05.04
Wed
「小児甲状腺がん家族会」発足記者会見
2016年3月12日
311甲状腺がん家族の会
http://311kazoku.jimdo.com/
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=36m23s
白い服の方:
私は中通り地方に住む震災当時10代の娘を持つ父親です。
いままで子供の病気のことは周りの誰にも言えずに、病院の先生と家族で話すだけでした。
この度甲状腺がん家族の会ができまして同じ病気を持つ家族、親と子供さんの普段の様子、手術前手術後の体調のこと。
また色々な悩み事などを、いままで誰にも言えなかったことを話すことができて本当に良かったと思っております。
また、同じ境遇の人たちに話すことで気持ちが大変楽になりました。
これからの病気の治療のこと、子供の将来のことを話せる人たちが周りにいることは、私たち家族にとって力強い限りです。
また、さまざまな相談ができる世話人の存在も大変力強いと思っております。
そして、定期的にがんの人たちが集まり、情報、意見の交換などできれば良いと思っております。
私たち家族と同じ立場にある方が多くいると思います。
是非、この会の方へ勇気を持って手を上げてきていただければと思っております。
以上です。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=38m24s
黒い服の方:
私は中通り地方に住む、当時10代の男子の父親です。
突然息子ががんと言われまして、本当に、息子も当然ですが私も非常にショックが大きくて、本当に大変つらい思いをしました。
今回こういう家族の会ができるということで、本当にあの…気持ちの分かり合えるみなさんとお話しするだけでも、本当に救われた気持ちでいっぱいでございます。
まだまだ大変悩んでいる皆さん方、多くの方がたくさんいらっしゃると思いますが、是非とも勇気を振り絞ってこの会に参加していただきたいなと思っております。
以上です。
質疑応答

https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=40m43s
フリー田中:
河合弁護士と牛山医師にお伺いいたします。
政府が、国会でも福島の子供の甲状腺がんと原発事故の由来を否定しています。
そうなるともうこちらで実証するしかないんですが。
チェルノブイリの事故を受けてウクライナには原発事故由来とされるがん患者を1000人以上入院させて、治療している病院があるんです。
わたしはそこに行ってきました。
それでね、そこの小児科部長に聞いたんですが、福島原発事故直後、日本政府とそこの病院の間で30回行き来してるんですよ。
つまり情報交換がされているんです、30回以上。
それでどこまでウクライナは認めているかというと、チェルノブイリから100km以上離れたところでプルームが飛んできたところで甲状腺がんになった子まで「これはもう原発事故由来だ」ということを認めて、その病院で預かっている。
それでその小児科部長がいうのには、明らかに因果関係があると言っています。
それで家族の会では調査団を出すおつもりはありますでしょうか?
医師と弁護士が行くとか。
そこまでしないとこれは医師団を切り離されますよ、日本政府から。
どうしますか?

河合弁護士:
急なご質問なのでお答えにくいと思います。
それだけの財政的基盤があるか?
また、チェルノブイリにそういう調査団を派遣することが社会的見解を、もしくは政府の見解を変えさせることに有力かどうか?を、よく、費用対効果を考えた上で対策を考えたいと思います。
牛山医師:
今のにお答えいたします。
わたし自身は2013年3月にベラルーシに行って、医学アカデミーで研修を受けさせていただいて、色々とお話しを伺っています。
でもそこで伺ったお話しと、また日本で色々と言われているベラルーシの実情とは微妙に違っていたりして。
そのお話しをされる医者も、その時の資料でお話しをされたのと、また最近の資料でお話しされたのとでは違ってきています。
非常に難しいなと感じています。
でも、そういう交流というか、情報交換を続けていかないと、本当のことはわからない。
チェルノブイリでもやっと30年です。
やっとこれからわかることもいろいろあると思うので、私たちはそこから学ばないといけないと思います。
是非、お金がなくても個人的にわたしはまたそういうところに行って勉強したいし、そう思っている医者は他にもたくさんいますので、是非やりたいと思っています。
朝日新聞 本田:
福島の二人の保護者の方にお一人ずつお伺いしたいんですが、
おふたりにとって、お子さんの治療を受けるときとか手術を受けるときに、相手側の、多分県立医大だと思いますが、最も不審だとか、不安とか、不満とかを感じた対応の具体的な話を。
もし、「こんなことが一番自分がショックを受けた」ということとか、お一人の方は申告のときだとおっしゃっていましたけれども他にももしあればその事例を挙げていただければありがたいです。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=44m58s
白い服の方:
「甲状腺癌が放射能の影響と考えにくい」と言われて、
じゃあ、何が悪かったのか?というのを、まず知りたいというのが本当の所です。
やっぱり、「考えにくい」と言われている中で、何度も検査をしていますので、「考えにくい」っていうならなんでそんなに検査するのかな?という思いもあります。
ま………、原因が私たちにはわからないので、今後再発することはないのか?とか、他に転移することはないのか?とか、その辺が一番心配な所です。
黒い服の方:
わたしも、そうですね、一番最初にがんと診断されて、子供の目の前で「あなたは癌ですよ」と言われたときは、ものすごくやっぱりショックでした。
あのー、もう少し、あの、…何て言うのかな、あのー、ちょっと、10代の、やっぱり思春期の子供、にはちょっと、あのー、あの言い方はちょっとひどかったのかなと、今思うとそんな感じがします。
それから私たちも、当然のことながら甲状腺と放射能の関係はなんの知識もわたしにはございません中で、とにかく藁にもすがる思いで先生の言うことを聞いて、手術をすることが大切なのかなと気楽に思っていました。
今後、長い間にやっぱり再発というのも、本当に、未だに払拭できない不安材料の一つです。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=47m58s
NHKみぎた:
今国内では「過剰診断ではないか」とか、どこか患者さんのお気持ちであったりとか、そういった存在をどこかに置いてしまったような議論が今進んでいると思うんですけれども、それについてはどうお考えですか?
牛山医師:
本当にその通りで、というよりも、患者さんご自身がどういうふうに考えていらっしゃるか?とか、ご家族はどんなふうに考えていらっしゃるか?というのも、わたしもこの家族会の設立に際してやっと話が聞けるようになりました。
県立医大で色々まとめていかれるんだと思いますけれども、あまりにもいろんな情報が出てこない。
じゃあ、十分に患者さんの心のケアとかもされているのか?と思っていましたが、実際にご家族からお話を伺うと、決してそうではない。
いろんな問題点があると思います。
それでこういう家族会によって改善していけばいいなと思っています。
白い服の方:
「エコー検査の精度が上がったからだ」とか、今色々言われておりますが、確かに医学も、年々良くなっているので、ま、本来見つからなかった小さな癌とかも見つかるようになったんだとは思います。
うちの娘の癌は比較的大きな状態で見つかりましたので、明らかに癌だと分かる状態で見つかりましたので、
「過剰診断」とかではないんじゃないかとは思います。
黒い服の方:
わたしも甲状腺に関しては早期の段階で、ま、癌の方を見つけていただいたっていいますか、そういう感じでありますので、わたしは、過剰診断というのをそんなに強く感じることはないです。
NHK:
今県内で、放射線の影響とか、そういった放射能であったりとか、そういう声が上げづらい環境にあると思うんですが、そういった中でこの家族会がそういう存在になっていくことを期待したいですか?
