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・注意するべき放射性生成物は?
・除染する対象になる地域について
・福島県川内村の村長さんの「帰還宣言」について
・ヒマワリ除染の効果について

9月15日木曜日 
京都大学原子炉実験所小出裕章助教に聞く
Radio News「たねまきジャーナル」
MBSラジオ [MBS1179.com]






<参考>

除染対象、福島全土の7分の1 専門家が最大値試算

朝日新聞  2011年9月15日5時48分

東京電力福島第一原発事故に伴い、放射性物質の除染対象になる可能性のある地域は、
最大で福島県全体の7分の1に当たる約2千平方キロに及ぶことが専門家の試算で分かった。
除染土壌の体積は東京ドーム80杯分に相当する1億立方メートルに上る計算だ。
中間貯蔵施設の規模と建設費に影響することから、
政府は今後、除染地域の絞り込みや技術開発などによる大幅な減量化を迫られそうだ。

森口祐一東京大教授(環境システム工学)が試算した。
森口教授は、除染の考え方や手順などを盛り込んだ除染基準をまとめるために
環境省が14日に初会合を開いた有識者による「環境回復検討会」のメンバー。

森口教授によると、
年間の追加被曝(ひばく)線量を1ミリシーベルト以下に抑える目安として、
毎時1マイクロシーベルト以上の分布域を、
6月下旬に測定された空間線量のマップから抜き出した。
警戒区域と計画的避難区域計1100平方キロを含む約2千平方キロにのぼった。
その全体を、セシウムをほぼ除去できるとされる深さ約5センチまではぎ取ると、体積は約1億立方メートルになる。

原発敷地内で生じた使用済みの作業服や金属類などの最終処分場である
低レベル放射性廃棄物埋設センター(青森県六ケ所村)と同じ構造の中間貯蔵施設を造ると仮定すると、
センターの建設費は20万立方メートル分で約1600億円なので、
この試算をそのままあてはめれば建設費は500倍の約80兆円になる

ただ、試算では土地の用途は考慮していない。
対象面積の約6~7割を占める森林で人家から遠い山間部や、市街地の舗装路などを除けば、
数千万立方メートル程度に抑えることも可能とみられる。

森口教授は
「実際にすべてを除去することはないだろうが、除染の大変さと、そのしわ寄せをだれが負担するのかを考える参考にしてほしい」と話す。
試算結果は環境省の職員も参加した勉強会で報告されたという。

環境省などは土壌の量を減らすため、
除染対象を人家に近い地域や農地などを中心に絞り込んだり、はぎ取る深さを工夫したり、
放射性物質を土壌から分離する技術開発などを急ぐことにしている。

環境省はこうした数字も念頭に、
除染する範囲とそれによって生じる土壌の量などの試算値を検討会に示し、議論のたたき台とする方針。
8月に成立した特別措置法の施行に合わせて、
来年1月から除染を本格的に始めるため、11月中には除染基準の原案を固める。(森治文)



年度内に全村民帰還…川内村長、年内にも宣言

(2011年9月13日21時41分 読売新聞)

福島県川内村の遠藤雄幸(ゆうこう)村長は13日、
緊急時避難準備区域の解除に向けた復旧計画案を明らかにした。

来年2月から村民の帰還を始め、
年度内に全村民の帰還を目指すとする「帰還宣言」を年内にも行う。
準備区域に指定された5市町村で、復旧計画の具体的内容が示されるのは初めて。

復旧計画案は、
〈1〉警戒区域を除き、小中学校など村内を除染し、全800世帯の放射線量を測定
〈2〉村内の被ばく線量を年間1ミリ・シーベルト以内とし、安全が確認されたら村長が帰還宣言をする――などが柱。

また、立ち入りが禁止されている警戒区域内の約160世帯のため、準備区域内に新たに仮設住宅などを設ける。

政府は、除染やインフラ復旧などの計画を全5市町村が策定した段階で、避難準備区域を解除する方針。




ヒマワリ除染、効果ありませんでした…
(2011年9月15日09時09分 読売新聞)

福島第一原発の放射能漏れ事故を受けて土壌汚染の除去実験を行っていた農林水産省は14日、
放射性セシウムを吸収するとされていたヒマワリには「ほとんど効果がない」との実験結果を発表した。

表土を削り取る手法には効果があったものの、大量に発生する汚染土をどう処分するか、課題が残る形だ。

実験は今年5月から福島県飯舘村などの農地計約70アールで、
〈1〉表土を削り取る
〈2〉水でかくはんし、流す
〈3〉表土と地中の土壌を入れ替える
〈4〉ヒマワリなど植物に吸収させる――の4種で実施した。

