07.25
Mon
「なりふりかまわぬ経済産業省。古賀茂明氏のインタビュー記事。」の続きの記事です
以下転記します
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
現代ビジネス 経済の死角
2011年07月21日(木)
古賀茂明(経産省キャリア)×長谷川幸洋(ジャーナリスト)
「経産省は電力会社に天下り役員の退職を要請せよ」
退職勧奨を受けた改革派官僚を直撃VOL.2
vol.1 はこちらをご覧ください。
長谷川:
菅首相は、公債発行特例法案と再生エネルギー特別措置法案、第2次補正予算案の3つを成立させると言ってます。
最近は、菅首相は「原発派」であるかのように振る舞っています。
しかし、現状の再生エネ法案では、自然エネルギーは広がらないと思いますよ。
というのも、現状の法案では、自然エネルギーを買う価格や機関は経産相が、つまり政府が決めることになっている。
この法案がいかに社会主義的かを象徴しています。古賀さんはどのように思っていますか
古賀:
再生可能エネルギーの普及を後押しするための法案なので、
何らかの形で政府が市場に関与することは、本来の目的からすると自然だと思います。
ただ、長谷川さんがおっしゃたように、
経産相が定める機関、あるいは価格で買い取りますとあるのですが、「全量買い取る」とは書いていないんですよ。
一般的には「全量買取法案」と言われているのですが、
たとえば太陽光の全量買取となると、太陽光発電は、家庭にも普及しているので、
家庭の太陽光の電力もすべて買い取るということになるので、かなり面倒です。
案の定、条文を見たら、「全量買取」と明記されていなかったので、本当に全量が買い取られるのか不安ですね。
それが出来ないとなると、「看板に偽りあり」ですから。
では、なぜ「全量買取」だけがクローズアップされ、この事実が広く報道されていないのでしょうか。
実は、会見で記者に説明するときに、条文全体は長くて分厚くなってしまうので、
概要のみが書かれた紙を配布するんです。
その概要には書いていないのですが、
条文では「電力の安定供給に支障が出る場合には買取をやめられる」という意の条項がついています。
電力会社は、「風力発電光や太陽光のシェアが増えると、天候によって発電量が大きく変化する。
それが送電ネットワークに負荷を与えて、安定供給に支障が出る」と常々主張しています。
つまり、もし風力や太陽光の競争力が増してきたら
「変動が大きくて安定供給が危ない」とばかりに恣意的にカットすることができる条項だと読めるわけです。
長谷川:
発電方式や買取価格を明らかにすることで、買う側が電力会社を選択できるのが一番良い。
「原発は危険だから、多少コストが高くても太陽光を応援しよう」といったようにね。
そうなれば、太陽光発電で競争が起き、技術革新も盛んになるでしょう。
風力や地熱も太陽光に負けじと頑張るようになるかもしれません。おのずとマーケットが収斂されていくわけです。
その出来上がりの姿を想像すると、経産相が機関と価格をまず決めるというのは、頷けない。
その裏側には、官僚の思惑や既得権益がついてきてしまう。
何がなんでも東電を守りたい
古賀:
非常に好意的にみれば、これは過渡的な措置だと考えることもできます。
むしろ、過渡的なものとして扱わなければならないと思いますね。
いずれにしても、何らかの形で、原発はものすごく優遇されて、有利な条件で整備されてきた。
実際は立ち上がりの時期から今日まで補助金漬けで出来上がっているんです。
そのような意味では、再生可能エネルギーも何らかの形で政府の後押しが入るのは悪いことではないと思いますが、最終的にはマーケットにゆだねられていかないといけません。その道筋がこの法律には用意されていないんです。本当は、段階的にシフトしていけるような仕組みを入れておくべきでしょう。
長谷川:
出来上がりの電力供給市場をどうやって整備していくのかがまったく見えないですよね。
電力供給市場を整備する話と東電の処理は表裏一体。
先日、東電の株主総会ありましたが、東電存続の姿勢は変わりません。何が何でも東電を守りたいということですね。
古賀:
