・国民の年間被ばく許容量を1~20ミリシーベルトにゆるめることについて
・前原大臣のエネルギー政策見直しの座長に元経産大臣・日立製作所出身の大畠章宏とする人事に関して
10月5日水曜日
京都大学原子炉実験所小出裕章助教に聞く
Radio News「たねまきジャーナル」
MBSラジオ [MBS1179.com]
<参考>
東日本大震災:
福島第1原発事故 復旧期、被ばく年1~20ミリシーベルト許容
毎日新聞 2011年10月6日 東京朝刊
◇国際委勧告適用へ
国内の被ばく線量基準を検討する文部科学省の放射線審議会(会長・丹羽太貫京都大名誉教授)の基本部会は、
東京電力福島第1原発事故を受け、一般住民の年間被ばく線量の限度について、
原発事故などからの復旧期は、年1~20ミリシーベルトの間に設定することを許容する考え方を
提言する方針であることが明らかになった。
平常時の一般住民の限度は、国の告示などで年1ミリシーベルトと定められている。6日に開く部会で議論する。
国際放射線防護委員会(ICRP)は、
原発事故などの緊急時は年20~100ミリシーベルトの被ばくに抑えることを目指し、
緊急事態からの復旧期は、「現存被ばく状況」と位置づけ、
地域住民の健康などを考慮して年1~20ミリシーベルトの間のできるだけ低い値を目指すべきだと勧告している。
同部会は、放射性物質の汚染が広がる現段階では、
年1ミリシーベルトを目指すと必ずしも経済性や社会的側面から合理的な対応が取れない可能性があるため、
ICRPが示す「現存被ばく状況(年1~20ミリシーベルト)」の国内制度への適用を検討することにした。
内閣府原子力安全委員会は7月、
原発事故で政府が出した避難指示の解除に向け、ICRPの勧告に従い、
住民などの年間被ばく量を1~20ミリシーベルトの範囲で決めることを暫定的に認めていた。
基本部会は、緊急時が収束した後も長期間汚染が続く現状を受け、
年1ミリシーベルトを長期的な目標に据えつつ、当面の目標(参考レベル)を設定することについても議論する。
その際、子どもや妊婦ら放射線の影響を受けやすい人については、特別な配慮を求めるとみられる。
ICRPは「参考レベルは安全と危険の境界を表すものではなく、
1~20ミリシーベルトの低い値を選ぶべきだ」との考え方を示している。【久野華代】
民主 調査会など設け議論へ
NHK 10月5日 6時41分 動画あり
民主党は、政策調査会に合わせて11の調査会やプロジェクトチームを設置することを決め、
原子力を含めた今後のエネルギー政策や
TPP=環太平洋パートナーシップ協定の交渉への参加の是非などについて、意見集約を進めることにしています。
民主党は、野田政権の発足に伴い、
政策調査会に設けていた調査会やプロジェクトチームをいったん廃止し、
個別に議論するテーマの検討を行いました。
その結果、「憲法調査会」や「経済財政・社会調査会」、それに「成長戦略プロジェクトチーム」など、
合わせて11の調査会やプロジェクトチームを設置することを決めました。
このうち、「エネルギープロジェクトチーム」では、
大畠前国土交通大臣を座長に
原子力を含めた今後のエネルギー政策について議論することにしています。
また「経済連携プロジェクトチーム」では、鉢呂前経済産業大臣を座長に
TPP=環太平洋パートナーシップ協定の交渉への参加の是非を検討することにしています。
前原政策調査会長が、
この2つのプロジェクトチームの座長に閣僚経験者のベテラン議員を起用する背景には、
党内で意見が分かれる重要政策について、円滑に意見集約を進めたいというねらいがあるものとみられます。
続きを読むに
番組の内容書き出しました
水野:
まずですね、私達一般の住民が一年間にどれだけの被ばくをしてもいいと国が定めているかという
この数字についてのニュースからはじめて行きたいと思います。
被ばく線量の基準を検討している、国の放射線審議会基本部会というところがございます
ここがですね、一般の住民の被ばく線量の限度の数値を変えようとしてiるらしい、そんなお話しが出てきました。
これは、小出先生が何時もおっしゃる一般の住民は年間1ミリシーベルトまででしたよね
小出:そうです
水野:
