とてもショックです
吉岡斉九大教授が死去 脱原発けん引事故調委員
2018年01月15日 06時00分

東京電力福島第1原発事故を巡る政府の事故調査・検証委員会(政府事故調)の委員を務め、科学者の立場から脱原発を訴えた九州大教授の吉岡斉(よしおか・ひとし)氏が14日午前8時18分、肝神経内分泌腫瘍のため福岡市内の病院で死去した。64歳。富山市出身。葬儀・告別式の日取りは未定。
専門は科学技術史、科学技術政策。独立した立場で原因究明する政府事故調(2012年9月廃止)では東電関係者らへの聞き取りを行い、13年には脱原発を目指す有識者団体「原子力市民委員会」の設立に携わり、近年は座長として脱原発運動を引っ張っていた。
東京大理学部卒、同大大学院博士課程単位取得退学。和歌山大助教授などを経て九州大に。九大では10年4月~14年3月まで副学長を務めた。内閣府原子力委員会や経済産業省の審議会で委員も歴任。著書は「原子力の社会史」「脱原子力国家への道」などがある。
◇ ◇
■科学者の過信看破し批判
〈評伝〉「理系出身の研究者や技術者には、詐欺師の傾向がある」。科学史を専門とした吉岡斉さんは、こう言って政府や電力会社への批判を続けた。真意を尋ねると「自分の分野を誇大に表現したがり、それが社会に悪影響を及ぼす。代表格が原発だ」と話していた。
吉岡さんの考えは、東京電力福島第1原発事故の前から一貫していた。原発に対し「生涯にわたり国家のすねをかじる自立能力のない技術」と。だから「国の支援がなければいずれなくなる」と主張する段階的な脱原発論者だった。
使用済み核燃料の再処理や、高速増殖原型炉「もんじゅ」にも“詐欺師の傾向”を見いだし、その過信を疑った。もんじゅは、まともに稼働することなく一昨年末、廃炉が決まった。
福島事故後、政府の事故調査・検証委員会の委員として活動。公的に発言する傍ら、反原発の市民集会や講演会に顔を出すようになり、草の根の活動の理論的な支柱となっていく。研究室ではぼそぼそと話したが集会でマイクを握ると腹の底から訴えた。本人が福島事故後に「原発の安全性をやや軽視していた」と語っており、自省に突き動かされているように見えた。福島事故後、講演回数などは100回を大きく超えた。
手元に、取材の折々に読み込んだ吉岡さんの著書「脱原子力国家への道」がある。政府が今も、使用済み燃料の再処理政策を見直さないことなどを批判している。自ら動き、それを実現させたかったはずだ。 (釜山・竹次稔)
◇ ◇
■「市民の立場で意見言える人」 関係者、哀悼の声
脱原発の理論的支柱の一人だった九州大教授の吉岡斉さんの死去に、共に運動をしてきた学者や市民からは哀悼の言葉が聞かれた。
有識者団体「原子力市民委員会」座長代理の大島堅一龍谷大教授は「国が原子力利用で抱えてきた問題を客観的、学術的に明らかにした功績は大きい。他国の情勢にも詳しく、議論に説得力があった。原発の推進側や政府関係者にも高く評価されていた」と語り、立場を超えた吉岡さんの存在の大きさを振り返った。
「市民の立場から国に意見を言える大切な人を失った」と肩を落とすのは九州電力川内原発がある鹿児島県薩摩川内市で反原発運動をする鳥原良子さん(69)。4年前、勉強会の講師に招いた吉岡さんが「原発は経済的じゃないよ」と淡々と語った姿が印象に残っているという。
九電玄海原発(佐賀県玄海町)の再稼働に反対する住民団体「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」の永野浩二事務局長(45)は「脱原発実現に向け、今は大事な時期。大所高所からもっと発言してほしかった」。同町で原発誘致時から反対運動を続ける仲秋喜道さん(88)も「今からが彼の本当の出番だったのに…」と突然の訃報を悔やんだ。
=2018/01/15付 西日本新聞朝刊=
全部国家の保護を無くせば、おのずとやるやつはいなくなるだろう「原発再稼働わたしはこう思う」吉岡斉氏3/23(動画・内容書き出し)
事故調委員 吉岡斉さんに聞く
「原発再稼働わたしはこう思う」

なぜ?”早すぎる放射能漏れ” 原発揺るがす「地震で破損」12/28報道SP(内容書き出し・動画あり)

政府事故調査・検証委 吉岡斉委員:
地震の影響というのは徹底的に調べるべきですね。
老朽化した配管とか、あるいはマークⅠ型という、そういうものの設計とか、
そういうところに根本的な問題があるという事に、
もし、地震が影響しているとすればそう考えなければいけないと、
だから事態は遥かに深刻になるわけです。
しかしそれが、やはり何年か後になるでしょうけれど、
(原子炉の中を)見てみなければ、分からないいという事ですね。
すごく悲しいです
ご冥福を心よりお祈り申し上げます
吉岡斉九大教授が死去 脱原発けん引事故調委員
2018年01月15日 06時00分