このうち、最も効果が薄かったのが〈4〉で、
5月に種をまき、8月に開花したヒマワリの場合、
土壌1平方メートル当たり約107万ベクレル含まれていた放射性セシウムのうち、
吸収できたのは約2000分の1の520ベクレルにとどまった。

一方、表土の削り取りでは、
地表から深さ約4センチまで除去した場合、同セシウムの地表の濃度は25%に低下。
牧草などが生えている場合は表土3センチを削ると濃度が3%にまで低下した。
表土と地中の土を入れ替えた場合は、全体量は減らせないものの、地表の同セシウム濃度は低減できた。





7月6日水曜日 「たねまきジャーナル」
ヒマワリでは除染できないことをこの日のたねまきジャーナルで小出先生はおっしゃっています
下記、その日の書き出しより一部抜粋


水野:
私は菜の花やヒマワリで土壌改良がどんどん進むのだとばかり思っていました

小出;
みなさんそう思っているのだと思いますけど
結局菜の花プロジェクトも私はダメだと思うし
ヒマワリを植えたところでダメですし
ヒマワリを植えて種を食べるなんて事はもちろんしてはダメです

水野:
その種をもう一回植えたらまた、その土壌は汚染されますか?

小出:
もちろんです
放射能自身はどんなことをやってもなくなりませんので
何処かに移動するという事はありますけれども決してなくなりませんし
菜の花を植えたら結局菜の花が放射能のゴミになります


続きを読むに番組の内容書き出しました




今日は毎日新聞論絶委員の近藤さんとお伺いします
まずはリスナーの質問からお伺いしてまいります
京都府の方「放射性生成物のことが理解できるようになってきました。理解していくほどに不思議なのですが
放射性生成物の中には様々な核種が存在しているはずなのに、問題になるのはいつもセシウム134、137
ヨウ素131、時々メディアによってストロンチウム90だけです。
他の放射性生成物は何故問題にされないんでしょうか?この疑問がどうしてもわかりません。
子どもを抱える身としてはいろんな事を事故防衛していくしかないと思っているのですが」
という質問なんですが、
はい
ウランが核分裂反応を起こすとおよそ200種類位の、核分裂生成物という放射性核種が生まれます

200種類・・
はい。
でそのうち、ご指摘くださったように、今問題になっているのはセシウム134と137
そして、事故の当初はヨウ素という放射能が問題になっていました
何故それらの放射性核種だけがことさら問題にされるかというと
原子炉の事故の時に環境にとても逃げてきやすいというそういう性質を持っているからです
セシウムやヨウ素より、もっと逃げてきやすい放射性物質も実はありまして
それは、希ガスと呼ばれている一群の放射性核種です
キセノンとかクリプトンとか言われる希ガスと私達が呼んでいる一群の放射性核種があるのですが
それは完全にガス体であるために、
原子炉の中に入っていたほとんど全量が事故の時に環境に出てきてしまい
ですから、事故の当初は希ガスが問題になった時期があったはずなのですが
希ガスというのは完全なガス体でして、
仮に人間が呼吸で吸い込んでも、身体の中にはたまらないですぐにまた出て行ってしまう
風に乗って流れてきても地面に沈着する事も無いという、そういう性質を持っていますので
事故の本当の当初だけしか問題になりませんし
危険性があまり大きなものでもありません
そういう事があって事故の当初に問題になるのは希ガスを除けばヨウ素であるし
その後、長期間にわたって汚染を広げ
食べ物を通して被ばくをさせるというのはセシウムが一番重要になるということです


じゃぁ、割と広い範囲に広がってしまっていて
これから人体に影響があると思われるものが、このセシウムなんですね
そうです。
他にストロンチウムという放射性物質もありますし、
プルトニウムという放射性物質もありますけれども
環境に出てきた量で言えば圧倒的にセシウムが多いので
基本的に皆さんはセシウムという放射性物質に注意を払って欲しいと思います


このセシウムをはじめとする放射性物質なんですけれども
今、放射線としてはガンマ線が、強い放射線ということで問題になっているというふうによく聞くんですけれど
もっと弱いベータ線とかアルファ線とか、そういったものというのも
これから問題になっていく可能性というのはあるんですか?
セシウムという放射性核種、134も137もそうですが
もともとベータ線を出します
その上でガンマ線も出すのです
アルファ線とかベータ線というのは、まぁチョットした・・・
アルファ線の場合には紙があれば、もうそれを突き抜けることができませんし、
ベータ線も、ちょっとした・・その、そうですね、ノートでもいいし机でもいいし
なんでも、何かがあるとそれを突き抜けてくるという事はありませんので
外部からの被ばくという意味で考えるならガンマ線だけが問題。です
ただし、ベータ線を出すあるいはアルファ線を出す放射性物質は、
身体の中に取り込んでしまいますと、その放射線が体の中に全部エネルギーを落とします
ので
むしろ危険が大きいということになりますので、注意の仕方が違います。


