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08.10
Wed
・「原爆」と「原発の事故」の違い

8月9日火曜日 
京都大学原子炉実験所小出裕章助教に聞く
Radio News「たねまきジャーナル」
MBSラジオ [MBS1179.com]








続きを読むに内容書き出しました



今日は長崎で66回目の原爆の日を迎えています
「原爆」と「原発の事故」とはそもそも科学的に言うとどう違うのか
メカニズムを教えてください
原爆というのはむき出しの原子炉だと思っていただけばいい
核分裂をした時に強烈な放射線が飛び出してきて
その時に核分裂生成物というのが出来ます
原爆というのは核分裂をした時の強烈な放射線がまず降り注ぎますし
その時にできた核分裂生成物という放射性物質があと後までも影響を及ぼすという形になります
原子力発電所の場合は
核分裂自身は原子炉の中で起きている訳で
強烈な放射線はほとんどがエネルギーという形に変換されて
電気になる。あるいは海を温めるという形になっているわけです
ただ、できた放射性物質、ま、核分裂生成物という放射性物質自身は
原爆でできるものと同じもので
それが今回の事故のような事になると大量に噴き出してきて
環境を汚すという事になります

いまおっしゃった、核分裂してできる放射性物質というのは、
核兵器としての原爆の時には、「死の灰」という言葉がありますが、それのことですか?
それのことです
ただし、原爆の場合には核分裂した直後に全てがその場から放出されるのです


つまり一瞬のうちに、この死の灰も含めて全部外に放出されるんですね
そうです
ですから短い寿命の放射性物質も全てがその場で放出されてくると、
ただし、原子力発電の場合には、核分裂してできた放射性物質
核分裂生成物のうち、短い寿命の放射性物質は原子炉の中にある間に
ある程度無くなってくれているわけですね
ですから、ある程度寿命の長い放射性物質だけが事故の時に噴き出してくるという形になります

ということは、寿命の短いヨウ素というようなものは
原発では一部しか出ないけれども、
核兵器の原爆の時には全部一瞬にして出てしまうという事でよろしいですか?
そのとおりです

:先生、原子力工学という意味から言うと
今のお話しだと、強烈なエネルギーを、1か所に、原子炉の中に閉じ込めると言う技術がですね、
原爆よりも一見難しく思われるんですけれども
それはどうなんでしょう。技術的には。
もちろん難しいんです
ただ、その、強烈な放射線と私は言葉にしましたけれども
アルファ線、ベータ線、ガンマ線、あるいは中性子線という形でそれが噴き出してくる訳ですが
それが原子炉の炉心と呼ばれている部分で、
アルファ線やベータ線は簡単にエネルギーに変換されますし
ベータ線(ガンマ線?)もかなりの部分がエネルギーに変換され
中性子線はそれもそれなりに変換しながら周辺の物を放射化させるという形になってしまうのです
それらをすべて制御しながらやっていくというのが原子力発電です

すみません、エネルギーに転換というのは
何が、何になることなんですか?
放射線というものはですね、
エネルギーのかたまりと思っていただけばいいと私は思います

エネルギーの塊というのは見えない物の事を言っているんですか?
本来は、
たとえばアルファ線というのはヘリウムの原子核ですし、
ベータ線は電子ですから、
言ってみれば物なんですね。

見えないけど物なんですか?
はい。そうです
電子というのは私達が電気製品を使う時の電流として流れているものであって
決して、無色透明ですとか、何にも形のないものではないのですけれども
それはこの世界にある限り簡単にエネルギーに姿が変わってしまうという
そういうものなんです
それが、原爆の時には爆発した時に噴き出してくる訳ですけれども

それはたとえば、原爆の被害にあわれた方から「熱線」という言葉を聞きますけれども
すさまじい熱線が来たと、
この熱線が今おっしゃったエネルギーに変換されたものですか?
そうです
熱線と爆風にほとんどのものは変換されています

