勇気ある果樹園。店頭に「ベクレル表示」

「梨の安全」店頭でアピール
asahi.com2011年09月27日

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「梨(幸水)のセシウム値26ベクレル」と書いたボードを店頭に立てかけて梨を販売する安斎一寿さん
=福島市町庭坂のあんざい果樹園


 ●放射線量、研究所で測定し表示/福島の果樹園経営・安斎さん

「今日も朝からお客さんは3人だけでさっぱりだめだ。梨でも食ってくかい?」。
安斎一寿さん(62)はそういって笑った。
福島市中心部から車で約20分のフルーツライン。観光農園が並ぶ道路沿いに「あんざい果樹園」はある。

桃に続き、9月上旬には梨が最盛期を迎えたが、原発事故の影響で、客足は減少している。

そんな中、安斎さんは自園の梨のいくつかをサンプルとして選んで放射線量を測った上で、
「梨(幸水)のセシウム値26ベクレル」――と紙に書いて段ボールに貼り、店頭に置いた

検査結果を知らせようと思い立ったきっかけは8月。
市内で開かれたイベントに桃の直売ブースを出店したが、
主催者が放射線量を調べ、お客さんに安全をアピールしていた。

県が検査したところ、福島の桃は何の問題もなかったが、
県の安全宣言くらいでは消費者は納得しないのかと思った。
県のサンプルの取り方はまだまだキメが粗く、
自分の果樹園の放射線量を知り、お客さんに伝えなければとも思った

8月末、「幸水」、「二十世紀」のサンプルをとり、
客観性を確保するため、研究所など2カ所で測定してもらった
どれも国の基準値(1キロあたり500ベクレル)を大幅に下回っていた。

検査結果は、段ボールに張り出した。
が、「ほとんどのお客さんは福島産を応援するお年寄りで、数値は気にしてねえなあ」。
安斎さんは苦笑する。

約1.5ヘクタールの果樹園で桃、梨、リンゴを40年以上育ててきた3代目だ。
9月上旬にシーズンを迎える梨狩りのお客さんはこの秋、10組だけで、
客数、売り上げともに、10分の1に減った。
後継ぎとして一緒に働いていた次男夫婦は5歳と2歳の子どもへの放射能の影響を心配し、
北海道へ移住してしまった。

「家族がバラバラになってしまった。
補償金はいらねえから、政府と東電は放射能を取り除いてもらいてえなあ」と口にした。(小川智)


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このニュースを見て、安斎さんがものすごくかっこよく見えた
かっこいいなんて言葉はいけないのかな。
ご家族はバラバラになり、その心の内を察すれば、見付ける言葉がありません

だけど、「セシウム26ベクレル」と段ボールに大きく書いて
その前に胸を張って立つ安斎さんはやはり、かっこいい。素敵な人だ。

そして、
今まで真面目に、こんなにおいしそうな梨を丹精込めて作っていらした
このような方がたの人生を一瞬にして壊してしまった原子力発電というもの

事故に対してさしたる反省も見せずに黒塗りの書類などを平気で出す東電
何が恐いのか、増税ばかり考えていて、本当に国民を救おうとしない政府

改めて強い怒りの気持ちと
絶望に近いむなしさを感じた




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コメント

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こういう農家を応援しましょう

私も福島の農家から梨を買いました。
農協の検査はスポット的でとても安心できないので、自腹を切って専門の会社に放射線測定をしてもらったそうです。
数字を公表し、納得のいく消費者に買ってもらっている、「梨買います」と電話が入るととてもうれしいと話してくれました。
友人にも宣伝したら、果物好きな人たちがすぐ買ってくれました。
誠実な農家をつぶさないように支えましょう。

26ベクレル

ゼロでない数値を示されても自分で判断できない人、これに迎合して直ちに被害はありませんと公的に発表する人、こういったあなた任せの安心感願望が蔓延する日本を一笑に付すようなスカっとした話でした。
みんな困るだろうから節電を、兵隊さんは頑張っているんだからモンペを穿く、そうした日本の愛すべき文化を福島の農家の方が打破してくれるでしょう