で話すご家族の方に今起きていることの事実。
それに触れ、私は悲しい怒りがこみ上げました。

ご家族同士の意見交換では、医師への不信や診療の制約、情報が届かない、ご自分のお子さんの病気がこれからどのようになっていくのだろうか?
毎日の戸惑いに誰に話したらいいのか、どなたに相談したらいいのか、家族の孤独感を知りました。

懇談が始まる前の緊張した雰囲気も、お茶タイムの頃にはみんなで持ち寄ったお茶菓子を分け合ったり、とても和やかな雰囲気になり、「来てよかった」「同じ思いで話すことができた」と、明るいお顔になられたように感じました。

子供達は原発事故の後、理不尽な形で甲状腺癌と診断され、心に傷がつき、手術で体に傷を残すことになってしまいました。

私たちは日頃から情報交換や情報提供ができて、気軽に話し合い、支え合いができる関係と、気軽に相談できる場所が必要だと思いました。
同じ悩みや痛みを抱えている方同士が話しあうことがどれだけ癒されるのか。
どんな力にも勝ることだと思いました。

一人で悩まないでください。
多くの患者の家族の皆さんと手をつないで語り合う場所。
情報を共有し課題を話し合いながら、そこから希望をつかみましょう。
そんな気持ちです。
患者家族の皆様、お気軽に声をかけていただきたいと思います。
そして、安心して集えるよう、どうか、温かく見守っていただきたいと思います。
私たちもそのお手伝いをさせていただきたいと思っております。
このような会が短なところで色々と広がって、家族の方が安心して話ができるような場所が作られることを望みながら、私のご挨拶といたします。




【ふくしま便り】
横のつながり 励みに 甲状腺がん家族の会が発足

東京新聞 2016年3月22日


「何でも相談してください」と話す千葉親子さん=福島県会津坂下町で
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 東京電力福島第一原発の事故後に福島県が実施している「県民健康調査」で甲状腺がんと診断された子どもの家族らが、「311甲状腺がん家族の会」を設立した。調査は事故当時十八歳以下の子ども全員が対象で判明している患者、疑いのある人は百六十六人。集まった会員は男女五人の家族七人とごく一部にすぎないが、これまでは患者同士の横のつながりは一切なかった。「家族の会」は、どのような意味を持つのか。河合弘之弁護士とともに代表世話人を務める元福島県会津坂下(ばんげ)町議の千葉親子(ちかこ)さん(68)に聞いた。
      ◇
 -設立の経緯は。
 十六年前から精神障害者の家族を支える活動を続けてきました。その関係で甲状腺がんの患者家族の話も伝わってきました。状況はよく似ているのです。
 自分の子どもが精神障害者だと診断されると、親は奈落に突き落とされたような大きな衝撃を受けます。そして親戚や友人に相談することをためらう。自分たちだけで耐えようとして、どんどん孤立していきます。
 甲状腺がんの家族も同じようです。原発事故のせいではないかと誰もが疑います。ところが医者は「放射能の影響とは考えにくい」と繰り返します。納得できないままに、自分を責めます。あのとき、外で遊ばせなければ…、もっと食べ物に気を配れば…、自転車通学をやめさせていれば…。同じ境遇の家族同士が話をする機会もないので、情報を共有したり、なぐさめあったりすることもないのです。
 精神障害者の家族の場合、家族会をつくって、一緒に小旅行に出掛けたり、食事をしたりして、随分と気持ちが楽になったと聞きました。そうした経験を生かせればと、河合先生に相談して、賛同してもらったのです。

 -家族と会ったのは。
 個別の面談を重ねて、今年一月に初めて一堂に会することができました。懇談が始まると、話す家族も聞く私も、涙、涙でした。医師への不信感、子どもたちの将来への不安、情報が届かないもどかしさなど、家族は話し続けました。最初は皆さん、緊張していたのですが、お茶タイムのころには、とても和やかな雰囲気になりました。やっと話ができて、胸のつかえがおりたという声を聞きました。
 -医師への不信感とは。
 福島県では、県民健康調査で甲状腺がんの疑いが出た患者については、例外なく福島県立医大病院で診療をうけることになります。このため実質的にセカンドオピニオンを得るのが難しくなっています。最近の医療の世界では、患者の基本的権利として認められていることが、ここでは通用しないのです。
 手術後に再発した患者さんは複数いるそうで、再手術となれば悩みますが選択肢がない。
 またある父親は、思春期の息子に医師がためらいもなく「がんです」と告知するのを聞いて悲しかったと話していました。

 -会員は増えそうですか。
 十二日に設立を発表してから、たくさんの電話をいただきました。患者家族の方もいましたし、応援したいという方もいました。「新鮮な野菜を送るから食べさせてあげて」なんて人もいました。会員は、これから少しずつ増えると思います。
 患者ではなくても、子どもさんを抱えて不安な人は相談してくださって結構です。専門の医師につなぐことはできます。
 また県民健康調査で発見された甲状腺がんの治療にかかる医療費のうち、十九歳以上の人の自己負担分を県が支援する事業があります。ところが申請が煩雑なせいか、申請者は対象者の一割ほどです。相談いただければ、申請の方法を教えます。
 どうか一人で悩まないでください。
      ◇
 問い合わせは、電070(3132)9155、メールは311tcfg@gmail.com ホームページは「311甲状腺がん家族の会」で検索。 (福島特別支局長・坂本充孝)





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