3完.核のゴミ〜核燃料サイクル「どこに向かう 日本の原子力政策」NHK解説スタジアム8/26(文字起こし)

https://youtu.be/pv3pH9e2RpU?t=24m33s
核のゴミ
7

西川:
で、もう一つ再稼働が議論になっているというのは、原発を動かせばいわゆる核のゴミが出てくると。
この核のゴミをどう処分するのか?全く方向性が見えていません。
地下の300mより深い地層に埋めるという計画で、年内にはどこに処分場を造るか、参考にするための地図が出てくるということなんですけれども、その点についてはどうでしょう?

関口:
これ一応公募っていう形でねどこか実際に手を上げてもらうという考え方が当初はあって、10数年かけてこれを募ってきたんですけど、全然進んでこなかった。
その中で、まず国の方が、この「科学的有望地」と呼んでいますけれども、そういうものを示すことで、ま、議論の第一歩を始めようとしているわけですね。
国はどういう示し方を考えているか?というと、適正の低い地域、それから適性のある地域より適性の高い地域と、この3分類にしてね、日本地図を全体として塗り分けると。
じゃあどういうところを分けていくか?というと、具体的に例えば、火山、それから活断層の近くは外すとか、それから隆起とか浸食の大きいところ、それから地熱が高い、あるいは軟弱な地盤のところは避けるということです。
それから後は、廃棄物の運搬のことを考えると、港に近いところということで、それはより有望というところに入れようということを考えています。
ただこれもみなさんイメージしづらいかもしれないんですけど、ここってピンポイントで示すんじゃなくて、あくまで白地図を塗り分けて「こうです」って提示するところから議論をするというものですね。

西川:始めようとしていることですけれども、どうですか?何か意見は。

水野:
これはでもね、相当事前に説明しておかないと、「科学的有望地」って聞くと「ああ、もうそこに埋めることができるのかな」みたいな感じがするんですけど、そうでもないんですよね。
でもそういうことが起ころうとしていることも国民は知らないので、やっぱりどういう意味なのか?というのをちゃんと説明しなければいけないのと、それからこれを提示したところで、それはあくまでスタートラインに、関口さんも言われたように、すぎないんですよね。
そこから先例えば世界で処分場の場所を決めているのはフィンランドとスウェーデンしかないんですが、この二ヶ国とも取材しましたけれども、実際そういう地図を出したりいろんな活動を始めてから決まるまでに20年、30年かかっているんですよ。


西川:20年、30年

水野:
だから日本もですね、この後決められるとしてもやっぱりそれくらいの時間はかかるんじゃないかという、長期的な視点に立って、やはり最終的にものをいうのは「どれだけ信頼を得られるのか」という点だと思うんですよね。
それは日本の原子力って信頼は今地に落ちているわけなので、それを回復しつつやっていかなければいけない。


高橋:
アメリカだって処分場をめぐる議論というのはやっぱり迷走しているんですよね。
30年近く前にネバダ州のヤッカマウンテンというところに、ここに処分場の候補地をつくるという選定までいったんだけれども、その後30年近く経ってもほとんど進捗しないままで。
で、今のオバマ政権はそれの計画を撤回してしまったと。
これはまた政治状況がどうなるかによって全くわかりませんよね。
で、やっぱり日本、我々から見ても、処分場をめぐる議論というのはおざなりになっているんじゃないでしょうかね。


竹田:
そういう意味ではね、とにかく最大の問題は「最終処分地が全然議論が進まないまま、しかし再稼動だけは進めるというところが課題だ」と言われてきたのだから、そこを国がね、少なくても「どこか自治体手をあげてください、候補地手をあげてください」で待ってるんじゃなくて、自分たちの方から少なくともここは適していますよというマークを出して議論を始めようというのは、これは大きな意味があると思います。
ただこれね、ものすごく気をつけないといけないのは、これをそのままドンと出しても、それは今度は混乱が起きますよね。
「えっ!一方的に我々のところは候補地にされるのか?」と。
ですからそれは全然そうではなくて、あくまでも地層学的に見て、地盤的に見て、ここは少しは、もしここでも安全かな、という程度の情報を出すだけであって、本当にその自治体が、地元がそれをOKしないといけないわけですから。


