
https://youtu.be/N7WAonTEFS0?t=10m17s
それが再生利用量を増やすということに議論が始まっていったきっかけでした、私が取材した中では。
で、特措法の施行検討委員会が終わり、そのあと、除去土壌中間貯蔵施設の戦略検討会というものがはじました。
それが去年(2015年)の7月から始まったんですね。
汚染土壌の再生利用に関するところはここで議論されています。

(中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開発戦略検討会)
私が知りたかったのは、再生利用をしていくことに関しての、もちろん安全性なんですね。
問題点の一つとして、
「汚染土壌を再生利用する」というのが、安全だからしていくという考え方からではなく、
政治的に経済的に、最終処分場を30年以内に福島県外に作るのが難しいので再生利用していこうという、考え方の発端にももちろん疑問はあるんですけど、汚染土壌の再生利用をしていく安全性。
それが一番私は重要だと思いました。
で、そのをずっと取材しているんですけど、これがなかなか疑問がいっぱいあるんですよね。

議論の中で、これは資料の中から私が引っ張り出してきた絵で
汚染土壌の土を再生利用する時に、土を混ぜたりコンクリートを混ぜたりして再利用するわけではないんですね。
汚染土壌の上に土をかぶせて、環境省の方は「土で土を遮蔽する」という言い方をされていました。
問題は、ここに雨が降った場合、染み込んだ雨で放射性物質は地下水などへ流れていくんですね。
それで、「放射性物質が流れていって、それが下流の方に畑などがあった場合、それを吸収して出来た作物による内部被曝による評価も必要だ」というようなことも資料に書かれています。
なので、「土で土を遮蔽する」という使い方はある程度放射性物質が雨によって、地下水によって流れていくという考え方でもあるんですね。
もうこれはどんどん被ばくの評価が重要になってくるんですけど、その被ばくの評価をやっているところはどこか?というと、
除染除去土壌等の再生利用に係る放射線影響に関する安全評価検討ワーキングというところなんですけれども、このワーキンググループ、やっと私は取材して名前を教えていただいたんですけど、このワーキンググループは非公開なんですね。
議事録も非公開。
で、どういう方々が委員になっているのか?メンバーも非公開なんです。
メンバーも非公開で議事録も非公開、しかしここの議論は親検討会である戦略検討会に結果をあげているので、いいということを言われるんですけれども、どういう被ばくに関する評価が話し合われているのか?というのは非公開のままです。
で、その後もこの委員を入れて欲しいというのは私は無理なのかなと思うんですけれども、そして、戦略検討会、その親検討会である除去土壌中間貯蔵施設の再生利用に係る戦略検討会、ここの委員でお一人だけ入ってらっしゃる被ばくに関する専門家が高村昇先生だったんですね。

いろいろ専門の方が入っておられるんですけど、長崎大学の原爆後遺症害研究所というところの高村昇先生が汚染土壌の再利用に係る検討会の被ばく担当なんですけども。

高村昇先生というのは、私が2011年から取材しているときにあちこちでお会いしました。
一番初めに知ったのは、2011年のもう3月に福島県の飯舘村で講演をされている時だったんですね。
その時の動画を、私は飯舘村の方から見せてもらって驚きました。
それは「毎時10マイクロシーベルトまで子供が外で遊べる」と「放射性物質と共存できる」という講演を2011年3月に福島県飯舘村でされていたんです。
その村民の方が撮っていた動画は、その後NHKに提供されて、それはオンエアされました。
で、それが公のものになったので、私はそれを踏まえて当時の東京電力合同会見で原子力安全委員会に質問したんですね。
7月23日のNHKの番組で長崎大学の高村昇先生がその中ではっきりと「10マイクロシーベルト/hまでは子供が外で遊ベル、普通に生活できる、ともに共存できる」とおっしゃっておりますと。

で、この値を計算すると、年間50ミリシーベルトを超えるので、これは原子力安全委員会として、放射線アドバイザーとして福島県に入っておられる方なので、これは、いいんですか?と質問したんですね。

そうすると、当時の原子力安全委員会の加藤審議官の回答は、
まずNHKの番組での高村先生のご発言ですが、私もそれを見ておりました。
「10マイクロシーベルト/hまでなら大丈夫」というところについては、何を根拠にそうおっしゃっているのかな、という感想を持ちました。
というご回答でした。