現状の原子力損害賠償支援機構法案(以下、賠償機構法案)は、様々な意味で最悪の選択だと私は思っています。
東電という企業から見ても、先が見えない。
永久に塩漬けの会社になるという前提なので、東電で働いている人にとっても暗く、将来のない案になっている。
もちろん、東電は賠償を払わなくてはいけません。
どう考えても、賠償はもちろん、原子力を安定化させるだけでもものすごく費用がかかりますよね。
廃炉にするコストだってかかります。
すべて合わせて10兆、いや数十兆円かかるかもしれない。そ
れが本当に国民負担ゼロで払うなんて無理だと国民も分かっている。だけど、民主党政権はそれを認めない。
長谷川:
海江田経産相も認めていないですね。
古賀:
まずはそれを認めるところから始めないといけません。
私は以前、「不人気政策をきちんとやることが責任政治家だ」と財務省官僚に言われたことがあるのです。
菅首相は消費税増税の時だけは、不人気政策をきちんと言いましたが、
東電問題については国民に不人気なことは一切言いませんよね。
金額が分からないからハッキリしたことは言えませんが、
国民の皆さんに何らかの形で負担してもらわざると得ないと説明することから始めないといけません。
電力会社から天下り経営者を追放せよ
長谷川:
今までの政府の説明は、国民負担を極小化するために最善の努力を払うということでした。
「東電は、資産売却やリストラもやるし、国がチェックしていく」と海江田大臣も言っていましたが、
そんな言葉を信じる国民はもはやいないでしょう。
虚構の話をするのはもうやめろということですね。
古賀:
もう一つ、大事なことを経産省は忘れています。
今回の問題は技術の問題だけではありません。人と組織の問題なんです。
事故が起きたことやその後の対応を巡り、政府も信用できないし、東電も信用できないと国民は皆思ってるでしょう。
それなのに、東電を塩漬けにして、政府の有り方も同じままで、
「心を入れ替えて頑張ります。信じてください」と言われたって、信用できませんよね。
今まで原発を推進してきたのは自民党と官僚。
その仕組みで失敗したわけです。
ですから民主党政権は、正直に
「とんでもない間違いを犯してしまった。だからケジメをつけたい」とまず言わなくてはいけない。
「どうせ経産省も電力会社も癒着しているのでしょ」と国民は思っているのですから。
癒着の一つの象徴が天下りです。
だから、電力会社に天下りしている役職員については、経産相が直接各社長に退職させるよう要請しないといけません。
また、保安院の幹部や経産省の幹部で原発に携わっていた人たちは、
現在のポジションから引かせ、若手を抜擢して改革する体制を作るべきでしょう。
保安院の幹部や経産省の幹部といったって、もともと原発の素人だったわけですから人員を変えても問題ありませんよ。
大臣が人事改革を実行すれば、
大臣は官僚や電力会社と一体ではなく、
官僚と政治の間には仕切りや緊張感があり大臣が官僚をコントロールしてると国民も実感できると思うんです。
経産省の「最終防衛ライン」
長谷川:
保安院は経産省から分離すると言われていますが、私は少し疑っています。
保安院の切り離しは事故直後から指摘されていましたが、ようやく認めたのはIAEAの報告の中でなんですよ。
本来なら、政府の組織改革に関わるような政策方針の変更は、
まず国内で記者会見を開いて、大臣や総理が会見して発表するべきなんです。
つまり、IAEAをさすがにだませないし、もっともらしい改革をやっているフリをしないといけないから、
事後的に「保安院切り離し」を唱えたと考えることができます。
少なくとも経産省は切り離しに対して反対姿勢だということは明らかですよ。
内閣改造で、細野豪志氏が原発担当相になりましたが、海江田さんは依然として経産相のまま。
原発対応のために、たとえば細野大臣が自分の方針を決めて動かさそうとしても、
海江田は法律の改革や政令については自分がやると言っている。
つまり、経産相が所管する法律や予算は一切、細野氏には触らせないといっているわけですよ。
海江田大臣がもし改革派に立つならば、お手並み拝見ということになるわけですが、
もしも海江田が経産省の役人から羽交い絞めに合っているのだとすれば、物事はいっこうに進まないでしょう。