そうですね。被ばく線量の限界は年間1ミリシーベルト以下でしたよね。
ところがこの審査部会は年間1ミリシーベルトにするのは当面困難だと判断しまして
で、どうしするかと言いますと、
20ミリシーベルトから1ミリシーベルトの間で限度を緩和した、ゆるめた。
中間目標の設定を認める提言を近くする方針だという話が伝わってきました。
まずは小出さんの感想を聞かせて下さい。
小出:
(ため息)まずは呆れました
ただし、今現在福島を中心として1ミリシーベルトを守ろうとすれば
膨大な土地を放棄しなければもう出来ないという現実は確かにあります。
ですから、その現実の中で、もうどうしようもないからと言って、
国の方は国民に被ばくを強制するという方針にうって出たという事ですね。
水野:
小出さんは広大な土地を捨てなければいけない位の被ばくであるという事は
事故直後からずっとおっしゃってきました。
ただ、年間1ミリシーベルトを守るというのが国の定めなんだから
「これを無視するのは法治国家ではない」とおっしゃっておりましたよね
小出:
論理的な帰結で言えばそういうしかないと思ってました
水野:
その「法を守ることが出来ない」から
じゃぁ今度は「法を変えちゃえ」という事ですよね。簡単に言うと。
小出:
そうですね。それが法治国家という国のやる事なのかどうか、私にはよく分かりませんが
ずいぶん身勝手な国だなと思います。
水野:
これは具体的にどのような目標数値になってくるか、いろいろあると思いますが、
たとえばこの一番大きな20ミリシーベルトというものを年間の限度に定めたとしましょう。
どういうことになるんですか?
小出:
私は放射線に被曝した時にどれだけのリスクがあるかということの評価に関して
米国のゴフマンさんという方の評価を信頼しています。
そのゴフマンさんの評価によると
1ミリシーベルトという現在の国の基準を1万人の人が被ばくすると、そのうち4人が癌で死ぬという。
水野:
1ミリシーベルトの基準を1万人の人が被ばくすると、そのうち4人が癌で死ぬ
小出:
もし、20ミリシーベルトまで許すとすれば80人が癌で死ぬということになります。
水野:
数値で言うとそういう数字になるんですね。
小出:
そして、0歳の赤ん坊は平均的な人間に比べて4倍危険がありますので、
この0歳の赤ん坊が20ミリシーベルトの被ばくをさせられてしまうと、
1万人のうち320人の赤ん坊がやがて癌で死ぬという事になります。
水野:
この数字をどのようにとらえるか、でしょうけれど、
小出先生はどのようにとらえますか?
小出:
わたしは、少なくとも子どもというものは現在の原子力を選んだ責任はありませんし、
事故が起きて膨大な汚染が起きたことに関しても責任が無いのですから、
何としても子どもを守らなければならないと思いますし、
1万人に320人もの子供を癌死させるという事は、
私は容認しがたいです。
水野:
近藤さん、この、こうした話が出てきた
つまり法律の方を変えようという、このやり方ですよね。
近藤:
んー、だから、この問題は
科学というレベルよりも政治の世界の話なんじゃないですかね
つまり、1年間に20ミリシーベルトまで我慢させるっていう・・・
これは要するに政治の世界で、そういうふうに、もともと法律ですから決めていく訳ですから
今出ている動きも科学者云々を超えたところで何か事が動いているという
水野:
でも、政治って、国民の安全、国民を守るのが政治じゃないんですか?
近藤:全くそうですね。
水野:逆ちゃいますのん?これ、やってることが。
近藤:だから、おかしいわけですよ・・
水野:これが、政治的なんですね。
近藤:んー・・・そうですね、あの・・
水野:
わたしはね、素人考えですけど
非常にこれは経済的な問題でもあるのではないかと疑うんです。
というのは、これ、除染を今どれだけの地域にするかというのが、非常に大きな問題だと思うんです。
当初5ミリシーベルト以上のところを除染するという話しが出て、
福島県知事も各自治体も非常に反発しましたよね。
そうすると、細野原発大臣は
「いやいや、1ミリシーベルト以上のところの除染も国の責任でしましょう」という形になったと思うんですが、
そうした論議がふっ飛ぶ恐れはないでしょうか?