白い服の方:
最初に申し上げましたように、今まで誰にも話すことができなかった思いが、この会ができて同じ子供さんを持っている家族の方と話ができて、それで自分の子供の病気だったり、相手の子供さんの様子だったりを知ることができて、今まで何の情報もなかったものですから、お互いの情報交換ができて、少しでも、話すことだけでも気持ちが大変楽になったというのが、わたしにとっては一番大きいと思います。
黒い服の方:
会が設立しまして、まだ、数えるぐらいの会合しかまだ開いていないんですが、その中でもうちの息子はどうだった、わたしの娘はこうだった、本当に情報を交換できただけでも本当にこの家族会が、私どもにとっては本当に救いの場になったなと、そんなふうに思っております。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=54m31s
週刊金曜日 ふくだ:
本当に勇気を持って会見に応じてくださっているご家族の方に敬意を表します。
趣旨書の中に「様々な理由で孤立を余儀なくされてきました」と。
なんとなく、東京で暮らしていてもその孤立している状況というのはわかるんですけれども、当事者の方からどういうふうな状況なのか、どういった理由で孤立しがちになっているのか、そのあたりの思いを聞かせていただければと思います。
白い服の方:
やはり、自分の子供が癌であるということを、やはり誰にも言うことができませんでした。
子供自身も、友達とかにも言うことができず、最初は、学校側とかには伝えてはありますが、公に公言するということがやっぱり、できないために、家族だけで悩むということがちょっと色々ありまして、誰に相談していいのかというのもわからなくて、病院に行ったときにちょっと先生と話をするぐらいで、その他っていうのはもう…甲状腺癌の話を出すということが、正直できなかった状況です。
黒い服の方:
孤立といいますか、本当に、白い服の方が言っていましたように、自分の子供が実際に癌と診断されて、なんて言ったらいいのかな、中の にも本当に相談できるのか、って言ったら本当に、多分できる人はいないと思います、正直。
で、まぁ、こういうことで本当にね、他人に相談をどうしたらいいのか、また本当に、癌イコール死っていうのが、なんとなくイメージするものですから、とにかくもう本当に恐ろしいというか怖かったです、正直。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=58m14s
日本テレビ もり:
政府、県、東京電力に対して、訴えたいことがあったらお聞かせください。
白い服の方:
「放射線の影響ではない、考えにくい」という見解が今のところですので、もしその放射線の影響ではないとするならば、他の原因というのは何があったのか?というのを、県なり国なりに。
166名ですか、その方々の原因というものを探っていただきたいと思います。
黒い服の方:
わたしも同じように、因果関係が極めて低いといいますか、そういう見解をされていますけれども、じゃあ、いったい何が本当にそこにあるのか?というのを知りたいです。
Q:東京電力に関してはいかがですか?訴えたいことおっしゃりたいことはございますか?
白い服の方:今の所ちょっと、思い当たるところはございません。
黒い服の方:
はい、まだ今の段階では決定的に東電さんが原因だっていう確たる証拠があるわけじゃないので、その辺はまだ今のところは、コメントはすみません控えさせていただきます。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=1h1m11s
フリー しば:
先ほどからご家族の孤立のことが言われているんですけれども、もう少しちょっと具体的に。
例えばお医者さんだとか、あるいは行政だとか、本来であればそういった医療機関であったり行政というものが相談相手になったりだとか、色々ケアしたりだとか、そういうことを行うべきだと思うんですが、
あえてこういった家族会だとか、そういったものを作らないといけなかったそこの理由をもう少し具体的に教えていただけると嬉しいなと。例えばどういったことが行政やお医者さんに対しての不信感として根強くあって、やっぱり相談相手としてとてもじゃないけど相手にならなかった、というようなことを教えていただければと思います。
白い服の方:
相談できないというか、病院の先生は病院に行ったときにしかよく話すことができない。
その病院も非常に混んでおりまして、実際に一人の診察時間が5〜6分ぐらいじゃないかと思います。
その中で色々そういうことがやっぱりちょっとできない状況でして、行政の方にも、相談というのはしていませんが、やはり手術後の体調が悪かったりとかそういうことがありまして、行政には健康増進をするような課があるんですけれども、そこには一度話をしたことがあります。
黒い服の方:
わたしも病院の方からはっていいますか、診察時間も限られた時間の中で、色々とお話も聞けなかったこともあるんですが、その当時やっぱり、うちは息子なんですけれども、息子はやっぱりその、あんまり病気のことで色々な行政にしても、病院に行っても、相談とかそういうことをやってほしくないということで、子供にも強く言われていたものですから、あえて相談とかそういうことは行っていませんでした。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=1h4m55s

フリーライター おのえいこ:
広島の原爆の被爆者で、6歳の時に被ばくをしまして、急性放射能障害、原爆ぶらぶら病、目の障害、甲状腺機能障害による甲状腺全摘出手術、今また肺がん。
6歳の時から余命宣告を突きつけられた状態で70年を生きてまいりました。
いま福島のお子さんたちがそういう状態でこれからの人生を歩んでいかなければいけないのかと思うと、本当に胸がいっぱいで辛いです。
そんな私がこうして元気で生き延びてくることができたのは、二つ要点があります。
ひとつは被ばく者同士の支え合いです。
日本医だんき?を中心とする各地の被爆者の会によって支えあってきました。
もうひとつは国の公的医療保障です。
原爆被害者援護法に基づいて被爆者健康手帳が交付されて、私たちは医療が無料で受けられます。
この二つによって本当に厳しい人生をなんとか元気で生き延びてくることができたと思います。
で、福島の今回のこの会の設立は本当にこれからのみなさんの支えになっていく会だと思います。
それに際して、今回お子さんが対象になっていますけれども、福島ではすでに大人の方の甲状腺癌も多発していると聞いています。
私の友人の福島在住の方も甲状腺癌で甲状腺摘出手術を受けていらっしゃいます。
やはり大きなつながりとなっていくためにはお子さんだけではなくて、大人の方たち及びその家族の方たちも同じようにつながっていっていただきたいというのがひとつの願いです。
そして、やはり福島にも被ばく者手帳を国に求めていくという運動も同時にやっていっていただけると嬉しいと思います。
質問としては、そういう大人の甲状腺癌、及び白血病の患者さんたち、そういった方たちとのつながりは考えていらっしゃいますでしょうか?

千葉親子元福島県会津坂下町議 世話人 共同代表:
貴重なご質問をいただきましてありがとうございます。
私たちは患者の皆さんと繋がりながらこの会を立ち上げようと話を進めていたときに、いまおのさんからご質問があったような話もありました。
ありましたし、この会も、私たちのこの会は3.11、子供は付いていなくて大人も含めた形のなかで今後きちんと対応できる場所にしたいということと、あとは、いまお話しされましたように、大人も対象。
それからもうひとつは福島県によらずに、放射能の影響を考えるならば、福島県だけの問題ではないのではないかということも話し合いました。
そのようななかから、これからもっと充実した会の方針などを活動のなかで示していかれればいいなと思っております。
本当に勇気をいただくようなご質問をいただきました。
ありがとうございました。

河合弘之弁護士:
この会の設立の意味がそこにあって底辺をきちんとしていきたい。
で、個人が孤立している限りは、いくらAさんの親が言っても、Bさん自身が言ってもダメなんです。
それが患者団、家族団が結束して、そして申し入れをしたり発言をしたりすると、それは社会的勢力による発言というふうにみなされます。
そこで初めて重視され尊重されるようになるのです。
そういうための団体だと、家族の会だと。
もちろんその基礎に、まずお互いが知り合ってお互いが情報交換をし、慰め合い団結するという必要があって、それがまず第一目的ですが、その後にくるものがそういう社会的勢力をきちんと作って、そしてきちんと申し入れをしていって、自分たちの正当な要求を政策に反映させていくこと、これが311甲状腺がん家族の会の目的だというふうに考えていただいていいと思います。
11011
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=1h14m37s
フリーランス まさの:
癌の宣告を受けられたときに医師の方からセカンドオピニオンについて「ほかの医師に聞くことができますよ」というお知らせをきちんと受けることができたかどうか?がひとつと、
それから癌患者には色々な患者会があるんですが、患者の会の紹介をしていただくっていうようなことはできたか?
多分できなかったと思うんですが、その確認です。
それと最後が、癌の状態についての説明を何分ぐらいで最初受けることができたかということを、もし覚えていらっしゃる範囲で構わないんですが、よろしくお願い致します。
白い服の方:
セカンドオピニオンについてははっきりした説明はあんまりなかったように記憶しています。
患者会の紹介というか、それは甲状腺癌を全部含めた会の案内は ました。
診察時間は通常5分ぐらいですので、10分以内の間だったと思います。
黒い服の方:
セカンドオピニオンに対しては、私には何もありませんでした。
患者の会の方も私どもの方には連絡は来ていません。
説明の時間は白い服の方と同じように10分以内だったと思います。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=1h18m4s
フリー きりしま:
白い服の方に伺います。
今の質問に関連するんですが、甲状腺疾患を含めた患者の会というのは福島県立医大の会のことだと思うんですが、案内をもらった時になぜ参加しようと思わなかったのか?
