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06.09
Thu
2016年2月12日
原発事故当時15歳女性の証言: (パート1) 検査

幼児教育科に通っています。
歳は20歳です。
成人式を迎えたばかりです。

検査を受けたのは高校を卒業した後なので18歳ぐらいに受けました。
卒業してすぐに受けました。
冬に受けました。
エコー検査で、喉にエコーを当てて検査するもので、早く終わる人は15秒ぐらいですぐに終わってしまうんですけど、
私の場合、兄弟が3人いて上二人は15秒で終わったんですけど、私だけ1分間ぐらいずーっと喉に当てられていて、
「なんで私だけ長いんだろうね」と終わった後に兄弟とずっとその話で、ちょっと違和感はありましたね。

「なんでこんなに自分だけ長いんだろう」というのはちょっとありました。

その場では何も言われなかったです。
何も言われずに、私だけがただ単に長かっただけで、そのまま、終わったらすぐに家に帰った状態でした。
何も言われないで。

チラシは、何ヶ月後かは忘れちゃったんですけどきましたね。
兄弟は何もなかったんですが、私だけ二次検査というのが書いてあって、
「もう一回検査しないといけないんだな」と思って、二次検査の時期を調べて、
その二次検査の時にまた行きました、検査しに。

検査の時は、二次検査の時は若松で検査を受けたんですけど、今度郡山のちょっと大きな病院で検査を受けました。
二回目の検査は。
で、二回目の検査が終わった後も、3次検査と言って今度は細胞を採る検査をして、また今度の結果待ちということで、また何ヶ月か待ちました。

細胞検査は喉の奥の細胞を採るので、このくらい長い針、長くて細い針を喉に刺して細胞を採る。

はり

注射みたいなもので細胞を採る検査でしたね。
痛かったです。

その結果は三次とかではなく、福島の医大というもっと大きい病院に来てくださいということだけ書かれていたので、結果はそっちできく形で、何もまだ知らされていない状態でした。


原発事故当時15歳女性の証言: (パート2) 甲状腺がん

最初は両親だけがお医者さんに呼ばれて行って、私だけ待機で違う部屋にいたんですけど、
両親だけが呼ばれたので「なんでかな」とずっと気になっていたんですけど…。
で、その後に私も呼ばれて、なんか、なんだろう…雰囲気的にちょっと暗いな、っていう感じだったんで、
「あ、多分これ病気だったのかな」っていう感じでしたね。

で、なんだろう、お医者さんになんか、真剣な話をされて、なんか、「がん」っていうことを聞いて、
「あーー、自分はがんだったんだな」っていう感じで捉えて、
そこまでも、でもなんだかんだ、落ち込みはしなかったですね。

なんか、なんだろう………、
私以上に悲しむのが親なので、………
…、自分…、自分が落ち込んでいたら多分両親もすごく落ち込むと思ったので、明るくいましたね、その時は。

うん、明るく接していました、親とかには。
「がん」と言われても、「ま、大丈夫でしょう」っていう感じでいましたね。


甲状腺の乳頭がんっていうのはなんか、「転移するにも期間がすごい長く、10年20年ぐらい」、
はっきりとは覚えていないんですけど、「転移するにはちょっとずつちょっとずつ大きくなるから」って、
「そこまで急激に成長するがんではないから大丈夫」って言われたんですけど、
その時に言われた時には、何ヶ月もしないうちに、「後ちょっとで転移していた」と言われて、
ということを言われたので「どっちなんだろうな?」っていうのはありましたね。


「10年20年ぐらい放っておいても大丈夫」って言っていたけど、実際に私が測った時には、4ヶ月後に測ったら「すぐにまた大きくなっていた」というのを聞いたので、「どっちが本当なんだろうな?」というのは不思議に思いましたね。


原発事故当時15歳女性の証言: (パート3) 距離感

私は乳頭がんといっても片方、左側の半分を取っただけなので、ずっと毎日飲まなければいけない薬があるわけではないので。
「ホルモンバランスは崩れる」と言われました。
「一般の女性よりも、女性ホルモンの乱れは出てくるかもしれないけど、それはそこまで心配しなくていい」って言われました。

私は運動がすごく得意で、すごく得意だったんですが、人より倍疲れやすくなって、
そのホルモンバランス的に、人より倍疲れる体質になってしまったのがすごい辛かったです。
何をやってもすごい疲れちゃう。
脱力感とか情緒不安定とか、そういう形がすごいあったので、そこはすごい嫌でしたね、そういう面が、日常的に。


片方だけでも、甲状腺が片方だけでも、前と同じような機能というか、機能はできるのかな、って思うし。
「両方ないとホルモンバランスが崩れる」って言ってたので、片方だけでもホルモンバランスが正常でいられるようになるのはどうしたらいいのかな?って思っています。
ホルモンバランスとかあんまり崩れたくないんで。
そういうのはどうすればいいのかな、っていうのは聞きたいですね。


質問:
今そういう話ができる先生は周りにはいないんですか?今までいろんな大病院に行かれたりとかしている中で、気楽に話ができる先生はいなかったんですか?