で、私はその後加藤審議官にぶらさがり取材をしたんですけど、加藤さんもその時のテレビを見ていてびっくりして、すぐに計算機を取りに行って、年間どれくらいになるか計算したと。
「なぜこんなことを、何を根拠に言ったのかと、わたしもとても不思議に思った」ということをぶら下がりでおっしゃっていました。
ちなみにこの議事録は内閣府にあるんですね。
当時内閣府も参加していた合同会見だったので、きちんと公の場です。
それを踏まえて、今もなんですけど、
福島県の県民健康調査をしている健康調査検討委員会の委員でもあるので。
「県の委員なんですけれどもいいんですか?」というようなことも聞くんですけど、
安全委員会は「健康管理の委員については県の方で依頼されていますのでこちらの方についてはちょっと無理です」みたいなことをおっしゃってたんですね。
わたしも本当に2011年から取材をしていて、これは公の文章だったので、内閣府の議事録だったのでちょっと今日は持ってきましたけれども、考え方とかおっしゃっていることというのは、被ばくに関して、そして子供の被ばくに関してかなりわたしは高村昇先生には疑問を持っています。
そして私だけではなく、当時の原子力安全委員会の加藤審議官も疑問を持っていました。
その方(高村昇)が、汚染土壌の再生利用の戦略検討会の被ばくに関する委員として、今も入っておられるというのは、私はとても不安に思いますし疑問に思います。
そしてなおかつ被ばくに関するワーキンググループが非公開のままというのもおかしいと思います。
で、汚染土壌の再使用に関すること、これは福島県が一度「3000ベクレル/kgまでのものを再利用したい」。
その数字は福島県が決めたわけじゃないんですけど、原発事故の後、東日本大震災の後、復興を早くするためにある程度再利用させて欲しいという要望があり、一度、福島県内だけで3000ベクレル/kgまでのものは、県のきちんとした管理のもと防潮堤などには使ってもいいということが決まったんですね。
でもこの8000ベクレル/kgのものを全国の自治体で、公共事業で推進していくというのは特にどこからか要望が上がったわけではなく、国の方で決められて、それを全国で推進していこうということになっています。
でも各地の自治体で再生利用していく、公共事業で使っていくといっても、汚染土壌の再生利用をするというのは、まぁ、メリットがないんですよね、各地の自治体には。
で、これを決めるためにも「手を挙げてもらわないと絵に描いた餅だ」という言葉が何回も出ます。
でどうするか?というと、インセンティブ(incentive)を付けるということになったんですね。
ちなみにインセンティブというのは、見返りとか報奨金です。

第3回が終わった時に井上環境副大臣に「インセンティブとは交付金など何かしらお金を渡して、そして再生利用してもらうことか?」と聞いたんですけれども、
井上環境副大臣は「それも含め検討している」と。
「まだ金額は検討していないけど、それも方策の手段だ」ということをおっしゃっていました。
検討会の議論が、委員の方々の議論が、戦略検討会というのが、「いかに安全に利用していくか」ということではなく、「いかに国民に受け入れさせるか」という議論が多いんですね。
もし、この再生利用を国民が受け入れなかった場合の、国民にかかるコストを説明して、それで受け入れさせるだとか、
安全性がどうかとか、これはどういう問題だとか、なんていうんでしょうね、戦略検討会、国民の啓発活動を防衛するとか、どうやって国民を理解させていくか、というのが戦略検討会の議論を割と占めています。
今言われていることは、この再生利用のモデル事業に予算がつきました。
今年度の後半からモデル事業を進めていくと。
でも、まだそこの場所は決まっていないそうです。
ちなみにモデル事業の予算、10億とか言ってたけど、「それはどこに書いてあるんですか?」って聞いて、
でもきっちり10億じゃなかったから、そうそう、たぶん「丸めて10億」っておっしゃったんです。
で、予算がついて、再生利用のモデル事業が進んで、それを受けて手引きを作って、
汚染土壌の再生利用に関する手引きを作って、それを配布して全国で進めていくように計画を立てるということでした。
https://youtu.be/N7WAonTEFS0?t=21m59s
8000ベクレル/kg以下のものを再生利用するというのが第3回で決まったんですけど、
その8000という数字がどこから出てきたか?
これは議論の中で、1回目と2回目は3000ベクレル/kg以下のものを処分したらこれくらい減るとか、
8000ベクレル/kgだったらこれくらいとか、
これは3000ベクレル/kgのものを出した場合↓汚染をスクリーニングレベルにして再利用した場合