熱線と爆風になってエネルギーが放出されるという事ですね
はい

じゃ、原発の場合は
その発生した熱を使って水を沸騰させて
出てきた蒸気でタービンを回すというのが原子力発電です

それで電気が起こるんですか
はい
タービンに発電機が繋がっていて
タービンが動くと発電機が動いて電気が起きるというそういう仕組みになっています

だからそれを原子炉の中で制御してやっていれば
エネルギーのいい使い方が出来ると言う事なんですね
基本的にはそうです

エネルギーの大きさは核兵器の原爆と比べてどうなんですか
広島の原爆の場合はウランが800グラム燃えました
大量の放射線と熱線と爆風がまずはおきて、
核分裂生成物という物質が周辺を汚染して、また、人々を被ばくさせました
原子力発電所の場合には、今日だったら百万キロワットというのが標準になっていますが
その場合には一年間に3キログラムのウランを核分裂させます
つまり、広島原爆4発分のウランを毎日毎日核分裂させながら
電気を起こして海を温めて、そして
できた死の灰は原子炉の中に溜まっていていくという
そういう機械が原子力発電所なのです

じゃぁ、原発の方がエネルギーがもっともっと、でっかい訳ですか!?
遥かに大きいです

:今回の福島の事故でよくつかわれている比較されている
広島原発の20発分とか、
先生は当初もっと大きい単位の事をおっしゃった気がするんですけれど
これは、今まで分かっているデータでは、たとえば何発分という言い方が近いんですかね
多分100発を超えていると思います

えっ、すみませんもう一度言って下さい
広島の、広島に落とされた原爆のエネルギーの100発分のエネルギーという事ですか
死の灰ということですか?
そうではありません
広島原爆がばらまいた核分裂生成物、その中の代表的な核分裂生成物、
その中の代表的な核分裂生成物はセシウム137というものですけど
広島原爆がばらまいたセシウム137の100発分を超えるセシウム137を
福島第一原子力発電所の事故ですでに環境にばらまいたという事です

えーっ!100発分のセシウムが、もうすでにばらまかれているんですか
中身、まだ格納容器の中身に
ちがいます
大気中にばらまかれました
そして今12万トンの汚染水として、多分それを超えるものが汚染水の中に存在しています


そんなに多い量なんですか?
もちろんです
福島第一原子力発電所は第1は46万キロワット
第2第3は78万キロワット
3基合わせると200万キロワット分あるのです
100万キロワットの原子力発電所は、先程聞いていただきましたように
1日3キログラムのウランをん燃やします
つまり、1年間に約1トンのウランを燃やしているんですね
広島原爆は800グラム800グラムですから、ゆうに1000発分を超えます
それが200万キロワット分あるのですから
1年間に2000発を超える核分裂生成物を生み出しています
そして原子炉というのは一度動き出すと約3年経たないと燃料を取り出しませんので
平均すれば約2年分ぐらいは原子炉の中に溜まっているはずです
ですから、1号機、2号機、3号機を合わせれば
広島原爆4000発分に相当するくらいの核分裂生成物が炉心の中にあったのです
そのうちわずか100発とか200発、300発と私は言っているのですから
まだまだ、大量の放射能は閉じ込められた形で残っています

4000発のうちの100発
大雑把な言い方をするとそういう事ですね
そうだろうと私は思います

これが100発の単位が上がって言って全部・・
後10倍はある訳です

それが出ていく恐れというのはあるのですか?
もちろんそれがない事を願っていますけれども
私はまだ、完全に「それがない」と断言できない状況に私はいます
東京電力も今現、在炉心を冷やそうと作業員の方が大量の被ばくをされながら作業しているという事は
その破局的な被害を防ごうとしているからです

完全に「ない」と言うにはどうしたらいいんですか?
原子炉をこれ以上溶かさない事です

はぁ~、これ以上原子炉が溶けたらこれから、10倍ものものが出てくる恐れはないとは言えないという事ですね
はい。私自身はそう思っていますので何とか作業員の方に頑張って欲しいと願いますし
多分東京電力もそうしようと思っていると思います

またいろんなお話を聞かせて下さい
ありがとうございました



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