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原子力事業に力を入れる企業。

原発ビジネス、赤信号 海外、相次ぐ新設中断・延期
Sankei Biz 2011.4.7 09:26

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福島第1原発の主な製造企業

東京電力福島第1原子力発電所事故に伴い、
東芝や日立製作所など国内外の原発メーカーのビジネス戦略が頓挫の危機にさらされている。

一部の国で従来の新設計画を見直す動きが出ているためだ。
官民一体で成長戦略の柱と位置付けてきた原発輸出をめぐる状況は東日本大震災で一変した。

中止強く求める

「この時期に原発建設などありえない」。
ギリシャのパパンドレウ首相は今回の震災後、隣国トルコのエルドアン首相と電話会談した際、
トルコ初の原発建設計画の中止を強く求めた。
トルコは昨秋まで韓国と建設交渉を進めたが条件面で折り合わず
東芝と東電が逆転受注に向けて詰めの交渉に入った直後だった。

トルコは3月末だった交渉期限の延期を決め、日本側の対応が決まるまでは他国との交渉に入らない考えとされる。
だが、ギリシャなど南欧諸国は欧州連合(EU)の欧州理事会に苦情を申し立てるなど、
トルコの原発計画は国際問題に発展。計画自体が白紙に戻る可能性も出てきた。

英国政府も今月5日、6月の予定だった次世代原子炉の承認手続きを最低3カ月延期すると発表。
英国には10基前後の新設計画があり、
東芝子会社の米ウエスチングハウス(WH)などが承認を求めていたが、建設が遅れる恐れもある。


はずれた目算

こうした建設計画の中断・延期は原発メーカーの経営を揺るがしている。

原子力事業への“本気度”が強いのが東芝
2006年に54億ドル(約6200億円)を投じてWHを買収し、翌年にはカザフスタンでウラン権益を獲得。
15年までに世界で39基を受注し、原子力だけで年間売上高1兆円の目標を掲げたが、目算は完全に狂った。

日立も07年に米ゼネラル・エレクトリック(GE)と原子力事業を統合した。
目標は10年後に原子力事業の売上高を8割増の3800億円にすること。
震災4日前の3月7日に懸案のハードディスク(HDD)事業を米社に売却すると発表したが、
これは浮き沈みの激しい事業から手を引き、
安定した収益が期待できる原子力などの事業に経営資源を集中するという市場へのメッセージでもあった。

日立などが手がける沸騰水型軽水炉(BWR)と違う加圧水型軽水炉(PWR)を展開する三菱重工業
「福島が落ち着いた後の評価で今後の原発事業が左右される」
大宮英明社長)と先行きを懸念する。


原子力への一段の信頼低下を防ぐためにも「フクシマ」の被害拡大防止は必須条件で、
福島第1原発の建設に関わった日立は300人東芝は140人の技術者を現地に送り込んだ。
さらに、設計の大部分を担ったGEや仏アレバといった海外メーカーも相次いで支援を表明している。

事故処理経験なく

原子力技術では世界一とされる日本企業だが、海外勢と違い事故処理や廃炉の経験は皆無で、
日立の中西宏明社長
「弱点をカバーするためGEと組んだ」と認める。
チェルノブイリ事故の処理にあたった実績を買い、政府が協力を求めたアレバには放射性物質除去技術があり、
将来の廃炉も手がけるもようだ。

各社とも「原発の灯を消すな」との思いは同じ。
そのためには目前のビジネス悪化に対処するより先に、
それぞれの得意分野で原発事故の処理に当たらざるを得ないのが実情だ。



 続きを読むにも、まだ記事があります。







「東芝10年半、日立30年」廃炉計画なぜこんなに違う?
Sankei Biz 2011.4.15 20:12


福島第1原発1~4号機の原子炉を製造した
2大電機メーカーが東京電力や経済産業省に提案した廃炉計画が話題となっている。
東芝が解体して更地にするまで「10年半」という期間を提示したのに対し、
日立製作所について報じられた数字は「30年」。
なんでこんなに違うのか。話を聞いてみると…。

福島第1原発の主契約メーカーは
1号機が米GE、2号機がGEと東芝、3号機が東芝、4号機は日立が手がけた。

このうち東芝が提出した廃炉計画では、事故から半年後に原子炉が冷却状態になることを前提に、
圧力容器内の燃料棒や貯蔵プール内の使用済み核燃料をそれぞれ取り出して別の容器に密閉する作業に約5年、
そしてすべての機器や設備を撤去し、土壌を改良して更地にするのが約5年、しめて約10年半というシナリオだ。

1978年3月に発生した米スリーマイル島の原発事故では、燃料の取り出しに10年近く要し、
最終的に放射能汚染の除染が確認されるまで15年半かかっている。

東芝の計画では燃料の取り出しが5年間短縮されているのだが、東芝広報室はその理由について
「年数は目安にすぎないが、ロボットを使った遠隔操作による作業やヘリコプターによる運搬など技術の進歩で作業効率が上がっている。スリーマイルなどの経験も積み重なっている」と説明する。