古賀:
海江田大臣には頑張っていただきたいのですが、
おそらく経産省が保安院の切り離しについて、キッパリ宣言しないのは、
なるべく高く売りたいという思惑があるのだと思うんです。
さすがにこれだけの問題があって、引き続き今までの体制でやるというのは国民から考えて許されないですから、
最終的には分離の覚悟はできていると思います。
ただ、経産省官僚が考えているのは、それで終わりだということです。
それ以上踏み込ませないためには、
最初に保安院分離というカード切ってしまうと、
世間が「それだけで本当に良いのか」という風潮になったときに、
本当に困った問題に突っ込まれると経産省の解体になりかねない。
ですから、そうならないようにするために、ギリギリまで粘って
最後の最後についに保安院を分離し、「よく決断した!」という論調に世間が傾くようにしたいのです。
長谷川:
官僚は「防御ラインをどこに引くか」という発想が常にあって、
最初のうちは出来るだけ本丸から遠いところに防御ラインを引く。
そして、危険が身近に迫ってくると、最終的に本丸の手前で落としどころを見つけるということですね。
そうすると本丸はそのまま守られることになる。
古賀:
保安院のもともとの成り立ちについて説明しましょう。
以前、日本中に鉱山があった頃、
経産省に鉱山を保安監督するという組織があったのですが、次第に鉱山がなくなり組織存続の危機に瀕していました。
一方で、その頃原発が拡大化してきたので、合併した、それがいまの保安院のルーツです。
リストラすべき人もそこで救われたんです。
そのように保安院は、経産省から見るとそれほど花形の部署というわけではないんです。
ですから、そこは切られても仕方ないとは、早い段階で考えていたと思うのです。
しかし、それ以上侵食されたら大変だと考えているでしょう。
(以下次回へ続く)
長谷川 幸洋
山本七平賞受賞作『日本国の正体 政治家・官僚・メディア---本当の権力者は誰か』
(講談社刊、税込み1,365円)
発売中
amazonはこちらをご覧ください。
講談社
以下転記します
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現代ビジネス 経済の死角
2011年07月21日(木)
古賀茂明(経産省キャリア)×長谷川幸洋(ジャーナリスト)
「経産省は電力会社に天下り役員の退職を要請せよ」
退職勧奨を受けた改革派官僚を直撃VOL.2
vol.1 はこちらをご覧ください。
長谷川:
菅首相は、公債発行特例法案と再生エネルギー特別措置法案、第2次補正予算案の3つを成立させると言ってます。
最近は、菅首相は「原発派」であるかのように振る舞っています。
しかし、現状の再生エネ法案では、自然エネルギーは広がらないと思いますよ。
というのも、現状の法案では、自然エネルギーを買う価格や機関は経産相が、つまり政府が決めることになっている。
この法案がいかに社会主義的かを象徴しています。古賀さんはどのように思っていますか
古賀:
再生可能エネルギーの普及を後押しするための法案なので、
何らかの形で政府が市場に関与することは、本来の目的からすると自然だと思います。
ただ、長谷川さんがおっしゃたように、
経産相が定める機関、あるいは価格で買い取りますとあるのですが、「全量買い取る」とは書いていないんですよ。
一般的には「全量買取法案」と言われているのですが、
たとえば太陽光の全量買取となると、太陽光発電は、家庭にも普及しているので、
家庭の太陽光の電力もすべて買い取るということになるので、かなり面倒です。
案の定、条文を見たら、「全量買取」と明記されていなかったので、本当に全量が買い取られるのか不安ですね。
それが出来ないとなると、「看板に偽りあり」ですから。
では、なぜ「全量買取」だけがクローズアップされ、この事実が広く報道されていないのでしょうか。
実は、会見で記者に説明するときに、条文全体は長くて分厚くなってしまうので、
概要のみが書かれた紙を配布するんです。
その概要には書いていないのですが、
条文では「電力の安定供給に支障が出る場合には買取をやめられる」という意の条項がついています。
