07.22
Fri
リスナーからの質問
・東京の汚泥から今もヨウ素が検出されるのはなぜ?
・肉牛が汚染されたなら豚や鳥も汚染されてませんか?
・海に流れた放射能が雨になって陸に降ってきますか?
・人工と天然の放射線核種の動きはちがいますか?
7月20日水曜日
京都大学原子炉実験所小出裕章助教に聞く
Radio News「たねまきジャーナル」
MBSラジオ [MBS1179.com]
続きを読むに
内容書き出しました
大阪のリスナーからの質問です
ヨウ素131は半減期が8日なので不検出になっているはずですが
東京都の下水の汚泥からはまだ、ヨウ素が検出されています
府中市や足立区はヨウ素の検出量が増加しています。なぜですか
問題はヨウ素だけの濃度を見るのではなくて
セシウムとの比を見るといいと思います
当初はヨウ素はセシウムの10倍ぐらいありました
130日ぐらい経っているでしょうか
ヨウ素が3万分の1位にはなっていると思います
そうするとセシウムの3000分の1位のヨウ素が存在している事はありうるのです
半減に半減を繰り返して・・
そうです
無くなっているのではないので、
そして下水の汚泥にはものすごい濃度の放射性物質、ヨウ素もそうですしセシウムも含まれてきますので
ヨウ素がまだ残っていたとしてもそれは不思議ではありません
ですから、セシウムとの比を取って考えてみた方がいいと思います
必ずしも今沢山のヨウ素が検出されているからと言って原発から放出されているわけではないと
だとおもいます
私は今聞かせていただいたデータを見ていませんので正確にお答えできませんけども
ヨウ素だけを見ているのではダメだと思います
イタリアにお住まいの方からの質問です
今月中旬から肉牛の汚染が問題になっていますが
肉牛が汚染されていれば乳牛も汚染されていると考えた方が普通だと思います
そして牛が汚染されているなら豚や鶏だって汚染された餌を与えられている可能性がありますから
先生のご意見を伺いたいです
もちろんですね
豚も汚れていると思いますし鶏も汚れていると思います
うーん
それがどのくらいのレベルかという事は
そうですね
測定してみないと分からないと思いますし
今問題になっている牛はいわゆる稲藁を食べていたということで
豚とか鶏にどういうものを与えているのか私は正確には知りませんが
食べさせている物が事故の当時屋外にあったものであれば
同じ現象は必ず起きると思います
やはり同じように放射性物質を含んだものになっているという訳ですよね
そうです
先生、肉牛の対策なんですけれども
やはり全頭検査というものが必要なんでしょうか
あるいはまた、するとしたらかなり手間のかかる作業なんでしょうか
結構手間がかかる作業です
ただし、肉牛は何百頭とかせいぜい千頭で済むんじゃないでしょうか
そうですね。何百頭単位だと思います
そうであれば可能だと思いますのでしたほうがいいと私は思います
千葉県の方からです
いよいよ夏になり海の水温も上がり入道雲の発生から雨という夏の自然サイクルがはじまります
福島から海に投棄された汚染水が含まれている放射性物質が
雨になって再び陸に戻ってくる可能性はあるんでしょうか
もちろん、原理的に言えばありますね
ですから海に流れていっている訳で、海から蒸発したものがまた雨となって陸に降ったりする訳で
たとえば流されている放射能の中にはトリチウムという名前の放射能があります
それはいわゆる水素なのです
放射能をもった水素なのですがこれも海に流れているはずで
環境に出ると水の形になりますH2Oという形ですね
そういう形になりますので
海水が蒸発して雲になればそれがまた雨になって落ちてくるということですので
もちろん循環して陸にも戻ってきます
何処かだけに固まってという事ではないと思うんですけれども
広く薄くという形で、やはり雨になって陸に戻ってくるということですね
そうですね
色々な形で福島から一度出たものが
汚染をあちこちに広げながらぐるぐる回るということになるとおもいます
放射性物質は基本的には無くならないんですものね
ええ。そうですね
要するに半減期で無くなってはくれますけれども
自然には放射能を無くする力はありませんので
結局何処かに回り続けると言う事になってしまいます
次の質問です
人工放射線核種と天然放射線核種の違いということである方の話しを聞きました
「放射線としては同じであるが人工は蓄積し、天然は蓄積しない」ということで
「今福島から漏れている放射線は自然放射線と同じ」というような話をされるんですが
やはり、人工と天然では動き方が違うのでしょうか教えてください
ようするに、私達が放射能と呼んでいる物は放射能物質なのです
物ですから体に取り込んだ時も人間の体の代謝がありますから
その物質ごとに違っているわけですね
たとえばヨウ素というものをみなさんずっと聞かれてきたと思いますが
ヨウ素というのは人間にとっては必ず必要な元素なんです
それを甲状腺というところに集めてホルモンを作り出すと
そういう役割を持っています
天然のヨウ素というものは一切放射能を持っていない物が天然にあります
そういうヨウ素を人間は甲状腺にためてホルモンをつくるという
そういう生き物として人間があるんですね
でも、原子力の事故がありますと
放射能をもったヨウ素が飛び出してくるわけです
人間の方から見ると放射能をもったヨウ素か持ってないヨウ素なのかが全く区別が付きません
だから、放射能をもったヨウ素が出てきてしまうとそれを人間は体にどんどん蓄積してしまう
それが甲状腺に集まると甲状腺のがんになるということになりますし
甲状腺の機能を失うという事になるわけで
天然といった状態で放射能をもったヨウ素は無いわけなのに
放射能をもったヨウ素を出してしまうのですから、それは人間にとってある意味危険を抱えてしまうという事です
本来取り込むべきではない物を体の中に取り込んでしまうという事ですね
そうです
ありがとうございました。
・東京の汚泥から今もヨウ素が検出されるのはなぜ?
・肉牛が汚染されたなら豚や鳥も汚染されてませんか?
・海に流れた放射能が雨になって陸に降ってきますか?
・人工と天然の放射線核種の動きはちがいますか?
7月20日水曜日
京都大学原子炉実験所小出裕章助教に聞く
Radio News「たねまきジャーナル」
MBSラジオ [MBS1179.com]
続きを読むに