西川:
そうですね、この問題はやっぱり水野委員が言ったように、信頼が土台になって初めて話し合いが始まると思うんですが、そういう意味でもまだまだ先が長い。
他でも20年30年かかったということで、極めて重要な問題にもかかわらず、まだ出口が見えないという状態だと思います。

で、日本の原子力政策の柱である核燃料サイクル。
これはこうした核のゴミについても効果があるものだということで始まったんですけれども、そのあたりにテーマをちょっと移していきたいのですが、その前に一度テレビをご覧のみなさまのご意見を伺っていきたいと思います。



https://youtu.be/pv3pH9e2RpU?t=29m17s
視聴さの皆さんへのアンケート


現在運転を停止している原子力発電所の運転を再開することに賛成ですか、反対ですか。
9

やはり反対が多いですね。
賛成25.5% 
反対67.2%
どちらとも言えない7.3%
7割近くの方が原発再稼動に反対という結果になりました。


https://youtu.be/pv3pH9e2RpU?t=31m34s
西川:
ありがとうございました。
反対がこれだけ多いという結果ですね。
これは、番組をご覧になっていただいている皆さんのご意見ということなんですが、世論調査などでも反対の方が2倍から3倍出ているというのと、ま、同じ傾向かしら、ということと思います。

さて二番目の大きな議論として核燃料サイクル、日本の原発政策の柱です。
核のゴミを減らすという以上の役割を期待されています。
そのあたり、水野さんとそれから小林さんにも加わってもらって解説してください。


小林:
水野さん、テレビをご覧になっていらっしゃる方からこんなご意見をいただいているんですね。
核燃料サイクルについてごく初歩から教えて欲しい。
知っているつもりが一番怖い。
という声が届いているんですけれども、
やはり核燃料サイクル、聞いたことはあるけどよくわからないという方は多いと思うんですよね。

水野:
「この核燃料サイクルこそが原子力をやる最大のメリット」とされてきたんですね。
火力発電の燃料の石油石炭、これは一回使ったらそれで終わりですよね。
それに対しまして原発は使い終わった燃料をリサイクルすることで再び燃料として使える。
これが核燃料サイクルなんですね。
こちらの図で説明したいんですけど、
核燃料サイクル
原子力発電所でウラン燃料の使用済み燃料が出るんですが、この中にプルトニウムという物質ができるんです。
これを再処理工場で取り出しますと、ウランが原発の燃料としてまた使えるんですが、これは一般の原発じゃなくて高速増殖炉という特殊な原発で燃やしますと、さらに多くのプルトニウムができるという、夢のようなことが原理的には可能なんですね。
資源の少ない日本は当初からこの高速増殖炉を開発して核燃料サイクルを目指すということを目標にしてきました。
その研究段階の炉として開発されたのが高速増殖炉「もんじゅ」ですね。

ただこれは冷却にナトリウムを使うことから技術的に難しくて事故を起こすなどして実用化の見通しが立たなくなりました。

また最近は機器の点検漏れなど、安全上の問題も起こしまして、規制委員から運営主体を変えるよう最後通告を受けているんですね。
受け皿探しは続いていますけれども、頼みの電力会社からの支援の取り付けがうまくいかないなど難航していまして、核燃料サイクルは岐路に立たされていると言えると思います。


小林:このもんじゅがうまくいかないと、核燃料サイクルはどうなるんですか?


水野:
当初の目的からいきますと、事実上破綻しているという見方もできますけれども、
国や電力会社はそうは言わないんですね。

高速増殖炉ほど効率は良くないものの一般の原発でプルトニウムを使うプルサーマル、これを当面の核燃料サイクルの柱として位置付けています。
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でも実際にこれが行われていますのは、伊方原発1基で始まったばかりでして、そういう状況の中でも新たにプルトニウムを生み出す再処理工場、これの可動も目指していると。

じゃあ果たしてこの核燃料サイクル、このままでいいのかどうか?ということが今問われているわけです。


小林:はい、核燃料サイクルはどうあるべきなのか、このあと徹底討論します。

西川:
はい、この問題、もんじゅの問題、それからやはり核燃料サイクルをどうするか?
この丸の右側の半分ですね。
そちらをどうするか?という問題があると思うんですけれども、
もんじゅをどうやってこの核燃料サイクルの中に位置付けて今後見通していったらいいのか、
その辺について。