計画には東芝が買収した米原発大手ウェスチングハウスなど、スリーマイルの処理を手がけた米企業が加わっている。


福島は4プラントあるので、最終的にかなりの時間要する


一方、GEなどと合同で廃炉計画を提出した日立は、
「30年という数字はあくまで一般の廃炉にかける年数を示したもの」(広報・IR部)と話す。

急を要する事故処理の場合は、作業のプロセスも異なるとする。
というわけで、日立の解体が東芝の3倍時間がかかるということではないようだ。

現状では福島原発の解体期間の見通しについて
「(原子炉1基の事故だった)スリーマイルと違って福島の場合4プラントあるので、最終的にはかなりの時間がかかると考えている。ただ、われわれも目的は東芝さんと同じで早く(解体して)復旧させること。炉内の状況が分かった時点であらためて細かい提案を行う」(同)と意気込みを示す。

いまこそ日本の技術力の真価が発揮されるときだ。




原発1兆円達成「遅れる」 佐々木則夫・東芝社長
Sankei Biz 2011.4.15 05:00

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佐々木則夫・東芝社長

東芝の佐々木則夫社長は14日、フジサンケイビジネスアイなどのインタビューに応じ、
東京電力の福島第1原子力発電所の事故を受け、

2015年までに39基の新設受注と売上高1兆円を目指していた原子力事業について、

「着工が遅れる可能性がある。(目標達成は後ろに)少しシフトする」などと述べ、
事業戦略の見直しを明言した。
また、福島原発の放射能汚染水について、東芝が処理システムの設計・建設を請け負うことも明らかにした。

今回の震災では津波に対する電気系統などの耐久性の問題が表面化したため、
「各国の規制・設計基準が変わり、(計画中の原発の着工が)遅れる可能性は十分にある」と述べた。
一時は15年に1兆円としていた原子力事業の売上高目標を1年前倒しで達成する可能性が高まっていたが、
「16年かもっと先かもしれない」と目標達成を先送りする方針を示した。

一方、各国で進む原発の新設計画については、足元で進むベトナムやトルコなどの案件も含め、
「当社が受注を目指していた国で(計画を)撤回すると言った国はない」とし、
原子力発電についても「地球温暖化問題を解決する有力な選択肢」として、今後も事業を継続する方針を強調した。

12年度まで3カ年の中期経営計画の見直しが避けられない状況となったが、佐々木社長は
「原子力事業が全社の売上高に占める割合は10%弱。仮に売上高が1割減っても、全社の0.8~0.9%程度(の減少)にとどまる」と述べ、
他の事業でカバーできるとの考えを強調。
具体的にはテレビやパソコンなどデジタル家電事業の構造改革や、
電力システムなどの社会インフラ事業が復興需要の高まりで伸びるとの見通しを示した。


東芝は5月に事故の影響を踏まえた今後の事業戦略を公表する予定だ。

また、復旧作業が続く福島第1原発については
「もっとも早くて10年で廃炉は可能だ」との見通しを明らかにした。

当面は放射能汚染水の排水作業を最優先する考え。
東芝は仏原子力大手アレバなどと連携して、処理システム全体の設計・建設を担当する。

11年3月期の連結業績については
「震災の影響は限定的だった」という。1月末公表の売上高(6兆6000億円)、営業利益(2500億円)の業績予想には「若干届かない」としたが、最終利益(1000億円)は上振れする見通しだ。(田端素央)

                   ◇

 ■東北再生へ次世代送電網導入

東芝の佐々木則夫社長との主なやり取りは次の通り。

 --原発事故による東芝の原子力事業への影響は

 「15年に1兆円の売り上げを目指していたが、これは難しい。ただ、原子力事業が東芝全体の売り上げに占める割合は10%弱にすぎず、他事業の強化で十分補える」

 --部品供給に不安は

 「欠損しそうな部材は多方面に手配し、ある程度めどがついている。(被災で世界の供給力の25%が失われている)半導体材料のシリコンウエハーについても、ある程度の数量が確保できている」

 --福島第1原発への対応は

 「米スリーマイル島原発事故の廃炉に携わった米国メーカーなどと共同で進めている。また仏原子力大手のアレバなどから資機材の提供を受けたうえで、東芝が汚染水処理を取りまとめる。(原発付近に)廃水処理施設の建設も検討している」

 --復興需要をどう見る

被災地ではテレビや冷蔵庫、洗濯機などが必要。需要に迅速に対応できる態勢を整えたい。それが被災地への支援につながる。また、新たに街を作り直す際に電力供給を効率化したスマートグリッド(次世代送電網)の導入なども考えられる。そうした社会インフラを構築する技術やシステムで、東芝はかなりのお手伝いができる

 --原子力に代わる代替エネルギーの取り組みは

 「原子力うんぬんではなく、火力発電では高効率化と環境性能が求められている。当社はCCS(二酸化炭素分離・回収技術)では世界最高水準だ。メガソーラー(大規模太陽光発電所)や水力発電も国内首位で、エネルギー事業のポートフォリオはしっかりしている」



<関係ブログ>

「東芝がモンゴルに国際的な貯蔵・処分場」東芝の素顔。


政治も報道もテレビも恐い。裏の裏が見えにくい、わからない。

「原子力村の「不都合な真実」原発大手企業と霞が関 ズブズブの証拠を入手」


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