大阪のリスナーからの質問です
ヨウ素131は半減期が8日なので不検出になっているはずですが
東京都の下水の汚泥からはまだ、ヨウ素が検出されています
府中市や足立区はヨウ素の検出量が増加しています。なぜですか

セシウムとの比を見るといいと思います
当初はヨウ素はセシウムの10倍ぐらいありました
130日ぐらい経っているでしょうか
ヨウ素が3万分の1位にはなっていると思います
そうするとセシウムの3000分の1位のヨウ素が存在している事はありうるのです
半減に半減を繰り返して・・

無くなっているのではないので、
そして下水の汚泥にはものすごい濃度の放射性物質、ヨウ素もそうですしセシウムも含まれてきますので
ヨウ素がまだ残っていたとしてもそれは不思議ではありません
ですから、セシウムとの比を取って考えてみた方がいいと思います
必ずしも今沢山のヨウ素が検出されているからと言って原発から放出されているわけではないと

私は今聞かせていただいたデータを見ていませんので正確にお答えできませんけども
ヨウ素だけを見ているのではダメだと思います
イタリアにお住まいの方からの質問です
今月中旬から肉牛の汚染が問題になっていますが
肉牛が汚染されていれば乳牛も汚染されていると考えた方が普通だと思います
そして牛が汚染されているなら豚や鶏だって汚染された餌を与えられている可能性がありますから
先生のご意見を伺いたいです

豚も汚れていると思いますし鶏も汚れていると思います
うーん
それがどのくらいのレベルかという事は

測定してみないと分からないと思いますし
今問題になっている牛はいわゆる稲藁を食べていたということで
豚とか鶏にどういうものを与えているのか私は正確には知りませんが
食べさせている物が事故の当時屋外にあったものであれば
同じ現象は必ず起きると思います
やはり同じように放射性物質を含んだものになっているという訳ですよね

先生、肉牛の対策なんですけれども
やはり全頭検査というものが必要なんでしょうか
あるいはまた、するとしたらかなり手間のかかる作業なんでしょうか

ただし、肉牛は何百頭とかせいぜい千頭で済むんじゃないでしょうか
そうですね。何百頭単位だと思います

千葉県の方からです
いよいよ夏になり海の水温も上がり入道雲の発生から雨という夏の自然サイクルがはじまります
福島から海に投棄された汚染水が含まれている放射性物質が
雨になって再び陸に戻ってくる可能性はあるんでしょうか

ですから海に流れていっている訳で、海から蒸発したものがまた雨となって陸に降ったりする訳で
たとえば流されている放射能の中にはトリチウムという名前の放射能があります
それはいわゆる水素なのです
放射能をもった水素なのですがこれも海に流れているはずで
環境に出ると水の形になりますH2Oという形ですね
そういう形になりますので
海水が蒸発して雲になればそれがまた雨になって落ちてくるということですので
もちろん循環して陸にも戻ってきます
何処かだけに固まってという事ではないと思うんですけれども
広く薄くという形で、やはり雨になって陸に戻ってくるということですね

色々な形で福島から一度出たものが
汚染をあちこちに広げながらぐるぐる回るということになるとおもいます
放射性物質は基本的には無くならないんですものね

要するに半減期で無くなってはくれますけれども
自然には放射能を無くする力はありませんので
結局何処かに回り続けると言う事になってしまいます
次の質問です
人工放射線核種と天然放射線核種の違いということである方の話しを聞きました
「放射線としては同じであるが人工は蓄積し、天然は蓄積しない」ということで
「今福島から漏れている放射線は自然放射線と同じ」というような話をされるんですが
やはり、人工と天然では動き方が違うのでしょうか教えてください

物ですから体に取り込んだ時も人間の体の代謝がありますから
その物質ごとに違っているわけですね
たとえばヨウ素というものをみなさんずっと聞かれてきたと思いますが
ヨウ素というのは人間にとっては必ず必要な元素なんです
それを甲状腺というところに集めてホルモンを作り出すと
そういう役割を持っています
天然のヨウ素というものは一切放射能を持っていない物が天然にあります
そういうヨウ素を人間は甲状腺にためてホルモンをつくるという
そういう生き物として人間があるんですね
でも、原子力の事故がありますと
放射能をもったヨウ素が飛び出してくるわけです
人間の方から見ると放射能をもったヨウ素か持ってないヨウ素なのかが全く区別が付きません
だから、放射能をもったヨウ素が出てきてしまうとそれを人間は体にどんどん蓄積してしまう
それが甲状腺に集まると甲状腺のがんになるということになりますし
甲状腺の機能を失うという事になるわけで
天然といった状態で放射能をもったヨウ素は無いわけなのに
放射能をもったヨウ素を出してしまうのですから、それは人間にとってある意味危険を抱えてしまうという事です
本来取り込むべきではない物を体の中に取り込んでしまうという事ですね

ありがとうございました。
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