板垣:
もんじゅはですね、もう、
もんじゅが核になっていたわけですから、核燃料サイクルは実質的に破綻していると私は考えてるんですね。
例えば高速増殖炉のもんじゅについては、これまで1兆円以上のお金をかけているのに組織的な問題もあったりして、全く動けない。
これはもうどうしようもないと。
で、今回組織が変わるということになっていますけれど、それもまだ決まっていない状況なんですね。
だから当面は可動するのは無理なので、
ただ毎年およそ200億円近い予算が消えて無くなるんです。
ほぼ毎年ですよ。

これは異常事態なんですね。
今年はちょっと減らしてはいるんですけど、それでもこれは大変な問題ですから、
「使用済み核燃料をどうするか」という議論は本当にしなければいけないんです。
例えば安全な形でドライキャスク。
乾燥した、水で冷やすんじゃなくて、乾燥した状態で安全に保管するだとか、
あるいは地層処分をどうするか?
なんせ先ほど、最終処分地に30年かかるという話もあるわけです。
その間どうするのか?ということを本当に議論しなきゃいけない状況になってきているということですね。


西川:もんじゅ事態はもう使えないんですかね?

竹田:
ですからその、もんじゅそのものを考えるときに二つに分けなきゃいけないんですよ。
もんじゅの研究そのものがなかなか進んでいないということと、もう一つは今大きな問題になっているのは、もんじゅの運営団体、日本原子力研究機構(のちに訂正:原子力研究開発機構)だっけ、あの団体が今それを担当しているんですけど、そこの運営が危ないので、任せてられないので他の運営団体を決めてくださいというふうに規制委員会が文部科学省に求めているんですね。
それが期限半年かけて選んでください、考えてくださいって言ってたけど、期限すぎても全然その答えが、ちゃんとした答えが返ってこないということが今一番大きな問題になっているんですね。

で、もんじゅがナトリウム事故を起こしたということが、でそれが計画が不透明だということが原因として紹介されていましたけど、問題は事故を起こしたことだけじゃないんです。

事故を起こしたあと、事故のときの動画データを撮っておきながらそれを隠したんですよ。
メディアにいったんそれを見せたんですけど、それは編集をしていて、本当に事故直後の大量のナトリウムが漏れて飛び散っている一番重要な部分をカットまでしている


西川:その問題は日本における原子力の信頼感の問題にもつながっているんですね。

武田:そのあとも大量の点検漏れ

西川:
ただそのね、サイクルの中ではプルトニウムをどうするか?
今後再処理されて出てくる、これをどうするかということで、もんじゅにまぁ、それ解決しようとしてた

島田:
そこでね、そこの方法は
まぁ、私はもう結論から言うと、高速増殖炉の事業は、これはもうやめるべきだと。

私はかつて若い頃青森で原子力船「むつ」というのを取材してたんですけど、あの船は実験航海に出ようとして、原子炉の遮蔽が不十分で放射線が外に漏れる。
そのためにずっと船が港に係留され続けた。
そういう歴史をたどったんですね。
で、最後実験航海で一定のデータはとったんだけれども、「もうこれは将来性がない」ということで潔く止めたんですよ。

もんじゅも潔く判断をする時期にきていると思う。

一方で、プルトニウムをどうやって減らすかということになると、青森にある六ヶ所村の、あの核燃料サイクル。
あれを縮小しながら、とにかくプルトニウムを減らすための知恵を全力で見つけていく。
ここにやっぱり力点を置くべきだと思いますね。


西川:もんじゅを使わない方法もある


板垣:
ようするにこれは「増殖炉」というところが問題なんですよ。
これはプルトニウムを増やしてしまうわけですよね。
だから今「高速炉」という第4世代の原発があるんですね。
ただこれも安全性がどうだという問題はあるんですが、つまりプルトニウムを、例えば10万年の半減期だとしても、それを300年に縮めるだとか、いろんな技術がある。

ただ、それが確立はしていませんけれども、そういうものなら理解できる。
だからもんじゅ自体はあきらめたほうがいいと私なんかは思うわけです。

西川:
他にもやり方があるということで。
ちょっとアメリカの話を聞いてみましょうか。


高橋:
アメリカというか、日本は「利用目的のないプルトニウムは持たない」ということを内外に言っていますよね。
これはいわゆる国際公約ですよね。
にもかかわらず、さっき水野さんが解説したように、高速増殖炉は実現しない。プルサーマルも進展しない。
その現状でもし再処理に踏み切ったとしたら、これはどんどんどんどんプルトニウムを溜め込み続けることになりますよね。
これが国際社会からどう見られるか?と。