小出先生いかがですか?
小出:
そうですね。全体が多分吹っ飛んでしまうと思います。
もう、除染もしなくてもいいと言いだす可能性すらありますね。
水野:
もし、全部1ミリシーベルト以内にっていうとものすごく多額な費用がいりますでしょうから。
小出:
そうですし、私は除染というものは初めから出来ないと言ってきましたし、
おそらく福島県のかなりのところは、どんなに除染をやろうと、
1ミリシーベルトという事は出来ないだろうと思います
近藤:
だから、この原発に関しては僕は政治と経済の線引きというものはかなり難しいと思うんですよ
つまり、それは、いわば一体化したもので
だから国策と言っているわけですから
今、除染の問題も含めて、同時に起きている動きっていうのは
原発をいかに依存。依存っていうよりも、守っていくかという方向に傾いていますよね
水野:政府がですね
近藤:ええ、これも含めて政治の動きとしてとらえた方が、分かりやすいって言いますかね。
水野:
分かりやすいですね
分かりやすいですけど、それが国民にとって一体どういう事につながるかというと、
先程小出先生がおっしゃったみたいに、
やはり将来の子どもたちのリスクが非常に大きくなると。
もう、ここが、確実に言える事なんですか?小出さん。
小出:そうです。
水野:(ため息)
近藤:
あの先生、プルトニウムが検出されたというニュースの時にね
ようするに、そんなものは色々な核実験が起きていて、
それで、その位の微量は世界中にあるんだから、そんなことどうのこうのって、言ってたんですかね
小出:はい。言っていました。
近藤:
言っていましたよね。
あれも要するに、ひどい理屈ですよ。
小出:
そうです。
大気圏外核実験でプルトニウムが大量にばらまかれたのは本当ですけれども、
それによって、世界中で多分癌の発生率が増えたはずだと思います。
ですから、それに何がしの上乗せをするのであれば、
それでまた、癌の発生率の上乗せ分が発生してしまいますので、
かつてあったから、今回も問題はないという事の理屈は通用しません。
水野:・・・私は、この、1ミリシーベルトという数字を見なおすというのは、ものすごくショックなんですけど・・
小出:
そうですよね。
日本という国が日本に住む人たちに対す手はこれだけのリスクしか与えないとして決めたものなんですよね。
それを、ま・・原子力を進めてきて事故を起こしてしまえば
その事故を起こしたことに責任のあったはずの国家が、
もう、法律を変えてしまうと。今言っている訳で、
本当に私たち国民一人ひとりがこんなことを許してもいいのか
あるいは、こんなことを生んでしまった原子力をこのまま見逃すのか。という、そういう事だと私は思います。
水野:
民主党の動きでひとつお伝えしますとね、
民主党が今後、原発をどう考えていくのか、その大きなカギを握るであろう人事が一つありまして、
これ、民主党って、前原さんが政調会長で、
この人が「うん」と言わないと、政策が前に進まないように野田さんが作られたそうですけれども、
前原さんがある人事を行いました。
政策委員会であるプロジェクトチームを置いて、
そこでエネルギー政策の見直し作業をやるらしいんですが、
そのプロジェクトチームの座長が大畠さんという方でですね、
この方は、元、経済産業大臣でもいらした方。
もともと日立製作所出身で、原発プラントの設計にもかかわっていた方で、
非常に原発推進派と言われている方だそうです。
ご存知です?
小出:はい。
水野:
その方がエネルギー政策の見直し作業を民主党で率いていかれるという人事なんですよ。
これは、どういうふうに小出先生からは見られますか?
