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08.01
Mon
事故から20年経って増え始めた大人のがん
甲状腺がん、白血病
長期にわたる低線量被ばくの影響についてです




残念ながら上のYoutubeは見られなくなっていました。
動画はここにもあります ニコ動 ↓
http://www.nicovideo.jp/watch/sm14030811


大地に撒かれた放射性物質は様々な形で人体に取り込まれ
20年後の今、新たな健康被害を引き起こしていると考えられています


ベラルーシのブレスト州です
チェルノブイリから400㎞離れたこの地で、体調の異変を訴える人が急増しています
広島の甲状腺専門医 武市宣雄さんです
事故後繰り返し現地を訪れ診察を行ってきました
今回が10回目の訪問です

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武市さんは数年前から中年女性の甲状腺がんが目立って増えてきたと実感しています

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武市宣雄医師:
これは間違いないですね。癌ですね

20年後


甲状腺組織の顕微鏡画像です
青く突き出ている部分が腫瘍です

武市宣雄医師:
癌がですね、1,2、3・・

3日間で検査した54人のうち武市さんは7人を甲状腺がんと診断しました

武市宣雄医師:
7人おられます

・7人。これは多いですね


武市さんが現地で診療を始めたのは事故の5年後
子どもに甲状腺の異常が増えていると聞いたからです

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診察してみると、広島、長崎の被爆者ではほとんど見られなかった小児甲状腺がんが次々と見つかりました


事故から10年後には
小児甲状腺がんは事故前のおよそ100倍に急増
IAEAも被ばくが原因だと認めました

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事故から20年、小児甲状腺がんはほとんど見られなくなりました

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かわって、大人の甲状腺がんが急増しているのです

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子どもに甲状腺がんを引き起こしたのは、原発から放出された放射性ヨウ素です
原発の北にあるベラルーシは風向きの影響で国土のほぼ全域が汚染されました

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ヨウ素は数カ月にわたって放射線を発し、200万人が被ばくしました

さらに大地にまき散らされた放射性ヨウ素は農作物や牛乳などを介して人の体に取り込まれました
体内から被ばくすることから内部被曝と呼ばれます

子どもの甲状腺は成長に必要なホルモンを出すため
大量のヨウ素を吸収しようとします

甲状腺に蓄積された放射性ヨウ素が癌を発症させたと考えられています

武市さんは吸収した放射線の量が少なかった大人も
被爆から20年経った今になって、次々とがんを発症している可能性があると考えています

事故の後毎日畑に出たうえ、畑でとれた農作物を食べていたというスベトラーナ・ワデイコさん
この日の検診で甲状腺がんと診断されました

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スベトラーナ・ワベイコさん:
わたしには事故の影響はないと思っていました。その後も健康でしたから。
でも、そんな事は無かったのですね。私も犠牲者になってしまいました

IAEAの報告書は被ばくによる大人の甲状腺がんの増加を認めていません
増加は検査技術の向上によって発見が増えているからだとしています

現地に15年通い続けている武市さんは
起きている事実を直視するべきだと考えています

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武市宣雄医師:
大丈夫ですよという報告が出るのは
ある意味じゃ、そんなにひどいものじゃないという安心感を与えるつもりかも知れません
しかし実際に起こっている事が本当に、癌の人が、被ばく者、
汚染の軽い人に比べたら多いのだったら、それを出してもらわないと
早く見つけて早く治療してあげればその子ども達は長生きできるんですよ
という事も言わないといけませんよね

チェルノブイリ原発から放出された40種類の放射性物質の中には
今も放射線を出し続けている物質があります
汚染が続く地域では低い線量でも長期にわたる被ばくが
新たな健康被害を起こしている可能性があることが指摘されています

チェルノブイリから130㎞、ベラルーシ南部のゴメリ州に被ばく者の専門病院があります


放射線医学人間環境センター
ここで最近、白血病の患者が増えています
2年前、白血病患者のベットを事故前の2倍、70に増やしましたが
空きの無い状態が続いています

レオニード・ブラフコさん36歳。去年5月急性白血病と診断されました
副作用の強い抗がん剤治療を続けています
事故の時16歳だったブラフコさんは
重大な事故だと言う情報が無く、毎日屋外でサッカーをしていました

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事故後も同じ町に住み続け、結婚して子どもをもうけました

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去年突然、体に痣のようなものがいくつも現れ、高熱に襲われました

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レオニード・ブラフコさん:
去年までは普通に生活をしていました
放射線の事は気にしたことありませんでした
なのに、ある日突然病気に襲われ、悪くなる一方です

大地を汚染し続けるのは、チェルノブイリから放出された放射線物質の一つセシウムです
300年にわたって放射線を出し続けます
濃い紫色のところは大量のセシウムで汚染され立ち入りが禁止されています

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しかし、それ以外のほとんどの地域では人の居住は制限されていません
ブラフコさんが住んでいたのもこうした地域でした

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ゴメリ州カリンコビッチ
ブラフコさんはセシウムによる低線量の被ばくが続くこの地で
事故後19年間暮らし続けました
いまも、妻のナターシャさんが息子と暮らしています

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夫のブラフコさんからの電話です

もしもし

おれだけど
元気?

