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05.07
Sat

201605021
満田:
おそらく皆さん、「これは大変なことになる」と危機感を持ってらっしゃったと思います。
環境省が進めていたようなんですが、この度ナント、福島原発事故での除染で出た汚染土をいろいろ処理をした挙句、そのうち「8000ベクレル/kg以下の除染土を全国の公共事業で再利用する」という方針を出しました。

この問題は、皆さん直感的に「これは何??」と思われると思います。
ただ、2011年当時から全国で瓦礫問題なんかなさっていた方々はよくお記憶だと思いますが、この根っこは本当に深いんですね。

大量に発生してしまった放射性物質のついた廃棄物をとにかく減らしてとにかく片付けちゃえという発想で、
今まで100ベクレル/kg以上のものは放射性廃棄物として厳重に管理していた、厳重に処理していたものを、2011年以降どんどんどんどん緩めているということがあります。

で、先日この「8000ベクレル以下の廃棄物を通常の廃棄物と同じように処分できます」というような決定もなされました。
これも大問題です。
大大問題です。
今、各地の処分場に選定されそうな地域では、住民の方々が大変な反対運動をしています。

この問題も大変根の深い問題なんですが、今回、今日のテーマはひょっとしたらそれ以上の大問題かもしれません。
一般の廃棄物として処分するどころか、公共事業の建材として使ってしまうということなんですね。

今環境省が事例として幾つか挙げているんですが、
例えば道路の構造材ですね。
道路の上にかぶせるところではなくて、一番芯のところに使う構造材ですとか、
あるいは海岸の防波堤とか、
そういうところに使っちゃえということを言っているんですね。

ところが、残念ながらこのことに関する一般の方々の認識というか、そもそもマスコミが何故か報じないため、ほとんどこの問題は知られていません

今日はこの問題をずっと当初から警鐘を発していたジャーナリストのおしどりマコさんに来ていただきまして、
この問題の概要についてお話をしていただきたいと思います。
そのあと、高木学校の瀬川さんから「じゃあ従来はどうだったのか?」
これも決して厳しいと言える基準ではないんですが、従来も大きな批判があったんですが、それでもクリアランスレベルという考え方で、100ベクレル/kg以下は今後規制免除したいという批判のある話なんですが、その考え方について解説していただきたいと思います。
そのあとは、今日の交渉のポイントについてみなさんとシェアしたいと思います。



201605022
おしどりマコ・ケン
https://youtu.be/N7WAonTEFS0?t=5m32s

簡単に説明していただいた8000ベクレル/kg以下の土壌を再生利用していくという話なんですけど、初めからの経緯をお話しますね。

私が初めてこのことに関して記事を書き出した時には「難しくてわからない」と言われて、あまりあちこちで相手にされなかったんですけど、今日本当にこうしてみなさんが問題だと思って集まってくださったことには、私はとても感謝します。

「なかなか記事にならない」ということを満田さんがおっしゃっていただいたんですけど、
汚染土壌を再利用していくという戦略検討会は取材している方々が、環境記者クラブという方々しかおられなくて、あまり取材する人がいないという形なんですね。
でもこの間初めて毎日新聞のきださんが取材にいらしてくださったので、これからもよろしくお願い致しますという感じです。

まず、経緯をお話します。
私が始めに再生利用がどんどん進んでいくということに気づいたのが去年ですね。
放射性廃棄物汚染対処特措法
という、指定廃棄物8000ベクレル/kg以上のものは国が責任を持って処分をするという、あの法律ですね。
それが2011年から施行されて、3年後に放射性廃棄物汚染対処特措法施行状況検討会というのが始まりました。
3年後にその指定廃棄物について各県でどのような状態になっているか?という検討会だったんですね。
そのとりまとめが出てきた時に私はびっくりしたんです。

201605023

去年の7月に放射性物質汚染廃棄物特措法検討会のとりまとめが出てきた時に、施行状況のとりまとめの半分以上が今後再生利用していいということに関してだったんですね。

で、この特措法に関して、2011年から様々な議論があった時から私たちは取材していたんですけど、その時は再利用に関するものなど特措法には入っておりませんでした。
なので、「再生利用というのはどこで始まった議論なんだろう?」と思って調べ始めました。
そのきっかけが2014年なんですね。