電力会社は、「風力発電光や太陽光のシェアが増えると、天候によって発電量が大きく変化する。
それが送電ネットワークに負荷を与えて、安定供給に支障が出る」と常々主張しています。
つまり、もし風力や太陽光の競争力が増してきたら
「変動が大きくて安定供給が危ない」とばかりに恣意的にカットすることができる条項だと読めるわけです。
長谷川:
発電方式や買取価格を明らかにすることで、買う側が電力会社を選択できるのが一番良い。
「原発は危険だから、多少コストが高くても太陽光を応援しよう」といったようにね。
そうなれば、太陽光発電で競争が起き、技術革新も盛んになるでしょう。
風力や地熱も太陽光に負けじと頑張るようになるかもしれません。おのずとマーケットが収斂されていくわけです。
その出来上がりの姿を想像すると、経産相が機関と価格をまず決めるというのは、頷けない。
その裏側には、官僚の思惑や既得権益がついてきてしまう。
何がなんでも東電を守りたい
古賀:
非常に好意的にみれば、これは過渡的な措置だと考えることもできます。
むしろ、過渡的なものとして扱わなければならないと思いますね。
いずれにしても、何らかの形で、原発はものすごく優遇されて、有利な条件で整備されてきた。
実際は立ち上がりの時期から今日まで補助金漬けで出来上がっているんです。
そのような意味では、再生可能エネルギーも何らかの形で政府の後押しが入るのは悪いことではないと思いますが、最終的にはマーケットにゆだねられていかないといけません。その道筋がこの法律には用意されていないんです。本当は、段階的にシフトしていけるような仕組みを入れておくべきでしょう。
長谷川:
出来上がりの電力供給市場をどうやって整備していくのかがまったく見えないですよね。
電力供給市場を整備する話と東電の処理は表裏一体。
先日、東電の株主総会ありましたが、東電存続の姿勢は変わりません。何が何でも東電を守りたいということですね。
古賀:
現状の原子力損害賠償支援機構法案(以下、賠償機構法案)は、様々な意味で最悪の選択だと私は思っています。
東電という企業から見ても、先が見えない。
永久に塩漬けの会社になるという前提なので、東電で働いている人にとっても暗く、将来のない案になっている。
もちろん、東電は賠償を払わなくてはいけません。
どう考えても、賠償はもちろん、原子力を安定化させるだけでもものすごく費用がかかりますよね。
廃炉にするコストだってかかります。
すべて合わせて10兆、いや数十兆円かかるかもしれない。そ
れが本当に国民負担ゼロで払うなんて無理だと国民も分かっている。だけど、民主党政権はそれを認めない。
長谷川:
海江田経産相も認めていないですね。
古賀:
まずはそれを認めるところから始めないといけません。
私は以前、「不人気政策をきちんとやることが責任政治家だ」と財務省官僚に言われたことがあるのです。
菅首相は消費税増税の時だけは、不人気政策をきちんと言いましたが、
東電問題については国民に不人気なことは一切言いませんよね。
金額が分からないからハッキリしたことは言えませんが、
国民の皆さんに何らかの形で負担してもらわざると得ないと説明することから始めないといけません。
電力会社から天下り経営者を追放せよ
長谷川:
今までの政府の説明は、国民負担を極小化するために最善の努力を払うということでした。
「東電は、資産売却やリストラもやるし、国がチェックしていく」と海江田大臣も言っていましたが、
そんな言葉を信じる国民はもはやいないでしょう。
虚構の話をするのはもうやめろということですね。
古賀:
もう一つ、大事なことを経産省は忘れています。
今回の問題は技術の問題だけではありません。人と組織の問題なんです。
事故が起きたことやその後の対応を巡り、政府も信用できないし、東電も信用できないと国民は皆思ってるでしょう。
それなのに、東電を塩漬けにして、政府の有り方も同じままで、
「心を入れ替えて頑張ります。信じてください」と言われたって、信用できませんよね。
今まで原発を推進してきたのは自民党と官僚。
その仕組みで失敗したわけです。
ですから民主党政権は、正直に