福島県立医大に対する不信感か何かがあって参加しようと思わなかったのか、それともほかに理由があったのか、教えて下さい。
後黒い方、もし案内をいただいた場合には参加をしたかどうかというのも教えて下さい。
白い服の方:
案内をいただきまして、参加というか、わたしは行かなかったんですが、妻が行って話を聞いてきました。
患者会というよりは、先生の説明会というような感じで、特に甲状腺癌を持つ子供さんの親御さんというのも見受けられなかったような感じだということを行った妻が言ってくれました。
黒い服の方:
通知が来ていれば参加したか?というと、ま、そうですね、参加したのかなと思います。
けれども、わたしがその会合を開催していたというのを知ったのは、今回この家族会ができてから初めて聞いた話だったので、非常にびっくりしました。
以上です。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=1h20m19s
フリー ほりこし:
患者さんやご家族の身を守らなければならないというのは十分理解した上で質問するんですが、このような形で声を変えて顔を隠して話さなければいけないという状況についてどう思っているのか聞きたいです。
白い服の方:
私ども、子供の甲状腺癌の原因がいまハッキリしていませんので、この原因がハッキリ分かればいいんですけれども、いまのところまだわからないので、こういう状況になっていると思います。
黒い服の方:
はい、顔を出せないということなんですが、そうですね、わたし本人ならばあれなんですが、あくまでもやはりわたしの子供のことなので、ま、いろいろと、いろんな意味で、子供にもプライバシーがあるので、まだいまは出る時じゃないのかなというふうに考えております。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=1h22m45s
東京新聞 いけなべ:
先ほど甲状腺癌はたちの良いものと思われがちだけれども、すでに肺転移やリンパ節転移を起しているものがあるというお話を伺いました。
それで、先ほど再発の不安を図と抱えていらっしゃるというふうに患者会の方がおっしゃっていらっしゃいまして、白いお洋服のお嬢さんはすでに体調が悪かったというお話もありましたけれども、一般的に甲状腺をとってしまえば、それでわりと「安心だ」みたいなイメージを持たれていると思うんですけれど、例えば何か後遺症で、何か苦しんでいらっしゃるとか、ホルモン剤を飲み続けなければいけなくて大変な思いをしてらしゃるとか、何かそうした生活の中で、何か困難みたいなものを抱えていらっしゃる事例がありましたら、またそういうことがございましたら教えていただきたいと思います。

牛山医師:
再発のことですけれども、今回県立医大でやった手術はほとんどが片側しか取っていません。
甲状腺は片方残してあるわけです。
そうすると、ま、うまくいけばお薬を飲まないで一生、取ったままで済むんですね。
でも甲状腺が残っているわけなので、残っているほうの甲状腺に多くは再発をする。
すでに再発をしている方があります、実際に。
いま、再発が疑われている方もあります。
ベラルーシなどでもそうやってお子さんが片方は取ったけれども、結局もう一つ取らなければならなくなった方がたくさんいらっしゃったのを聞いています。
だからそれはもう現実に、再発はしている。
それから手術をされた後は大体が喉に違和感があるとか、ものを飲み込みにくい、声がかれることが非常に多く出てきます。
わたしは今回の福島での実際の後遺症の例というのは直接は伺っていませんけども、事例としてはチェルノブイリではたくさんあります。
白い服の方:
薬は毎日飲んでいます。
甲状腺は半分とりまして、あと、何箇所かのリンパ節も取りまして、
後遺症的にいうと、やっぱりあの………、ま、お薬も痛いとか、声もかすれてしばらくは出なかったというのがあります。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=1h26m33s
日本医事新報 やまざき:
牛山先生に質問なんですけれども、他にアドバイザーとして島根大学の医学の先生や京大の先生とありますけど、他にこの会を支えるお医者さんのネットワークができつつあるのか、あるいはこれから広がっていく可能性があるのか?
特に福島県内のお医者さんにそういうサポートをしてもらえるようなお医者さんを見つけられないのか?というあたりお願いします。
牛山医師:
福島の中で医療をやっている方たちで、私たちと同じようにとても、こういったことを憂いている医者はいます。
ただ名乗り出るとか、大抵そういう方たちは県民健康調査の委託医というんでしょうか、この研修を受けて資格を取っていらっしゃるんですね。
で、実際に県立医大の先生方と一緒にいま検診をされている方なんですね。
そういう方が、顔を出して名前を出していろんなことを発言すると、ご自身がやってらっしゃる県民健康調査の協力というか、それが非常にやりにくくなったり、県立医大との信頼関係とか靄りにくくなるということで、残念ながら福島でいま医療をされている方、何人かの先生方は名前も出せない。
ただ、直接、仲間ですのでいろんなことは相談しあったりしています。
またその他にも、もっと昔に原爆症についての甲状腺について研究されて治療されてきた先生方にも協力を求めてOKをいただいています。
わたしの後ろにわたしが相談できる専門の先生たちがいらっしゃいます。
ただ、ネットワークという形できちっとは作っていません。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=1h28m27s
広河 隆一事務所 こばやし:
ご家族の方に質問なんですけど、いまこの問題に関して何が一番足りていなくて何が一番いま必要だと感じていますか?
白い服の方:
10代の子供がガンと言われまして、非常に精神的に落ち込んでしまいまして、それが一番家族としては非常に心配しているところで。
これから精神的なケアとか、それをもう少し充実してもらいたいと思います。
黒い服の方:
うちの場合は息子なものですから、比較的あれなんですけれども、そうですね、今後望むのはやっぱりメンタルのケアといいますか、そういったことをやっていっていただきたいなと思います。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=1h29m50s
フリー おくむら:
ガンというふうに宣告された時のその時のご家族のお気持ちと、それからもし言われることができたら、お子様のお気持ちをもう一度おっしゃっていただければと思います。
白い服の方:
今も言ったように10代でガンと言われまして、非常に、ま、わたしも妻も大変ショックでした。
それ以上に本人はショックで、大泣きしたというのが事実でございます。
黒い服の方:
うちの場合も、先生の方からダイレクトに「あなたはガンです」っていうふうに言われまして、うちの息子も顔面蒼白になって、本当にも歌っていられないというか、椅子に座っていても座っている状態じゃないぐらいにまで血の気が引いちゃった感じになりました。
わたしも本当にガンと言われて、正直本当に目の前がちょっと気が遠くなるような感じで、本当にひどい思いをしましたけれども、それからやっぱり息子もかなりショックで、数日間はかなり塞ぎ込んでおりました。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=1h31m59s
AP通信 やまざき:
今までお話を伺っていて、原発事故の中で発生したことが原因かもしれないことによる健康診断で甲状腺癌で治療を受ける人という文脈がない感じで病院で対応を受けてらっしゃる気がするんですけれど、
短い問診時間ですとけ、あまり心のケアというような相談も受けていらっしゃらないようですし、今のところ病院や政府、東電の方から見て、できればいて欲しくない患者さんというふうに思われているのかなという印象。
放射線との関わりはできるだけ言って欲しくないと思われているのかなと、そんな印象をお持ちになっていないかちょっとお聞きしたいです。
それと同じ福島で被曝をされた被災者の方がいっぱいいるのに、やっぱり言い出せないというということについてすごく不本意でいらっしゃると思うんですけれども、なんでそうなってしまったのか、その辺のこともお聞きしたいんですけれども。
白い服の方:
「いて欲しくない」と言われても、震災、事故当時福島県に住んでいて、子供が甲状腺癌になってしまったのは事実ですから、………
原因がちょっとわからないので、………ちょっとこれ以上はちょっと、答えられません。
黒い服の方:
はい、ちょっと難しい質問なんですけれども、関係というのもまだハッキリ決まったわけじゃないので、わたしがお答えするのは難しい質問だと思います。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=1h36m40s
日本消費経済新聞:
こども被災者支援法ができて、実際的には使えないような形になってはいるんですが、
まさにこういうことが起きるかもしれないという予想のためにいろんなことを考えてるくられたのがこども被災者支援法なんだと思います。
で、その因果関係は認められないというよりも、それを認めさせていくことがやっぱりすごく必要なんですけれども。
裁判というよりは、わたしはこの法律とこれを支えてきた事例があるわけですけら、その辺に働きかけていくことは考えていらっしゃるでしょうか?
千葉親子元福島県会津坂下町議 世話人 共同代表:
私たちもこども被災者支援法ができたときは本当にあの、喜びました。
なんとか法的な立場の中でいろんな問題を支えてくれるのではないかと思いましたが、
あのあと何回か見直しをされまして、こういう因果関係が認められていないということも含めて、なかなかそこに声が反映できるような状況にはなってこなかったのではないかと思っておりますが。
これからいろんな形で、今ご家族の方が不安に思われていることとか、そして今後短期間に終わるものではないということで、長いスパンの中で考えていくべきことを一つづつ整理しながら、働いきかけるところには働きながら、そしてつながりながら活動していきたいと思っております。
大事なことだと思っています。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=1h40m16s
毎日新聞 ふだ:
牛山先生、先ほど再発や再手術の事例があるということだったんですが、把握されている実数といいますか、どんな状況かもう少し具体的に教えていただけますか?
牛山医師:わたしが存じているのは本当に2〜3名です、直接知っているのは。
毎日新聞:再発されたのが2〜3名ということですか?
牛山医師:そうですね。
毎日新聞:再手術された方は?