これ、今すでに日本が持っている分離プルトニウムだけで48トンですよね。
48トンということは核爆弾に換算したらこれは6000発に相当しますよね

これがどう見られるかという視点はやっぱり大事なんじゃないですか。


西川:その点はあとできちんとやりましょう。

竹田:
さっきのね、もんじゅの研究開発機構の名前、「原子力研究開発機構」というのが正式の名称で、ここが運営のあり方が問われているんです、すみません。

西川:もんじゅ以外の方法について詳しい人

関口:
もんじゅの、
板垣さんがおっしゃったのは大事なポイントの一つで、
要するに高速炉の技術を今すぐ手放すということを決断しなくてもいいんですよ。
ただもんじゅについては、もうこれだけ成果が上がらないままになってきているから、このまま色々お金をかけても結局もう過去のものになってしまうので、その次の今の原型炉から実証炉というのに本当だったら進むんだけど、その段階の後のロードマップはどうするんですか?これは議論しなければならないんで、それはある意味では高速炉、高速増殖炉っていうのは廃棄物の有害度を下げるとかね、あるいは容量を少なくするとか、という意味合いもあるので、それはこの先も使うんですか、どうするんですか?っていう議論はしなければいけないけれども、もんじゅについてはいったん区切りというのはありうる選択だと思う。



水野:
いや、すぐにやめたいと思っている関係者は結構いるんですけれど、
これはやっぱり日本特有の官僚機構というのがあってですね、やめた場合に、じゃあやめちゃうの?誰の責任なの?と今までやってきたのどうするの?で、1兆円かかってた。そのコストは一体どうなるの?とか、もんじゅをやめるんだったら使用済み燃料を今まで資源だとか言ってきていたのに、それがゴミになっちゃうの?とかですね、もういろんな矛盾が出てくるんですよね。
でもここはそれを話す、議論するいい機会になると思うんですけれど、そういった責任論とか色々出てくるので、なかなか日本の官僚機構の中でこれを「やめる」とか、言い出せない状況がずーっと続いていて、矛盾がどんどんどんどん蓄積しているっていう状況かな、って思うんですよね、

西川:もんじゅの運営主体の話も難航しているというのは、期限が来ても出てこないというのはその延長線上でのこと?

水野:そう。もう9ヶ月近く経ちますもんね。

関口:
それとね、もんじゅの問題、じゃあどうする?っていうふうに委員長から問いかけがあったけど、そうなるとさっき説明があったように、結局やっぱりプルサーマルになりますよね。
結局だから商業用の一般の原子炉でプルトニウムを混ぜた燃料を燃やすプルサーマルに重点を置くということになります。
それで実際にこれで一つの試算として考えてみたときに、再処理工場で処理できる能力をフルに生かしてやるとですね、大体年間4トンぐらいの再生燃料ができると言われていますけれども、それを燃やすのにバランスの取れるプルサーマルの炉は16基から18基ぐらいいると言われているんですよ。
だから本当にそんなにプルサーマルができるんですか?という問題もある。


それが要するに、ちゃんと回収して再利用するプルトニウムとそれを燃やす炉の量とバランスが合わなければ、それこそ先ほどから議論が出ているように、利用目的のないプルトニウムということになってしまう。
だからプルサーマル中心にしても、現実的などういう使い方をするか?
本当にそれだけの炉の再稼働ができるのかどうか?ということも議論しなければいけない。


島田:
確かに技術的にもね、このプルサーマルのときに使うMOX燃料、プルトニウムとウランの混合燃料、
その燃料体というのは制御棒の効きがウランを燃料にした原発よりも、なかなか効かないんだと。
この物質の性質上そういう面があるっていうことを、水野さん、これは技術的に克服されていないんでしょ?