東京電力福島第1原発事故を巡る政府の事故調査・検証委員会(政府事故調)の委員を務め、科学者の立場から脱原発を訴えた九州大教授の吉岡斉(よしおか・ひとし)氏が14日午前8時18分、肝神経内分泌腫瘍のため福岡市内の病院で死去した。64歳。富山市出身。葬儀・告別式の日取りは未定。
専門は科学技術史、科学技術政策。独立した立場で原因究明する政府事故調(2012年9月廃止)では東電関係者らへの聞き取りを行い、13年には脱原発を目指す有識者団体「原子力市民委員会」の設立に携わり、近年は座長として脱原発運動を引っ張っていた。
東京大理学部卒、同大大学院博士課程単位取得退学。和歌山大助教授などを経て九州大に。九大では10年4月~14年3月まで副学長を務めた。内閣府原子力委員会や経済産業省の審議会で委員も歴任。著書は「原子力の社会史」「脱原子力国家への道」などがある。
◇ ◇
■科学者の過信看破し批判
〈評伝〉「理系出身の研究者や技術者には、詐欺師の傾向がある」。科学史を専門とした吉岡斉さんは、こう言って政府や電力会社への批判を続けた。真意を尋ねると「自分の分野を誇大に表現したがり、それが社会に悪影響を及ぼす。代表格が原発だ」と話していた。
吉岡さんの考えは、東京電力福島第1原発事故の前から一貫していた。原発に対し「生涯にわたり国家のすねをかじる自立能力のない技術」と。だから「国の支援がなければいずれなくなる」と主張する段階的な脱原発論者だった。
使用済み核燃料の再処理や、高速増殖原型炉「もんじゅ」にも“詐欺師の傾向”を見いだし、その過信を疑った。もんじゅは、まともに稼働することなく一昨年末、廃炉が決まった。
福島事故後、政府の事故調査・検証委員会の委員として活動。公的に発言する傍ら、反原発の市民集会や講演会に顔を出すようになり、草の根の活動の理論的な支柱となっていく。研究室ではぼそぼそと話したが集会でマイクを握ると腹の底から訴えた。本人が福島事故後に「原発の安全性をやや軽視していた」と語っており、自省に突き動かされているように見えた。福島事故後、講演回数などは100回を大きく超えた。
手元に、取材の折々に読み込んだ吉岡さんの著書「脱原子力国家への道」がある。政府が今も、使用済み燃料の再処理政策を見直さないことなどを批判している。自ら動き、それを実現させたかったはずだ。 (釜山・竹次稔)
◇ ◇
■「市民の立場で意見言える人」 関係者、哀悼の声
脱原発の理論的支柱の一人だった九州大教授の吉岡斉さんの死去に、共に運動をしてきた学者や市民からは哀悼の言葉が聞かれた。
有識者団体「原子力市民委員会」座長代理の大島堅一龍谷大教授は「国が原子力利用で抱えてきた問題を客観的、学術的に明らかにした功績は大きい。他国の情勢にも詳しく、議論に説得力があった。原発の推進側や政府関係者にも高く評価されていた」と語り、立場を超えた吉岡さんの存在の大きさを振り返った。
「市民の立場から国に意見を言える大切な人を失った」と肩を落とすのは九州電力川内原発がある鹿児島県薩摩川内市で反原発運動をする鳥原良子さん(69)。4年前、勉強会の講師に招いた吉岡さんが「原発は経済的じゃないよ」と淡々と語った姿が印象に残っているという。
九電玄海原発(佐賀県玄海町)の再稼働に反対する住民団体「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」の永野浩二事務局長(45)は「脱原発実現に向け、今は大事な時期。大所高所からもっと発言してほしかった」。同町で原発誘致時から反対運動を続ける仲秋喜道さん(88)も「今からが彼の本当の出番だったのに…」と突然の訃報を悔やんだ。
=2018/01/15付 西日本新聞朝刊=
全部国家の保護を無くせば、おのずとやるやつはいなくなるだろう「原発再稼働わたしはこう思う」吉岡斉氏3/23(動画・内容書き出し)
事故調委員 吉岡斉さんに聞く
「原発再稼働わたしはこう思う」

なぜ?”早すぎる放射能漏れ” 原発揺るがす「地震で破損」12/28報道SP(内容書き出し・動画あり)

政府事故調査・検証委 吉岡斉委員:
地震の影響というのは徹底的に調べるべきですね。
老朽化した配管とか、あるいはマークⅠ型という、そういうものの設計とか、
そういうところに根本的な問題があるという事に、
もし、地震が影響しているとすればそう考えなければいけないと、
だから事態は遥かに深刻になるわけです。
しかしそれが、やはり何年か後になるでしょうけれど、
(原子炉の中を)見てみなければ、分からないいという事ですね。
すごく悲しいです
ご冥福を心よりお祈り申し上げます
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