牛山医師:
二人、かな。
ちょっといろんなルートがありますので、なんとも言えないんですが、ま、二人は再手術されています。
毎日新聞:
ご家族の方にお伺いしたいんですが、先ほど白い服の方が、初めの方で医師に「放射線の影響とは考えにくい」という説明を受けたということだったんですけれども、そこを具体的のもう一度改めてお二人にお聞きしたいんですが、放射線の影響についてどういう言葉で説明をされたのか教えていただけますでしょうか?
白い服の方:
診察のときに、気になるので「放射線の影響はあるんですか?」ということを聞きましたら、
その影響がないということは言えないけれども、やはり「考えにくい」という表現で言われました。
黒い服の方:
わたしの場合は、当然原発の影響なのかなと思いまして、その旨を尋ねてみたところ、先生は「ありません」ということで、「ない」とはっきりおっしゃいました。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=1h42m48s
共同通信 おおた:
ご家族の方にお伺いいたします。
河合代表は「がんになったのは原発事故の影響なのだから、その因果関係を認めて救済をしてもらいたい」というふうにお話しされていましたけれども、ご家族のお二人としては今どうお考えになっていますか?
白い服の方:
はっきりとした原因はわかっていないんですけれども、原発事故当時に福島で生活をしていたということ。
また、「放射線の影響が考えにくい」ということであれば、それ以外の原因は何があったのか?というのを親としては一番知りたいことです。
共同通信:
それは、原発事故の影響ではないということがはっきりするんであればそれでも構わないということですか?
白い服の方:それがはっきり証明できるのであれば、してほしいと思います。
共同通信:じゃ、今の時点では救済の有無というよりは、理由を知りたいということが大きいんでしょうか?
白い服の方:まずはそのがんになってしまったという原因を知りたいと思います。
黒い服の方:わたしも最初に、根本的な原因は何か?っていうことから知りたいです。
共同通信:
河合先生のお話しだと「はっきりわからないのであれば原発のせいと考えて救済してもらうという考え方も必要じゃないか」というお話しだったと思うんですけど、それについてはどうお感じになりますか?
黒い服の方:
そうですね、ま、わたしは正直先ほども言ったように、放射能に関しての専門的な知識も本当に乏しいので、河合先生初め皆様方にちょっと色々とお力添えをいただきながら相談していきたいと思います。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=1h46m42s
しば:
前わたしが福島で取材したときに、やはり放射線及び健康障害についての話しというのがタブーになっているというようなそういう印象をやはり福島で受けました。
先ほどから皆さんが「原因がわからないから」そういうような、なんとなく遠慮した物言いになっているのは、相当福島で「放射線大丈夫だ」とか「健康に影響はない」とか、そういうことが繰り返し繰り返し言われていることもちょっと関係しているのかなと思うんですけれども、そのあたりはどうなのかというのを聞きたいです。
男性記者:
今後の会の方向について具体的にお聞きしたいんです。
今までの先生方、牛山先生のお話しなんかによると、中心になるのは今後相談会とか交流会がまず中心になると思いますが、
これは新しい人が入って来るためにはまず広報しなければいけないと思うんですが、連絡先、まずホームページにそういうものを、月一回ぐらいの予定でされるのか、その辺を。
今後の活動の日程とか予定とか方針をちょっと聞かせていただきたいのが一つと、
もう一つは牛山先生にお伺いします。
歳ほど医療関係の改善とかが一つ大きな目的になってくるとありましたけれども、その場合、交流会とか相談会とかをやった場合に先生がいらっしゃるというのはわかりましが、それからもし集団として団結できれば行政交渉も起こるというのはわかりますが、個別に個別の内容で、たとえばインフォームドコンセントなどで非常に分断されていることによって不利益に扱われていることがあるけど、当然県立医大側は「個人情報だから」とか、「ここの情報は答えられない」と、我々マスコミが取材しても同じ言い方をされている。
それで、牛山先生のような医師の専門家が個別の患者さんに同行して、家族と同行して医大と交渉していく。
そういうふうなことも視野に入れたり考えたりしていられるか。
その点お伺いします。
男性記者2:
牛山先生にお伺いしたいんですが、再発の問題なんですけど、再発しているとしたら大きく分けて三つ考えられると思います。
テクニカルに切り取られていない。
二つ目がもともと再発が多い病気だ。
三つ目が被ばくの影響でまた再発したと。
この時に、一度手術をしてから2〜3年しか経っていないわけなんですけど、2〜3年後にまた1cm程度に大きくなる、これ検討委員の清水先生なんかは「なりづらい」と言っているんですが、そこを踏まえて牛山先生とか他のアドバイザーの方でどういう議論がされているのか?
被ばくの影響はあるのかないのかというのを含めて、どういう意見交換がされているのかというのを教えてください。
今後の活動についてと再発について
牛山医師:
今後の活動というよりも、まず発足するというのがワンステップなので、これから、具体的にはこれからいろんなお話をしていくんだと思っています。
個人的に、たとえば診療についていくかどうかということですけれども、なかなかそれは、今までの習慣では「ない」ですね。
ただ、お話し合いに参加するというのもドクターが了解してくれればこちらもできるし、そういった形になるかと思います。
今までのいろんな医療の習慣というのがありますけど、その中でもやれることはやりたいと思っています。
再発に関してですけれども、私が具体的にお聞きしているのはガン端から再発しているのではなくて、いわゆる切った端っこから出たのではなくて、また完全に違う、離れた。
切り取ったところから離れた部位に出ているということを聞いています。
実は、乳がんもそうですけれども、乳腺とか甲状腺というのはそこにある限りそこにガンが出て時点である意味ではどこにガンがまた出てきてもおかしくない。
つまり、遺伝子の異常が起きていると言われています。
だから組織を残しておくとまたそこからガンが出る可能性はなんだってあるんです。
だから乳がんも本当は片方だけじゃなくて両方取ったほうが安全は安全。
だから工場s年も本当は最初から全部とった方が安全は安全ですけど、それはやはり浸潤というか、傷が大きくなったりいろんな影響、後遺症を残しやすいので、できれば半分にする。
だけれど、30年前のチェルノブイリでは、本当にそうやって半分取った人が続々とみんな再発したんですよ。
で、2回目の手術を余儀なくされて、傷もまたさらに大きくなったというのもあるので、非常にそこは医者としても難しい、多分手術される方は難しいと思います。
じゃあ今の環境で再発するようなことが新たに起こっているのかというと、非常にそれは放射性ヨウ素が今は空気中にも大気中にもほとんどないわけですから、今の生活の中で新たに甲状腺に、放射性ヨウ素によって切るような条件的にはないと思います、
ただそれもなんとも言い切れません。
セシウムとかいろんな他の放射性物質もありますので、とにかく最初に被ばくした時点で、ガンの目というかそういったものは遺伝子レベルで変化が起きていると考えて。
それが一つ出た二つ出たというのは時間がずれて出て来れば、手術によって最初は片方とったけれどもまた片方出てくる、そういう形で考えています。
男性記者:
県立医大はそうすると、「甲状腺癌は予後がいい」と説明していますが、それは違うということですか?
