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09.27
Tue
【基地の街3.11】

異例の長期洋上修理
asahi.com2011年09月27日


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佐世保港に入港する原子力空母ジョージ・ワシントン=4月5日、本社ヘリから

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3月15日
横須賀港に停泊中の原子力空母ジョージ・ワシントン(GW)に積まれた放射線量計から、アラームが響いた。
低レベルの放射性物質が検出されたのだ。

福島第一原発では12日に1号機で、14日には3号機で水素爆発が起きていた。
米海軍は検出された放射性物質を、GWからではなく原発からの放出と判断した。
原発から基地までは約280キロ

こんなところまで放射性物質が飛んで来た」という情報は、軍人から家族や友人を通じて基地内を駆け巡った。

米国政府は日本にいる米国人の自主的な出国を手配し、
17日未明には、ルース駐日米大使が
米国民に福島原発から半径50マイル(約80キロ)圏内からの退避勧告を出した。

4月上旬までに軍人の家族ら7800人以上がチャーター機や民間機で次々と出国。
横須賀基地からも少なくとも1300人が国外に避難した。

3月21日には
基地に残る米兵の家族らに、甲状腺の被曝(ひばく)を防ぐ安定ヨウ素剤の配布が始まった。
「現状では必要ないが、万が一の際に病気を予防するためだ。指示があるまで服用してはいけない」と条件をつけ、
基地内の体育館で希望者に配布したという。

そしてこの日の午後、まだ修理中のGWが横須賀港を出た。
米海軍広報によると、通常3週間かかる出港準備を6日で終えたという。
修理を担当する米国人技術者466人を乗せたまま港を出て、日本近海の太平洋上で、修理を続けた。

海軍広報は「定期修理は港でやらねばならないとは限らないと証明した」と評価したが、異例づくしの航海。
GWは途中で長崎県の佐世保港に寄りつつ約1カ月間にわたり洋上修理を続け、
「福島の状況が劇的に変化した」として、4月20日に横須賀に戻ってきた。

その間、米軍が自衛隊と共に東北の被災者を支援した「トモダチ作戦」に、
米海軍から艦船22隻と航空機150機、人員約1万9千人が参加した。
横須賀を母港とする第7艦隊の旗艦ブルーリッジや、ミサイル駆逐艦ジョン・S・マケインなども活躍。
太平洋上を韓国に向けて航行していた原子力空母ロナルド・レーガンも駆けつけた。

GWの横須賀出港の理由について、
米海軍制服組トップのゲリー・ラフヘッド作戦部長(当時)は米通信社ブルームバーグのインタビューに答え、
「船上で発生した放射能漏れの兆候と誤解され、確認作業や放射能除去が必要となるためだ」と説明した。
しかし、公式には「日本への支援を継続させるための予防的な措置」
「日本を襲った災害の複雑さのため」としか発表していない。

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