「とんでもない間違いを犯してしまった。だからケジメをつけたい」とまず言わなくてはいけない。
「どうせ経産省も電力会社も癒着しているのでしょ」と国民は思っているのですから。
癒着の一つの象徴が天下りです。
だから、電力会社に天下りしている役職員については、経産相が直接各社長に退職させるよう要請しないといけません。
また、保安院の幹部や経産省の幹部で原発に携わっていた人たちは、
現在のポジションから引かせ、若手を抜擢して改革する体制を作るべきでしょう。
保安院の幹部や経産省の幹部といったって、もともと原発の素人だったわけですから人員を変えても問題ありませんよ。
大臣が人事改革を実行すれば、
大臣は官僚や電力会社と一体ではなく、
官僚と政治の間には仕切りや緊張感があり大臣が官僚をコントロールしてると国民も実感できると思うんです。
経産省の「最終防衛ライン」
長谷川:
保安院は経産省から分離すると言われていますが、私は少し疑っています。
保安院の切り離しは事故直後から指摘されていましたが、ようやく認めたのはIAEAの報告の中でなんですよ。
本来なら、政府の組織改革に関わるような政策方針の変更は、
まず国内で記者会見を開いて、大臣や総理が会見して発表するべきなんです。
つまり、IAEAをさすがにだませないし、もっともらしい改革をやっているフリをしないといけないから、
事後的に「保安院切り離し」を唱えたと考えることができます。
少なくとも経産省は切り離しに対して反対姿勢だということは明らかですよ。
内閣改造で、細野豪志氏が原発担当相になりましたが、海江田さんは依然として経産相のまま。
原発対応のために、たとえば細野大臣が自分の方針を決めて動かさそうとしても、
海江田は法律の改革や政令については自分がやると言っている。
つまり、経産相が所管する法律や予算は一切、細野氏には触らせないといっているわけですよ。
海江田大臣がもし改革派に立つならば、お手並み拝見ということになるわけですが、
もしも海江田が経産省の役人から羽交い絞めに合っているのだとすれば、物事はいっこうに進まないでしょう。
古賀:
海江田大臣には頑張っていただきたいのですが、
おそらく経産省が保安院の切り離しについて、キッパリ宣言しないのは、
なるべく高く売りたいという思惑があるのだと思うんです。
さすがにこれだけの問題があって、引き続き今までの体制でやるというのは国民から考えて許されないですから、
最終的には分離の覚悟はできていると思います。
ただ、経産省官僚が考えているのは、それで終わりだということです。
それ以上踏み込ませないためには、
最初に保安院分離というカード切ってしまうと、
世間が「それだけで本当に良いのか」という風潮になったときに、
本当に困った問題に突っ込まれると経産省の解体になりかねない。
ですから、そうならないようにするために、ギリギリまで粘って
最後の最後についに保安院を分離し、「よく決断した!」という論調に世間が傾くようにしたいのです。
長谷川:
官僚は「防御ラインをどこに引くか」という発想が常にあって、
最初のうちは出来るだけ本丸から遠いところに防御ラインを引く。
そして、危険が身近に迫ってくると、最終的に本丸の手前で落としどころを見つけるということですね。
そうすると本丸はそのまま守られることになる。
古賀:
保安院のもともとの成り立ちについて説明しましょう。
以前、日本中に鉱山があった頃、
経産省に鉱山を保安監督するという組織があったのですが、次第に鉱山がなくなり組織存続の危機に瀕していました。
一方で、その頃原発が拡大化してきたので、合併した、それがいまの保安院のルーツです。
リストラすべき人もそこで救われたんです。
そのように保安院は、経産省から見るとそれほど花形の部署というわけではないんです。
ですから、そこは切られても仕方ないとは、早い段階で考えていたと思うのです。
しかし、それ以上侵食されたら大変だと考えているでしょう。
(以下次回へ続く)
長谷川 幸洋
山本七平賞受賞作『日本国の正体 政治家・官僚・メディア---本当の権力者は誰か』
(講談社刊、税込み1,365円)
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