牛山医師:
そうではなくて、子供さんの場合は、チェルノブイリでもそうなんですけど、結局首のところで再発したり、リンパ腺に転移したり、また肺に転移していったりと。
肺の転移の場合はこんどは放射性ヨウ素を使った放射線治療をするんですけれども、そういう適切な治療をすることで抑えられる、消えていくんですまた。
だからリンパ腺に転移しているとか、肺に転移しているというと、普通のガンだと非常にそれは重篤な、シテージ4という末期の状態というふうに私たちは思うんですけど、そこがちょっと難しいんですけど、甲状腺の場合はそうじゃないと今までも言われていました。
そこが甲状腺は楽な、安心な、安全なガンだと言われる一つのところなんですけど、やはりガンはガンなんです。
放置しておけば命に関わるものになります。
実際にチェルノブイリでも死亡者は出ていますし、今日本で甲状腺癌で死にそうになっている方はいっぱいいます。
もちろんお年寄りの方が多いんですけど。
だから、全然そんな、安全な放っておいていいガンではない。
子供が何よりも、10代の子供がガンだと言われることのショックを考えてみてください。
今の福島における話がしづらい空気について
白い服の方:
福島県は放射能による風評被害というのもかなり大きくて、それで放射線とか、その辺の言葉をいうっていうのは結局、さらにその風評を重ねてしまうというか、農産物が売れなかったりとか、非常に、その辺にも大きく絡んでいると思います。
だから無意識のうちにそういった言葉を入れなくなっているのかなと思います。
黒い服の方:
そうですね、あの、あの………、ちょっと難しいですね。
すみません。
終わり
2016年3月12日
311甲状腺がん家族の会
http://311kazoku.jimdo.com/
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=36m23s
白い服の方:
私は中通り地方に住む震災当時10代の娘を持つ父親です。
いままで子供の病気のことは周りの誰にも言えずに、病院の先生と家族で話すだけでした。
この度甲状腺がん家族の会ができまして同じ病気を持つ家族、親と子供さんの普段の様子、手術前手術後の体調のこと。
また色々な悩み事などを、いままで誰にも言えなかったことを話すことができて本当に良かったと思っております。
また、同じ境遇の人たちに話すことで気持ちが大変楽になりました。
これからの病気の治療のこと、子供の将来のことを話せる人たちが周りにいることは、私たち家族にとって力強い限りです。
また、さまざまな相談ができる世話人の存在も大変力強いと思っております。
そして、定期的にがんの人たちが集まり、情報、意見の交換などできれば良いと思っております。
私たち家族と同じ立場にある方が多くいると思います。
是非、この会の方へ勇気を持って手を上げてきていただければと思っております。
以上です。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=38m24s
黒い服の方:
私は中通り地方に住む、当時10代の男子の父親です。
突然息子ががんと言われまして、本当に、息子も当然ですが私も非常にショックが大きくて、本当に大変つらい思いをしました。
今回こういう家族の会ができるということで、本当にあの…気持ちの分かり合えるみなさんとお話しするだけでも、本当に救われた気持ちでいっぱいでございます。
まだまだ大変悩んでいる皆さん方、多くの方がたくさんいらっしゃると思いますが、是非とも勇気を振り絞ってこの会に参加していただきたいなと思っております。
以上です。
質疑応答

https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=40m43s
フリー田中:
河合弁護士と牛山医師にお伺いいたします。
政府が、国会でも福島の子供の甲状腺がんと原発事故の由来を否定しています。
そうなるともうこちらで実証するしかないんですが。
チェルノブイリの事故を受けてウクライナには原発事故由来とされるがん患者を1000人以上入院させて、治療している病院があるんです。
わたしはそこに行ってきました。
それでね、そこの小児科部長に聞いたんですが、福島原発事故直後、日本政府とそこの病院の間で30回行き来してるんですよ。
つまり情報交換がされているんです、30回以上。
それでどこまでウクライナは認めているかというと、チェルノブイリから100km以上離れたところでプルームが飛んできたところで甲状腺がんになった子まで「これはもう原発事故由来だ」ということを認めて、その病院で預かっている。
それでその小児科部長がいうのには、明らかに因果関係があると言っています。
それで家族の会では調査団を出すおつもりはありますでしょうか?
医師と弁護士が行くとか。
そこまでしないとこれは医師団を切り離されますよ、日本政府から。
どうしますか?

河合弁護士:
急なご質問なのでお答えにくいと思います。
それだけの財政的基盤があるか?
また、チェルノブイリにそういう調査団を派遣することが社会的見解を、もしくは政府の見解を変えさせることに有力かどうか?を、よく、費用対効果を考えた上で対策を考えたいと思います。
牛山医師:
今のにお答えいたします。
わたし自身は2013年3月にベラルーシに行って、医学アカデミーで研修を受けさせていただいて、色々とお話しを伺っています。
でもそこで伺ったお話しと、また日本で色々と言われているベラルーシの実情とは微妙に違っていたりして。
そのお話しをされる医者も、その時の資料でお話しをされたのと、また最近の資料でお話しされたのとでは違ってきています。
非常に難しいなと感じています。
でも、そういう交流というか、情報交換を続けていかないと、本当のことはわからない。
チェルノブイリでもやっと30年です。
やっとこれからわかることもいろいろあると思うので、私たちはそこから学ばないといけないと思います。
是非、お金がなくても個人的にわたしはまたそういうところに行って勉強したいし、そう思っている医者は他にもたくさんいますので、是非やりたいと思っています。
朝日新聞 本田:
福島の二人の保護者の方にお一人ずつお伺いしたいんですが、
おふたりにとって、お子さんの治療を受けるときとか手術を受けるときに、相手側の、多分県立医大だと思いますが、最も不審だとか、不安とか、不満とかを感じた対応の具体的な話を。
もし、「こんなことが一番自分がショックを受けた」ということとか、お一人の方は申告のときだとおっしゃっていましたけれども他にももしあればその事例を挙げていただければありがたいです。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=44m58s
白い服の方:
「甲状腺癌が放射能の影響と考えにくい」と言われて、
じゃあ、何が悪かったのか?というのを、まず知りたいというのが本当の所です。
やっぱり、「考えにくい」と言われている中で、何度も検査をしていますので、「考えにくい」っていうならなんでそんなに検査するのかな?という思いもあります。
ま………、原因が私たちにはわからないので、今後再発することはないのか?とか、他に転移することはないのか?とか、その辺が一番心配な所です。
黒い服の方:
わたしも、そうですね、一番最初にがんと診断されて、子供の目の前で「あなたは癌ですよ」と言われたときは、ものすごくやっぱりショックでした。
あのー、もう少し、あの、…何て言うのかな、あのー、ちょっと、10代の、やっぱり思春期の子供、にはちょっと、あのー、あの言い方はちょっとひどかったのかなと、今思うとそんな感じがします。
それから私たちも、当然のことながら甲状腺と放射能の関係はなんの知識もわたしにはございません中で、とにかく藁にもすがる思いで先生の言うことを聞いて、手術をすることが大切なのかなと気楽に思っていました。
今後、長い間にやっぱり再発というのも、本当に、未だに払拭できない不安材料の一つです。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=47m58s
NHKみぎた:
今国内では「過剰診断ではないか」とか、どこか患者さんのお気持ちであったりとか、そういった存在をどこかに置いてしまったような議論が今進んでいると思うんですけれども、それについてはどうお考えですか?
牛山医師:
本当にその通りで、というよりも、患者さんご自身がどういうふうに考えていらっしゃるか?とか、ご家族はどんなふうに考えていらっしゃるか?というのも、わたしもこの家族会の設立に際してやっと話が聞けるようになりました。
県立医大で色々まとめていかれるんだと思いますけれども、あまりにもいろんな情報が出てこない。
じゃあ、十分に患者さんの心のケアとかもされているのか?と思っていましたが、実際にご家族からお話を伺うと、決してそうではない。
いろんな問題点があると思います。
それでこういう家族会によって改善していけばいいなと思っています。
白い服の方:
「エコー検査の精度が上がったからだ」とか、今色々言われておりますが、確かに医学も、年々良くなっているので、ま、本来見つからなかった小さな癌とかも見つかるようになったんだとは思います。
うちの娘の癌は比較的大きな状態で見つかりましたので、明らかに癌だと分かる状態で見つかりましたので、
「過剰診断」とかではないんじゃないかとは思います。
黒い服の方:
わたしも甲状腺に関しては早期の段階で、ま、癌の方を見つけていただいたっていいますか、そういう感じでありますので、わたしは、過剰診断というのをそんなに強く感じることはないです。
NHK:
今県内で、放射線の影響とか、そういった放射能であったりとか、そういう声が上げづらい環境にあると思うんですが、そういった中でこの家族会がそういう存在になっていくことを期待したいですか?