小出:
前原さんはもともと原発推進でしたので、
前原さんの意向で民主党全体を原発推進の方向に持って行くという事ですね。
・・・私は前原さんのような考え方は間違っていると思っていますし、
彼は確か、松下政経塾だったと思いますが「幸之助さんが泣いているだろうな」とおもいます。
水野:う~ん・・・民主党のエネルギー政策のこれからをひとつ占うような人事でありますよね。
小出:そうですね
ーーーーーーーー
今日の内容はとてもショックでした。
小出先生も水野さんも近藤さんも
ため息が多くて、重たい雰囲気でした。
・前原大臣のエネルギー政策見直しの座長に元経産大臣・日立製作所出身の大畠章宏とする人事に関して
10月5日水曜日
京都大学原子炉実験所小出裕章助教に聞く
Radio News「たねまきジャーナル」
MBSラジオ [MBS1179.com]
<参考>
東日本大震災:
福島第1原発事故 復旧期、被ばく年1~20ミリシーベルト許容
毎日新聞 2011年10月6日 東京朝刊
◇国際委勧告適用へ
国内の被ばく線量基準を検討する文部科学省の放射線審議会(会長・丹羽太貫京都大名誉教授)の基本部会は、
東京電力福島第1原発事故を受け、一般住民の年間被ばく線量の限度について、
原発事故などからの復旧期は、年1~20ミリシーベルトの間に設定することを許容する考え方を
提言する方針であることが明らかになった。
平常時の一般住民の限度は、国の告示などで年1ミリシーベルトと定められている。6日に開く部会で議論する。
国際放射線防護委員会(ICRP)は、
原発事故などの緊急時は年20~100ミリシーベルトの被ばくに抑えることを目指し、
緊急事態からの復旧期は、「現存被ばく状況」と位置づけ、
地域住民の健康などを考慮して年1~20ミリシーベルトの間のできるだけ低い値を目指すべきだと勧告している。
同部会は、放射性物質の汚染が広がる現段階では、
年1ミリシーベルトを目指すと必ずしも経済性や社会的側面から合理的な対応が取れない可能性があるため、
ICRPが示す「現存被ばく状況(年1~20ミリシーベルト)」の国内制度への適用を検討することにした。
内閣府原子力安全委員会は7月、
原発事故で政府が出した避難指示の解除に向け、ICRPの勧告に従い、
住民などの年間被ばく量を1~20ミリシーベルトの範囲で決めることを暫定的に認めていた。
基本部会は、緊急時が収束した後も長期間汚染が続く現状を受け、
年1ミリシーベルトを長期的な目標に据えつつ、当面の目標(参考レベル)を設定することについても議論する。
その際、子どもや妊婦ら放射線の影響を受けやすい人については、特別な配慮を求めるとみられる。
ICRPは「参考レベルは安全と危険の境界を表すものではなく、
1~20ミリシーベルトの低い値を選ぶべきだ」との考え方を示している。【久野華代】
民主 調査会など設け議論へ
NHK 10月5日 6時41分 動画あり
民主党は、政策調査会に合わせて11の調査会やプロジェクトチームを設置することを決め、
原子力を含めた今後のエネルギー政策や
TPP=環太平洋パートナーシップ協定の交渉への参加の是非などについて、意見集約を進めることにしています。
民主党は、野田政権の発足に伴い、
政策調査会に設けていた調査会やプロジェクトチームをいったん廃止し、
個別に議論するテーマの検討を行いました。
その結果、「憲法調査会」や「経済財政・社会調査会」、それに「成長戦略プロジェクトチーム」など、
合わせて11の調査会やプロジェクトチームを設置することを決めました。
このうち、「エネルギープロジェクトチーム」では、
大畠前国土交通大臣を座長に
原子力を含めた今後のエネルギー政策について議論することにしています。
また「経済連携プロジェクトチーム」では、鉢呂前経済産業大臣を座長に
TPP=環太平洋パートナーシップ協定の交渉への参加の是非を検討することにしています。
前原政策調査会長が、
この2つのプロジェクトチームの座長に閣僚経験者のベテラン議員を起用する背景には、
党内で意見が分かれる重要政策について、円滑に意見集約を進めたいというねらいがあるものとみられます。
続きを読むに

水野:
まずですね、私達一般の住民が一年間にどれだけの被ばくをしてもいいと国が定めているかという
この数字についてのニュースからはじめて行きたいと思います。
被ばく線量の基準を検討している、国の放射線審議会基本部会というところがございます