なるほど。
それでは、今日のニュースに関する質問にいきたいと思うのですけれども
放射性物質を除染する対象になる可能性のある地域
つまり、毎時1μシーベルト以上の放射線が観測されている地域が福島県全体の7分の1の面積になる
およそ、2000平方㎞におよぶことが専門家の試算、試みによる研究でわかったと
新聞等で伝えられておりますけれども
この面積について小出先生はどのように受け止められましたか?
それは、でも、あまりにも高すぎます
毎時1μシーベルトという事を許してしまうとですね
1年間に8ミリシーベルト、あるいは9ミリシーベルトになってしまいます
それは、いわゆる一般の人々に対する国が定めた線量限度の
ほぼ、ひと桁も高いようなものになってしまいますので
どうしてそんな基準でいいのか、まず、それを問わなければいけません。

それぐらい高い地域を考えてもですね、
その区域全体の土をセシウムをほぼ除去できると言われる深さ5センチまではぎ取ったとしたとして、
その体積は東京ドーム80杯分の、およそ1億立方メートルになるという事なんですけれども
もし、これだけ大量の土をはぎ取ったとして、処分する施設を建設するという話しは
現実性があるんでしょうか
私はないと思います?

んーーー、で、専門家は中間貯蔵施設というものを作るとして
その施設についてはコンクリート容器に汚染された土を入れて、
浅い土の中に埋める方式などがあるとしているんですけれども、
これまで放射性廃棄物をこんなやり方で貯蔵した例というのはあるんでしょうか?
いろんな事を考えてきまして、
コンクリート製の容器、ま、プールのようなものの中に入れてしまうという案ももちろんありましたし
今回の場合にはそういう事も取らざる得ないかもしれないと思います

近藤:
先生、あの、中間貯蔵施設そのものなんですけれども
政府はこれはあくまで福島県内に、あくまで中間で作るんだけれども
作った後に県外で最終処分という、まぁ、そういう風な言い方をしているんですけれども
現実には・・なんか、沖縄の普天間を連想してしまうんですけれども
そのあたり、こう、政府の説明って言うんですか
地元の人達に与える心理的なもの
先生はどう見ていらっしゃいますか?
近藤さんが今おっしゃったとおりだと私も思います
仮に中間貯蔵施設というものを福島県内に作ってしまえば2度とそこから動かないと
覚悟する以外にありません

そういった所からですね、環境省などは除染の範囲を減らして人家に近い所や農地などに絞り込んで
森林の部分は除染しない。という事を考えたりして、
出てくる土の量を減らしたいというふうに思っているようなんですが
こうなると広大な立ち入り禁止区域の中の除染した入ることが出来る部分が
砂漠のオアシスのように点在するというようなことがイメージされるんですが
それで、実際問題生活はできるんでしょうか?
大変難しいだろうと私は思います
生きていくためには、様々な施設がいるわけですし、お店も必要だし、医療機関も必要だと思うし
浄水も供給されなければいけない、下水の修理もされなければいけない
そういう事を考えると、なかなか、砂漠の中のオアシスという形では
生活自身が成り立たないでしょうから
やはり、ある汚染の範囲はそこのところは当面諦めるという風になるだろうと私は思います

そんな状況の中、地元は早く帰りたいという意思を示しているのか
福島県川内村の村長さん
来年3月までにすべての村民を村に返すことを目指すという
帰還宣言」というものを年内にも行うというニュースが伝わってきているのですが
警戒区域を除いてそんないを除染して、
村内の被ばく線量を年間1ミリシーベルト以下として、安全が確認されたら帰還宣言をするという事なんですが
除染の現実を考えるとこのスケジュールは成立するんでしょうか?
・・・大変言いにくいんですけれども、できないと思います。

やはり、短期間でそういった形のことをするというのは難しいという事ですね?
はい。
先程聞いていただいたように全部を除染するという事はまずできませんし、
砂漠の中のオアシス、取り残すことのような形での帰還というのは多分、
インフラが整わないという意味で、できないだろうと私は思います
みなさんがお帰りになりたいというお気持ちはよくわかりますけれども
難しいだろうと私は思いますし、
むしろ国の方で積極的に別の土地で生きられるような策を
次々と作っていくという事をやった方がいいだろうと私は思います

一つ除染の有効な手立てだと思われていたヒマワリの除染については
残念ながらほとんど効果がなかったという事が今日報道されていますけれども
それはもう初めから、
私はこの番組でも申し上げたと思いますが
まずはほとんど効果がありません。

やはり、土をはがしていくというのが一番効果があると
日頃から先生がおっしゃっていることでなければ難しいようですね
そうです。



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