白い服の方:
最初に申し上げましたように、今まで誰にも話すことができなかった思いが、この会ができて同じ子供さんを持っている家族の方と話ができて、それで自分の子供の病気だったり、相手の子供さんの様子だったりを知ることができて、今まで何の情報もなかったものですから、お互いの情報交換ができて、少しでも、話すことだけでも気持ちが大変楽になったというのが、わたしにとっては一番大きいと思います。
黒い服の方:
会が設立しまして、まだ、数えるぐらいの会合しかまだ開いていないんですが、その中でもうちの息子はどうだった、わたしの娘はこうだった、本当に情報を交換できただけでも本当にこの家族会が、私どもにとっては本当に救いの場になったなと、そんなふうに思っております。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=54m31s
週刊金曜日 ふくだ:
本当に勇気を持って会見に応じてくださっているご家族の方に敬意を表します。
趣旨書の中に「様々な理由で孤立を余儀なくされてきました」と。
なんとなく、東京で暮らしていてもその孤立している状況というのはわかるんですけれども、当事者の方からどういうふうな状況なのか、どういった理由で孤立しがちになっているのか、そのあたりの思いを聞かせていただければと思います。
白い服の方:
やはり、自分の子供が癌であるということを、やはり誰にも言うことができませんでした。
子供自身も、友達とかにも言うことができず、最初は、学校側とかには伝えてはありますが、公に公言するということがやっぱり、できないために、家族だけで悩むということがちょっと色々ありまして、誰に相談していいのかというのもわからなくて、病院に行ったときにちょっと先生と話をするぐらいで、その他っていうのはもう…甲状腺癌の話を出すということが、正直できなかった状況です。
黒い服の方:
孤立といいますか、本当に、白い服の方が言っていましたように、自分の子供が実際に癌と診断されて、なんて言ったらいいのかな、中の にも本当に相談できるのか、って言ったら本当に、多分できる人はいないと思います、正直。
で、まぁ、こういうことで本当にね、他人に相談をどうしたらいいのか、また本当に、癌イコール死っていうのが、なんとなくイメージするものですから、とにかくもう本当に恐ろしいというか怖かったです、正直。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=58m14s
日本テレビ もり:
政府、県、東京電力に対して、訴えたいことがあったらお聞かせください。
白い服の方:
「放射線の影響ではない、考えにくい」という見解が今のところですので、もしその放射線の影響ではないとするならば、他の原因というのは何があったのか?というのを、県なり国なりに。
166名ですか、その方々の原因というものを探っていただきたいと思います。
黒い服の方:
わたしも同じように、因果関係が極めて低いといいますか、そういう見解をされていますけれども、じゃあ、いったい何が本当にそこにあるのか?というのを知りたいです。
Q:東京電力に関してはいかがですか?訴えたいことおっしゃりたいことはございますか?
白い服の方:今の所ちょっと、思い当たるところはございません。
黒い服の方:
はい、まだ今の段階では決定的に東電さんが原因だっていう確たる証拠があるわけじゃないので、その辺はまだ今のところは、コメントはすみません控えさせていただきます。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=1h1m11s
フリー しば:
先ほどからご家族の孤立のことが言われているんですけれども、もう少しちょっと具体的に。
例えばお医者さんだとか、あるいは行政だとか、本来であればそういった医療機関であったり行政というものが相談相手になったりだとか、色々ケアしたりだとか、そういうことを行うべきだと思うんですが、
あえてこういった家族会だとか、そういったものを作らないといけなかったそこの理由をもう少し具体的に教えていただけると嬉しいなと。例えばどういったことが行政やお医者さんに対しての不信感として根強くあって、やっぱり相談相手としてとてもじゃないけど相手にならなかった、というようなことを教えていただければと思います。
白い服の方:
相談できないというか、病院の先生は病院に行ったときにしかよく話すことができない。
その病院も非常に混んでおりまして、実際に一人の診察時間が5〜6分ぐらいじゃないかと思います。
その中で色々そういうことがやっぱりちょっとできない状況でして、行政の方にも、相談というのはしていませんが、やはり手術後の体調が悪かったりとかそういうことがありまして、行政には健康増進をするような課があるんですけれども、そこには一度話をしたことがあります。
黒い服の方:
わたしも病院の方からはっていいますか、診察時間も限られた時間の中で、色々とお話も聞けなかったこともあるんですが、その当時やっぱり、うちは息子なんですけれども、息子はやっぱりその、あんまり病気のことで色々な行政にしても、病院に行っても、相談とかそういうことをやってほしくないということで、子供にも強く言われていたものですから、あえて相談とかそういうことは行っていませんでした。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=1h4m55s

フリーライター おのえいこ:
広島の原爆の被爆者で、6歳の時に被ばくをしまして、急性放射能障害、原爆ぶらぶら病、目の障害、甲状腺機能障害による甲状腺全摘出手術、今また肺がん。
6歳の時から余命宣告を突きつけられた状態で70年を生きてまいりました。
いま福島のお子さんたちがそういう状態でこれからの人生を歩んでいかなければいけないのかと思うと、本当に胸がいっぱいで辛いです。
そんな私がこうして元気で生き延びてくることができたのは、二つ要点があります。
ひとつは被ばく者同士の支え合いです。
日本医だんき?を中心とする各地の被爆者の会によって支えあってきました。
もうひとつは国の公的医療保障です。
原爆被害者援護法に基づいて被爆者健康手帳が交付されて、私たちは医療が無料で受けられます。
この二つによって本当に厳しい人生をなんとか元気で生き延びてくることができたと思います。
で、福島の今回のこの会の設立は本当にこれからのみなさんの支えになっていく会だと思います。
それに際して、今回お子さんが対象になっていますけれども、福島ではすでに大人の方の甲状腺癌も多発していると聞いています。
私の友人の福島在住の方も甲状腺癌で甲状腺摘出手術を受けていらっしゃいます。
やはり大きなつながりとなっていくためにはお子さんだけではなくて、大人の方たち及びその家族の方たちも同じようにつながっていっていただきたいというのがひとつの願いです。
そして、やはり福島にも被ばく者手帳を国に求めていくという運動も同時にやっていっていただけると嬉しいと思います。
質問としては、そういう大人の甲状腺癌、及び白血病の患者さんたち、そういった方たちとのつながりは考えていらっしゃいますでしょうか?

千葉親子元福島県会津坂下町議 世話人 共同代表:
貴重なご質問をいただきましてありがとうございます。
私たちは患者の皆さんと繋がりながらこの会を立ち上げようと話を進めていたときに、いまおのさんからご質問があったような話もありました。
ありましたし、この会も、私たちのこの会は3.11、子供は付いていなくて大人も含めた形のなかで今後きちんと対応できる場所にしたいということと、あとは、いまお話しされましたように、大人も対象。
それからもうひとつは福島県によらずに、放射能の影響を考えるならば、福島県だけの問題ではないのではないかということも話し合いました。
そのようななかから、これからもっと充実した会の方針などを活動のなかで示していかれればいいなと思っております。
本当に勇気をいただくようなご質問をいただきました。
ありがとうございました。

河合弘之弁護士:
この会の設立の意味がそこにあって底辺をきちんとしていきたい。
で、個人が孤立している限りは、いくらAさんの親が言っても、Bさん自身が言ってもダメなんです。
それが患者団、家族団が結束して、そして申し入れをしたり発言をしたりすると、それは社会的勢力による発言というふうにみなされます。
そこで初めて重視され尊重されるようになるのです。
そういうための団体だと、家族の会だと。
もちろんその基礎に、まずお互いが知り合ってお互いが情報交換をし、慰め合い団結するという必要があって、それがまず第一目的ですが、その後にくるものがそういう社会的勢力をきちんと作って、そしてきちんと申し入れをしていって、自分たちの正当な要求を政策に反映させていくこと、これが311甲状腺がん家族の会の目的だというふうに考えていただいていいと思います。
11011
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=1h14m37s
フリーランス まさの:
癌の宣告を受けられたときに医師の方からセカンドオピニオンについて「ほかの医師に聞くことができますよ」というお知らせをきちんと受けることができたかどうか?がひとつと、
それから癌患者には色々な患者会があるんですが、患者の会の紹介をしていただくっていうようなことはできたか?
多分できなかったと思うんですが、その確認です。
それと最後が、癌の状態についての説明を何分ぐらいで最初受けることができたかということを、もし覚えていらっしゃる範囲で構わないんですが、よろしくお願い致します。
白い服の方:
セカンドオピニオンについてははっきりした説明はあんまりなかったように記憶しています。
患者会の紹介というか、それは甲状腺癌を全部含めた会の案内は ました。
診察時間は通常5分ぐらいですので、10分以内の間だったと思います。
黒い服の方:
セカンドオピニオンに対しては、私には何もありませんでした。
患者の会の方も私どもの方には連絡は来ていません。
説明の時間は白い服の方と同じように10分以内だったと思います。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=1h18m4s
フリー きりしま:
白い服の方に伺います。
今の質問に関連するんですが、甲状腺疾患を含めた患者の会というのは福島県立医大の会のことだと思うんですが、案内をもらった時になぜ参加しようと思わなかったのか?