私は大丈夫よ あなたは?



国はこの街が今も汚染されていることを認めていますが
住民には特に説明していません
去年5月、夫婦で撮った写真です

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この翌日診察を受けたブラフコさんはそのまま入院しました

事故から19年
突然の発病でした

ナターシャ・ブラフコさん:
ただ信じられないと言う思いでした
先生に「何かの間違いじゃない?こんな事ありえない!」と言いました
先生はしばらく何も答えてくれませんでした
そして、「私にも分からない事が起きている」と言ったんです

ブラフコさんは病状が悪化し無菌室に隔離されました
医師が撮影した映像です

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熱は連日39度を超えていました

これまで、ブラフコさんのような低い線量の被ばくと癌や白血病との因果関係は認められてきませんでした

しかし最近、
低線量でも長い間被ばくすると白血病や癌を引き起こす可能性があるという研究が
相次いで発表されています

その一つ、国連の国際がん研究機関の論文です
「低線量被ばくとがんのリスク」
長期にわたって低線量を被ばくしている世界15カ国60万人の原発労働者を調査したところ
癌や白血病で亡くなった人のうち1%から2%が被ばくが原因だった可能性がある事が明らかにされました

論文を発表した国際がん研究機関のエリザベス・カーディス博士です

たとえ発病するリスクが小さくても
数100万人に及ぶ住民が今も長期にわたって被ばくしている実態は見過ごせないと主張しています

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エリザベス・カーディス博士:
チェルノブイリで被ばくした人達は、事故後ずっと放射線を浴び、それが今も続いています
被ばくしている人の数も膨大です
低い線量であっても白血病やがんを発症する危険性を無視してはいけません

しかしこの主張は去年9月のIAEAの報告書には盛り込まれませんでした

「この程度の被ばくで白血病が増加している証拠をつかむのは到底無理だ」としています


ベラルーシでは今も多くの国民が汚染地でとれた農作物や家畜を食べ続けています
これまでベラルーシ政府は汚染された土や家屋を除去するなど
多い年には国家予算の2割を費やして対策を行ってきました


先月当選を果たしたルカシェンコ大統領は汚染地の再利用に動きだしています。
放射のを恐れ、人が住まなくなったゴメリ州の農地に新しい住宅を建てました。

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人々に、帰ってきて農業を再開するよう呼びかけています。

ルカシェンコ大統領:
事故を忘れるのはよい事です。
代わりに私達が覚えておきますから。
政府は国民に恐怖を植え付けすぎたのです。

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事故から20年低い線量による長期被ばくの影響が解明されていない中、
ベラルーシ政府の汚染政策が転換し始めています。

ミンスク

20年に及ぶ低線量長期被ばくでもう一つ懸念されている事があります。
生まれてくる子どもへの遺伝的影響です。

広島大学名誉教授の佐藤幸男医師は
遺伝的影響の調査のため、ベラルーシをこれまで50回以上も尋ねています。
広島では、被ばくによる遺伝的影響は確認されていません。
しかし佐藤さんは広島とは違う長期にわたる被ばくの影響を心配しています。

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佐藤幸男医師 広島大学名誉教授
広島のデータとは非常に参考にはなりますけど、
決してオールマイティーじゃないですから。
ご存じのように被ばくの形も様相も違いますから。
広島の考えを即こちらに持ち込んで、その通りでやらなければいけないという目で見るのは間違いだろうと思います。

佐藤さんはベラルーシで40年にわたって遺伝の研究を行っている
ゲンナジー・ラジューク博士と共同調査を行ってきました。

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二人はこれまで、低線量を被ばくし続けている住民の染色体を調べてきました。
異常が見つかった血液の細胞の染色体です。

矢印の染色体が崩れ
別の染色体にくっついています

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染色体の異常が精子や卵子の生殖細胞で起きれば、
子どもに先天的な病気が現れる可能性があります。

汚染の続くゴメリと、汚染のほとんどないミンスクで
事故後生まれた子供に染色体の異常がどの程度見つかるか、その頻度を比べました。
この調査ではゴメリで生まれた子供に染色体の異常が見つかる頻度は、ミンスクの子どもの10倍に上ったのです。








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