私自身には、あんまり気楽に話せる先生はいなかったです。
うん、いなかったです。

「遺伝でもない」って言われて、「原発でもない」っていう感じで言われた時に、
原発じゃないなら他に何もないし、「原発のせいにしたくないのかな」という感じがあって、
「この先生は何考えてるのかな」っていうのがちょっと。
何を考えている?、本心で話してくれないからちょっと距離感があるっていうみたいな感じでしたね。

私が病院の方で待っている時でも、「甲状腺」という部所の患者さんたちがいるじゃないですか。
その人たちの中にも、私より上の年配の人たちしかいなかったので、小さい子はそういう、私より下の子は甲状腺癌とかにはまだなっていないのかな、っていう感じで。
雑誌とかでも私より下の世代の子がなっているっていうのも見ていないし、聞いてはいなかったので、「そこまでなっている病気ではないのかな」っていう感じでいましたね。


質問:今は?


今も私の周りでは聞かないです。
「甲状腺の癌になった子がいるよ」という話は聞いていないです。
今のところ何も、聞いていないですね。
友達にもそういう人はいなかったので、
ん、いなかったですね、いるっていうのはなかったです。


質問:
原発が爆発した当時18歳以下の子供たち、今150人以上甲状腺癌になっているという話は初耳ですか?


そうですね。
私の中では初ですね、初めて聞きました。
あぁ、そこまでなっているんだ、っていう感じで。
びっくりしてますね。



原発事故当時15歳女性の証言: (パート4) 未来

私は将来、
今年から保育の仕事をするんですが、私が教える子供達がそういう病気になっていたらすごい…考えたら嫌だなと思いますね。
未来っていうか……、正直私と同じ病気にはなって欲しくはないので、
今の子たちに伝えたいのは、親にも伝えたいのは、「お金が無駄だから」とかそういう問題じゃなくて、病院に行って子供のためにも親のためにも定期点心を行ってほしいですね。
今の人たちは「面倒臭いから」とか言って、やらない人が多いので、将来のためを思って定期検診とかにすごい行って欲しいなって思います。
いまの人たちには、っていうふうに思いますね。

24か5までには結婚して、子供は3人ぐらい欲しいです。
でも、病気のことを考えたら、なんか、「自分の子供に影響はないのかな?」っていうのがすごい心配です、いまのところは。

「自分の子供は大丈夫かな?」っていうのがすごい心配です。


だけど、子供は3人ぐらい作って、うん、多く欲しいです、子供は。
子供が好きなんで。












2016年2月12日
原発事故当時15歳女性の証言: (パート1)


原発事故当時15歳女性の証言: (パート2)


原発事故当時15歳女性の証言: (パート3)



原発事故当時15歳女性の証言: (パート4)



イアン・トーマス・アッシュのブログより
http://ianthomasash.blogspot.jp/2016/05/young-woman-from-fukushima-speaks-out-15.html

発事故・甲状腺がんについて公に話すことが難しい空気になってる中、このインタビューを公開することによって、彼女の仕事や家族、友人関係など日常生活に悪影響が及ぶ危険があります。彼女のプライバシーを尊重してくださいますようお願いします。
 その上で慎重に考えた結果、次の理由から彼女の話を広く共有すべきだと思いました。

 1と2について:福島県立医大は、甲状腺がんは死ぬことはない病気であり、福島県民に対して、たとえ甲状腺がんと診断されたとしても心配する必要はないと主張しています。しかしこのインタビューから明らかに手術後の患者の状態がそれほど単純なものではないとわかります。患者は手術後、甲状腺がんが治った後ですら様々な身体的、精神的困難を経験しやすいのです。

 3について:福島県立医大の医師は患者との間に十分な人間関係を築けていません。これは重大な問題です。特に患者の多くが若年であることを考えると、医療面と精神面の両面でより注意深く継続的なケアが必要です。

 4と5について:彼女は福島に暮らす若者、子供、その親たちに対して、甲状腺検査を定期的に受けつづけてほしいという力強いメッセージを発しています。

 私の願いは、自分の経験や意見を発信する彼女の勇気が、他の人にもまた勇気を与えることです。 彼らのことが忘れられないように。ともに支え合えるように。この悲劇がこれ以上繰り返されないように。

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