福島県立医大に対する不信感か何かがあって参加しようと思わなかったのか、それともほかに理由があったのか、教えて下さい。
後黒い方、もし案内をいただいた場合には参加をしたかどうかというのも教えて下さい。
白い服の方:
案内をいただきまして、参加というか、わたしは行かなかったんですが、妻が行って話を聞いてきました。
患者会というよりは、先生の説明会というような感じで、特に甲状腺癌を持つ子供さんの親御さんというのも見受けられなかったような感じだということを行った妻が言ってくれました。
黒い服の方:
通知が来ていれば参加したか?というと、ま、そうですね、参加したのかなと思います。
けれども、わたしがその会合を開催していたというのを知ったのは、今回この家族会ができてから初めて聞いた話だったので、非常にびっくりしました。
以上です。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=1h20m19s
フリー ほりこし:
患者さんやご家族の身を守らなければならないというのは十分理解した上で質問するんですが、このような形で声を変えて顔を隠して話さなければいけないという状況についてどう思っているのか聞きたいです。
白い服の方:
私ども、子供の甲状腺癌の原因がいまハッキリしていませんので、この原因がハッキリ分かればいいんですけれども、いまのところまだわからないので、こういう状況になっていると思います。
黒い服の方:
はい、顔を出せないということなんですが、そうですね、わたし本人ならばあれなんですが、あくまでもやはりわたしの子供のことなので、ま、いろいろと、いろんな意味で、子供にもプライバシーがあるので、まだいまは出る時じゃないのかなというふうに考えております。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=1h22m45s
東京新聞 いけなべ:
先ほど甲状腺癌はたちの良いものと思われがちだけれども、すでに肺転移やリンパ節転移を起しているものがあるというお話を伺いました。
それで、先ほど再発の不安を図と抱えていらっしゃるというふうに患者会の方がおっしゃっていらっしゃいまして、白いお洋服のお嬢さんはすでに体調が悪かったというお話もありましたけれども、一般的に甲状腺をとってしまえば、それでわりと「安心だ」みたいなイメージを持たれていると思うんですけれど、例えば何か後遺症で、何か苦しんでいらっしゃるとか、ホルモン剤を飲み続けなければいけなくて大変な思いをしてらしゃるとか、何かそうした生活の中で、何か困難みたいなものを抱えていらっしゃる事例がありましたら、またそういうことがございましたら教えていただきたいと思います。

牛山医師:
再発のことですけれども、今回県立医大でやった手術はほとんどが片側しか取っていません。
甲状腺は片方残してあるわけです。
そうすると、ま、うまくいけばお薬を飲まないで一生、取ったままで済むんですね。
でも甲状腺が残っているわけなので、残っているほうの甲状腺に多くは再発をする。
すでに再発をしている方があります、実際に。
いま、再発が疑われている方もあります。
ベラルーシなどでもそうやってお子さんが片方は取ったけれども、結局もう一つ取らなければならなくなった方がたくさんいらっしゃったのを聞いています。
だからそれはもう現実に、再発はしている。
それから手術をされた後は大体が喉に違和感があるとか、ものを飲み込みにくい、声がかれることが非常に多く出てきます。
わたしは今回の福島での実際の後遺症の例というのは直接は伺っていませんけども、事例としてはチェルノブイリではたくさんあります。
白い服の方:
薬は毎日飲んでいます。
甲状腺は半分とりまして、あと、何箇所かのリンパ節も取りまして、
後遺症的にいうと、やっぱりあの………、ま、お薬も痛いとか、声もかすれてしばらくは出なかったというのがあります。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=1h26m33s
日本医事新報 やまざき:
牛山先生に質問なんですけれども、他にアドバイザーとして島根大学の医学の先生や京大の先生とありますけど、他にこの会を支えるお医者さんのネットワークができつつあるのか、あるいはこれから広がっていく可能性があるのか?
特に福島県内のお医者さんにそういうサポートをしてもらえるようなお医者さんを見つけられないのか?というあたりお願いします。
牛山医師:
福島の中で医療をやっている方たちで、私たちと同じようにとても、こういったことを憂いている医者はいます。
ただ名乗り出るとか、大抵そういう方たちは県民健康調査の委託医というんでしょうか、この研修を受けて資格を取っていらっしゃるんですね。
で、実際に県立医大の先生方と一緒にいま検診をされている方なんですね。
そういう方が、顔を出して名前を出していろんなことを発言すると、ご自身がやってらっしゃる県民健康調査の協力というか、それが非常にやりにくくなったり、県立医大との信頼関係とか靄りにくくなるということで、残念ながら福島でいま医療をされている方、何人かの先生方は名前も出せない。
ただ、直接、仲間ですのでいろんなことは相談しあったりしています。
またその他にも、もっと昔に原爆症についての甲状腺について研究されて治療されてきた先生方にも協力を求めてOKをいただいています。
わたしの後ろにわたしが相談できる専門の先生たちがいらっしゃいます。
ただ、ネットワークという形できちっとは作っていません。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=1h28m27s
広河 隆一事務所 こばやし:
ご家族の方に質問なんですけど、いまこの問題に関して何が一番足りていなくて何が一番いま必要だと感じていますか?
白い服の方:
10代の子供がガンと言われまして、非常に精神的に落ち込んでしまいまして、それが一番家族としては非常に心配しているところで。
これから精神的なケアとか、それをもう少し充実してもらいたいと思います。
黒い服の方:
うちの場合は息子なものですから、比較的あれなんですけれども、そうですね、今後望むのはやっぱりメンタルのケアといいますか、そういったことをやっていっていただきたいなと思います。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=1h29m50s
フリー おくむら:
ガンというふうに宣告された時のその時のご家族のお気持ちと、それからもし言われることができたら、お子様のお気持ちをもう一度おっしゃっていただければと思います。
白い服の方:
今も言ったように10代でガンと言われまして、非常に、ま、わたしも妻も大変ショックでした。
それ以上に本人はショックで、大泣きしたというのが事実でございます。
黒い服の方:
うちの場合も、先生の方からダイレクトに「あなたはガンです」っていうふうに言われまして、うちの息子も顔面蒼白になって、本当にも歌っていられないというか、椅子に座っていても座っている状態じゃないぐらいにまで血の気が引いちゃった感じになりました。
わたしも本当にガンと言われて、正直本当に目の前がちょっと気が遠くなるような感じで、本当にひどい思いをしましたけれども、それからやっぱり息子もかなりショックで、数日間はかなり塞ぎ込んでおりました。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=1h31m59s
AP通信 やまざき:
今までお話を伺っていて、原発事故の中で発生したことが原因かもしれないことによる健康診断で甲状腺癌で治療を受ける人という文脈がない感じで病院で対応を受けてらっしゃる気がするんですけれど、
短い問診時間ですとけ、あまり心のケアというような相談も受けていらっしゃらないようですし、今のところ病院や政府、東電の方から見て、できればいて欲しくない患者さんというふうに思われているのかなという印象。
放射線との関わりはできるだけ言って欲しくないと思われているのかなと、そんな印象をお持ちになっていないかちょっとお聞きしたいです。
それと同じ福島で被曝をされた被災者の方がいっぱいいるのに、やっぱり言い出せないというということについてすごく不本意でいらっしゃると思うんですけれども、なんでそうなってしまったのか、その辺のこともお聞きしたいんですけれども。
白い服の方:
「いて欲しくない」と言われても、震災、事故当時福島県に住んでいて、子供が甲状腺癌になってしまったのは事実ですから、………
原因がちょっとわからないので、………ちょっとこれ以上はちょっと、答えられません。
黒い服の方:
はい、ちょっと難しい質問なんですけれども、関係というのもまだハッキリ決まったわけじゃないので、わたしがお答えするのは難しい質問だと思います。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=1h36m40s
日本消費経済新聞:
こども被災者支援法ができて、実際的には使えないような形になってはいるんですが、
まさにこういうことが起きるかもしれないという予想のためにいろんなことを考えてるくられたのがこども被災者支援法なんだと思います。
で、その因果関係は認められないというよりも、それを認めさせていくことがやっぱりすごく必要なんですけれども。
裁判というよりは、わたしはこの法律とこれを支えてきた事例があるわけですけら、その辺に働きかけていくことは考えていらっしゃるでしょうか?
千葉親子元福島県会津坂下町議 世話人 共同代表:
私たちもこども被災者支援法ができたときは本当にあの、喜びました。
なんとか法的な立場の中でいろんな問題を支えてくれるのではないかと思いましたが、
あのあと何回か見直しをされまして、こういう因果関係が認められていないということも含めて、なかなかそこに声が反映できるような状況にはなってこなかったのではないかと思っておりますが。
これからいろんな形で、今ご家族の方が不安に思われていることとか、そして今後短期間に終わるものではないということで、長いスパンの中で考えていくべきことを一つづつ整理しながら、働いきかけるところには働きながら、そしてつながりながら活動していきたいと思っております。
大事なことだと思っています。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=1h40m16s
毎日新聞 ふだ:
牛山先生、先ほど再発や再手術の事例があるということだったんですが、把握されている実数といいますか、どんな状況かもう少し具体的に教えていただけますか?
牛山医師:わたしが存じているのは本当に2〜3名です、直接知っているのは。
毎日新聞:再発されたのが2〜3名ということですか?
牛山医師:そうですね。
毎日新聞:再手術された方は?