ここがですね、一般の住民の被ばく線量の限度の数値を変えようとしてiるらしい、そんなお話しが出てきました。
これは、小出先生が何時もおっしゃる一般の住民は年間1ミリシーベルトまででしたよね
小出:そうです
水野:
そうですね。被ばく線量の限界は年間1ミリシーベルト以下でしたよね。
ところがこの審査部会は年間1ミリシーベルトにするのは当面困難だと判断しまして
で、どうしするかと言いますと、
20ミリシーベルトから1ミリシーベルトの間で限度を緩和した、ゆるめた。
中間目標の設定を認める提言を近くする方針だという話が伝わってきました。
まずは小出さんの感想を聞かせて下さい。
小出:
(ため息)まずは呆れました
ただし、今現在福島を中心として1ミリシーベルトを守ろうとすれば
膨大な土地を放棄しなければもう出来ないという現実は確かにあります。
ですから、その現実の中で、もうどうしようもないからと言って、
国の方は国民に被ばくを強制するという方針にうって出たという事ですね。
水野:
小出さんは広大な土地を捨てなければいけない位の被ばくであるという事は
事故直後からずっとおっしゃってきました。
ただ、年間1ミリシーベルトを守るというのが国の定めなんだから
「これを無視するのは法治国家ではない」とおっしゃっておりましたよね
小出:
論理的な帰結で言えばそういうしかないと思ってました
水野:
その「法を守ることが出来ない」から
じゃぁ今度は「法を変えちゃえ」という事ですよね。簡単に言うと。
小出:
そうですね。それが法治国家という国のやる事なのかどうか、私にはよく分かりませんが
ずいぶん身勝手な国だなと思います。
水野:
これは具体的にどのような目標数値になってくるか、いろいろあると思いますが、
たとえばこの一番大きな20ミリシーベルトというものを年間の限度に定めたとしましょう。
どういうことになるんですか?
小出:
私は放射線に被曝した時にどれだけのリスクがあるかということの評価に関して
米国のゴフマンさんという方の評価を信頼しています。
そのゴフマンさんの評価によると
1ミリシーベルトという現在の国の基準を1万人の人が被ばくすると、そのうち4人が癌で死ぬという。
水野:
1ミリシーベルトの基準を1万人の人が被ばくすると、そのうち4人が癌で死ぬ
小出:
もし、20ミリシーベルトまで許すとすれば80人が癌で死ぬということになります。
水野:
数値で言うとそういう数字になるんですね。
小出:
そして、0歳の赤ん坊は平均的な人間に比べて4倍危険がありますので、
この0歳の赤ん坊が20ミリシーベルトの被ばくをさせられてしまうと、
1万人のうち320人の赤ん坊がやがて癌で死ぬという事になります。
水野:
この数字をどのようにとらえるか、でしょうけれど、
小出先生はどのようにとらえますか?
小出:
わたしは、少なくとも子どもというものは現在の原子力を選んだ責任はありませんし、
事故が起きて膨大な汚染が起きたことに関しても責任が無いのですから、
何としても子どもを守らなければならないと思いますし、
1万人に320人もの子供を癌死させるという事は、
私は容認しがたいです。
水野:
近藤さん、この、こうした話が出てきた
つまり法律の方を変えようという、このやり方ですよね。
近藤:
んー、だから、この問題は
科学というレベルよりも政治の世界の話なんじゃないですかね
つまり、1年間に20ミリシーベルトまで我慢させるっていう・・・
これは要するに政治の世界で、そういうふうに、もともと法律ですから決めていく訳ですから
今出ている動きも科学者云々を超えたところで何か事が動いているという
水野:
でも、政治って、国民の安全、国民を守るのが政治じゃないんですか?
近藤:全くそうですね。
水野:逆ちゃいますのん?これ、やってることが。
近藤:だから、おかしいわけですよ・・
水野:これが、政治的なんですね。
近藤:んー・・・そうですね、あの・・
水野:
わたしはね、素人考えですけど
非常にこれは経済的な問題でもあるのではないかと疑うんです。
というのは、これ、除染を今どれだけの地域にするかというのが、非常に大きな問題だと思うんです。
当初5ミリシーベルト以上のところを除染するという話しが出て、
福島県知事も各自治体も非常に反発しましたよね。
そうすると、細野原発大臣は
「いやいや、1ミリシーベルト以上のところの除染も国の責任でしましょう」という形になったと思うんですが、
そうした論議がふっ飛ぶ恐れはないでしょうか?