201605024

特措法の施行状況検討委員会のとりまとめです。
そこにはもう再生利用に関することがかなり書かれていました。
とりまとめを特措法に反映していくということだったので、それでは特措法、指定廃棄物に関する法律の中に、今後「再生利用」ということが法律に盛り込まれるのか!?と思って驚いたんですね。

で、2014年に各地にある、フレコンバックに入っている、積まれている汚染土壌、放射線廃棄物。
それを各県で中間貯蔵施設を作って、県のものはその県で処分していくということになり、
それをまず福島県がやっていきました。
福島県が自分のところの県に中間貯蔵施設を受け入れるということを引き受けた時、その時国に引き換え条件として、5つ条件を出したんですね。
その5つのうちの一つが、「30年以内に福島県外に最終処分場を作る」ということだったんです。
そしてその2014年にそれを法律に盛り込んで欲しいということを福島県は要望し、政府はそれを飲んだんですね。

なので2014年の中間貯蔵施設の法律の中に「30年以内に福島県外に最終処分場を作る」ということが書かれました。
その辺りの自民党の回答委員会や、その他の委員会での議事録を読むと、
そこから再生利用のことが、言葉が出てくるんですね。

そして2015年になり、30年以内に福島県外に最終処分場を作るのは用地設定が難しいということで、想定以上に放射線廃棄物がたくさん出たので、今の状態のまま30年以内に最終処分場をどこかに作るというのは難しいので、再生利用量を増やすという考え方になるんです。
これにはびっくりしましたね。



つづくーー









2016年5月2日  UPLAN
「8000ベクレル/kg以下の除染土の公共事業への再利用」方針をめぐる院内集会と政府交渉

【FoEJapan】
環境省は、3月30日、東京電力福島第1原発事故後の除染で出た汚染土に関し、8,000ベクレル/kg以下の汚染土を、全国の公共事業で利用できる方針を決定しました。
この問題をめぐり、集会と抗議署名の提出、政府交渉を予定しています。
ずっと取材を続けてきた、おしどりマコさんもお話し予定です。
ぜひ、お誘いあわせの上、ご参加ください。
内容:
集会
…今回の「8000ベクレル以下の除染土を再利用」という環境方針の内容と問題点について
共有します。
お話/おしどりマコさん(予定)
署名提出
政府交渉(調整中)

8000ベクレル!?放射能汚染土再利用方針は止められるのか
FukurouFoeTV




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comment 2
コメント
放射性物質に付いてはこの狂った国を立て直す人なんて、もう現れない。どんな政治家も出来ない。普通の人々も出来ない。100ベクレルも8000ベクレルも関係ない。きっと10万ベクレルだってどうすることも出来ない。
薄めて流す?薄めて使う?薄めて埋める?
どれも同じ作用だけは残る。
どれも同じ被害だけは出る。
だって消えないんだもの。
後は時間だけが解決するんだけど、その解決時は10万年後。イヤ、45億年後、、。
イヤハヤ、人間の愚かさだけが悠久なんだな。
武尊 | 2016.05.07 12:59 | 編集
きーこ様
私達にはなかなか知る機会のないような情報の文字起こしまでいつもありがとうございます。ここで学んだこともしっかり頭に入れて次回の選挙に臨みますね。
さて、あの「伝説のスピーチ」のセヴァン=スズキさんが来日中です。いまやすっかりお母さんとなった彼女の東京でのイベントは明日(8日)です。岡山でのトークセッションには、福島で自給的農業を営み4年間の大工修業を経て自宅まで建てながら原発事故により、一家で岡山市内の実家に避難された女性も講演されます。未来への不安は尽きませんが、力強く生きてらっしゃる方々から希望を頂きつつ、力を合わせてみんな楽しくHappy♡を目指しましょう~♪
そふぃあん | 2016.05.07 20:18 | 編集
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