水野:
やや効きが悪くなるんですけれども、
ただ原子力規制委員会によると「全炉心の3分の1までだったら安全性は確保される」と。
「それ以上使うと大変だ」と。

島田:ああ、MOX燃料の占める割合

水野:
はい。
で、青森県に建設中の大間原発だけはちょっと構造を変えてですね、全部MOX燃料にしても安全性は保たれるという考え方を示しています。

島田:新型の設計ですからね。

西川:
まぁそのサイクルの中ではもんじゅに頼らない方向もあると。
むしろそれを見つけないと、プルトニウムが溜まる一方だということで、この核燃料サイクルのあり方をちょっともんじゅを外して考えることも必要だということが見えてきたと言っていいでしょうね。

でもう一つはプルトニウムがどんどんどんどん出てくるということになれば、日本に厳しい目が注がれそうだということだったんですが、


高橋:
むしろ核燃料サイクルにおける議論は必要なんですけど、それはどれくらいの時間が許されるかということなんですけど、
今、世界の核保有国以外で正式に再処理を認められているというのは日本だけですよね。
それを支えているのは1988年に発行した、いわゆる日米原子力協定。
これは有効期限は30年。
これは30年の期限というのは2018年7月に切れるわけです。
これは、自動更新という条項もあるんですけれども、基本的には日米いずれかが文書で通告すれば、6ヶ月後には失効するんですよ。
つまり、再処理を支えている基本的な協定というのは、アメリカともう一度交渉しなければいけないということになるのは必至で、そこまでに日本できちんと核燃料サイクルというのはどういうふうに考えて進めていくのかという考え方をまとめない限り、これは交渉にもならないわけですよね。



島田:
西川さんね、今の2018年の7月、それはどういう時期かというと、
今の安倍さんの自民党総裁期限が切れるのが2018年9月なんですよ、
その直前なんです。
ですから政治的に安倍総理、安倍総裁にとってもですね、これは大きなテーマとしてこれから先の検討の中に横たわっているんじゃないかと。

高橋:相手側の政権もわかりませんしね。

島田:
アメリカの政府がどういうふうに判断するか?大統領選挙の結果を見なきゃわからない。
これは非常に扱いにくい問題になりつつあるんですね。

高橋:
ただ、党派を問わず、アメリカは基本的に厳しい姿勢で臨んでくるというのは間違いなくて、今の原子力協定のポイントというのは事前に、包括的事前同意制度といって、これは事前に、ケースバイケースじゃなくて、事前に一括して再処理を日本に認めましょうっていう条項がこれ、ポイントなんですよね。
そこについて非常にスパンを短くしようとしている傾向があるんですね。
去年、韓国とアメリカと原子力協定を改定しましたけれども、有効期限というのを半分にしちゃったんですよね。
それで、日本も30年そのまま更新できるか?というと、もうそれほど甘くはないというふうには考えたほうがいいと思います。


西川:
ま、そういう、外国からどういう目で見られるか?あるいはアメリカとの関係でどういう体制が維持できるかということもあると思うんですけど、
このプルトニウム、抑止力と結びつけて考える、そういう議論もありますよね。



板垣:
ありますね。
例えば軍の関係だとか、軍事関係だとか、政府内でも「プルトニウムを日本が持っている」ということは潜在的な抑止力になる。
どういう意味かというと、ま、すぐにでも原爆を作れるんではないか。
たとえば北朝鮮向けに対する威嚇。
そういう効果があるというんですが、実体的には日本は日米の間の安全条約で核の傘の下にいるわけですから、そこまでやる必要は全くなくて、そういう考え方自体が時代遅れだと。


西川:結論としてどうなんですか?

高橋:
現実的に、だって、非核三原則を捨てて、憲法9条も改正をして、日米安全条約も破棄して、おまけに、NPT核拡散防止条約も日本が脱退して、つまり、国際社会から完全に孤立して、今ん北朝鮮みたいになって生き残っていけるとは誰も思っていないですよね。
そういう日現実的な議論こそが、原子力行政の将来のあり方というか、考え方を議論するときの、一種の多少歪める要素になっているんじゃないかって思います。

西川:ま、安全保障の議論の面から見てもちょっとあてにできる議論ではないという感じはしますね。


関口:
少なくても国民はそういう理解をしていないというのも大事ですよね。
やっぱり、エネルギー戦略のためにこの核燃料サイクルの議論をしているわけで、
そこに変な発想を持ち込むということは国民の理解はないと思います。