小出先生いかがですか?
小出:
そうですね。全体が多分吹っ飛んでしまうと思います。
もう、除染もしなくてもいいと言いだす可能性すらありますね。
水野:
もし、全部1ミリシーベルト以内にっていうとものすごく多額な費用がいりますでしょうから。
小出:
そうですし、私は除染というものは初めから出来ないと言ってきましたし、
おそらく福島県のかなりのところは、どんなに除染をやろうと、
1ミリシーベルトという事は出来ないだろうと思います
近藤:
だから、この原発に関しては僕は政治と経済の線引きというものはかなり難しいと思うんですよ
つまり、それは、いわば一体化したもので
だから国策と言っているわけですから
今、除染の問題も含めて、同時に起きている動きっていうのは
原発をいかに依存。依存っていうよりも、守っていくかという方向に傾いていますよね
水野:政府がですね
近藤:ええ、これも含めて政治の動きとしてとらえた方が、分かりやすいって言いますかね。
水野:
分かりやすいですね
分かりやすいですけど、それが国民にとって一体どういう事につながるかというと、
先程小出先生がおっしゃったみたいに、
やはり将来の子どもたちのリスクが非常に大きくなると。
もう、ここが、確実に言える事なんですか?小出さん。
小出:そうです。
水野:(ため息)
近藤:
あの先生、プルトニウムが検出されたというニュースの時にね
ようするに、そんなものは色々な核実験が起きていて、
それで、その位の微量は世界中にあるんだから、そんなことどうのこうのって、言ってたんですかね
小出:はい。言っていました。
近藤:
言っていましたよね。
あれも要するに、ひどい理屈ですよ。
小出:
そうです。
大気圏外核実験でプルトニウムが大量にばらまかれたのは本当ですけれども、
それによって、世界中で多分癌の発生率が増えたはずだと思います。
ですから、それに何がしの上乗せをするのであれば、
それでまた、癌の発生率の上乗せ分が発生してしまいますので、
かつてあったから、今回も問題はないという事の理屈は通用しません。
水野:・・・私は、この、1ミリシーベルトという数字を見なおすというのは、ものすごくショックなんですけど・・
小出:
そうですよね。
日本という国が日本に住む人たちに対す手はこれだけのリスクしか与えないとして決めたものなんですよね。
それを、ま・・原子力を進めてきて事故を起こしてしまえば
その事故を起こしたことに責任のあったはずの国家が、
もう、法律を変えてしまうと。今言っている訳で、
本当に私たち国民一人ひとりがこんなことを許してもいいのか
あるいは、こんなことを生んでしまった原子力をこのまま見逃すのか。という、そういう事だと私は思います。
水野:
民主党の動きでひとつお伝えしますとね、
民主党が今後、原発をどう考えていくのか、その大きなカギを握るであろう人事が一つありまして、
これ、民主党って、前原さんが政調会長で、
この人が「うん」と言わないと、政策が前に進まないように野田さんが作られたそうですけれども、
前原さんがある人事を行いました。
政策委員会であるプロジェクトチームを置いて、
そこでエネルギー政策の見直し作業をやるらしいんですが、
そのプロジェクトチームの座長が大畠さんという方でですね、
この方は、元、経済産業大臣でもいらした方。
もともと日立製作所出身で、原発プラントの設計にもかかわっていた方で、
非常に原発推進派と言われている方だそうです。
ご存知です?
小出:はい。
水野:
その方がエネルギー政策の見直し作業を民主党で率いていかれるという人事なんですよ。
これは、どういうふうに小出先生からは見られますか?
小出:
前原さんはもともと原発推進でしたので、
前原さんの意向で民主党全体を原発推進の方向に持って行くという事ですね。
・・・私は前原さんのような考え方は間違っていると思っていますし、
彼は確か、松下政経塾だったと思いますが「幸之助さんが泣いているだろうな」とおもいます。
水野:う~ん・・・民主党のエネルギー政策のこれからをひとつ占うような人事でありますよね。
小出:そうですね
ーーーーーーーー
今日の内容はとてもショックでした。
小出先生も水野さんも近藤さんも
ため息が多くて、重たい雰囲気でした。
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