牛山医師:
二人、かな。
ちょっといろんなルートがありますので、なんとも言えないんですが、ま、二人は再手術されています。
毎日新聞:
ご家族の方にお伺いしたいんですが、先ほど白い服の方が、初めの方で医師に「放射線の影響とは考えにくい」という説明を受けたということだったんですけれども、そこを具体的のもう一度改めてお二人にお聞きしたいんですが、放射線の影響についてどういう言葉で説明をされたのか教えていただけますでしょうか?
白い服の方:
診察のときに、気になるので「放射線の影響はあるんですか?」ということを聞きましたら、
その影響がないということは言えないけれども、やはり「考えにくい」という表現で言われました。
黒い服の方:
わたしの場合は、当然原発の影響なのかなと思いまして、その旨を尋ねてみたところ、先生は「ありません」ということで、「ない」とはっきりおっしゃいました。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=1h42m48s
共同通信 おおた:
ご家族の方にお伺いいたします。
河合代表は「がんになったのは原発事故の影響なのだから、その因果関係を認めて救済をしてもらいたい」というふうにお話しされていましたけれども、ご家族のお二人としては今どうお考えになっていますか?
白い服の方:
はっきりとした原因はわかっていないんですけれども、原発事故当時に福島で生活をしていたということ。
また、「放射線の影響が考えにくい」ということであれば、それ以外の原因は何があったのか?というのを親としては一番知りたいことです。
共同通信:
それは、原発事故の影響ではないということがはっきりするんであればそれでも構わないということですか?
白い服の方:それがはっきり証明できるのであれば、してほしいと思います。
共同通信:じゃ、今の時点では救済の有無というよりは、理由を知りたいということが大きいんでしょうか?
白い服の方:まずはそのがんになってしまったという原因を知りたいと思います。
黒い服の方:わたしも最初に、根本的な原因は何か?っていうことから知りたいです。
共同通信:
河合先生のお話しだと「はっきりわからないのであれば原発のせいと考えて救済してもらうという考え方も必要じゃないか」というお話しだったと思うんですけど、それについてはどうお感じになりますか?
黒い服の方:
そうですね、ま、わたしは正直先ほども言ったように、放射能に関しての専門的な知識も本当に乏しいので、河合先生初め皆様方にちょっと色々とお力添えをいただきながら相談していきたいと思います。
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=1h46m42s
しば:
前わたしが福島で取材したときに、やはり放射線及び健康障害についての話しというのがタブーになっているというようなそういう印象をやはり福島で受けました。
先ほどから皆さんが「原因がわからないから」そういうような、なんとなく遠慮した物言いになっているのは、相当福島で「放射線大丈夫だ」とか「健康に影響はない」とか、そういうことが繰り返し繰り返し言われていることもちょっと関係しているのかなと思うんですけれども、そのあたりはどうなのかというのを聞きたいです。
男性記者:
今後の会の方向について具体的にお聞きしたいんです。
今までの先生方、牛山先生のお話しなんかによると、中心になるのは今後相談会とか交流会がまず中心になると思いますが、
これは新しい人が入って来るためにはまず広報しなければいけないと思うんですが、連絡先、まずホームページにそういうものを、月一回ぐらいの予定でされるのか、その辺を。
今後の活動の日程とか予定とか方針をちょっと聞かせていただきたいのが一つと、
もう一つは牛山先生にお伺いします。
歳ほど医療関係の改善とかが一つ大きな目的になってくるとありましたけれども、その場合、交流会とか相談会とかをやった場合に先生がいらっしゃるというのはわかりましが、それからもし集団として団結できれば行政交渉も起こるというのはわかりますが、個別に個別の内容で、たとえばインフォームドコンセントなどで非常に分断されていることによって不利益に扱われていることがあるけど、当然県立医大側は「個人情報だから」とか、「ここの情報は答えられない」と、我々マスコミが取材しても同じ言い方をされている。
それで、牛山先生のような医師の専門家が個別の患者さんに同行して、家族と同行して医大と交渉していく。
そういうふうなことも視野に入れたり考えたりしていられるか。
その点お伺いします。
男性記者2:
牛山先生にお伺いしたいんですが、再発の問題なんですけど、再発しているとしたら大きく分けて三つ考えられると思います。
テクニカルに切り取られていない。
二つ目がもともと再発が多い病気だ。
三つ目が被ばくの影響でまた再発したと。
この時に、一度手術をしてから2〜3年しか経っていないわけなんですけど、2〜3年後にまた1cm程度に大きくなる、これ検討委員の清水先生なんかは「なりづらい」と言っているんですが、そこを踏まえて牛山先生とか他のアドバイザーの方でどういう議論がされているのか?
被ばくの影響はあるのかないのかというのを含めて、どういう意見交換がされているのかというのを教えてください。
今後の活動についてと再発について
牛山医師:
今後の活動というよりも、まず発足するというのがワンステップなので、これから、具体的にはこれからいろんなお話をしていくんだと思っています。
個人的に、たとえば診療についていくかどうかということですけれども、なかなかそれは、今までの習慣では「ない」ですね。
ただ、お話し合いに参加するというのもドクターが了解してくれればこちらもできるし、そういった形になるかと思います。
今までのいろんな医療の習慣というのがありますけど、その中でもやれることはやりたいと思っています。
再発に関してですけれども、私が具体的にお聞きしているのはガン端から再発しているのではなくて、いわゆる切った端っこから出たのではなくて、また完全に違う、離れた。
切り取ったところから離れた部位に出ているということを聞いています。
実は、乳がんもそうですけれども、乳腺とか甲状腺というのはそこにある限りそこにガンが出て時点である意味ではどこにガンがまた出てきてもおかしくない。
つまり、遺伝子の異常が起きていると言われています。
だから組織を残しておくとまたそこからガンが出る可能性はなんだってあるんです。
だから乳がんも本当は片方だけじゃなくて両方取ったほうが安全は安全。
だから工場s年も本当は最初から全部とった方が安全は安全ですけど、それはやはり浸潤というか、傷が大きくなったりいろんな影響、後遺症を残しやすいので、できれば半分にする。
だけれど、30年前のチェルノブイリでは、本当にそうやって半分取った人が続々とみんな再発したんですよ。
で、2回目の手術を余儀なくされて、傷もまたさらに大きくなったというのもあるので、非常にそこは医者としても難しい、多分手術される方は難しいと思います。
じゃあ今の環境で再発するようなことが新たに起こっているのかというと、非常にそれは放射性ヨウ素が今は空気中にも大気中にもほとんどないわけですから、今の生活の中で新たに甲状腺に、放射性ヨウ素によって切るような条件的にはないと思います、
ただそれもなんとも言い切れません。
セシウムとかいろんな他の放射性物質もありますので、とにかく最初に被ばくした時点で、ガンの目というかそういったものは遺伝子レベルで変化が起きていると考えて。
それが一つ出た二つ出たというのは時間がずれて出て来れば、手術によって最初は片方とったけれどもまた片方出てくる、そういう形で考えています。
男性記者:
県立医大はそうすると、「甲状腺癌は予後がいい」と説明していますが、それは違うということですか?
牛山医師:
そうではなくて、子供さんの場合は、チェルノブイリでもそうなんですけど、結局首のところで再発したり、リンパ腺に転移したり、また肺に転移していったりと。
肺の転移の場合はこんどは放射性ヨウ素を使った放射線治療をするんですけれども、そういう適切な治療をすることで抑えられる、消えていくんですまた。
だからリンパ腺に転移しているとか、肺に転移しているというと、普通のガンだと非常にそれは重篤な、シテージ4という末期の状態というふうに私たちは思うんですけど、そこがちょっと難しいんですけど、甲状腺の場合はそうじゃないと今までも言われていました。
そこが甲状腺は楽な、安心な、安全なガンだと言われる一つのところなんですけど、やはりガンはガンなんです。
放置しておけば命に関わるものになります。
実際にチェルノブイリでも死亡者は出ていますし、今日本で甲状腺癌で死にそうになっている方はいっぱいいます。
もちろんお年寄りの方が多いんですけど。
だから、全然そんな、安全な放っておいていいガンではない。
子供が何よりも、10代の子供がガンだと言われることのショックを考えてみてください。
今の福島における話がしづらい空気について
白い服の方:
福島県は放射能による風評被害というのもかなり大きくて、それで放射線とか、その辺の言葉をいうっていうのは結局、さらにその風評を重ねてしまうというか、農産物が売れなかったりとか、非常に、その辺にも大きく絡んでいると思います。
だから無意識のうちにそういった言葉を入れなくなっているのかなと思います。
黒い服の方:
そうですね、あの、あの………、ちょっと難しいですね。
すみません。
終わり
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