板垣:
理解が非常にしにくくなる問題なので、私もその問題はね、
ま、そういうふうに考える人もいるんだろうけど、ほとんど無視したほうがいいという感じです。
むしろ我々がやらなければならないのは、プルトニウムという非常に有害性のあるものをいかに減らしていくかと、エネルギーを使う過程でですね。
だけれども、商業用の原子炉でガンガンやれるほど簡単に扱えるものでもないので、先ほど関口さんも言ったけれども、
第4世代の高速炉という形で、やっぱり半減期を短くする、容積を小さくする、有害性を取り除く、そういうことが重要なんだと思うんですよ。



西川:
まぁいろんな、国際的な課題も抱えた問題であるという側面であったというのが最後の議論だったと思います。
こうした問題を抱える核燃料サイクルについても視聴者の皆さんからいろんなご意見を頂戴しているようなので、小林さん、紹介してください。

https://youtu.be/pv3pH9e2RpU?t=49m45s

https://youtu.be/pv3pH9e2RpU?t=50m34s
西川:
はい、最後になってきました。
議論、4点について議論してきたんですけれども、日本の原子力政策についてのみなさんの提言、考えをお聞かせください。


板垣
板垣:
わたしはですね、原発は10年程度でやめるべきだと。
今の原発ですよ。
新しい原発は別にして。

ただ、再生可能エネルギーとか、
水素エネルギーの革命は
やっぱり、エネルギー革命を起こすべきだと思ってます。

わたしはそれを10年程度でできるという感覚を持っていますけれど、
すでにあの災害から5年経ってて、5年を無駄にしました。
ですから、もう今すぐにでもいいですからこれを取り組む必要があると思います。


島田
島田;
先ほど安全保障に関してのね、議論もありました。
その安全保障ということを言いますとね、一番重要なのは抑止力の問題じゃなくて、核兵器の原材料となるものをテロリストに奪われるようなことがあってはいけない。
ここが一番大事ですよね。
そういったポイントも含めてですね、やはり国民的な議論。
これはやっぱり国会が率先してやらなきゃいけない。
原子力施設をどう守るか。
プルトニウムをどうやって自分たちのもとで正当に管理するか。
これがやっぱり大前提だと思うんですね。


mizuno
水野:
わたしもですね、やっぱりこれはオープンに議論して国民に考える材料をちゃんと提供して欲しいと思いますね。
今このもんじゅにしましても、文部科学省の検討会でオープンでやられてきたんですけれども、
最近それが終わってですね、今、誰がどこでどう考えているのかが、一切何も情報が伝わってこない状況になっているんですね。
先ほど議論したように核燃料サイクルは非常に重要なのにそれがオープンになっていない、これが問題です。


関口
関口:
わたしはやっぱり資源小国の日本ということからすると、エネルギー政策の基本は常に幅広く、選択肢は持っておくということだと思うんですね。
そういう意味では今日議論に出たいろんな技術の要素もありますけれども、ある意味ではのちの世代に選択肢を残しておくという意味で、我々だけが全部を決めるというものでもないというふうに考えています。


竹田
竹田:
原子力政策、特に原発は国策民営って今まで言ってきたんですね。
だったら責任をもって、国策をもっとはっきりさせなきゃいけない。
政府が責任を持たなきゃいけない。
原発の運営、それから防災、すべてにわたって総合的に責任を持つ、例えばもっときちっとした司令塔のような組織を、きちっと政府が作るべきだと思いますね。


nisikawa
西川:
時間が迫ってきています。
今日、こういう原発政策を見てきたわけですけれども、福島原発の事故では、未だに9万人近い方々が避難生活を強いられています。
安全神話は完全に否定されて、原発が事故を起こすといかに手に負えないかということを知ることになりました。
原子力発電と核燃料サイクルをどうするのか?
高レベルの放射性廃棄物をどうするのか?
他のエネルギーとの関連の中で総合的な原子力政策、長期的な展望を持って考えていかなくちゃいけないんじゃないかというふうなことが今日分かったと思います。
番組をご覧の皆さんとそうした取り組みを考えていきたいと思いますが、やはり信頼感も不可欠だというふうに思います。
それでは今日はここらへんで失礼いたします。



ーおわりー




1.原発再稼働〜避難計画「どこに向かう 日本の原子力政策」NHK解説スタジアム8/26(文字起こし)

2.老朽原発40年ルール「どこに向かう 日本の原子力政策」NHK解説スタジアム8/26(文字起こし)

3完.核のゴミ〜核燃料サイクル「どこに向かう 日本の原子力政策」NHK解説スタジアム8/26(文字起こし)


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