3000、8000、10000ベクレル/kgというのを最初議論されていたんですけど、
それは安全だからではなく、そのくらいの数字にしたらどのくらい量が変わるか、という議論だったんですね。
なので本当に目的は最終処分量を減らすことであって、そこに一番必要なのは安全性の評価。
それで安全性の評価が年に10マイクロシーベルトの追加被曝ができるということでいろいろ議論をされていて、
そして一応資料の中に、こんな考え方がICRPから引っ張ってきましたということが書いてある中で、
私全部ICRPについて書いてあるところを読んだんです。
それで考え方としてわかったことは、ICRPには「年10マイクロシーベルトまでは許容できる」ということはものすごく昔からいろいろ書かれています。
でもそれは、汚染土壌8000ベクレル/kgを再生利用するというところとは全く関係ないんですね。
で、一番重要なことは、「再生利用するときにきちんと安全性の評価ができているか」、ということです。
それはICRPも繰り返し出てきます。
そして、もちろんその国によって違うんですけれども、「国民の合意が取れるか」ということです。
わたしはその安全性の評価についてきちんとオープンにしないのに、国民の合意を取ろうとするやり方というのにはとても疑問を持っています。
つづくーー
高村昇先生
2011年4月
福島市の広報紙「市政だより」4/21に疑問がいっぱいです
「健康リスクが出るといわれているのは100ミリシーベルトで累計される心配はありません。1回に100ミリシーベルト受けるより、100回に分けて受けるのはリスクがはるかに小さくなるので心配ない」
「ICRPの勧告により 100ミリシーベルトを下回る被ばくは胎内児に心配の必要は全くない」
「子供は毎時10μシーベルト以下であれば外で遊ばせて大丈夫、布団干しも換気も問題ない」など
2015年7月
「10μSv/hまで外で遊んでも大丈夫」と事故直後から言っている御用学者高村昇が相談受付支援センターを開所(川内村)

長崎大学の高村 昇教授:
福島の震災からの復興の1つの、ま、あーー、
住民と、行政と、ま、専門家がですね、一体となって復興を進める、
ひとつの、ま、モデルケースとしてですね、評価を、あ、していただいております。
2016年3月
2「甲状腺がんと原発事故 専門家で割れる”関連性”」 311から5年 報道ステーション文字起こし

長崎大学 原爆後生涯医療研究所 福島検討委員 高村昇教授:
福島で、えー、これまでですね、事故当時0歳から5歳という人で、甲状腺癌を発症した人はいません!
1.環境省「8000ベクレル/kg以下の除染土を全国の公共事業で再利用する」について(文字起こし)満田さん〜おしどりマコケン
2016年5月2日 UPLAN
「8000ベクレル/kg以下の除染土の公共事業への再利用」方針をめぐる院内集会と政府交渉
【FoEJapan】
環境省は、3月30日、東京電力福島第1原発事故後の除染で出た汚染土に関し、8,000ベクレル/kg以下の汚染土を、全国の公共事業で利用できる方針を決定しました。
この問題をめぐり、集会と抗議署名の提出、政府交渉を予定しています。
ずっと取材を続けてきた、おしどりマコさんもお話し予定です。
ぜひ、お誘いあわせの上、ご参加ください。
内容:
集会
…今回の「8000ベクレル以下の除染土を再利用」という環境方針の内容と問題点について
共有します。
お話/おしどりマコさん(予定)
署名提出
政府交渉(調整中)
8000ベクレル!?放射能汚染土再利用方針は止められるのか
FukurouFoeTV
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コメント
自分が生きていく「場所」を失いたくない奴ばかっり。まァ、8000ベクレルが漏れてくるのは、自分が死んだ後位にしか考えていないわな、、。またそれも真実かなァ、、。まさかこいつらが生きている内に漏れ出すとしたら、そりゃあ今のイチエフと変わらん訳で、、。
その辺をこいつらがどう考えてるのかなァ、、。
その辺をこいつらがどう考えてるのかなァ、、。
武尊 | 2016.05.10 04:38 | 編集
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| 2016.05.12 01:23 | 編集
先ずはお手本を!官庁移転で資材不足が当然でるだろう
提言!! 官庁 職員宿舎にどうぞ 材料として使えるよ 煉瓦を焼いても良いし壁や敷石代わりに 綺麗な煉瓦が出来るよ
提言!! 官庁 職員宿舎にどうぞ 材料として使えるよ 煉瓦を焼いても良いし壁や敷石代わりに 綺麗な煉瓦が出来るよ
(^з^)-☆Chu!! | 2016.05.12 16:31 | 編集